スパコン開発をやめてしまえ、という見解が出てきた。前に民主党の事業仕分けで「2位じゃ駄目なんですか?」というのがあったが、その自民党版だ。
税金のむだ遣いを検証する政府の「行政事業レビュー」の2日目が12日、開かれた。
河野太郎・行政改革相は10月の就任後、「『1位が1台』と『2位が 10台』、どっちが有効か」と繰り返し、文科省を批判。12日の検証でも、有識者が「費用に見合う成果が期待できるか、わかりやすく説明すべきだ」と指摘した。
( → 朝日新聞 2015-11-13 )
ずいぶんとまあ、滅茶苦茶な議論だ。
「『1位が1台』と『2位が 10台』、どっちが有効か」
そりゃ、『1位が1台』よりは、『2位が 10台』の方が有効ですよ。だけど、台数が 10倍になれば、価格も大幅に上がる。10倍とは言わないが、3〜5倍ぐらいのコストアップになる。それじゃ、かえって逆効果だろうに。まったく、何を考えているんだか。
なお、「2位が 10台」という数字の根拠は、たぶん、次のガセネタだろう。
→ 米IBM「セコイア」が最速に 79億円で倍の性能
しかしこれはガセネタだ。
「京」の場合は開発費と製造費。
「セコイア」は製造費だから比べようがない。
セコイアの設置先はローレンスリアモア研究所で用途は「核シミュレーション」です。要するに軍事費から研究開発費が出ていてそれはセコイアの購入金額には組み入れられていない。
( → 知恵袋 )
では、正確な価格はどれだけか? ググればすぐにわかる。
The current price tag for the IBM Sequoia supercomputer cost close $250 million dollars
( → Bitcoin Magazine )
つまり、250 million ドル。つまり、約 300億円だ。(本日レートで 307億円。)
スパコン「京」は、1100億円がかかったが、開発をやめたからといって、1100億円がまるまる浮くわけではない。どっちみち、300億円はかかるわけだ。自主開発にかかる費用は、差額の 800億円だけだ。これで(次期開発までの)8年間がもつのだから、年間では 100億円だけだ。
年間 100億円の技術開発費。これは、別に、ことさら高額ではあるまい。F-2 支援戦闘機が津波をかぶったということで、その修理費に 800億円も支出した。こんな馬鹿高い修理費に大金を払うよりは、スパコンの技術開発費に金を払う方が、はるかに有効だろう。
( ※ ちなみに、中国はそのことをよく理解しているから、自力でスパコンを開発している。さすがに CPU は自力開発でないが、それでも世界トップレベルの技術水準を維持している。この中国ほどの知性ももたず、技術の価値を理解できないのが、大方の日本人だ。)
( ※ 「スパコン開発なんかやめてしまえ」という声。→ はてなブックマーク)
──
さて。呆れた現状はわかった。日本人の知性レベルが低いこともわかった。そこで、本題に入る。
「スパコン開発の意義は何か?」
これを述べよう。
まず、概説として、次のページがある。
→ 京速コンピューターをなぜつくるのか?
この記事は、概説としてはなかなか良く書けているので、結構評判がいい。ただし、肝心の「スパコン開発の意義」については、ほとんど触れられていない。特に、「税金投入の意義」についてはろくに触れられていない。
そこで、私が説明しよう。
まず、基本としては、次のことがある。
「研究というものは、それ自体のコストは重要でない。その研究からもたらされた波及効果こそが重要である」
つまり、スパコンにかかった金が 1100億円だという情報を見て、「1100億円は高い! 無駄だ!」と騒ぐのはナンセンスだ、ということだ。かかった金を見るよりは、そこからもたらされる成果を見るべきだ。その成果は、非常に大きい。
具体的にはどうか? 次のページがある。
・ 次世代スパコンとは(理化学研究所)
・ 意外に身近なスーパーコンピュータ - 国立情報学研究所(PDF)
・ 「スーパーコンピューター(スパコン)」って何がすごいの?
いろいろあるが、「自動車の構造解析」と「分子創薬」が代表的だろう。
「自動車の構造解析」は、スパコンで自動車の構造を計算することで、自動車の骨格を最適化する。その具体的な成果は、下記にある。
→ 新型プリウスはボディ剛性60%アップ
ボディ剛性60%アップというのは、途轍もない成果だ。これによって自動車の走りや乗り心地は大幅に向上する。
仮に計算をきちんとしないで、材料を60%増やすことで剛性を上げるとしたら、重量が非常に重くなって、燃費がひどく悪化する。逆に言えば、ここでは、剛性を高めることを少ない部品で実現することで、燃費削減効果も高めている。
さらに、衝突安全性も大幅に高まる。このことは、自動車の交通事故死者を大幅に減らす。
ちなみに、近年の交通事故死者数は、劇的に減少している。

出典ページ
ひところは 2万人ほどの交通事故死者があったのだが、昨年は 4113人 まで死者が激減している。このことの理由は、信号の整備や、エアバッグの装備や、医療技術の向上などもあるだろうが、自動車の衝突安全性が劇的に向上したことも、大きく影響している。そして、自動車の衝突安全性が劇的に向上したことには、コンピュータの発達にともなって自動車の構造解析が進んだことが大きな理由となっている。つまり、コンピュータ技術の発達が、回り回って、交通事故の死者数の大幅な減少に貢献しているのだ。
また、分子創薬も大切だ。このことで、新たな創薬がなされて、病気の治療や、生命の救済のために、大きく貢献している。ここでも多大な人命を救うことにコンピュータが貢献しているのだ。
そして、以上のようなこと(自動車の構造解析や創薬)には、コンピュータの能力がきわめて重要となる。スパコンを使うのと使わないのとでは、結果に大きな差が出るのだ。
──
「別にスパコンじゃなくたっていいだろ」
という反論もあるかもしれない。つまり、
「少しぐらい性能の劣るスパコンもどきだって、安価に同じようなことができるだろ。だったら、安価なスパコンもどきの方がいいさ。金がかからないし」
しかし、このような発想は、「時間」というものの重要性を理解できていない。開発が遅れると、大幅な機会損失が起こるのだ。
その典型的な例が、MRJ の開発の遅れだ。
→ MRJ は失敗するだろう
MRJ は、三菱が純血主義にこだわって、外国人技術者の導入を拒んだ。そのせいで、開発が4年も遅れた。結果的に、後発のライバルであるエンブラエルに、追いつかれて、追い越されてしまった。かくて商業的には大失敗というありさまだ。
技術開発の世界では、4年という遅れは致命的だ。それと同様に、1カ月でも2カ月でも、開発が遅れることは機会損失をもたらす。
新型プリウスは現段階では最高レベルの技術水準を誇っているが、同じ結果を数年後に出したとしても、もはや陳腐化しているはずだ。技術開発というものは、何よりも、ライバルに先んじることが大切なのだ。そして、そのためには、研究開発費を惜しむべきではない。プリウスならば、スパコンの使用料を惜しむべきではない。そして、プリウスは実際、研究開発費をケチらなかった。だからこそ、世界最先端の技術を持つ製品となった。
それとは逆に、研究開発をケチって、ライバルに遅れる、という研究戦略もあるだろう。たとえば、まわりのライバル会社が Android 6.0 の製品を売り出している時期に、開発費の金をケチって、Android 3.0 という古い技術の製品を売り出すようなものだ。こういう方針では、ライバルには確実に負ける。
そして、そういう方針を取りたがっているのが、今の日本だ。「お金をかけるのがもったいないから、技術開発費をケチろう」と。
まったく、情けない。
──
というわけで、スパコンは必要だ。日本が先端技術を維持するためには、何が何でも絶対に必要だ。
あとは、次の二者択一となる。
・ 外国から輸入する
・ 自主開発する
(1) 外国から輸入する
外国から輸入する場合には、コストを下げることができる。とはいえ、それでも 1100億円が 300億円になるだけだ。8年間でこれだけだから、年間ではたったの 100億円だけ。
さらに、外国から輸入する場合には、安全保障上の問題がある。米国や中国から輸入すれば、いつ「輸出禁止」という措置で買えなくなるかもわからない。契約したあとで、買えると思っていたら、突然、契約解除、という形になるかもしれない。その分、研究が遅れる。
また、米国から輸入する場合には、輸出禁制品となりがちだ。(ちなみに、戦闘機では、10年前に開発した F-22 さえ販売してくれなかった。なのに、 F-22 を上回る最先端のスパコンを、日本にあっさり輸出してくれる、なんてことは、考えにくい。常識的に言って、輸出禁制品だ。)
とすれば、現実的には、「米国よりも1〜3年遅れの旧型のみ販売」というような形で、制限を受けるかもしれない。(もともと米国のスパコンは、軍事費で研究開発をしている、最先端兵器である。その最新技術を、日本にあっさり渡すとは、思わない方がいい。たぶん、常に一歩後れた技術しか、供与しないだろう。その分、日本の研究は遅れるわけだ。)
さらに、日本が自力で開発しなければ、「日本の開発力が低下する」という問題も生じる。
(2) 自主開発
自主開発ならば、税金の投入が必要となる。セコイアが 300億円だから、1100億円との差額で、800億円の費用が自主開発に投じられる。これが8年間にかかる費用だから、年間では 100億円だ。
これは、国が技術を維持するための費用としては、きわめて安価な額である。先に戦闘機の修理費に 800億円、という例を示した。他にも、もっと同様の無駄な支出の例がある。
最も額が巨額なのは、「兵器の国産化」だ。たとえば、戦闘機1機あたり、国産のために 100億円を支出している。その他、小銃とか、戦車とかもある。総額では、途轍もない額が、「兵器の国産化」のために支払われている。どうせ「自主開発」を重視するのであれば、兵器なんかよりもスパコンの方が優先度が高いのだが。
それでもまだ、「兵器の国産化」には、それなりの意義がある。「まったくの無駄だ」とは言えない。
一方、「まったくの無駄」と言える例がある。下記だ。
・ ふるさと納税に半年で 453億円 (年 900億円の規模)
・ 企業版ふるさと納税で大幅減税
後者は、どのくらいの額になるかは記していないが、数百億円の規模にはなるだろう。
ともあれ、前者も後者も、「ふるさと納税」という形で、国の金をばらまく。これは、国にとっては純然たる無駄であり、一種の脱税だ。
→ ふるさと納税は合法的な脱税
脱税のために、毎年 1000億円を大幅に上回る規模の金を支出する。毎年ですよ。これに比べれば、スパコン開発の 100億円(= 800億円/8年)は、はるかに少額だ。
仮に、この「合法的な脱税」をやめれば、スパコン開発の 100億を出した上に、さらに毎年 1000億円を大幅に上回る額を節約できる。
どうせ節約するのであれば、「ふるさと納税」という合法的な脱税をやめる方が利口というものだ。
なのに、脱税のために莫大な金を支出しながら、肝心の先端技術開発のための金をケチって、自動車の剛性計算も分子創薬もなおざりにして、技術先進国としての立場を失うなんて、自分で自分の首を絞めるようなものだ。
愚の骨頂。
( ※ ついでだが、「ふるさと納税」のほかにも、無駄な出費はある。「リニアコライダー」というのがそれだ。日本にとって何の利益も見込めないことのために、4000億円も支出する、という浪費。これは、別項で論じた。 → 直線加速器・誘致は愚行 )
──
結論。
政府には莫大な無駄が山のようにある。削減するなら、そっちを削減するべきだ。
一方、スパコンの費用を節約しても、年額 100億円のそのまた何割か(※)の金しか、節約できない。年額数十億円だけの金をケチって、一国の科学技術の水準を落としてしまう。これほど愚かなことはあるまい。
比喩的に言えば、小学生が、ノート代と鉛筆代をケチって、勉強の費用を削減して、勉強能力を落とす。その一方で、お菓子代とゲーム代には、山のように金を出費する。かくて、浪費しながら、どんどん馬鹿になるばかり。……これと同じことをやろうとしているのが、日本だ。
※ 「何割か」の理由は → [ 付記1 ]
【 追記 】
修正すべき点があったので、修正する。
「セコイアは 300億円」
と記したが、これは不正確だったようだ。この価格は、米国内における販売価格だ。これは、米国にとって国力の向上になるから、この価格となる。
一方、ライバルとなる日本に対して、同じ価格で販売するとは思えない。米国の納税者の金でつくったスパコンを、米国民と同等の金で買えるようにするとは思えない。たぶん、もっと高い価格(正当な価格)で販売するだろう。500〜700億円ぐらい。場合によっては、1000億円かも。
米国から買うなら、このくらいの金額を想定するべきだ。「開発直後に買いたい」と要求すると、2000億円ぐらいを吹っかけられるかもしれない。米国から買うという方針なら、そのくらいの金額を覚悟しておくべきだ。何しろ、自主開発を諦めたら、どれほど高値を吹っかけられても、受け入れるしかない。たとえ「1台1兆円」と言われても、その言い値を受け入れるしかない。それが現実だ。
( ※ 「米国がスパコンを売ってくれないはずがない」と思う人もいるかもしれない。しかし、そんなことを思うなら、「IBMそのものを買ってしまえばいい」と思えばいい。IBM の時価総額は 140億ドル、つまり、2兆円弱だ。この金額で IBM を買えば、以後は日本独自のスパコン開発をしないで済む。……しかしそんなことを、米国政府が許すはずがない。日本がIBMを買うことはできないのだ。同様に、米国の最先端のスパコンを日本が買うことはほぼ不可能だろう。最先端の軍事用品なんだから。たとえ大統領が「売ってもいい」と言っても、米国の国防省が大反対してつぶす。)
[ 付記1 ]
スパコンに国費を投入するというが、まるまるの損失となるわけではない。というのは、企業の利用には、料金を取っているからだ。たとえば、トヨタからは、何億円か何十億円かを取っているはずだ。こういう形で、民間利用から金を徴収しているから、投じた開発費がまるまる無駄になるわけではない。
別途、維持費が 年間 100億円以上かかるが、これは、電気代や人件費なので、スパコンの自力開発をやめても、同様にかかる。いや、米国のスパコンを使うと、電気をもっと食うらしいので、維持費はかえって増えてしまうかもしれない。
なお、学術研究は、無料だ。この分は、料金を徴収できない。しかし、学術研究にコストをかけるのは、当然だ。とすれば、この分は、「学術研究費」という形で請求してもいいことになる。人々は「スパコン代」を国が払っているつもりでいるが、実は、その使用料に当たる分は、別の科学の研究費に該当しているのだ。……たとえば、「宇宙創生期のシミュレーション」という研究をしているとしたら、名目上は「スパコン経費」として計上されるが、実質的には、「計算物理学の学術研究費」に該当していることになる。
この意味でも、無料で使わせる研究の使用料に当たる分は、スパコンの経費として考えるべきではない。「基礎科学費」として考えるべきだ。
あれこれ合わせると、国がスパコンに払う費用は、年 100億円にはとうてい及ばない額となる。年 50億円以下だろう。
なお、スパコンにかかる「基礎科学費」についてまで削減したいのであれば、それはもはや、悪名高い民主党の「事業仕分け」という名の「科学大虐殺」と同様になる。
→ 民主党の科学大虐殺 1
→ 民主党の科学大虐殺 2
→ 科学大虐殺の中止
民主党の「事業仕分け」という名の「科学大虐殺」は、最終的には中止となった。ところが、そのうちの「スパコン大虐殺」については、今ふたたび、自民党政権のもとで検討されつつある。そして、それに拍手する人々が、けっこういるのだ。(はてなブックマークなど。)
[ 付記2 ]
スパコンの必要性が理解できない人には、次の例がわかりやすいだろう。
「企業が社員に、パソコンのコストダウンを命じた。── 高性能の高価な機種など、必要ない。安価な低性能な機種で十分だ。CPU は Atom で、メモリは 2GB で十分だ。Chromebook で十分だ。MS-Office なんか必要ない。どうしても Office ソフトが使いたければ、リナックスと OpenOffice にしろ」
その結果、エクセルのマクロも使えなくなり、業務が大幅に停滞する……という結果になる。
こういうコスト優先主義による業務能率の低下、という方針が、スパコン不要論の比喩となる。
[ 付記3 ]
とはいっても、スパコンの研究のすべてが正しいわけではない。例外的に、どうしようもなくひどい例もある。それは「津波のモデル計算」というモデル研究だ。
この研究は、研究としては面白いが、現実的には、研究が進めば進むほど、津波の被害者が増える、という逆効果をもたらす。つまり、「手術は成功しました、患者は死にました」のような感じで、「研究は成功しました、国民は死にました」となるはずだ。研究が進めば進むほど、死者は大幅に増えてしまう。
→ スパコンで津波の予測
知識というものは、増えればいいというものではない。「得た知識をどう生かすか」ということまで考えないといけない。そこを考えずに、単に研究者の興味だけで研究を進めると、結果的には死者が増えてしまうこともあるのだ。
こういう逆説的なことは、ときどきある。たとえば、田老地区では、ものすごく頑丈な防潮堤を築いたが、そのせいでかえって多大な死者が出てしまった。
→ 史上最大の愚行(被災地)
→ 田老地区の防潮堤と津波
馬鹿と挟みは使いよう、という。スパコンもそうだ。研究者が興味本位で「災害のシミュレーションごっこ」なんかをやっていれば、そのせいでかえって死者が増えてしまうこともあるのだ。
そういうことを自覚する謙虚さも必要だ。「とにかく研究すればいいんだ」なんていう無反省な方針では、研究者失格だ。
[ 付記4 ]
「 CPU には、インテルは AMD の汎用品を使えば、安上がりにスパコンができる」
という主張がある。それは、ある意味、正しい。実際、低レベルのスパコンは、その方法で作られている。日本でも東大などが、その種の低レベルなスパコンを導入している。企業でも導入しているところがある。
ただし、最先端のスパコンは別だ。
PRIMEHPC FX10もバカ売れすれば安くなるわけで、コストなんてしょせん鶏と卵の話でしかない。
インテルやAMDのCPUは高性能だが、やはり向き不向きがあって、CPUだけで京クラスのスパコンを作るのはほとんど不可能。
( → スラド )
ここに書いてある通り。「インテルやAMDのCPUは……京クラスのスパコンを作るのはほとんど不可能」なのだ。
実際、IBM も、自社開発の専用 CPU を使っている。
→ 世界最速スパコン、セコイア(IBM Blue Gene/Q)の凄さの秘密に迫る
ここで示されているように、特注品の最高クラスの CPU だからこそ、他を圧倒できる性能を発揮できるのだ。
一般に、軍需品というのは、民生品では代替が利かないほどの高レベルの特注品となっているものだ。スパコンもまた同じ。民生品で軍事用品レベルのものができるとは思わない方がいい。
【 関連サイト 】
自動車の構造解析については、下記の解説がある。
→ スーパーコンピュータが実現する、コンピュータシミュレーションの世界
※ 以前は自動車を実際に壁に衝突させる実験をしていたが、
近年ではシミュレーションで計算できるようになり、
衝突安全性が大幅に向上した。
自動車の空力については、下記の解説がある。
→ スーパーコンピューターを活用した自動車の空気力学シミュレーション
※ 以前は自動車を実際に空洞に入れて実験していたが、
近年ではシミュレーションで計算できるようになり、
空力性能が大幅に向上した。
例として、トヨタのプリウスの前輪周辺部がある。
おかげで Cd値は 0.24 という驚異的な値だ。
スパコンによる燃費削減効果は莫大だ。
【 関連項目 】
スパコン開発について、過去記事の一覧は、こちら。
→ サイト内 検索
そして前回と同じく科学の権威から反対意見が出て、首相がそれを聞いた上で「科学技術立国には必要なんです。」と鶴の一声で削減案を覆す。というシナリオでしょうか。
6機で 800億円だが、これは新品を買うのとほぼ同じ値段。それでいて、水没品の中古品の再生だから、寿命はかなり短い。新品を買う方がよほどマシだ。
また、そもそも、F-2 を購入する理由がない。対艦ミサイルを4発搭載できるのが売りだが、価格が二倍以上になってしまったのだから、無意味だ。それだったら、対艦ミサイルを2発搭載する F-16 を2機購入する方が、安価だし、機数が多い分だけ有利となる。
水没品については、修理なんかしないで、そのまま部品取りに回すべきだった。パソコンのジャンク品と同じで、部品取りに回す。それが最善だろう。
「古い XP のパソコンを再生する」と称して、筐体だけを残しながら、部品を総取っ替えすれば、どうなるか? 機能は新品同様になるが、人件費が莫大にかかって、コストは大幅にアップする。
これと同じ無駄が、F-16 の 800億円だ。スパコンと同じ値段です。ドブに捨てたようなものだ。
タイムスタンプは 下記 ↓
それやるのは、河野太郎やマスコミの仕事だし、彼らはそれをやるために給料をもらっているんだから、彼らに任せます。私が無料奉仕する義理はないし。
私がやるのは、人々がそろって間違って とんでもない方向に進むとき、「違うぞ」と指摘するだけです。
もんじゅとか核燃料サイクルは、指摘している人がいっぱいいるので、私が書くまでもありません。先に紹介した「天空の蜂」でも解説されています。
→ http://openblog.meblog.biz/article/26464338.html
この本を読んだ方が早い。
→ http://www.sciement.com/blog/3dcg/ut-heart-2/1250/
経歴を見たら、後輩だった。