※ 【 追記 】 で、修正・加筆あり。 ──
問題点は、いろいろと見つかる。列挙してみよう。
(1) 高齢
運転手は 65歳と 57歳。運転していたのは 65歳の方だそうだ。これほどの高齢者が運転していたのなら、夜間バスでは疲れが溜まりすぎるだろうし、体力的な限界に達していたのかもしれない。
(2) 不慣れ
この 65歳の運転手は、不慣れだったようだ。
株式会社イーエスピーで運転するのは今回で4回目〜5回目ということで、ルートについて不慣れだった可能性もある。
( → ニュース速報Japan )
この記事によると、正社員でなく契約社員だったということから、研修も経歴も不十分だったことになる。
(3) 2日前に処分
社員の健康把握が不十分だということで、2日前に処分を受けていた。
「運転手の健康把握が不適切」として、バスを運行していた「イーエスピー」(東京都羽村市)が道路運送法にもとづく処分を今月13日付で国土交通省から受けていた。20日間、バス1台を使用できなくするとの内容。
( → 朝日新聞 2016-01-15 )
こんなにひどい業務違反をしていながら、バス1台を使用できなくするだけ、という処分。仮に、三日間ぐらいの業務停止処分にしておけば、今回の事故は起こらなかったはずだ。処分が甘すぎたことも、今回の事故の一因となった。
(4) 別ルート
今回は、まっすぐな高速道路を通るかわりに、(九十九折りの)別ルートを通った。これも事故の一因となった。
→ バス 行程表とは異なるルート通っていたか NHKニュース
→ バス転落:14人死亡 軽井沢 - 毎日新聞
(5) その理由
別ルートを通った理由は、何か?
「高速代金を浮かせるため」という推測も成立するかもしれない。(個人のためか、会社のためかは、知らないが。)
→ 【 追記 】 で、加筆あり。
一方、「時間調整のため」という推測もある。
部分的に一般道を走るのは、時間調整の役割もあります。高速道だけだと(23時東京発として)4時前にスキー場着となり、その時間では宿が対応できないため6時過ぎまで到着を遅らせるのです。
( → chuntanqui のコメント / はてなブックマーク )
このようなことは、多くのバスがやっているらしい。
地元のタクシー会社の運転手(65)は「このバイパスは夜間になると観光バスやトラックが高速の代わりに使う。道路は整備されているし事故を起こすほど急なカーブでもない」と話した。
( → 朝日新聞 2016-01-15 )
(6) ガードレール
ガードレールがあまりにも貧弱なのも問題だ。現場は、直進したバスがちょうどぶつかるような箇所なのだから、バスがぶつかっても大丈夫なように、頑丈なガードレールを付けておくべきだった。
なのに、実際には、よくあるような普通のガードレールでしかない。これは、「道からはずれたら、転落して、死が不可避」というような危険な箇所に付けるガードレールとしては、きわめて貧弱だ。こんな貧弱なガードレールを設置した道路建設者には、大きな責任があると言える。
( ※ 道路やガードレールの設計ミス・設置ミス。)
(7) ブレーキの異常?
ブレーキの異常かも、という推測もある。自動車評論家の推理。
《 スキーツアーのバス事故の件、原因はブレーキの可能性大 》
ガードレールに接触するまでタイヤ痕らしき黒い線が確認出来る。何の操作もしなければこういった痕は残らない。したがってドライバーは何らかの操作をしていたと考えていい。
最も可能性高いのはブレーキのトラブルである。入山峠までは強いブレーキを掛けないで走れてしまう。この間に何らかのブレーキトラブルが出れば、下り坂になるまで気づかない。おそらく飛び出したコーナーの手前のコーナーでブレーキを踏んでいたと思われる。
( → (国沢光宏) - Yahoo!ニュース )
参考となる動画もある。
→ スキーバスが転落、14人死亡 20人以上けが 軽井沢:朝日新聞デジタル
(8) ブレーキの異常とは?
ブレーキの異常とは、いったい何か?
ブレーキの故障ということは、まず考えられない。ブレーキが急激に壊れるということなど、まずあり得ないからだ。
一方、ブレーキが熱異常で機能を失う、ということは、しばしばある。
下り坂では、原則として、エンジンブレーキを使う。このことでブレーキの過熱を防ぐ。しかしながら、初心者だと、ブレーキを何度もかける。そうするうちに、ブレーキが過熱して、ブレーキの機能が弱まってしまう。こうなると、ブレーキをかけても、ろくに機能しなくなる。機能がゼロになるわけではないが、半減以下となる。その場合、路面にはブレーキ痕を残しながらも、速度は低下しないままとなり、直進して、カーブを曲がりきれなくなる。……今回の状況にぴったりだ。
なお、運転手が不慣れであったという (2) の点にも合致する。
→ 【 追記 】 で、修正・加筆あり。
(9) 現場の状況
上記の (8) を裏付ける現場の状況もある。
区間には合わせて45か所のカーブがあり、事故が起きたのは群馬県側から数えて43か所目のカーブだった
( → NHKニュース 2016-01-15 ,Wikipedia)
つまり、九十九折りの下り坂を 42箇所も通ってきた。その間、42回もブレーキをかけていたのだろう。そのあげく、43番目のカーブで、とうとうブレーキが無効化した、と推測できる。
つまり、2番目か3番目あたりのカーブで事故が起こったのならともかく、43番目のカーブで事故が起こったのだとすれば、「この段階で初めてブレーキが無効化した」ということであるから、「ブレーキが(かけすぎのせいで)過熱して無効化した」というふうに強く推測できる。
ちなみに、下り坂が連続することについては、下記の動画が参考になる。
→ 【 追記 】 で、修正・加筆あり。
──
結論。
今回の事故の原因は、さまざまな原因が複合して起こったと推測できる。だが、直接の原因は、ブレーキの過熱だろう。
そして、最大の原因は、このような未熟な運転をする未熟な高齢の運転手を、契約社員として安価で雇い入れたことによる。
対策。
長距離バスの運転手は、60歳以上の高齢者に任せるべきではない。また、正社員ではない契約社員に任せるべきではない。
さらに、十分な経験を持つ人に限るべきだ。今回の人は、そうではない。
2000年に大型2種免許を取得ています。
( → ニュース速報Japan )
ということから、50歳で免許を取得したことになる。これでは遅すぎる。50歳で免許を取得した 65歳の高齢者を、契約社員として安価に雇用する。……こういうブラック会社が運営している以上、事故が起こるのは必然だったとも言えるだろう。
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[ 付記 ]
消費者としては、安すぎるツアーは危険だ、と理解するべきだ。
とはいえ、デフレが続く中で、格安の粗悪品が出回るのは、世の常だ。
《 割安「夜発」ツアー暗転 1泊3日1万円台、若者に人気 》
車中泊後に現地で泊まる「1泊3日」でも1万数千円ほどで楽しめるとあって、利用客には若者が多いという。
国内のスキー人口はこの20年間、右肩下がりが続いている。日本生産性本部の調査では、ピーク時の1993年は1860万人だったのが、2014年はスノーボードも含め760万人で4割ほどに落ち込んだ。担当者は「レジャーの中でも割高で、特に若者が敬遠しているのでは」という。
このため、各旅行会社は若者が利用しやすい割安プランを売り込む。旅行会社の担当者は「スキー人口が減るなか、料金を安くしないとお客さんは来てくれない」と話す。
( → 朝日新聞 2016-01-15 )
貧しさがすべての根源にあるようだ。政治家のせいかもね。
【 追記 】
(A) ブレーキの過熱?
下り坂におけるブレーキの過熱による異常が原因だろう……と推定したが、これは妥当だとは言えないようだ。というのは、この坂は、下り坂の連続ではなくて、多くは上り坂で、最後のあたりだけが下り坂であったからだ。(コメント欄で二人に指摘された。)
(B) 人的原因
ブレーキの過熱が原因でなければ、何が原因か? 新たに新聞報道を見ると、どうやら、人的な異常があったらしいという証言が見つかった。つまり、その箇所に到達する少し前から、いくつかの異常が報告されていた。
- その箇所の少し前のカーブで、左側のガードレールに衝突してから、その次の(該当の)カーブで、右側に逸脱した。(酩酊ふうの状態。) → 図
- そのときの運転について、「明らかにバスの動きがおかしい」という証言もある。 → 朝日・記事
「車がすごいスピードで右へ左へ少なくとも3回揺れた。尋常じゃない揺れ方でおかしいなと思った」という証言もある。( → 朝日記事)
(C) 人的原因の理由
人的な問題が発生しそうな状況は、すでにあった。
- 65歳という高齢者である。(前述)
- 採用時に健康診断をしていなかった。 → 朝日・記事
- 午後 11時に出発したあと、深夜0時過ぎにサービスエリアで休憩があり、その後は一般道に降りたが、休憩の前後で運転手の交替はなし。事故は午前2時前。( → 朝日記事 ) このことから、どうやら、同じ運転手が午後11時から午前2時ごろまで連続して運転していたらしい、と推定される。とすれば、疲れて居眠りした可能性は十分にある。
(D) 高速料金
高速道路でなく一般道を通ったことについては、会社側は承知していなかったそうだ。つまり、会社側の命令ではない。では、何か? 運転手の都合だろう。なぜ? 「長野に入る前の高速料金を浮かすのが目的だ」という関係者談がある。( → 朝日記事 )
これはどうも、運転手が高速代を懐に入れようとした、ということらしい。(二人の運転手の共謀が必要となる。二人で折半すれば、たいした金額にもならないだろうに。あまりにもの薄給が原因か。先にも述べたとおり。)
【 訂正 】
別ルート(高速道路でなく一般道)を通ったことについては、新たに報道が出た。「バスを止めにくいサービスエリア(SA)を回避するため」だという。
→ 転落バスのルート変更、混雑するSAを回避か : 読売新聞
これが本当の理由だとしたら、深夜であっても混雑するような狭いSAしか設置していなかった道路管理者の責任かもしれない。
(E) 経験不足?
経験不足が原因か、とも思えた。前の職場では小型バスの送迎をしていた、という証言がある。→ 朝日・記事
一方で、「以前はダンプの運転をしていた」という証言もある。( → 朝日記事 ) すると、どのくらいの経験かはわからないが、バスの運転そのものができないほど未熟だということはないようだ。つまり、技量不足の未熟さは理由にはならないようだ。
となると、やはり、居眠りのような健康上の問題があったと思える。
(F) ブレーキ痕
その一方で、本文中ですでに述べたように、ブレーキ痕があるので、「意識を失っていた」というほどではないようだ。また、かなりの速度超過もあったようだ。つまり、速度超過とブレーキという、相反する二つの状況がある。
これを説明するには、どういう仮説があるか? とりあえず、次の仮説を出しておこう。
「現場は、上り坂から下り坂に転じたあとだった。そのとき、アクセルを弱める必要があったが、アクセルを弱めなかった。そのせいで、バスが急激に高速化していった。かくて、暴走して、ブレーキをかけながら、路線から逸脱した」
この仮説だと、基本的には、アクセル操作のミス(アクセルを弱めなかったこと)が原因となる。そのまた原因は、居眠りみたいな酩酊状態であったことだろう。高齢者が、ろくに休みも取らずに、深夜に長時間の連続運転をした。……ならば事故は、ある種の必然だったとも言える。
(G) アクセル操作ミスは?
すぐ上で「アクセルの操作ミス」と示したが、これは、「アクセルを弱めなかったこと」だけでなく、「アクセルを強く踏んだこと」であったように思える。
もしそうだとすれば、その理由は、「アクセルとブレーキの踏み間違え」かもしれない。コメント欄では、「ブレーキ痕ではなくタイヤ痕だ」という指摘もあった。もしその通りだとすると、「アクセルとブレーキの踏み間違え」である疑いが強くなる。(ブレーキを踏まないので、ブレーキ痕のかわりにタイヤ痕があるわけ。)
(H) 高齢化と労働環境
高齢化と過酷な労働環境については、報道もある。
高齢化も深刻だ。今回の事故の運転手は65歳と57歳。国交省によると、バス運転手の平均年齢は48.5歳で全産業の平均42.1歳を上回り、6人に1人が60歳以上だ。バス運転手に年齢制限はないが、事業用自動車の運転手の病気による「健康起因」の事故は14年に96件発生し、運転への不安はぬぐえないのが現状だ。
00年にバス参入が規制緩和された後、高速バス事故は相次いだ。12年に関越道の高速ツアーバス事故で7人が死亡したのを機に、国土交通省は安全対策の強化に乗りだした。……旅行会社が不当な価格で運行を委託し、安全を軽視した運行が行われないようにするためだ。
それでも事故は繰り返された。ある運転手は「格安スキーツアーは過酷」という。昨冬、志賀高原で別の運転手が「日帰りで折り返し。3時間しか寝ていない」と嘆くのを聞いた。
( → 朝日記事 )
【 追記2 】
新たな情報。「ブレーキ痕はなかった」という現場検証の報告がある。
→ 産経ニュース
さらに、「タイヤ痕がある」という見解もある。
(原因は、どう見ればいいでしょうか?)
たくさん原因はあると思いますけども、1つだけ、もし挙げるとすれば、スピードが非常に出ていたのではないかと思いますね。
(それは、どういうところから読みとれる?)
カーブの前に、ちょっとした直線みたいなところがあるんですね。直線からガードレールを突き破ったところまで、真っすぐに直線で、タイヤ痕があります。わたしが見たところ、ブレーキ痕ではないですね。タイヤの跡ではありますが、それも1本しかない。つまり、もう傾いた状態で、あのガードレールを突き破って、そして、樹木に屋根を当てるようにしてぶつかって止まった。その衝撃の強さから見ると、大変スピードが出ていた。あるいは、コントロールできない状態にあったのかもしれないですね。
(これだけ被害が拡大した原因は?)
高さがおよそ5メートル程度の崖に落ちているわけですね。普通だったら、5メートル程度の落下で倒れたぐらいであったら、あれほどの犠牲者は出ないと思いますね。それだけ猛スピードで、そのままコントロールを失った状態で激突した、その衝撃の強さ、それによって被害が拡大した。そういうふうに思います。
( → www.fnn-news.com )
生存者の証言もある。下記。
バスは「尋常ではないスピード」で蛇行し、ガードレールを突き破った。……気付くと暗闇の中にいた。
( → 毎日新聞 )
タイヤ痕の画像もある。

出典:fnn
《 考察 》
状況をまとめてみよう。
・ ブレーキ痕でなく、タイヤ痕があった。
・ タイヤ痕は、二本でなく一本であった。
・ 遺体は頭部の損傷がひどかった。
・ 座席が外に飛び出すほどの衝撃があった。
これらのことから結論できるのは、次のことだ。
「猛スピードを出して、左に曲がりながら、右側車輪に強い車重がかかった。同時に、車体は右側にひどく傾いた。ガードレールを突き破ったあとは、右に傾きながら、バスの天井が周囲に突き当たるような感じで、周囲にぶつかった。ぶつかったあとは、乗客は頭部をバスの天井にぶつけて、即死した」
これで状況については説明できるだろう。
なお、頭部の損傷が多かったことについては、下記記事による。
→ 「多くが頭を損傷」 - 毎日新聞
→ ほとんどが頭や首に衝撃 (読売新聞)
なお、猛スピードの原因については、先に (G) で推定した。(操作ミス)
その原因となる疲労については、次の記事もある。
運行会社の「イーエスピー」(東京都羽村市)では、昨年2月に国土交通省の一般監査を受けた後も、違法な運行管理が常態化していた疑いがあることが同省への取材で分かった。事故後の特別監査では、今回の事故車両に乗務していた運転手以外に、過労運転の疑いがある乗務員が複数確認された。これと関連するが、労働状況について、虚偽記載(捏造)もあったそうだ。
( → 毎日新聞 )
運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)が、バスが目的地へ到着し、業務を終えたように装った書類を作成するなど、不適切なバスの運行管理をしていたことが、国土交通省の特別監査で明らかになった。バスが目的地へ到着し、業務が終了した後に作成する「点呼簿」について、バスの運転手から目的地到着の電話連絡を受け、同社の運行管理者が押印すべきなのに、事故を起こしたバスの点呼簿には、すでに押印があったという。
( → 読売新聞 )
もう、何をかいわんや、というデタラメ企業。事故を起こさないのが不思議なくらい。
実際、違法行為はすでに2日前に発覚した。なのに、監督官庁は甘い処分。先に (3) で述べたとおり。
会社もデタラメだが、監督官庁も輪をかけてひどい。
普通はそうなんでしょうし、実際、普通は事故は起こらないでしょう。
バスみたいに大型の自動車で、しかも、運転が特別未熟な高齢者、という特別な条件のときに限って、例外的に起こったのでしょう。
何らかの特殊条件がいくつも重なったせい、と見てよさそうです。
あと、上りだからといってブレーキをかけない、ということにはならないでしょう。アクセルの踏みすぎがあると、カーブのたびにブレーキを踏むかもしれない。未熟者だと。
フェードやベーパーロックが一般的ですが、排気ブレーキを使わなかったか、老朽化で壊れたかもしれません。
点検を怠るとパッドやシューが基準値以下に摩滅していても気づきません。しかし、ベーパーロックを生じやすくなります。
タイヤ痕はオーバースピードで侵入したときの大アンダーステアによってできたものではないかと思います。なぜ運転手が十分な減速を行わなかったのか?が最大の謎ですが、あの大きさのバスを運転した経験がなかった方のようなので、5%という急勾配での制動に必要な距離を見誤ったのではないかなという気がします。
まあ、会社がああいう状態なので、未装着の気もしますが(悲)。
ところでニュース映像だけしか見てないで書きますが、「ブレーキ痕」ではなく、片輪走行で道路に荷重がかかったと思われる「タイヤ痕」(※)に見えました。ですので、ブレーキは踏んでない。つまり意識障害か突然死であると思いました。
※ブレーキ痕はタイヤのブロックパターンは判別できませんが、映像ではタイヤのブロックパターンまではっきりわかりました。つまりタイヤ痕。
ブレーキ痕またはタイヤ痕があるとのことなので、いずれであっても、運転手の操作があったことになります。ゆえに、死亡(意識なし)ということはないでしょう。
また、死亡の場合はアクセルを踏まずに減速するはずなので、高速度であったという証言に矛盾します。
「アクセルとブレーキの踏み間違えで加速した」という仮説。
アクセルとブレーキの踏み間違えがあったとしたら、運転手は声を上げる。それを客は聞いている。はずだと思うのですが。
やっぱり、居眠り以外のなんらかの意識のない状態だったと思うんですがねえ。
事故直前、アクセルは踏まれていたのは事実でしょう。問題はアクセルを踏んだ時点で運転手の意識があったのかどうかですね。意識があったなら、「危ない!」などと大声を出すでしょう。そして、まずはアクセルから足を離すでしょう。
片輪走行するような勢いでカーブを右側ガードレールに向かって一直線に走るなんて、「意識喪失で足が硬直した」以外に考えにくいと思うのですが。
意識を喪失したというよりは、アクセルを(間違えて)踏む意思があったわけで、誤認ふうの操作ミスであった可能性が高いと思える。
意識があるなら、左側を擦って慌ててアクセルを踏み間違えたとしても、そのあとにブレーキに踏み変える操作はするはず。ガードレール直前までの「タイヤ痕」はその仮定に矛盾していると思うからです。
南堂さんがまとめられているとおり、根本原因(事故に至る環境・遠因)はほぼ解明できているのに、直接原因だけが依然として不明なのはなんともやるせないですね。
まあ、わかったとしても居た堪れない気持ちしか残らないのでしょうが。
私は、「意識がある」でも「意識がない」でもなく、疲労蓄積で眠くなったあとの「半覚醒状態」(半睡状態・酩酊状態)だと考えています。
>> (C) 人的原因の理由
の箇所で示した通り。
タイムスタンプは 下記 ↓
最初に左側をガードレールに擦りました。車体は右に振られて左車輪が浮き、片輪が浮いた状態に。その状態では運転手の体も当然右方向に斜めってるので、右足にあるアクセルから左隣のブレーキに踏み替えるのは、レース用の4×4点シートベルトでも装着していない限り困難かもしれません。必死に踏ん張ったが踏ん張った足の先にはアクセルが。
残る謎は、何故乗客に大声で叫ぶなどして危険を知らせなかったのか。になります。
タイムスタンプは 下記 ↓
タイムスタンプは 下記 ↓
別ルート(高速道路でなく一般道)を通ったことについて、「混雑を回避するため」という報道を紹介しています。
タイムスタンプは 下記 ↓
乗客へベルト着用の指示はなかったとの報道が有ります。
ベルトさえ締めていれば、バスの下敷きになる事もなく、頭部に致命傷を負わずに済んだかもしれません。
これについては、次の報道がある。
> バスが傾いて横になりながら落ち、一番弱い天井部分が立ち木に当たった。
> バスの天井が内側にくの字に折れ、……天井が座席近くまで押しつぶされていた
http://www.asahi.com/articles/DA3S12163372.html
下り坂で速度を上げたのは、それまでの上り坂で予想以上に時間がかかってしまったのを取り戻すために、ペースアップしたのでしょうかね。付近には街灯がないのと、もしかしたら、運転者はあの道を走った回数が少なくて、カーブの目測を誤ったのかもしれません。
タコグラフも回収できそうな感じですが、どこまで事実が明らかになるか。
現場から250m手前の監視カメラでは、80キロ〜85キロで蛇行&ブレーキランプは点灯していた模様。
ということは、スロットルワイヤー不良等でアクセルペダルを戻してもエンジン回転が戻らなくなって、エンジンブレーキも効かず、加速するのみの状況になったのですかね。