2015年11月23日

◆ 民泊の話題

 ホテル不足になっているので、一般の部屋をホテルがわりに提供するという「民泊」について、政府が解禁する方針だという。 ──

 素人がタクシーをやる白タクが禁止されているように、素人がホテルをやる白ホテルみたいなものは禁止されている。これを許可制で解禁する、という方針が出た。
 《 民泊、許可制で全国解禁 来春にもルール 訪日客急増に対応 》
 厚生労働省と国土交通省は個人が所有するマンションや戸建て住宅の空き部屋に旅行者を有料で泊める「民泊」を来年4月にも全国で解禁する方針だ。
 現在は旅館業法などで原則禁止しているが、無許可の営業が広がり、トラブルも相次いでいる。訪日客の急増で宿泊施設の不足が深刻になっており、早急に明確な基準をつくり、安心して使える民泊を普及させたい考えだ。
( → 日本経済新聞 2015-11-23

 一方、11月20日の朝日新聞では、届け出制や許可制だと報じている。
 《 「民泊」に新ルール検討 トラブル多発、届け出制導入も 》
 政府の規制改革会議は19日、自宅やマンションの空き部屋に旅行客らを泊める「民泊」に適用するルールづくりの検討を始めた。周辺住民と宿泊客とのトラブルが相次いでおり、空き部屋の仲介業者や提供者に届け出制や許可制を導入する案が出ている。
 安倍政権は急増する外国人旅行者の受け皿として、民泊の拡大をめざしている。しかし、ルール整備の遅れから都市部を中心にトラブルが続発。このため、規制改革会議では、従来の旅館業法よりも緩やかな新ルールを整えることでトラブルを防ぎつつ、普及を後押ししたい考えだ。
( → 朝日新聞

 どうしてこうなったかというと、中国旅行者が急増しているからだ。ここ1〜2年で、猛烈に増えている。
 そのせいで、日本人にとっても、「週末はホテルが取れなくなった」という問題が生じている。これは、前にも論じた。
  → 東京のホテル事情

 こういう事情があるから、冒頭で述べたような「民泊」という方針が出るわけだ。

 ──

 しかしながら、「民泊」には、いろいろと問題が多い。
 部屋の持主が、自分も住みながら、その一室を貸し出す……というような場合ならば、管理は行き届くだろう。
 しかしながら、部屋の持主が住まない場合もある。マンションの一室を借りたあと、自分では住まずに、「民泊管理会社」みたいな会社に管理を任せて、普通の部屋をホテルとして貸しっぱなしにする……というような例が出る。
 こうなると、普通のマンションの一室が「白タク」ならぬ「白ホテル」みたいになる。普通のホテルに比べると、従業員がいない分、管理が行き届かない。不特定多数の人間が次々と交替で宿泊することになり、マンション住民にとっては住環境が悪化する。安全性も悪くなる。
(たとえば、強盗や強姦したあとで、こっそり逃げ出す……というような場合も起こるかも。気づいたときには、もはや宿泊者は国外に逃げていた、となったら、逮捕もままならない。犯罪者引き渡し条約を結んでいない国だと、いっそう大変だ。)
 また、オートロックのあるマンションだと、暗証番号が不特定多数にバラされてしまうことになり、マンション全体のセキュリティがひどく悪化してしまう。
 こういう問題があるから、容易に「民泊」を認めるべきではないのだ。
 ま、問題がいろいろあることは、私が指摘しなくても、すでにホテル業界などで話題になっているだろう。
 本項では、とりあえず、話題を簡単に整理しておいた。

 ──

 このあとさらに、追加的な話を示そう。

 そもそも、問題の根源は、中国旅行者が急増したことだ。これに対しては、どう対処すべきか? 

 中国人旅行者には、ラブホテルを勧める、という話もある。安くて広いので、家族向けにはいいらしい。
  → ホテル不足で訪日中国人のラブホテル宿泊が急増

 私が思うのは、「需要を分散するといい」ということだ。
 ホテルが不足しているのは、大都市の洋式ホテルに限られている。そこで、地方の和式の旅館に需要を分散させるといい。今の地方では、閑古鳥の鳴いている温泉旅館が多くなったので、そちらに需要を分散させるわけだ。こうすれば、
  ・ 寂れた地方の旅館が賑わう
  ・ ホテル不足の東京でホテル不足が解消する

 というふうに、一石二鳥となる。

 ちなみに、地方旅館の衰退の例として、鬼怒川がある。ここはもはや廃墟状態であるそうだ。
  → 大型ホテルの廃墟が渓谷沿いに並ぶ「鬼怒川温泉」のヤバさは異常
  → 鬼怒川温泉で廃墟を見る
  → 鬼怒川温泉が寂れて廃墟な理由をまとめてみました
 鬼怒川以外の例もある。
  → 倒産・廃業・休止などで【廃墟】になった場所まとめ

 ただ、地方旅館では、そのままでは中国人を受け入れることはできないようだ。中国人は英語を使えないので、中国語の対応が必要だからだ。しかしこの点は、中国語を話せる人を雇用することで、対処できるだろう。
 このように、いろいろと、「問題と対処」という事例がいろいろとある。この件については、下記を参照。
  → 中国人観光客1,000万人が迫る日本の改革
 
 なお、「訪日中国人観光客の8割は団体客」という情報もある。
  → 観光庁のレポート

 ──

 というわけで、いろいろと情報を示した。
 本項では、特に私の独自の提案らしきものはなくて、この話題の情報を整理して提供したぐらいである。詳しくは、リンク先を見てほしい。

( ※ 「そんなことはどうでもいい」と思うのであれば、ほったらかしてください。 (^^); )
( ※ 「俺は仕事で忙しくて、観光なんかしている暇はないんだよ!」と怒鳴りたい人もいるでしょう。ご愁傷様です。私も同じです。 (^^); )
( ※ ちょっと暇ができたら、箱根にでも行くといいでしょう。箱根は噴火の危険がなくなって、規制が解消しました。) 


 【 追記 】
 書いたあとで気づいたが、中国人旅行者の「地方志向」は、すでに現実化しているそうだ。
  → 鳥取、下着、ラブホ……中国人観光客が好む意外な場所・モノは?
 一部抜粋しよう。
 今年後半に見られた、訪日中国人行動の大きな変化の1つが、「地方志向」だ。相変わらず5大都市への観光客数は突出しているものの、今年の春節時期には目立たなかった地方への動きが、注目に値するトレンドへと成長している。
posted by 管理人 at 20:34| Comment(3) | 一般(雑学)3 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
韓国でも同じような「民泊」が実施されたが、粗悪な施設が多いせいで、国全体の評判を落としている。
 以下、転載。

 ──

 個人が自分の住居を観光客に貸し出す以外に、ビル全体をホテルに改装し、違法経営する業者も現れており、ソウル市特別司法警察は今年3月に27カ所を摘発した。宿泊施設を経営する資格を取得しておらず、避難設備や客室の消毒も不十分という状況だが、ある行政関係者は「窓がなくても換気設備があれば宿泊先として登記できる」と述べ、合法的な手続きを経て営業しているホテルでも利用者からは「二度と利用しない」、「窓がなくて息苦しさを感じる」という声が上がっている。
 韓国では中国人観光客が年々増加する一方、リピート率は低下している。10年のリピート率は37.4%で、13年は25.8%に縮小した。韓国の観光ホテル業界の関係者は「旅の中で、『宿泊』は基本的な要素。観光客が宿泊先に不満を持てば韓国を再び訪れないだけでなく、韓国の印象そのものを損ねてしまう」と危機感を示している。

 → http://www.recordchina.co.jp/a108567.html
Posted by 管理人 at 2015年11月27日 19:22
続報。
 「東京五輪、ホテル1万室不足 「民泊」ルールづくりへ」
  → http://www.asahi.com/articles/ASHCT44S6HCTULFA00J.html

 五輪のときにほてる不足になるから、今のうちに民泊を導入しよう、という趣旨。

 ──

 しかし五輪のときのために、やたらと無許可営業を増やすのは、通りが通らない。
 かといって、何もしないのでは、五輪時に困る。また、現在でも、金曜・土曜は慢性的なホテル不足だ。
 → http://openblog.meblog.biz/article/26521885.html

 これを解決するには、「需要が多いときだけ民泊を認める」というふうにすればいいだろう。つまり、
  ・ 現時点では、金曜・土曜・休日前のみ
  ・ 五輪のときは、期間中ずっと
 こういう条件でなら、民泊を許容してもいい。一般のホテルにとっても営業妨害にはなるまい。(もともと満室である。)
Posted by 管理人 at 2015年11月28日 19:56
<FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> の関連情報。
 中国人が日本の地方を見て、喜んでいる状況。
  → http://news.livedoor.com/article/detail/10877104/
Posted by 管理人 at 2015年12月01日 22:25
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