2016年04月13日

◆ トラック連結の規制緩和

 2台のトラックを連結するという規制緩和がなされるらしい。これは危険だ。高速道バス事故の教訓をすっかり忘れている。

 ──

 2台のトラックを連結するという規制緩和がなされるらしい。
 国土交通省は、今年夏にもトラックの全長規制を緩和する方針を固めた。
 荷台をつないだ長大なトレーラーが走行できるようになる。インターネット通販の拡大などで物流量が増え、運転手不足が深刻になっているため、1人の運転手で大型トラック2台分の量を運送できるようにする。カーブが少ない新東名高速道路で実験を行い、検証したうえで走りやすい他の高速道路などに対象を広げる方針だ。
 道路法に基づく車両制限令では、大型トレーラーなど特殊車両の全長は、大型トラック(積載量 10トン)約 1.5台分に当たる「最大 21メートル」に制限されている。「最大25メートル」に緩和し、荷台をつなげた大型トレーラーが走行できるようにする。例えば、20トン程度の荷物を運ぶ場合、現在は大型トラック2台が必要だが、荷台が連結できれば運転手1人で運ぶことができる。
( → 読売新聞 2016-04-13

 これがコストダウンになるというのは明らかであり、そこが目的だろう。
 また、新東名高速道路などの高速道路では、運転は容易だろうから、特に運転が危険だということもないだろう。そこまではいい。しかし、別の記事では、問題点が指摘されている。
 高速道路上で休憩ポイントとなるSAやPAには25メートルもの長大な車両が駐車できるスペースは想定されておらず、休憩時間を確保できないまま目的地に向かわなければならない羽目になりかねない。国交省が目指す長時間労働の改善方針とは逆に、現状以上の長時間労働につながる可能性も出てこよう。
 こうした課題が容易に想定されることからか、国交省でも実証実験には速やかに着手するものの、実運用をいつから開始するという想定はできておらず、「実証実験次第」ということになりそうだ。
( → 国交省、フルトレーラの全長25m緩和方針固める

 駐車スペースがなくて、駐車できず、休憩も取れない。もちろんトイレにも行けないし、食事も取れない。こんなことでは、途轍もなく疲労が溜まる。となると、事故の危険性は著しく高まる。
 ま、常識的に言って、2時間( 150km )ぐらいが限度だろう。これ以上の距離では、運転手の疲労が溜まって、危険性が増す。となると、事故が起こりかねな。……ちょうど、関越道のバス事故や、軽井沢のスキーバス事故のように。
 こういう大事故が話題になったばかりだというのに、懲りもせずに、運転手を疲労させて事故の危険性に導くというのだから、頭がイカレているとしか思えない。
 記事によると、「実証実験次第」ということだが、「実証実験次第」なんかで事故の危険性はわかるはずがない。疲労が高まって事故が起こるのは、毎度毎度ではなくて、10万回にいっぺんぐらいだ。仮に 5万回の実証実験をしても、疲労による事故はたぶん起こらないだろう。しかし、10万回にいっぺんあらば、100台のトラックが 1000回(500往復)走れば、事故が起こる。1年半にいっぺんぐらいは事故が起こることになる。それも、大型連結トレーラーの脱線事故となると、ものすごい惨事になりそうだ。玉突き事故みたいな感じで、莫大な死者が出るかもしれない。そして、それは、「たった一人の運転手の疲労」だけで起こりうるのだ。

 過去の高速道路のバス事故から、何も学んでいない、としか言いようがない。愚かすぎる。金に目が眩んで、危険性を見失う愚。
 例のスキーバス会社の経営者と同様だね。

( ※ スキーバス事故の件では、該当の会社は事業停止である。責任を取りもしない。 → 別項



 【 関連サイト 】
 
 → [箱根事故]トレーラーが橋から転落炎上した死亡事故の衝撃瞬間映像 ( YouTube )

 32秒ごろ …… トレーラーが高速で追い越し
 50秒ごろ …… トレーラーがガードレールを突き破った跡

 スキーバス事故と同様で、ブレーキが利かなくなって、高速で暴走したらしい。
  → 箱根のトレーラー事故について

 事故現場の写真と記事は下記。
  → 箱根でトレーラーが転落、化学物質1万6000リットルが流出か?



 【 追記 】
 近い将来、(高速道路の)自動運転車が実現したら、トラックは自動運転で高速道路を進むので、本項のような連結トラックは不要になる。
 自動運転を部分的に実現した「群れの自動運転」なら、もっと早く実現するだろう。これはつまり、「先頭車は人間が運転するが、後続の数台は、前の車に追従するだけの自動運転」というもの。一定の車間距離を保って、先行車に追従するだけだから、(特別な判断を必要としないので)実用化は容易だ。
 自動運転をめざす自動車会社は、まずは、このタイプのトラックを発売するといいだろう。
( ※ 乗用車の会社と、トラックの会社は、別々であるのが難だが、共同開発のような形で、何とかするべきだろう。乗用車とトラックを併売するベンツのような会社なら、実用化は早いかも。日本の会社は遅れてしまうか?) 

 ただし、国による技術開発で、実験走行は成功している。
  → NEDO:大型トラックの自動運転・隊列走行実験に成功

 
posted by 管理人 at 22:24| Comment(1) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 最後に 【 追記 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年04月14日 07:29
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