2016年02月07日

◆ スキーバス事故には事故調を

 軽井沢のスキーバス事故は、迷宮入りになりそうだ。この問題には、事故調を設けることが望ましい。 ──

 軽井沢のスキーバス事故は、迷宮入りになるだろう……と私は予想した。
  → スキーバス事故は迷宮入り?

 警察は現場検証をして、道路や車体を調べているが、そんなことをいくらやっても、真相がわかるはずはない。なぜなら真相は、心理的なものだったからだ。つまり、初心者の勘違いによるものだったからだ。
 その点では、STAP 事件と同様である。ここで、「いかに捏造は起こったか?」という原因解明を求めても、真相はわからない。なぜならもともと捏造はなかったからだ。単に初心者の勘違いがあっただけだからだ。
 今回の事故でも、初心者の勘違いがあっただけだった。つまり、単に技量未熟があっただけだからだ。ここで、何らかの具体的な直接証拠を探そうとしても、見つかるはずがない。ゆえに、迷宮入りするしかない。
 ……というのが、上記項目の趣旨だった。

 ──

 その後、現時点では、事態は何ら進展していない。どうやら迷宮入りになることがほぼ決まったようだ。そう判断していいだろう。

 ただ、そうだとすれば、この件を放置するのは好ましくない。警察に任せてダメなのならば、事故調を設置するべきだろう。それが私の提案だ。

 事故調を設置すると、何がわかるか? 真相がわかるだろう。つまり、こうだ。
 「事故は何らかの直接的な事故原因があったわけではない。むしろ、事故を回避する手段を取らなかっただけだ。ブレーキをかけなければ自動的に脱線する、という状況で、ブレーキをかけなかっただけだ。何かをなしたのではなくて、何かをなさなかっただけだ」


 ここまで判明すれば、真の原因もわかる。こうだ。
 「真の原因は、事故を起こした原因ではなく、事故を起こさないようにするシステムを用意しておかなかったことだ。具体的には、あまりにも未熟な初心者を採用したことだ。こういうシステムが真の原因だ」


 このことを解明するのが、事故調の役割だ。
 そして、そうとわかれば、事故調が探るべき箇所は、現場やバスではなくて、会社の帳簿だとわかる。では、その内容は? それは、いちいち調べなくても、すでに判明している。
 《 スキーバス転落:経験不足 》
 運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)は、事故当時運転していた土屋広運転手(65)の大型バスの経験不足を懸念し、一般道を走らないよう指示していた。
 過去に7〜8年勤務したバス会社によると、土屋運転手は主に車体の長さ9メートルの中型バスを運転していた。事故車両のような全長12メートルの大型バスは数回しか運転しておらず、入社以前はトラック運転手だったという。その後、約5年間勤務した会社でも、小型のマイクロバスを使った近距離送迎を主に担当し、大型バスは運転していなかったとされる。
 イ社によると、昨年12月、冬場にバス運行が増えるスキーツアーに対応するため、土屋運転手を契約社員として採用したが、過去の運転歴は確認しなかった
 ツアーの営業運転を3回担当し、事故当時は4回目のツアーだった。報酬は長野県での約8時間の休憩も含めて往復2万5000円だったという。
 国交省の特別監査では、イ社は昨年1月以降、土屋運転手以外のドライバーに対し、国が定める運転手教育を実施していなかったことが判明している。
( → 毎日新聞 2016年1月18日

 ここでは、次のことがわかる。
 (1) 運転手は完全に技量未熟だった。まともな運転能力がなかった。経験もなかった。
 (2) 会社は必要な研修を受けさせなかった。
 (3) 賃金は往復2万5000円だけ。


 このうち、最後の賃金について、時給を計算すると、たったの 1250円である。連続の深夜勤なのに!
( ※ 時給の根拠。勤務時間は片道 10時間 → 出典。往復で 20時間だから、2万5000円を 20時間で割って、時給 1250円。これは深夜勤のコンビニのバイトと同程度。)

 要するに、ろくに技量のない初心者・未熟者に、コンビニバイト並みの料金だけを払って、業務に就かせた。かくて、人の命を預ける大型バスを運転させて、スキー場に連れていくかわりに、地獄に連れていった。
 
 これは完全に、システムの問題だ。日本の交通システムが欠陥だらけだ、ということだ。
 台湾の地震からわかった、日本の建築事情と、よく似ていますね。



 [ 付記 ]
 ブレーキをかけなかったことについては、一応説明が付く。
  ・ エンジンブレーキについては、「ギアをはじかれた(ギアが入らなかった)ので、ニュートラルになった」。
  ・ フットブレーキについては、「クラッチペダルをブレーキペダルだと勘違いして踏んでいた」。

 実際にそうであったかどうかは断定できないが、これで一応、説明が付く。「謎だ、不思議だ」ということはない。「十分に説明可能」と言える。
 ま、未熟な初心者にはありがちなミスだ。
 


 【 関連項目 】

  → サイト内 検索(項目一覧)
 


 【 関連サイト 】

 新宿から斑尾高原までの道路行程。(有料道路あり)
  → Google Map

 時間を見ると、夜間で 3時間27分。渋滞なしで 3時間8分。
 夜間であっても渋滞があるようだ。

 ──

 それにしても、3時間27分で到着できるのに、バスを8時間以上も運転し続けるというのだから、途中休憩や停車待ちなどがいっぱいあるようだ。そのせいでサービスエリアも満杯で、入りきれなくなったりするらしい。
 
 高速道路のサービスエリアを充実させることも大切みたいですね。行列がすごいらしいし。
 高速道路のサービスエリアは、どこも満員みたいなのに、どうしてもっと箇所を増やさないんだろう? 箇所を増やせば、売上げも増えるし、道路公団もありがたいはずなんだが。また、道路脇には、余っている田畑がいっぱいあって、場所にも困らないはずなんだが。
 単にサボっているだけかな。そのせいで事故死者が出るのかも。今回のバスも SA が満員で、進路を予定から変えたことが、事故の一因であったらしい。
  → Google 検索
 
 ──

 サービスエリアの混雑がひどいことについては、次のサイトに記述がある。
  → SA・PAが満車で休めない
 一部抜粋しよう。
 東名日本平・新東名静岡〜港北の上り区間では、毎日約3万台といわれる走行トラックに対し、駐車スペースは乗用車スペースを共用しても約2000台程度。このため、運輸労連(全日本運輸産業労働組合連合会)は、トラック駐車スペースの数が絶対的に不足していることが慢性的な満車状態の原因だと主張する。
posted by 管理人 at 23:26| Comment(5) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後に「SA・PAが満車で休めない」というページへのリンクを加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2016年02月08日 21:16
フットブレーキと間違えてクラッチペダルを踏むとうのは限りなく可能性が低いように思います。
アクセスペダルから遠すぎますし、大型の車両は、ハンドルのシャフトがクラッチペダルとブレーキペダルの間を通っているので、右足でクラッチペダルを踏むのは困難と思われます。
Posted by AW11 at 2016年02月10日 10:22
ドイツで列車同士の正面衝突事故が起きました。
>「事故当時、列車に遅れが出ていたため、運行担当者が通常は自動で運行される信号システムを停止して、調整しようとした」などとして、人為的なミスによって事故が起きた可能性を指摘している。
ということで、素直にATS使っていればいいものを、余計なおせっかいで手動操作してしまったのが発端の模様。
事故の根本原因は万国共通ですね。
Posted by 菊池 at 2016年02月10日 11:05
> フットブレーキと間違えてクラッチペダルを踏む

http://openblog.meblog.biz/article/26920990.html
に記してあるように、

「ふだん AT 車で左足ブレーキをしている人ならば、寝惚け眼のとき(うとうとしているとき)には、その可能性もある。」
 ということです。

 この運転手は長年、マイクロバス(つまりAT車)を運転していました。となると、左足ブレーキに慣れていた可能性は十分にある。
 マニュアル車に乗り換えたら、マニュアル車の操作をしなくてはいけないのだが、高齢者だと、昔から慣れている方式に、ついつい戻ってしまう可能性がある。特に、パニック状態などでは。
 慣れないマニュアル車に乗り換えたばかりだ、という点に注目してください。
Posted by 管理人 at 2016年02月10日 12:10
事故調はすでに設置されていた。

  http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/jikochousa/report2.html
Posted by 管理人 at 2016年02月15日 12:12
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