2016年03月26日

◆ 北海道新幹線の光と陰

 北海道新幹線が開通して、世間は大喜び。しかし物事には両面がある。光の当たらないところに陰がある。それは、巨額の赤字だ。

 ──

 北海道新幹線が開通して、世間は大喜びだ。新聞記事も、喜ぶ人々の声をやたらと伝えている。
  → 北海道新幹線が開業…上下線で始発列車が発車 読売新聞
  → 列島、結ばれた…「東海道」から52年経て - 毎日新聞
  → 新幹線きょう開業 北海道の新たな地平開く | どうしん(社説)
  → 北海道新幹線開業 東京−新函館北斗は最短約4時間 - 日刊スポーツ
  → 北海道新幹線の開業で本当に喜ぶべきなのは……埼玉県民と判明
  → 道民の悲願ついに・「北海道新幹線」- YouTube
  → 一番列車が新函館北斗駅を出発 - YouTube

 いろいろと便利なことがあって、とても素晴らしいことだ、と思える。大喜びする人が多いのも、当然だろう。

 ──

 しかし、光の当たらないところには、陰もある。

 そもそも、利便性がほとんどない。
 札幌まで届くのは 30年度末だということだから、14年も先のことだ。函館まで行くだけでは、たいして意味がない。
 また、4時間もかかるのでは、時間がかかりすぎだ。

 それよりも、決定的に駄目なのは、料金が高いことだ。
 北海道新幹線の「東京−新函館北斗」は、22,690円だ。札幌までだと、もっと高い。
 一方、航空券だと、「羽田−札幌」が 8300円からある。( → http://j.mp/1ZCPxrR ) 圧倒的に価格は低い。となると、時間はともかく、コストから見て、飛行機の圧勝だろう。北海道新幹線を使うのは、情弱だけだろう。世間の人々は、「北海道新幹線なんかを使わないで、はるかに格安の航空機を使おう」と覚えておくといい。
( ※ かろうじて競争力があるのは、青森の人だけだろう。仙台あたりでも、航空機の方が少し優勢だろう。)

 ちなみに、北陸新幹線がいくらか成功したのは、北陸にはまともな空港がなかったからだ。小松空港というのはあったが、都市からはとても遠いので、乗り換えの手間が大変だった。というか、そもそも小松空港には電車が通っていない。こんなに電車の利便性の悪い空港では、使い勝手が悪すぎる。ちょっとぐらい時間がかかっても、乗り換えの楽な電車の方が便利だ。というわけで、北陸新幹線の場合には、飛行機に対する優位性があった。
 一方、北海道は違う。あちこちに飛行場があって、道とのアクセスもいい。というか、そもそも、北海道は自動車で移動するのが原則で、鉄道の利便性が低いから、鉄道とのアクセスもあまり考えなくていい。だから、北海道では、電車の優位性はないのだ。となると、最後に残るのは、コストの差だけ。となると、コストが3分の1ぐらいの飛行機が、圧倒的に優勢となる。おまけに、現時点では、新幹線は札幌まで届いていない。こうなると、北海道新幹線の優位性はほとんどない。
 できたとしても、使い道はろくにない、というのが現状だ。

 ──

 だが、それより、もっといひどい陰がある。いや、陰というより、闇だ。真っ黒けのけ。それは「莫大な国費負担」だ。
 そもそも、北陸新幹線では、多大な国家負担があった。その比率は、
   国:自治体:JR = 6:1:3

 だった。この件は、下記項目で言及した。
  → 北陸新幹線の光と陰

 では、北海道新幹線は、どうか? 全額に近い額が北海道以外の負担である。建設費は全額が国家負担で、そのうち一部を貸付料という形で JR から徴収するだけだ。
 北海道新幹線は、「整備新幹線」として整備が進められています。
 整備新幹線は、鉄道・運輸機構(独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構)が新幹線施設を建設・保有し、営業主体であるJRに対して施設を貸し付けることとなります。
 なお、貸付を受けるJR北海道は受益の範囲内で鉄道・運輸機構に貸付料を支払います。
 地方の実質的な負担額は、全体工事費のおおよそ 18%程度になります。
 北海道新幹線の工事費は、……約 2兆2,200億円とされています。
 新函館北斗・札幌間の建設にかかる北海道全体の実質的な負担額は2,900億円程度と見込まれています。
( → 北海道新幹線に関するQ&A

 なお、一部は JR の負担だが、それも、JR 北海道の負担ではほんの一部だけで、大部分は JR 東日本の負担だ。
  → 北海道は1.1億円、東日本が22億円を支払う

 結局、約 2兆2,200億円もかけるのだが、そのうち 2兆円近くは、無関係の他人が負担するわけだ。北海道民は2兆円もプレゼントしてもらったようなものだ。それでいて、得られるものとしては、「飛行機の3倍ぐらいの料金の新幹線」だ。ちっとも嬉しくないだろう。

 ──

 どうせなら、次の方がずっといいだろう。
 「2兆円のうち毎年 200億円ぐらいを、航空機のチケットの補助金として援助する」
 これだと、航空券が結構安くなりそうだ。1000円ぐらい安くなるのでは? (ヤマカンだが。)
 ちょっと調べてみたところ、次の数値を得た。
 羽田-新千歳間の飛行機の輸送人員は定期航空路線としては世界一で「世界一のドル箱路線」と言われていますよね。年間1000万人近く、利用しているそうです。
( → 教えて goo

 他の路線(たとえば関西路線)などを含めて、年間 2000万人と想定する。(北海道内部の分は除外する。) これに 200億円を投入すれば、一人あたり 1000円となる。
 現状が 8500円なら、7500円まで下がるわけだ。
 こっちの方が、北海道新幹線よりも、ありがたいと思えるが、いかが? 
( ※ これだと、仙台あたりの人には恩恵が及ばないが。そっちにも恩恵を与えることにすると、毎年 200億円でなく 毎年 400億円の補助金を特急に投入か。ま、それでも大丈夫。)

 ともあれ、北海道新幹線なんて、(建設費の分も考えれば)どうせ大赤字だろう。だったら、既存の航空機や鉄道という赤字負担ゼロの路線に対して補助金を出す方が、はるかに有効だろう。
 非効率な大赤字の金食い虫に2兆円も投入するなんて、馬鹿げている。
 その一方で、保育園にはちっとも金を出さないから、少子化によって日本という国が滅びつつある。

 国破れて 山河あり …… じゃないが。
 国滅びて 北海道新幹線あり …… という感じで、北海道新幹線が建設された。
 亡国政策。



 【 関連項目 】
 
 → 北陸新幹線の光と陰
   ※ 北陸新幹線でも、同様に大赤字の問題があった。
 
 → 北海道新幹線を建設中止せよ (次項)
   ※ 今後の札幌までの延伸分は、建設中止にするべきだ。
posted by 管理人 at 22:51| Comment(0) | 一般(雑学)3 | 更新情報をチェックする
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