(1) ワクチンの限界
「ワクチンの接種が必要だ」と声高に唱える人もいるが、ワクチンには限界がある。
第1に、ワクチンの対象となる HPV16 と HPV18 は、日本では 50〜70% を占めるだけなので、残りの 30〜50% に対しては無効である。この分については、ワクチンを接種しても効果がない。(皆無ではなく、いくらかはあるかもしれないが。)……そういう意味の限界がある。(ウィルスのタイプの限界)
第2に、ワクチンを接種しても、実際に発病するのは 25歳以上である。多くは 35歳以上である。とすれば、すでに 25歳以上である女性たちには、何の効果もない。また、ワクチン接種年齢(12歳〜16歳)ではない年齢層(17歳以上)では、ワクチン接種がないのだから、これらの人々にも効果がない。(年齢層の限界。)
(2) 検診の有効性
ワクチンの効果が限定的であるのに比べて、検診は全員に効果がある。
・ HPV16 と HPV18 に限らず、すべてのタイプに有効だ。
・ 16歳未満に限らず、17歳以上の全年齢で有効だ。
このように、検診はとても有効なのだ。
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以上の点からすれば、「ワクチンを接種せよ」と唱えるより、「検診を充実せよ」と唱えることの方が、はるかに重要だ、とわかる。25歳以上の女性は、もともとワクチンを接種しても手遅れなのだから、ワクチンを接種する機会はない。これらの年齢層にとっては、検診だけが有効なのだ。
そして、検診で早期発見がなされれば、子宮頸がんに罹患していたとしても、致死的にはならないのが普通だ。
だから、子宮頸がんに関して、何よりも大切なのは、早期発見のために、検診を充実させることだ。
ところが、その検診が、日本は先進国では最低レベルである。 ここに最大の問題があると言える。
子宮頸がんについては、「ワクチンを接種すべきだ」と主張する前に、まずは「検診を充実するべきだ」と主張するべきだ。こちらの方がはるかに優先度が高い。ワクチンを接種するべきかどうかは、検診体制を充実させたあとにくる話題だ。
なのに、検診体制を貧弱なまま放置して、やたらと「ワクチンの接種を」と唱えるようでは、「製薬会社の回し者だ」と見られても仕方ないだろう。
国民のためを思うのであるなら、ワクチンよりも検診を先に充実させるべきだ。金はそのために使うべきだ。
ワクチン接種を先にすると、製薬会社は儲かるが、国民の命は逆にないがしろにされてしまう。
【 関連項目 】
次の資料がある。
→ 子宮頸がんの概要及びHPVワクチンの有用性[PDF]
この文書には、次のデータがある。(グラフで。)
・ 検診による実効性の効果 (13頁)
・ 検診の受診率が日本は最低レベル (14頁)
後者のグラフを、下記に転載する。

何故45歳なのか?何故成長期の大切な時期に子供たちがワクチンを打たなければならなかったのか…
45歳まで有効だとするパンフレットを見たときには愕然としました。
産科関連学会はどうしても子宮頸がんワクチンを打たせたい様です。検診に行かれる方は注意が必要です。