2016年01月15日

◆ シャープは鴻海へ?

 シャープ買収に、鴻海(ホンハイ)が名乗り上げるそうだ。時価の3倍以上で買収するという。 ──
    ( ※ 本項の実際の掲載日は 2016-01-16 です。)



 これは読売のスクープ。
 《 シャープ買収、鴻海が再提案へ…金額引き上げ 》
 経営再建中のシャープに対し、台湾の鴻海精密工業が15日にも、買収を再提案することが明らかになった。
 7000億円規模の資金を出す方向で調整しており、最終案と位置付ける。これまで上限5000億円を提案していたが、金額を大幅に引き上げ、シャープの時価総額(14日の終値で約1850億円)の3倍以上とする。政府系ファンドの産業革新機構もシャープ支援を検討中で、今後、両社との交渉が本格化する。
 シャープは革新機構との交渉に軸足を移しつつあり、鴻海は新提案で情勢を打開したい考えだ。交渉が進まない場合、株式公開買い付け(TOB)に踏み切ることも視野に入れているとみられる。
( → 読売新聞 2016-01-16

 この方針は、最も好ましい方針だと言える。(最も高く買ってくれる会社が、資産を最も有効に活用できる。経済原理からして、当然だ。)

 実は、「シャープを鴻海に売却」という方針は、私は前にも推奨していた。
・ シャープには、技術はあるが、経営能力がない。
・ だから、シャープを外部経営者に委ねるべきだ。
・ 具体的には、シャープを鴻海(ホンハイ)に売却するべきだ。
・ そのために、時価発行増資の形で、鴻海の資本を受け入れるべきだ。
・ 結果的に、シャープを鴻海の子会社にするべきだ。
( → シャープ 大幅減資の本質

 なお、「日本の先端技術の会社を台湾に売却するなんて、とんでもない」という見解もあるだろう。だから「ジャパンディスプレイと合併する」という方針もあるだろう。
 とはいえ、シャープが外国企業の子会社になっても、問題ない。この件も、前に述べた。
 第1に、シャープが台湾の会社の子会社になったとしても、シャープは相も変わらず日本の会社である。日本人が働いて、日本で生産して、日本で納税する。(以下略)
 第2に、技術流出の心配なんかない。たしかに技術は流出するだろうが、別に、技術をタダで盗まれたのとは違う。そうなるのは、相手が莫大な金を払って会社を買ったからであり、当たり前のことだ。(以下略)
 第3に、シャープには、もともと大した技術なんかない。(以下略)
( → シャープ 大幅減資の本質

 シャープの技術というと、IGZO だろうが、これは、シャープの技術というよりは、IGZO の特許を持つ科学技術振興機構(JST)のものだ。
  → IGZO - Wikipedia
 IGZO を除けば、シャープの技術なんて、たいしたことはない。他の液晶会社が総崩れになって、ジャパンディスプレイしか残っていないような状況では、今さら液晶会社を維持しようと血道を上げる必要はない。液晶会社なんて、台湾や中国に明け渡した方がいいだろう。どうせ勝ち目はほとんどないんだし。

 東芝だって、日立だって、ソニーだって、パナソニックだって、シャープの部門と同様の部門は、あらかた消えてしまった。この状況で、シャープのような会社を残す必要はない。さっさと鴻海に売却した方がいい。それで 7000億円も手に入るのなら、素晴らしいことだ。( 1850億円が本来の価値なのだから、 5000億円以上も余計にもらえることになる。万々歳だ。)

 さらに言うと、鴻海は台湾の会社なのだから、日本にとって安全保障上の問題もない。ひるがえって、ハイアールやレノボみたいな中国の会社に買収されたりしたら、安全保障上の問題が出てくるかもしれない。中国に利を与えるのは、とてもまずい。
 というわけで、シャープを鴻海に売るのは、あらゆる意味で最善と言える。
 一方、売るのをためらって、このまま価値をどんどん毀損していると、そのうち赤字の塊になって、タダでも売れなくなる(倒産してしまう)かもしれない。……シャープが今たどっている道は、この道だ。どんどん赤字ばかりを溜め込んでいく。
 シャープの経営者は、これまであれやこれやとジタバタしてきたが、結果的には、赤字をどんどん溜め込むことしかやっていない。時間がたてばたつほど、赤字が千億円単位で増えていく。狂気の沙汰だ。
 だから、7000億円が手に入るうちに、鴻海にシャープを売りつけるべきなのだ。



 [ 付記 ]
 ただし、現実には、そうはならないだろう。私の見通しでは、次の二通りのいずれかになる。

 (1) このまま数年間がたって、赤字がさらに 5000億円ぐらい増えたあとで、シャープを(赤字といっしょに)タダ同然で鴻海に売り渡す。もしくは、赤字倒産させて、債権者が莫大な赤字を分かちあう。
 (2) ジャパンディスプレイがシャープと合併するが、シャープにある 5000億円分の赤字を解消することができないので、ジャパンディスプレイとシャープがいっしょに倒産する。ジャパンディスプレイとシャープがいっしょに倒産してから、いっしょに鴻海に買収される。買収金額は(赤字ゆえに)ゼロ同然。

 つまり、日本にとって最悪の事態になるだろう。これが私の予想だ。

( ※ なぜ最悪の事態になるのか? 馬鹿だからだ。なぜ馬鹿なのか? Openブログを読まないからだよ。そもそも、Openブログを以前からずっと読んでおけば、シャープは大赤字で倒産しかけるハメにもならなかったのだ。 → シャープが倒産しなかったのは?
posted by 管理人 at 22:28| Comment(3) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本件ですが、続報がはいりました。
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000066449.html

ここにありましたが産業革新機構側は3千億に上げたようですが
同時に銀行側に去年借金から株式に転換した2000億の株の放棄と新たに1500億円の借金を株に変えろという案だとか。

要は付記の2の案だと一緒に倒産しかねないから銀行に赤字をあらかじめ押し付ける案でしょうか?
かなり無茶な気がします。

銀行はたまったもんじゃない案ですね。
Posted by ルート at 2016年01月19日 21:18
すぐ上のコメントの情報の続報。
  → http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160120-OYT1T50010.html

 おおむね、すぐ上のコメントの通りになりそうだという。銀行は受け入れる見込み。機構が 3000億円の出資、銀行が 2000億円の債権放棄、という負担。

 ※ 紙の新聞(読売)に詳しい情報がある。
Posted by 管理人 at 2016年01月20日 19:05
上記の案だと、銀行は 2000億円の丸損。さらに、本来ならば株式売却で入手できた分( 1000億円ぐらい?)も、損してしまう。株式代表訴訟でやられたら、負けるね。

 その前に、シャープは鴻海に TOB をかけられる可能性が十分にある。
Posted by 管理人 at 2016年01月20日 19:11
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