2015年11月14日

◆ 年金不正受給者を発見するには

 年金不正受給者を発見するには、いちいち現場まで調査しにいく必要はない。コンピュータのデータを見るだけで、自動的に発見できる。

  ※ 本項は読まなくていいです。内容は一部修正されました。
 ──

 【 注記 】
 実は、この方法は、すでに実現済みだという。
 本項末の 【 追記 】 を参照。




 年金の不正受給者が、立て続けに摘発された。
  → 義母の死隠して年金不正受給 尾張旭の女を逮捕 (愛知県)
  → 長男逮捕 西郷、両親の年金不正受給か (福島県)

 もちろん、他にもいっぱいある。統計データもある。
 年金の不正受給が相次いで判明し、国による返還請求が急増している。2014年度の返還請求額は1億1千万円を超え、前年度の約 2.3倍になった。
( → 朝日新聞 2015-11-13

 そこで、対策も取られているが、実に原始的な方法だ。
 不正受給を防ぐため、自治体の住民基本台帳ネットワークと機構に登録された住所が異なる受給者に対し、機構は毎年1回、生存を確認する現況届の提出を求めている。14年2月から対策を強化。現況届が必要な75歳以上のうち、介護保険料を年金から天引きされていない約8千人を対象に戸別訪問などの調査を進めている。
( → 同じ記事

 戸別訪問だって。いかにも原始的ですね。これでは、調査のコストが莫大にかかる上に、調査漏れが頻発するはずだ。
 実際、グズグズしているうちに、時効になって、回収できなくなる例が続発している。
 不正受給と認定して国が債権として返還請求できる年金額は12年度が 3386万円、13年度が 5021万円、14年度が1億1362万円。3年間で計2億円近くのうち14年度末までに回収できたのは 18%にとどまる。
 そのうえ、不正受給が分かっても会計法で国が返還請求できるのは過去5年分だけ。それより前の分は時効で消滅する。今年5月に岐阜県で発覚した約 5100万円の不正受給事件で返還請求できたのは 700万円弱だけだった。厚労省は時効で消滅した総額を把握していないという。
( → 朝日アピタル(医療・健康)

 こんなことでは、泥棒のやり得というありさまだ。あまりにも不公正だ。

 そもそも、こう問題は、どうして起こるか? 次のページで詳しく解説されている。
  → 「なぜ防げない 年金不正受給」 | NHK 解説委員室

 つまり、こうだ。
  ・ 本来ならば住民票コードで死亡がわかるはずだ
  ・ 1960年以前の分は、住民票コードがないので、「現況届け」を使う。
  ・ そのとき、「現況届け」で親が生きているように偽ることが可能。


 こういうふうにして、すでに死んだ親の年金を、子が詐取することができるわけだ。

 ──

 以上で、詐取する方法がわかった。とすれば、これに対する対処策もできる。私の提案は、こうだ。
 「厚労省の内部で、年金番号と、健康保険番号を、照合する。(将来はマイナンバーを使ってもいい。)これによって、死者に年金が払われていることが、自動的に検出される」


 なぜか? 人間は、生きている限りは、健康保険の出費があるからだ。特に、高齢者ならば、歯医者のお世話になることがあるはずだ。医者にも歯医者にもかからないような高齢者は、ほとんどいないだろう。とすれば、
 「年金の支払いがあるが、健康保険の支払いがない」
 という高齢者は、
 「実際には死亡しているのに、年金が不正受給されている」
 と見なせるのだ。こうして、年金の不正受給が、データのチェックだけで自動的に判明する。

 このあとは、現地をチェックすればいい。もちろん、厚労省だけでなく、警察官も連れていって、相手を不正受給という犯罪の容疑者として家宅捜索すればいい。これで犯罪を摘発できる。

 現状では、相手に容疑があっても、何の証拠もないから、家宅捜索もできない。しかし、上記のようなチェックができれば、高齢者は実際には死亡している可能性が極めて高いので、裁判所が令状を発行して、家宅捜索が可能となる。そして、家宅捜索ができれば、高齢者が存在しないことが判明して、不正受給を止めることができる。

 ──

 ともあれ、以上の方法では、必要なのは、コンピュータによるデータの照合だけだ。特に大規模なコンピュータは必要ない。普通のパソコンが1台あればチェックできるはずだ。
 どうやって? とりあえず、健保のリストから、「健保の支払いがない」「65歳以上である」という2条件に合致する人を探せばいい。そういう人の数はごく限られている。その上で、年金を受給しているかどうかチェックすればいい。もし年金を受給しているなら、その高齢者は、まず間違いなく、架空の存在であり、子による不正受給があるはずだ。特に、高齢者が子と同居していれば、不正受給の可能性はいっそう高まる。さらに、高齢者が 75歳以上であれば、不正受給の可能性はいっそう高まる。ここで、警察が出動すればいい。
 警察はまず、に銀行口座の引き出し状況を見るといい。毎度毎度金が引き出されていれば、不正受給という犯罪がある可能性は極めて高い。
(ただし、稀に、銀行口座の引き出しがストップしている例もあるかもしれない。その場合は、不正受給ではなくて、本人死亡で無届けの状態だ、となる。以後は、死亡処理に移るといいだろう。警察は、死体遺棄などの捜査に移る。)



 【 追記 】
 実は、この方法は、すでに実現済みだという。
 また、この方法を実施しても、対象となる人々が多すぎて、解決はまだまだ困難であるという。
 以上は、コメント欄で指摘された。コメント欄(11月16日)を参照。
posted by 管理人 at 19:51| Comment(4) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
88歳の医者嫌いの介護認定も受けていない元気な?痴ほうの母と同居している私たち親子は常に容疑者リストに載るって訳か・・・
数年ごとに健康診断くらいされては?の便りがとどきますからね。あとは連携を取るだけで時間の問題ですかね。
ま、いいけどね。病気になってはいけないので母には内緒にしとこう・・・

それにしても18%も回収できてるとは立派ですね。
Posted by 吉里吉里人 at 2015年11月15日 11:18
本項の提案が実現する見込みは、まず、ないです。私が提案したことで、現実に実現したことは、ほとんどない。国は指摘されても、ずっと膨大な無駄をやり続けています。あれもこれも。
Posted by 管理人 at 2015年11月15日 13:02
>健保のリストから、「健保の支払いがない」「65歳以上である」という2条件に合致する人を探せばいい。

 それに近いことを実施したら、人数は多いし、その殆どは実在してるから苦労してるんだと思いますが

 後期高齢者医療を1年間(平成21年7月から22年6月までの間)継続して利用していない76歳以上の年金受給者 34万1,312人
 現況申告書を送付し回答のあった方のうち、回答内容が「死亡」又は「消息を知らない」以外であり、かつ、後期高齢者医療を2年間(平成21年7月から23年6月までの間)継続して利用していない年金受給者 16万2,480人
 この16万2,480人に訪問調査を実施し、健在であることを確認した者 15万9,402人

参考資料
平成24年9月5日年金局事業管理課給付事業室
「所在不明高齢者に係る年金の差止めについて」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002j5v6-att/2r9852000002j5wn.pdf
Posted by nb at 2015年11月16日 10:33
> by nb

 ご指摘ありがとうございました。
 あとで本文に注記しておきます。
Posted by 管理人 at 2015年11月16日 12:10
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