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記事を引用しよう。(先週の記事。)
《 トヨタ、米MSと合弁新社 自動運転へビッグデータ分析 》
トヨタ自動車は4日、米マイクロソフト(MS)と合弁で、車から集めるビッグデータを分析する会社を米国に設けたと発表した。車のIT化を担う人材を確保し、分析の結果は自動運転に生かす。2017年までに約40人の技術者を集め、ビッグデータの分析にあたる。
トヨタは、通信専用機を使って、利用者が渋滞や路面のきめ細かい情報を入手できる「つながるクルマ」を増やす方針。車の位置や速さ、道路の状態など膨大なデータをトヨタが収集分析。自動運転に欠かせない詳細な地図をつくったり、……
( → 朝日新聞 2016年4月4日 )
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なかなか良いことをやっているように見えるが、てんで駄目だ。なぜか? この件については、前に私も述べた。一部抜粋しよう。
- 自動運転車を、あらかじめ完成したものとして用意することは、できない。できないというより、無駄・非効率である。
- 自動運転車は、もともと未完成なものとして、最初は試行的なものとして提供するべきだ。
- まずは、幹線路で、多大な試行をして、安全性を確認した末に、商品として提供する。
- 幹線路以外では、(自動運転でなく)人間の運転で、自動運転車を走らせる。このことで、自動運転車のデータを採集する。(ここが重要!)
- こうして「人間が運転した自動運転車のデータ」を大量に取得したあとで、その路線を自動運転に委ねることにする。
たとえば、普通の細い道の住宅地では、自動運転車が走った例はまだない。そこで、人間の運転の下で、自動運転車が何度も道を走る。そうして人間の運転のデータをたくさん取得したあとで、自動運転車が自分で運転する。(学習するようなものだ。)
( → 自動運転車と AI[2016年01月09日] )
上記のように、自動運転車のためのデータが直接必要となる。それは、立体画像データだ。
記事では、「渋滞や路面のきめ細かい情報」「車の位置や速さ、道路の状態」というようなデータを収集するというが、こんなデータでは全然足りない。こんなデータをいくら集めても、自動運転はできない。自動運転に必要なのは、画像データだ。(それを機械本体のデータと照合する。)
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では、立体画像データは、どうやって入手するか? もちろん、ステレオカメラから入手する。では、ステレオカメラは、どうやって入手するか? 自動運転車でもない自動車に、ステレオカメラはあるのか?
ここで、うまい手がある。それは、「自動ブレーキのステレオカメラカメラを使う」という手だ。自動運転用のステレオカメラはなくとも、自動ブレーキ用のステレオカメラなら装着できる。何しろ、軽自動車(スズキ)でさえ、7万円台でステレオカメラ式の自動ブレーキが装着できるのだ。もはやステレオカメラ式の自動ブレーキは、今後は標準装備となるだろう。
とすれば、標準装備された自動ブレーキのためのステレオカメラのデータを、自動運転用に収集すればいいわけだ。データ量が多大になるのがちょっと難点に思えるが、Wi-Fi を使えばきわめて低コストで大量の通信もできるだろうから、これも難点というほどではない。
というわけで、どうせ自動運転用にデータを収集するなら、自動ブレーキのステレオカメラから立体画像データを収集すればいいわけだ。より詳しい話は、前出項目を参照。
→ 自動運転車と AI[2016年01月09日]
【 関連項目 】
→ 自動運転車とトロッコ問題

実現するとして、法律と現実との整合性をどうとってゆくのだろう?