2015年09月02日

◆ 佐野研二郎の業績

 佐野研二郎は日本では最高レベルのアートディレクターだとも、ただのパクリ屋だとも思われている。どう評価すべきか? ──

 佐野研二郎の評価は二分する。
  ・ ただのパクリ屋だ
  ・ 最高レベルのアートディレクター(グラフィックデザイナー)だ

 そのどちらが正しいか? 

 ネット上の評価を見ると、あれもこれもパクっているので、パクリ体質が身についており、才能などは全くないようにも見える。
 その一方で、これまで多くの受賞歴がある。

 どうにも矛盾した存在だ。どちらとも決めかねる。
 で、謎があれば謎を解きたがるのが Openブログ だ。そこで、この問題を扱おう。

 ──
 
 とりあえず、彼の作品を調べてみる。
  → 今話題のアートディレクター・佐野研二郎の世界
 
 これを見ると、結構素晴らしい業績があるように見える。
 その一方で、多くにパクリの疑惑がある。
  → 佐野研二郎パクり、盗作疑惑の作品一覧まとめ

 両者を比べると、次のような評価が下せそうだ。
 「自分で独力でアイデアを出すことはできないが、他人のアイデアを流用して、自分なりの洗練したデザインの作品を提出する」


 これは、パクリと言えばパクリだが、アイデアは著作権の対象とならないので、著作権法違反とまでは言えないようだ。
( たとえば   ●|●|  を応用した作品)

 とはいえ、素晴らしい才能があるわけではなくて、パクって流用・転用する才能があるだけだ。にもかかわらず、「独力でこのアイデアを生み出しました」というふうに装っているわけで、パクリ呼ばわりされるのも仕方ない。
( ※ 法的に違法とまでは言えないが、真の尊敬は得られない。偽りの尊敬が得られるだけだ。それも、バレるまでだ。)

 この意味では、佐野研二郎は、「クリエーター」と呼ばれるより、「パクリエーター」と呼ばれるのが妥当だろう。 

 ──

 ただ、以上のように説明することで済むかというと、そうでもない。次の作品があるからだ。
  → 多摩美 広告 「MADE BY HANDS.」
tamabi.gif
 この作品は、「ニューヨークADC金賞、ロンドンD&AD金賞/イエローペンシル、ONE SHOW DESIGN金賞、カンヌライオンズ金賞を受賞しました」と述べられているとおりで、真に素晴らしい作品だと言える。一部に素材の無断転用が見られるが、それは、素材に金を払っているかどうかという問題であるにすぎない。素材に金を払っていたとすれば、何の問題もなかった。要するに、これらの作品の出来映えは、素材の盗用とは関係なしに、素晴らしい出来映えとなっている。私としても感嘆しきりだ。
( ※ 一部にアイデアのパクリがあると判明しているが、もとのデザインよりも圧倒的に優れており、十分に独創性が見られる。アイデアは別として、画像の洗練度が非常に高い。)

 では、このシリーズを作成した佐野研二郎は、素晴らしい才能の持主なのだろうか? 「そうだ」と言えそうだ。……(*

 その一方で、次の問題が生じる。
 「サントリーのトートバッグのデザインは、あまりにも低レベルのデザインばかりだった。いくら部下がやったとしても、自分の名前で、これほど低レベルのデザインを公開するということは、デザインセンスの点で非常に疑わしい」
 つまり、サントリーのバッグでは、盗用したこと以前に、そのデザインのレベルの低さが問題となるのだ。これらのうちでちょっとはマシなのは、猫が顔を出しているのと、蝶ネクタイのデザインだけだ。(どちらもパクリ元はきちんとしたデザイナーだ。)他のほとんどは、ただの素材レベルで、あまりにも安くて粗悪なデザインばかりである。これらのデザインを自分の名前で出すことなど、恥ずかしくてできないのが普通だろう。にもかかわらず、彼はこれらを自分の名前で出した。これはつまり、彼のデザインセンスが著しく低いことを意味する。……(**
 
 結局、上の二つは矛盾する。では、(*)と(**)の、どちらが真実なのか?

 ──

 ここで、多摩美のシリーズをよく見ると、他の作品とは著しく違いがあることがわかる。

 他の作品は、シンプルな図形で、幾何学的なことが多く、少ない色を上手に使っている。(カラフル)
 多摩美のシリーズは、複雑でエレガントな画像で、精密で複雑な線が多く、色は白黒だ。

 こうして見ると、多摩美のシリーズは、佐野研二郎の他の作品とはまったく異なる傾向を持つことがわかる。ちょっと違うというよりは、まったく正反対の原則から作られている。「佐野研二郎」という名前をはずせば、佐野研二郎の作品だとは誰も思うまい。それほどにも正反対の性質を帯びていうのだ。

 ──

 実を言うと、多摩美のシリーズには、他の作品とはまったく異なる点がもう一つある。それは、共作者の名前が記されていることだ。
  「 D=香取有美(14年グラフィックデザイン学科卒/MR_DESIGN)」

 つまり、AD(アートディレクター)佐野研二郎のもとで、香取有美(今は佐野研二郎の会社 MR_DESIGN の社員)という D(デザイナー)が、この作品を作ったわけだ。(参考
 しかも、異例なことにデザイナーの名前が大きく出ていることから、この作品の大きな部分が香取有美によってなされたことになる。

 ここまで理解すれば、真相は明らかだろう。
 多摩美のシリーズを実質的につくったのは、香取有美だ。彼女は、佐野研二郎の指導を受けたが、実際には、そのデザインのほとんどを彼女だけでつくった。だからこそ、佐野研二郎のテイストとはまったく正反対の作品ができたわけだ。
 その意味では、多摩美のシリーズの真の作者は香取有美であり、佐野研二郎は何らかの指導をしただけにすぎない。「こういう画像を探したら」とか、「面白いアイデアの画像を探してみたら」とか。……そういう指導を受けた上で、画像の選択も、画像の組み合わせも、香取有美一人で実行したのだろう。佐野研二郎がやったことは、出来上がった作品にOKを出すことぐらいだったと思える。
 そして、そうやって作品ができたあとで、作品全体に「佐野研二郎」という署名を入れたことだけが、佐野研二郎の本質的な役割だ。
 
 つまり、ここにおいては、パクリがなされたというよりは、盗用がなされたと考えていい。作品全体を弟子から盗んだわけだ。そうとしか考えられない。(それ以外に合理的な説明はできない。)

 結局、佐野研二郎は、カラフルで単純な図形のデザインに関しては優秀な「パクリエーター」であった。(他人のアイデアを流用するが、洗練させた作品をつくることができる。)その一方で、多摩美のシリーズにおいては、弟子の作品をすっかり盗用したと言えそうだ。

 ──

 とはいえ、この手の盗用は、理系の研究社会でも、しばしばなされる。大学院生の研究を教授が盗んだ、というような例は、日常茶飯だ。
 盗用がいけないというのであれば、理系の研究社会で蔓延している、教授の盗用こそ、激しく指弾されるべきだろう。こっちの方がずっとひどい。
( ※ 佐野研二郎は、優秀な部下をきちんと雇用しているだけ、ずっとマシだ。教授の場合は、国の金で大学院生をそばに置いているだけだ。しかも、大学院生には金を払うどころではない。)
 


 [ 付記 ]
 佐野研二郎がパクった例が、すでに報道されたもの以外にもあることは、業界内のデザイナー(中島英樹)が告白している。
 彼は、僕の過去の作品を、アイデアに影響されたのではなく、僕のアイデアをパクっていたのだと思うと気絶する。
( → 中島英樹の facebook の転載

 かなり狭い範囲内のデザイナーたちのなかですら、こういうふうに簡単にパクられた例が見つかる。とすれば、パクリの例は、枚挙に暇があるまい。

 [ 補足 ]
 上のことからして、常識的に考えれば、佐野研二郎のデザインのほとんどすべてはパクリだ、と推定できる。少なくとも、創意のあるデザインに限っては、そうだ。
 一方、三角と四角と円形という積み木みたいなデザインならば、あまりにも低レベルであるがゆえに、これは佐野研二郎の独自デザインであると認定できる。佐野研二郎以外では、こんな低レベルなデザインを出すはずがない。(恥ずかしくて提出もできないだろう。)
 こんな低レベルなデザインを「優れている」と認定するのは、これとほぼそっくりなデザインを出した人(富山県立近代美術館のポスターを描いた人)だけだろう。……ボケた委員長に迎合して、ボケたデザインを出せば、うまく採用される、というわけ。




 【 関連サイト 】

  → 卒業制作優秀作品集2014 > グラフィックデザイン学科 > 香取 有美
posted by 管理人 at 22:17| Comment(5) |  東京五輪・豊洲 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
審査員と被審査員?が入れ替わっただけの金賞たちですね
Posted by 先生 at 2015年09月03日 06:43
にわか素人デザイナーが ネット上にオリンピックエンブレムを発表し始めるかもね

クソコラグランプリみたいに^^;
Posted by P助 at 2015年09月03日 10:23
その多摩美の作品のいくつかも写真の盗用が見つかってますよ。
具体的にはメガネと影絵が完全一致だそうです。
ちなみにオリンピックエンブレムのコンペへの参加資格を佐野氏はこの作品群の受賞で得ています。
作品自体が不正ですし、DではなくADとしての作品でもあるため、本来ならコンペへの参加資格自体がなかったと言えます。
Posted by KOON at 2015年09月03日 12:07
盗用とは知らずに先生に指導されたんだろ
こんな使い方があるよって
この生徒は、先生の指導でキャリアを汚されたことになる
哀れ
Posted by stranger at 2015年09月04日 04:30
▲、■のJ.T.はシンプルな造形・色彩ながら誠にバランスがとれていて、美しいものだと思います。

醜悪な梅干し模様をさらにバランスを変えて配置したので、見るも無惨になったどっかの原案とは格が違うと思います。

なので、▲・■だからパクってないとは断言できないような気がします。
Posted by 通りすがり at 2015年09月04日 11:36
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