佐野研二郎が、パクリをしたことを公式に認めて、バッグのデザインを取り下げた。
佐野研二郎氏(43)が手掛けたサントリービールのキャンペーン賞品の一部を取り下げた問題で、佐野氏が 14日、代表を務める事務所の公式ホームページ(HP)で「事実関係を調査した結果、デザインの一部に関して第三者のデザインをトレース(描き写し)していたことが判明した」と明らかにし、謝罪した。
以下、佐野氏のHP全文。
( → 日刊スポーツ 2015年8月15日 )
デザインを取り下げたことで、一件落着となるか? 法的には、そうかもしれない。しかしここでは、重要な問題が残されている。それを指摘しよう。こうだ。
「パクったデザインは、いずれも凡庸な素材レベルである。こんなものを、まともなデザインだと称して、自分の立派なデザインだと評価して承認したところからして、佐野研二郎のデザイン能力は最低レベルだと評価される」
具体的に言おう。今回のパクリデザインは、次のものだ。
→ http://francepresent.com/sanokenjiro/
この中で、とりあえずはデザインになっているのは、次の二つだけだ。
No.12 海に泳ぐ女性デザイン
No.25 顔を半分出した黒猫
この二つだけは、とりあえずはデザインになっている。特に後者は、パクリ元( クッション ,本人サイト )に、かなり近い出来映えとなっている。つまり、パクリ元のデザインと同じぐらいのレベルにある。この意味で、まともなデザインとなっている。
一方、これ以外は、いずれも、まともなデザインとなっていない。
・ フランスパン …… ありふれた素材写真
・ BEACH …… 素材画像のレベル
・ サングラス …… ありふれた素材写真
・ 書籍 …… 素材画像のレベル
・ スイカ …… 素材画像のレベル(元デザインの劣化版)
・ 小鳥 …… 素材画像のレベル
いずれも素材画像や素材写真のレベルである。要するに、名もない二流のデザイナーが短時間でチョコチョコッと作った粗悪品、というレベルだ。単品で何かの商品に使えるようなデザインレベルではない。(使えるのは、先の No.12 と No.25 だけだ。)
一般に、まともなデザインというものは、そのデザインに独自の魅力が必要だ。たとえば、24時間チャリTシャツなら、次のようなデザインがある。

出典
これはまともなデザインだ。きちんとしたデザイン性がある。これを、金を払ってでも買いたいと思う人も多いだろう。それだけのデザインがある。
しかし、佐野研二郎のトートバッグは違う。ここには、きちんとしたデザイン性がない。素材画像や素材写真のレベルである。単品で何かの商品に使えるようなデザインレベルではない。
にもかかわらず、佐野研二郎は、このデザインを自分の名前で販売した。「このデザインは 佐野研二郎・作 と称するに値する」と思った。だからサントリーは「佐野研二郎デザイン」と称してキャンペーンをした。
→ サントリー キャンペーン・サイト
ところが、本人が「このデザインは 佐野研二郎・作 と称するに値する」と思ったというその作品のレベルは、ただの素材画像・素材写真のレベルだったのだ。つまり、次の等式が成立する。
素材画像・素材写真のレベル = 佐野研二郎のレベル
このことを、彼は自ら公言したのである。それが今回の発表の意味だ。
彼はたぶん、「デザインを取り下げることで、法的な問題は回避できる」と思ったのだろう。なるほど、法的な問題は回避できるかもしれない。
しかしこのとき、同時に、上の式が成立することを認めてしまったのだ。つまり、「自分には才能が無い」ということを認めてしまったのだ。……罪を免れるのと引き替えに。
──
結局、彼はこの発表によって、責任を部下に転じることに成功した。しかし同時に、自分のデザインのレベル(自分の名前で出す作品のレベル)が、素材画像レベルであることを認めてしまったのだ。
※ デザインを選んだのは部下だとしても、部下の選んだ作品を
自分の名前で出すことを決めたのは、佐野自身だからだ。
とすれば、結論は明らかだ。
「佐野研二郎は無能なデザイナーなのだから、五輪のエンブレムの採用は中止する。デザイン料の 100万円の返還を求めることはしないが、別途、新たにデザインの選定をやり直して、新たなデザインを採択する」
これが正しい方針となる。
ただし、ここでは、次のことも必要だ。
「同じ仲間内の審査員を使ってはならない。審査員は新たに選考する」
「選考過程は公開する。候補作をあらかじめ公開する」
「ネットにおける大衆の人気投票も実施する」
同様のことは、前にも述べた。
→ 五輪エンブレムをやり直せ
→ 新国立競技場レポート 1
ともあれ、無能なデザイナーの凡庸な作品は、さっさと捨てた方がいい。彼が無能であることは、彼自身が告白したのだ。その彼のデザインを使うことは、とんだ恥さらしだろう。
五輪のエンブレムをやり直すことが必要なのは、彼が法的に違法行為をしたからではない。彼が無能であるからだ。(……そのことが今回判明したのだ。)
[ 付記1 ]
別の案をデザインした人もいる。
→ Zaricor Originals
しかし、このデザインは駄目だ。「国旗に落書きした」という形のデザインだからだ。こんなものは国旗に対する不敬罪に当たる。また、独創性もほとんどない。
こんな下らないデザインをするから、素材ぐらいしか描けないんだよ。
[ 付記2 ]
参考で示すと、私は次のデザインを作った。

あとは、お好みで。
→ http://www.sankei.com/sports/news/150817/spo1508170042-n1.html
ここで、大会組織委というのは、IOC の一部ではなくて、日本の JOC などの参加を受けた、日本国内の独立組織。人員はすべて日本人。
→ https://tokyo2020.jp/jp/organising-committee/
→ http://nihon9999.blog77.fc2.com/blog-entry-12272.html#