2016年03月25日

◆ セラミック電池

 リチウム・イオン電池の次世代に当たるものとして、セラミック電池というものが開発中だ。 ──

 次のニュースがあった。
 《 東工大など、超イオン伝導体を利用した全固体セラミックス電池を開発 》
 東京工業大学、トヨタ自動車、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、J-PARCセンター、茨城県らは3月22日、過去最高のリチウムイオン伝導率をもつ超イオン伝導体を発見し、リチウムイオン二次電池の3倍以上の出力特性をもつ全固体型セラミックス電池の開発に成功したと発表した。
 現在のリチウムイオン電池は電解質として有機電解液が用いているが、全固体電池は固体電解質を用いる。電解質の固体化により、従来の電解液系では実現できない構造が可能となり、電池の高容量化・高出力化につながると考えられている。また、電池をすべてセラミックスで構成することにより、電池の安定性がさらに高まるため、全固体電池は次世代の蓄電デバイスとして位置づけられている。
 これらを用いて開発した全固体セラミックス電池は、数分でフル充電できるなど高い入出力電流を達成し、蓄電池とキャパシターの利点を併せ持つ蓄電デバイスであることが確認された。具体的には、既存のリチウムイオン電池より室温で出力特性が3倍以上になるとともに、有機電解液を用いるリチウムイオン電池の課題である低温(-30 ℃)や高温(100 ℃)でも優れた充放電特性を示した。加えて、室温や高温での高電流放電において1000サイクルに及ぶ安定した特性を持ち、実用可能な耐久性も確認された。
( → マイナビニュース

 比較すると、リチウムイオンは 500サイクルで充電効率が 50〜70% にまで下がる。(残りは充電されたあと、無駄に捨てられる。)
 1000サイクルで 80%ぐらいが残るのだとしたら、きわめて有望だ。仮に、寿命が3倍になれば、サイクルあたりのコストは3分の1になる。製造コストが3分の1になったのと同等の効果がある。(お金の利子の分は除いて。)
 この意味では、電池の値段を大幅にコストダウンする効果があるから、電気自動車のコストの問題は大幅に改善する。近い将来、ガソリン車並みの値段と航続距離をもつ電気自動車ができそうだ。ほとんど実用化が視野に入ったと言える。
( ※ リチウム・イオン電池を使っている限りは、まったくメドが立たなかったが。)



 【 関連項目 】

 もう一つ、リチウム空気電池というのもある。前に紹介した。
  → リチウム空気電池 v.s. 燃料電池

 リチウム空気電池は、電極の問題を解決したが、肝心の電池部分は電解液を使う液状のものなので、経時的な劣化が避けられそうにない。
 その点、全固体セラミックス電池なら、固体なので、経時的な劣化が少なそうだ。これが大幅なコストダウンをもたらす。
 となると、リチウム空気電池よりも、全固体セラミックス電池の方が有望そうに思える。

 まあ、先のことはわからないが、十分に有望だとは言えよう。少なくとも、燃料電池車なんかに比べれば、原理的な問題がないだけ有利だ。
( ※ 燃料電池車は、水素の圧縮に莫大なエネルギーを使うという根源的な問題がある。ここで大量のエネルギーが浪費されるので、省エネ効果が低い。コストも上がる。さらには、全国津々浦々に水素ステーションを設置して、ちょいちょい水素を運搬する、というコストが莫大になる。一方、電気自動車ならば、安価な電気ステーションがあるだけで済む。)
posted by 管理人 at 21:40| Comment(1) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>従来の電解液系では実現できない構造が可能
液体を使う電池は、容器にキズがあると腐食、液漏れを起こす問題があると聞いたことがあります。固体ならばこの件も解決しそうです。
Posted by senjyu at 2016年03月25日 23:14
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