2016年03月07日

◆ バス事故の予防・対策

 バス事故の予防・対策には、どうすればいいか? 「ドライブレコーダーを設置しよう」という国交省の方針がある。 ──

 記事を引用しよう。
 《 ドライブレコーダー搭載、貸し切りバスに義務化 国交省方針 》
 長野県軽井沢町のスキーバス事故を受け、国土交通省は貸し切りバス会社に対し、走行中の車内外を撮影するドライブレコーダーの搭載を義務づける方針を決めた。速度超過など安全を脅かす運転を防ぐとともに、事故時の原因調査にも役立てるという。
 ドライブレコーダーは、走行中の車内外をカメラで常時録画し、衝突や急ブレーキなどの異常があった場合に映像が保存される。貸し切りバスへの普及率は約2割にとどまっている。
( → 朝日新聞 2016-03-07

 ドライブレコーダーは、事故の起こったあとの原因分析には役立つだろうが、事故を予防する効果はほとんどないだろう。「速度超過など安全を脅かす運転を防ぐ」と述べているが、たいていのバス事故は、意図的な速度超過とは別の重大な素因があったのだから、この点では役立つまい。
 要するに、今回の国交省の方針は、てんでお門違いだ。金がかかる割には、効果はゼロ同然。
( ※ といっても、金はあまりかからないから、金の点ではあまり問題とならない。)



KENWOOD ドライブレコーダー


 ──

 さて。ドライブレコーダーは、事故の記録はできるが、事故の予防はできない。とすれば、事故の予防をするにはどうすればいいか? 特に、今回のスキーバス事故のように、粗悪な高齢者ドライバーを排除するには、どうすればいいか? 

 これまでに述べた話では、次のような提案ができる。
  ・ 粗悪な中小業者を排除して、大手業者に集約する。
  ・ そのために、十分な研修施設による研修を義務づける。
  ・ さらに、高額の賃金を補修して、人材を向上させる。


 以上は、確かに効果があるだろう。これらは組織的な改善の提案だ。
 一方、新たに、次のことも提案しておこう。
  ・ プロのドライバーには、高齢者に再免許を義務づける。
  ・ その際、運転能力や認識能力をテストする。


 ここで、プロのドライバーというのは、人間を乗せるバスに限った場合のドライバーだ。トラックやダンプは除く。トラックやダンプは、失敗したとしても、自分が死ぬか、衝突相手が死ぬか、という程度だ。また、いつでもどこでも、運転をやめて眠ることが可能だ。これらは自家用車と同じ扱いで、ことさら特別な運転資格は必要ない。
 一方、バスのドライバーは、多数の乗客を乗せるプロだ。この場合には、ただの大型免許だけでなく、運転能力を認証された特別な免許を要求するべきだ。特に、60歳以上のドライバーは、2〜3年おきに、改めて能力を認証される必要がある。

 実は、このような区別は、すでにある。「第二種運転免許」というものだ。これは、タクシーやバスなど、旅客用の運転手に必要な特別な免許だ。(バスならば、大型第二種運転免許。)
 第二種運転免許は、非常に取得が困難である。
 乗客の生命を預かるという観点から特に運転免許試験場においての技能試験(いわゆる一発試験)の合否採点基準は非常に厳しく、合格率はおおよそ10%程度である。さらに初受験で合格する確率は極めて低いとされる。
( → 第二種運転免許 - Wikipedia

 このように厳しい試験でありながら、いったん取得したあとは、能力が衰えても、自動更新される。そのせいで、能力の落ちた高齢者ドライバーが、危険なままバスを運転することになる。それも、夜行バスというような、睡魔と戦うような状況で。
 こういう滅茶苦茶な状況が、今回のスキーバス事故を招いた、と言えるだろう。
 だからこそ、その予防・対策としては、「大型二種の高齢者ドライバーに、運転能力の認証試験」を実施することが大切だ。これさえあれば、今回の事故は防止できたはずだ。
( ※ 一方、ドライブレコーダーを設置していても、事故は防止できなかっただろう。)
posted by 管理人 at 19:54| Comment(3) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
話は逸れますが、大型トラック、バスに義務付けられているものにタコグラフというものがあります。
これは走行中の時刻、距離、速度を記録して後から確認することができるものです。
軽井沢のバス事故も事故後しばらく経ってからバスの速度が警察から示されてましたが、おそらくタコグラフの記録を読み出した結果のものだと思います。

タコグラフは長らくアナログ方式で上記3点のみを記録するものだったのですが、近年デジタル化されたタコグラフが出てきていて、上記の3点以外にもシフトポジション、アクセルやブレーキペダルの踏み代、さらには予め指定していた数値を超える運転があった場合には警報を音声で知らせるアラーム機能を搭載したものまで現れているようです。

(参考) (有)金城運輸 サイト
http://www.kaneshiro-unyu.com/category/1290735.html

また3代目プリウス(今は4代目)のECU(Engine Control Unit)にも上記のような項目(というかもっとたくさんの情報)が測定(および記録?)されるようになっており、前にECUの誤動作で事故ったと疑いをかけられたときこの記録が反証の大きな助けになったと聞いた記憶があります。これはもうタコグラフ機能と言っていいと思います。
なおプリウス3代目だけでなく多くのECUにこの機能が搭載されていると想像します。

これからの話になりますが、いまどきECUの載っていない自動車はありえないので、大型バス、トラックのECUの機能として記録機能、アラーム機能を義務付けるのも手かもしれません。
軽井沢の事故もバスが人力ミッションでなく、「ギアの選択ミス→オーバーレブ→ニュートラル」というものだとしたら、ニュートラルになったことはECUも把握していたのは間違いありません。アラームも出せたはずです。
(機能追加にはハードウェア的には記憶装置(SDカード?)の追加、アラームの(必要であれば)設定装置、音声出力装置の追加と、ソフトウェアの開発が必要になりそうです。)

長いコメントになってすみません。
Posted by とまと at 2016年03月08日 01:09
ドライブレコーダーにも色々あって、運転能力が落ちてきているか、ある程度客観的に判断出来るものもあります。IoTってやつ。

例えば・・・値段も特段高くないし、デジタコと併用しても無駄にならない物のようです。
http://pdrive.jp/
Posted by すめ at 2016年03月12日 15:10
現地にて同型のバスを使い実況見分を実施したらしいですね。原因究明につながることを祈ります。
Posted by 菊池 at 2016年03月17日 15:49
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