2015年10月19日

◆ トンボの絶滅を救え

 赤とんぼを初めとするトンボが絶滅の危機にある。では、絶滅を避けるにはどうすればいいか? ──

 赤とんぼを初めとするトンボが絶滅の危機にある。
 環境庁のレッドデータブックには、絶滅危惧I類(CR+EN)として10種類のトンボがあげられています。
( → 絶滅しそうなトンボたち

 具体的には、下記にある。(絶滅危惧種に準ずるものも含む。)
  → 昆虫類レッドリスト (環境省):トンボ目 - Wikipedia

 次の記事もある。
 赤トンボの代表種「アキアカネ」が激減し、地域で絶滅の恐れがある生き物のリスト(レッドリスト)に加える自治体が相次いでいる。原因ははっきりしていないが、農薬との関連をうかがわせるデータもある。
 石川県立大の上田哲行名誉教授(動物生態学)によると、同県内でアキアカネの羽化が確認できた水田は89年で80%だったのに対し、09年は19%。実験では、90年代に登場して全国の水田に広まったネオニコチノイド系農薬を散布すると、不使用時と比べて羽化率が7割も落ち込むことが確認されたという。
 環境省も昨年度、ネオニコチノイド系など農薬8種の影響を文献などで調べたが「トンボに影響していることが示唆されるものの、確認には至らなかった」との結論だった。
( → 毎日新聞 2015年08月19日

 ここでは、絶滅の危険を訴えるとともに、「農薬が原因かも」と示唆している。

 同じく、農薬の関与を疑う記事もある。
  → ネオニコチ系農薬 赤トンボが絶滅の恐れ

 とはいえ、「影響があるらしい」というだけのことであり、はっきりと「絶滅危惧の原因だ」と断定できるほどにも強い影響があるわけではない。

 ──

 以上の話だけならば、単に既知の報道を示しただけだ。
 ここで、新たな視点として、次の事実を示そう。(朝日新聞の特集で示された事実。)
 「トンボが激減したことの影響には、外来生物であるアメリカザリガニの急激な増殖がある。アメリカザリガニは日本の各地で急激に増殖して、その地にいる水生生物(昆虫類)を皆殺しにしている」


 たとえば、次の報道がある。
 最近の研究で、日本全国に広く見られるアメリカザリガニは、じつは在来のトンボやゲンゴロウといった水生昆虫にとっては、まさに脅威そのものであることが分かってきました。
 福井さんが異変に気づいたのは10年ほど前。アメリカザリガニが異常に発生し、その翌年、突然に沼の環境が一変してしまったといいます。それまで水面を覆っていた水草が全滅、希少なトンボは姿を消してしまいました。雑食性のアメリカザリガニが、水草も昆虫も手当たり次第に食らいつくしてしまったのです。
 同様に石川県や千葉県でも、ザリガニが突然沼や池に発生して、もともと生息していた生き物を絶滅に追いやる例が相次いでいると研究者は指摘しています。
( → 「本当はこわい、アメリカザリガニ」|NHK 2010年10月21日

 他にもある。
 (アメリカザリガニは)雑食性で、絶滅危惧種の水草や水生昆虫に対して非常に大きな影響を及ぼすことがわかっています。
 例えば、静岡県桶ヶ谷沼(おけがやぬま)は、国内希少野生動植物種であるベッコウトンボの全国有数の生息地でしたが、増加したアメリカザリガニによって捕食されたりして生息数が減り、危機的な状況に追い込まれています。
 その他の水生昆虫や水草にもアメリカザリガニの影響で同地から絶滅してしまったと考えられる種がいくつも報告されており、現在もアメリカザリガニの駆除活動が続けられています。
 また、石川県金沢市の池では、数種の水草とともに国内希少野生動植物種であるシャープゲンゴロウモドキが姿を消してしまいました。2000年代後半にアメリカザリガニが侵入して、これらの在来種を捕食した結果、この池から絶滅したものと考えられています。
 これらの他にもアメリカザリガニの侵入により、水生生物が消滅する事例が各地から報告されています。
( → アメリカザリガニは侵略的外来種 |『エコナビ』

 以上のような理由で、トンボの絶滅を防ぐには、農薬なんかよりも、アメリカザリガニの駆除が大切だ、とわかる。

 ──

 とはいえ、以上は、既知の情報だ。私がここで新たに書く必要は特にない。
 私がここで取り上げたのは、新しいアイデアがあるからだ。それは、次のことだ。
 「ザリガニをいちいち駆除するのは大変だ。( 上記サイト でも大変な手間をかけている。) そこで、人間がいちいち駆除するするかわりに、カモに駆除させればいい」

 具体的には、次の動画を見ればわかる。





 他に、写真集もある。
  → マガモがザリガニを食べる写真集

 カモが喜んで、アメリカザリガニを食べてくれる。だからアメリカザリガニの駆除は、カモに任せればいいのだ。
 これが本項の提案だ。

( ※ アメリカザリガニはとても美味しいので、カモは喜んで食べる。ただし、人間が食べてもいい。 → 参考サイト



 [ 付記1 ]
 カモに水田の害虫を駆除させる、という農法は、合鴨農法として知られている。
  → 合鴨農法 - Wikipedia
 これを、アメリカザリガニに適用したのが、本項だ。

 [ 付記2 ]
 生態系の頂点にあたる天敵がいないと、環境が激変してしまう例がある。その一例として、「狼が絶滅したあとのイエローストーン公園」がある。そこでは鹿がやたらと繁殖して、環境は激変してしまった。豊かな森林が、荒れ野になってしまった。(一種の砂漠化。)
 その後、狼を導入したら、鹿に破壊されていた環境は元通りに回復していった。まさしく環境が激変して、荒れ野から森林へという変化が起こった。
  → ほんの少数のオオカミの群れが自然に奇跡をもたらすまで(米イエローストーン国立公園)




 イエローストーン公園における狼の役割を、水田においてカモが果たす。
posted by 管理人 at 20:18| Comment(12) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブラックバスもザリガニをものすごい勢いで食べますね。同時にヤゴや水棲昆虫も食い尽くします。鴨(アヒルでいい)はいいアイデアですね。
Posted by 京都の人 at 2015年10月20日 00:25
湖沼の環境保全の管轄は自治体の公園緑地課あたり?課長さんか主査クラスの公務員がこのブログを読んで、さっそく実行に移してくれることを望みたいですね。
Posted by 菊池 at 2015年10月20日 09:29
鴨が食べる量はたかがしれてます。本当に実効性のある方法をやるならブラックバスを特定から解除しろ、駆除をやめろと主張すべきでしょう。
ブラックバスが特定に指定された10年前から、ブラックバスだけ駆逐すると、ブラックバスに押さえつけられてたアメリカザリガニが大増殖するという声はありましたが、あるべき日本の生態系を取り戻せ原理主義者の妄信のせいで省みられませんでした。
現実に、植物が豊富で昆虫もたくさんいたが、カエルや魚が少ない池で、”害魚”ブラックバスを駆除したら、大増殖したザリガニが植物を食い尽くし、昆虫もいなくなって死の池となってしまった例もあります。
ザリガニの根絶が不可能な以上、あるべき日本の生態系を妄信する人間には頭に来るでしょうが、ブラックバスにザリガニを食わせるアメリカミシシッピ川の生態系を導入するしかないと思います
Posted by RFT at 2015年10月20日 22:47
ブラックバスはいたるところにいて、皇居でも、びわ湖でも、一般河川でも、たくさん見られます。日本の在来魚が駆逐されてしまっています。これはやはりまずい。

鴨は、大量に繁殖したアメリカザリガニを食べるというよりは、大量に繁殖する前に食べるはずです。だから大丈夫。

ただ、カモが主食とするのは、雑草らしいので、たくさんある雑草を駆除するために、水田にかなりたくさんのカモを入れる必要がある。

アメリカザリガニはおいしいので、カモは先にアメリカザリガニを食べるでしょう。そのせいで、雑草を食べる量が減ってしまうかもしれない。弊害は、そっちに現れる。
Posted by 管理人 at 2015年10月20日 23:08
日本固有種でザリガニ対策とするのであれば、イシガメがいいようです。
http://blog.livedoor.jp/yyiigdo/archives/1118076.html
Posted by 京都の人 at 2015年10月21日 02:24
イシガメは水質悪化にかなり弱いようなので、アメリカザリガニが生息する環境で果たして生きていけるのかという疑問は残る気がします。
Posted by 菊池 at 2015年10月21日 08:45
そうですね 蜻蜒 見なくなりました
水棲の六脚類  ですからね 皆殺しされてますかね

 カモより 必要なのは <よどみ><たまり> なのでは

 ドラゴンフライ 彼らの飛翔 かれらの刻 (とき)
Posted by k at 2015年10月21日 23:07
カモにアメリカザリガニを減らす効果があるとしたら、カモを増やすのは良い方法かもしれない。しかし、合鴨などは人の手で管理する必要があるので、効果は限定的だろう。
むしろ、日本の留鳥であるカルガモの増加を促す方が効果がある。しかし近年カルガモは減少している。原因は除草剤による可能性がある。
@水田における除草剤の使用によって食物が減少したかもしれない。
A水田の畦にも除草剤が散布され、営巣場所がなくなった。昔は畦に大豆などを植えておりまた雑草が生えていて、多くのカルガモが営巣していた。最近では何も生えていない。そういう場所にはカルガモはほとんど見られない。
どうにかして、カルガモの営巣場所を確保できれば効果があるかもしれないが、農家がその話に理解を示すかは未知数である。
Posted by ドラゴン at 2015年10月22日 11:32
カルガモなどの野鴨を使う話は、本日分の項目で書く予定です。
 カモなら、水田よりも湿原や池ですね。
Posted by 管理人 at 2015年10月22日 12:30
あの。。
鴨を管理するのはとても難しいしお金もかなりかかりますよ。
イタチにすぐ捕食されますし人間も捕獲するでしょう。
Posted by 田舎者 at 2015年11月16日 22:01
カモの管理? うーん。上野やお茶の水でもやってるが、勝手に来て、勝手に去っていくだけみたいですよ。見物人がパン屑を与えるぐらいかな。

 イタチ? ど田舎ならともかく、都会の近辺だと、イタチなんかいないと思うので、孤立した領域を新たに作っても、イタチは来ないでしょう。イタチが空を飛ぶなら、孤立した地域に新たにやって来るだろうけど、イタチは空を飛ばないので。
 
 Wikipedia によると、「棲息域を山間部に限られつつある」とのことなので、低地の川のそばにはいないでしょう。
Posted by 管理人 at 2015年11月16日 23:21
合鴨やアヒルは、猫やイタチに補食されることがあるようですが、水鳥なので、いざというときには水の方へ逃げ込める。

この手の鳥は、群れをなすのが常で、群れのなかの一羽が犠牲になっても、他の鳥は逃げることが可能です。あらかじめ多数を用意しておけば、たとえ捕食で半減しても、残りの半分は生き残ります。それで十分。
Posted by 管理人 at 2015年11月17日 01:01
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