2016年04月19日

◆ 物資を不公平に分配せよ

 救援物資がどんどん運ばれている。こうして運ばれた救援物資を配分するときは、公平に配分せず、不公平に配分するべきだ。

 ──

 救援物資を配分するときには、公平に配分してはならない。これは鉄則だ。
 なぜか? 公平に配分しようとすると、公平にできないときには配分そのものができなくなるからだ。……これが、東日本大震災のときの教訓だ。
311の物資面での教訓は主に2つ、
1.物資そのものは集まっても配送手段がない
2.公平な分配に固執し過ぎて各避難所の規模の把握を優先し、実際の分配に至れない

だったね、今は1.の段階で先に進めてないから、当然2.も改善されてないだろうね。
( → 【熊本地震】2ch.net
 いずれの場所でも、“行政の壁”を感じたとA子さんは話す。
 「100個の物資を持っていっても、その避難所に101人の人がいたら受け取ってもらえない。それは、ひとつのポテトチップスを3人で分け合っているような避難所でもそう。行政は公平が前提なんです」
( → NEWSポストセブン
 100人いる避難所に支援物資の食糧を配ったときのこと。たまたま手持ちに80個しかなかったら、係員から「全員に配れず不公平になるので、結構です」と断られた。
( → 東日本大震災のときの体験談(実話)
 自治体が基本単位となっている従来の災害支援の方法が うまく機能していないまま数ヶ月がたちました。大きな避難所でも、公平分配が大前提であるがゆえに支援物資が配れないような有様です。
( → 東日本大震災のときの民間ボランティアの声

 では、どうするべきか? 誰もがすぐに思いつくのが、「交換券」という券を作って、これを疑似通貨ふうに扱って、券と物資を交換する」…というものだ。これだと、各人のもつポイント(疑似的な金)に応じて、各人が好きなものを選ぶことができる。
 それを提案する人もいる。
  → 避難所にて物資が分配されていない問題
  → 「平等避難所・公平避難所選択ゲーム」

 これだと、うまく分配できるだろう。(市場原理ふう)
 私がいつも言っているように、「最適配分は市場原理だ」という主張に従うなら、上記の方法はベストだと思える。
 しかし、違う。ベストではない。

 ──

 上記の方法が成功するのは、「物資がほぼ足りていて、均衡状態が成立する」というような場合だ。しかし、そうでない場合(足りない場合)には、別の方法が必要だ。

 (1) 不足する場合

 物資が不足する場合には、必要度の高い人から順に取れるように、配給制にするべきだ。食料で言うなら、老人と子供と病人が優先であり、大人は後回しだ。
 他の物資も同様で、こ運休度の高い弱者が優先となる。ここでは「公平」なんてものは、くそくらえだ、となる。

 (2) 足りている場合

 足りている場合には、「勝手に好きなだけ取れ」という方法が手っ取り早い。
 ただし、ここでは、「一人が余分に独り占めしやすい」という問題が生じがちだ。これを避けるには、どうする? そこは、困ったときの Openブログ。名案がある。
 「広場の中央に人を集める。その周囲に、配給の場を設置する。それが 10個ぐらい。配給するときには、全部の物資について、同時に配給する」
 こうすると、どうなるか? あちこちにいっぱい列ができる。列ができるが、1人が並ぶことのでき列は、常に1つだ。(体は1つしかないから、同時に2つの列に並ぶことはできない。)
 こうして、各人は、自分にとって必要度の高い列に並ぶ。
  ・ 食い物が欲しい人は、まず食い物の列へ。
  ・ 衣服が欲しい人は、まず衣服の列へ。
  ・ 毛布が欲しい人は、まず毛布の列へ。
 ……というふうになる。こうして、おおむね、最適配分となる。
 なお、配分する個数は、あらかじめ明示しておくといいだろう。(いっぱい余りそうな物資については、後回しにできる。)

 また、列ができたあとで、列の順序を管理者が並べ変えるといいだろう。一般的には、子供や老人が前の方に来て、大人は後ろになる。一番いいのは、背の高さの順で並ばせることだ。これなら、簡単だ。

 一つの列でもらい終えたら、そのあとは別の列に並ぶことができる。こうして、各人は必要度の高い順に、いくつかの物資を得ることができる。ほしいものを入手して、ほしくないものは入手しない。自動的に最適配分となる。
 
 これはつまり、「チケット」のかわりに「時間」で交換する、という方式だ。時間という権利は誰もが同じだけの量を持つ。その時間と引き替えに、物資を配分するわけだ。
 これが Openブログの知恵だ。困ったときの Openブログ。
  


 [ 余談 ]
 (1) 「体力のある若い男子がいっぱい取ってしまう」という心配もありそうだ。だが、若い男子は自分でボランティアをする人が多いはずだから、一部の不心得者がいても、許して上げましょう。不心得者をなくすために、管理の手間をかけると、結果的には、全体が損をしてしまう。犯罪ではない程度の不公平さは、容認しよう。それが緊急時の知恵だ。
 この緊急時に DQN 男子のことなんか、気にかけていられないよね。
 
 (2) だいたい、「若い男子にボランティアをしてもらって嬉しい」という声があるのに、「若い男子がいっぱい取るのはけしからん」という声も出すのでは、ご都合主義過ぎる。
 文句があるなら、自分が配給ボランティアとして働くべきだ。そうすれば、分配の公平性も高まる。
 


 [ 付記 ]
 分配を工夫するだけでなく、避難所の人々を外部に移すこと(疎開させること)も大切するべきだろう。この件は、次項で示す。

 
posted by 管理人 at 19:42| Comment(6) |  地震・自然災害 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そのかわり大規模な暴動が起きるかもしれません。
いくら本人の選択だったとしても物資の分配に不均衡が生じれば不満が生じるでしょう。
平時なら「まあ自分が選んだことだし」と我慢できてもこういう先行きの不安や疲労でイライラしている状況ならそうもいかないのでは?
Posted by とおりがかり at 2016年04月19日 21:59
公平にほしくもないものをもらうよりは、ほしいものだけもらってほしくないものを棄権する方が、誰だって嬉しいでしょう。

どちらかというと、公平に分配する方が暴動が起きそうだ。
「俺はパンより、ご飯がいいんだよ。どうして両方を半分ずつに強制するんだ。ご飯だけにしたって、いいだろう。何でこんなに融通が利かないんだよ! おまえの頭が固すぎる。ポカッ」

「あたしのブラはFカップじゃないと駄目なのよ。どうして平等に Cカップのを配るのよ。好きなのを選ばせてよ!」

「どうしてミートソース・スパゲッティとカレーライスを半分ずつ寄越すんだよ。どちらか一つを選ばせろよ。見ろ、これ。半分ずつが混じって、食えたもんじゃないだろ。どうしてくれるんだよ」

「俺は解熱剤じゃなくて消毒薬が必要なんだよ。何だって全員一律にバンドエイドなんだ! そこに消毒薬があるんだから、使わせろよ。ふざけるな」

頭の固い人が公平に分配していたら、暴動は確実だな。
Posted by 管理人 at 2016年04月19日 22:17
あとね。本文にも書いてあるが、現状は、「公平に分配する」ではなくて、「公平に分配できないなら、何も分配しない」(物資受け付けもしない)です。

「不公平に分配する」の対義語は、「公平に分配する」ではなくて、「公平にできないから、何も分配しない」です。これが東日本大震災のときに問題になった。
Posted by 管理人 at 2016年04月19日 22:26
ところが、起きないのですよ。報道を信じる限り、東日本大震災で大規模な暴動が起きたというはなしはほとんど聞きませんでした。まさに「公平」な分配法を採用していたわけですが。
日本人の忍耐強さが話題になりましたが、どうも日本人は杓子定規な公平さを受け入れるようですよ。
行政にとって「物資が行き渡らない」ということと「大規模な暴動が起きた」ということ、どちらがダメージが大きいかといえば後者ではないですか。マスコミも前者については行政を袋叩きしそうですが、後者については批判するでしょうが「忍耐エピソード」という格好のネタを得るわけでとことん批判はしないと思いますね。
Posted by 通りがかり at 2016年04月19日 23:02
前のコメント、前者と後者があべこべです、失礼しました
Posted by 通りがかり at 2016年04月19日 23:05
暴動が起きないかわりに、死者がどんどん出ているようですね。

そこで、「死なないために暴動を起こせ」とけしかけておきました。
 → http://openblog.seesaa.net/article/436874521.html
Posted by 管理人 at 2016年04月19日 23:06
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