2015年08月09日

◆ 高齢者のエアコン

 高齢者が真夏に熱中症で死亡する例が多い。これはエアコンを買い換えることで予防できそうだ。 ──

 高齢者が真夏に熱中症で死亡する例が多い。
 東京都内でこの夏、室内で熱中症で死亡した人は61人で、このうち半数が1人暮らしの高齢者でしたが、家族などと同居していて亡くなった高齢者も17人に上ることが、東京都監察医務院などへの取材で分かりました。
 東京都監察医務院や警視庁によりますと、東京都内では、先月11日から今月4日までの25日間に熱中症の疑いで死亡した人は少なくとも68人に上っています。
 このうち61人が室内で亡くなっていましたが、その半数に当たる32人が1人暮らしをしていた65歳以上の高齢者でした。ほとんどの人がエアコンを設置していなかったり、使っていなかったりしていて、室内が高温になって熱中症になり、誰にも気付かれないまま死亡したとみられます。
 一方で、家族などと同居していても体調の異変に気付くのが遅れたりして死亡した人は22人で、このうち17人が高齢者でした。東京・日野市では、先月13日、妻と同居する80代の男性が自宅で意識を失い、病院に運ばれましたが、熱中症の疑いで死亡しました。警視庁によりますと、男性は数日前から体調を崩して食事を十分にとっていなかったうえ、男性がいた部屋は窓が閉めきられ、エアコンは使われていなかったということです。
( → NHKニュース 2015-08-07

 エアコンがあってもつかわかった、という例が多いようだ。
 次の事例も、同様らしい。
 8日、東京・板橋区の住宅で熱中症とみられる症状で死亡しているのが見つかった、高齢の姉妹3人は、ことし、詐欺の被害に遭ったことから、それ以降、用心して窓を閉めきることが多くなっていたことが、知人らへの取材で分かりました。
 3人は「クーラーをつけていると、のどが痛くなる」と親族や知人に話していて、発見時、クーラーは止まっていました。
藏津さんは、漢詩や和歌をうたう詩吟を続けていたということで、仲間によりますと、日頃からのどを大事にして、家ではクーラーをつけず、扇風機を使っていたということです。
( → NHKニュース 2015-08-09

 この事例では、詐欺が話題になっているが、詐欺は直接の原因ではあるまい。「窓を閉めていた」というが、エアコンを使えば、どっちみち窓を閉める。だから、窓を閉めたことが原因だというよりは、エアコンを使わなかったことが問題だ。
 ここでも、冒頭の記事と同様だと言える。

 問題は、高齢者がエアコンを使わないことだ。それは、なぜか? 
 記事にはこうある。
 「漢詩や和歌をうたう詩吟を続けていた」
 「日頃からのどを大事にして」
 つまり、本人のエアコンでは、「使うと喉が痛くなる」という問題が発生していたことになる。これは、よく聞く話だ。
 ググってみたところ、次のサイトが見つかった。
  → http://kuwasikusiritai.com/post-1004/
 これによると、エアコンで喉が痛くなる理由は、乾燥だ。
  ・ 必要な湿度は 60%程度。
  ・ エアコンでは、湿度は 40〜50% まで下がることも。


 ではなぜ、それほどにも湿度が下がるのか? エアコンで冷やしすぎるのが原因であるようだ。温度設定を高めにすればいいのだが、そうせずに、冷やしすぎると、湿度が下がってしまう。
  → 健康チェックナビ

 ではなぜ、エアコンで冷やしすぎてしまうのか? それは、こうだ。
 「旧式のエアコンだと、細かな温度設定ができないから」

 旧式のエアコンだと、細かな温度設定ができない。おおざっぱな ON・OFF だけがあるので、そのたびに、高めになったり、低めになったりする。通常、エアコンを付けっぱなしにして、低めになりすぎる。そのせいで、温度の冷やし過ぎとともに、空気の乾燥が進む。
 実際、この3姉妹のエアコンも、旧式のエアコンであったようだ。室外機がいかにも古臭いからだ。

aircon.jpg


 一方、最新式(というか数年前から)のエアコンだと、細かな温度設定ができる。1度単位で温度を設定して、その温度に室温がきちんと定まる。これはどうしてかというと、インバーター方式という方式をとっているからだ。つまり、交流で周波数を変調することで、出力をなだらかに変化させることができる。だから、かなり弱い出力のまま稼働させ続けることが可能で、細かな温度設定が可能となる。しかも、省エネだ。(冷房の費用は、休止に比べて、大幅に安くなる。)
 さらに最新式では、交流のかわりに直流を使う PAM 式インバーターというものもできている。こちらは効率がさらに大幅に向上している。( 90% から 99% へ)
  → 現代家電の基礎用語:インバーターエアコンとは

 ──

 結論。

 高齢者が熱中症で続々と死ぬ。その理由は、エアコンを使わないからだ。というのも、エアコンを使うと喉が痛くなるからだ。
 しかしこの問題は、エアコンをインバーター式に買い換えることで、解決する。インバーター式ならば、細かな温度設定が可能だからだ。
 


 [ 付記1 ]
 ちなみに、私は夜間は、扇風機を付けた状態で、温度設定を 30度にしている。これが 29度になると、寒くて、ガタガタぶるぶる震えてしまう。体がすっかり芯まで冷えてしまう。29度と 30度で、これほどにも差が出る。
 例の3姉妹のうちの1人は、寝室で死んでいたそうだが、夜間に蒸し暑さで死んでしまったと思える。夜間でさえ 32〜34度ぐらいになるからだ。(地域にもよるが。)

 私の場合は、32〜34度を 30度まで下げることで、快眠できる。(寝る直前はもっと冷やす。)
 一方、29度では、寒すぎる。
 こういうふうに微妙な調整のできるエアコンを使えば、多くの高齢者の熱中症による死をなくせるはずだ。
( ※ 就寝中でなく日中ならば、「28度以下にすべき」という指針がある。 → 総務省消防庁の方針

 [ 付記2 ]
 だから、温度調節が細かくできるように、
 「高齢者のエアコンを、インバーター式に買い換えるよう、促進する」
 という運動を推進するといい。これで大幅に死を減らせる。しかも、エアコン産業は儲かる。人の命を救うために、正当な仕事(金儲け)をするのならば、とても好ましいことだ。
 オリンピックでいっぺん使ったあとは(サブトラックなしのせいで)ゴミになる競技場よりは、高齢者の人命を救うために、インバーター式のエアコンを普及させた方がいいだろう。
 おんぼろな室外機を見つけるたびに、買い換えを促進するといいだろう。
 


 【 追記 】
 次の重要な情報を見つけたので、転載する。
 (医師として)往診していて気づいたことがあります。認知症のある患者さんの場合、昨年までエアコンの操作ができていた人が、今年はできなくなっているケースがあるのです。これらの患者さんは「私はエアコンの風が嫌いなので使いません」と言われます。認知症の患者さんは、今まで自分でできていたことができなくなったとは認めたくないのです。
 認知症が疑われる人が身近にいる場合には、ご本人に実際にエアコンの操作をやってもらい、できるかできないかを確認することが必要です。
( → 朝日新聞・声欄 2015-08-13 )

 これで思ったのだが、今のエアコンのリモコンって、操作しにくいよね。特に、ボタンがきちんと押しにくい。パチンと押すタイプではなく、いちいち液晶画面で操作状態を確認しないといけないやつ。
 昔のダイヤルタイプと違って、高機能にはなったが、操作が難しくなった。老眼や白内障などで、目の悪い人には、操作が大変だろう。……メーカーが老人を殺している、という可能性もある。
posted by 管理人 at 13:33| Comment(7) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は、寝るときに「風とおる敷きマット」というのを使っています。体の下に風が通ることで、敷ふとんが体熱で暖かくならず快適です。消費電力は3W程度で経済的です。もちろん、クーラーと扇風機も使っています。
Posted by senjyu at 2015年08月09日 22:27
>旧式のエアコンだと、細かな温度設定ができない。
>おおざっぱな ON・OFF だけがあるので、そのたびに、高めになったり、低めになったりする。

1980年代末に買ったエオリア(松下電器)も1度単位で温度設定できましたよ。1980年代初めからエアコンはマイコン制御で細かな温度設定が可能になってます。インバーターもその頃から使われています。

>実際、この3姉妹のエアコンも、旧式のエアコンであったようだ。
>室外機がいかにも古臭いからだ。

2年前に買ったわが家のエアコン(東芝・大清快)の室外機と同じですよ。

エアコンを使うと喉が痛くなるのは、エアコンの風が体に直接当たるからです。認知症でグループホームに入居している伯母が夜になると発熱するんで調べてもらったら、昼に座っている場所でエアコンの風が体に直接当たっていることがわかり、場所を移動させたら発熱しなくなりました。

あと、湿度って相対湿度ですよね。喉が痛くなるのは、絶対湿度の方が重要なのでは? ふつう絶対湿度が8g/g(DA)以下になると、風邪やインフルエンザにかかりやすくなると言われています。これは気温20℃で相対湿度55%のときです。気温28℃で相対湿度40%の場合、絶対湿度は9.64g/g(DA)あるので、喉を痛めることはありません。
Posted by 王子のきつね at 2015年08月11日 01:06
インバーター機種は確かにかなり前からありましたが、当時はすごく高額だったんです。高級品のみ。普通の人は買えませんでした。
 今では最低価格の安物ですらインバーターになっています。

 3姉妹については、「エアコンは温度が下がりすぎるから使わない」と言っていたとテレビで報道されました。やはり微調整ができないタイプなのでしょう。
 あるいは、最初に強くしてから弱める、という使い方を知らなかったか。または「おやすみ」タイマーの使い方を知らなかったか。
 今回の詳細は調べないとわかりませんが、一般的には、インバーターに買い換えることで、使えないはずのエアコンが使えるようになります。
Posted by 管理人 at 2015年08月11日 07:52
単位を間違ってました。

× g/g(DA) → ○ g/kg(DA)
Posted by 王子のきつね at 2015年08月11日 09:54
この事件の新聞記事を受け、ある医師が投書欄に次のような趣旨の投稿をしているのを読みました。
「エアコンが苦手だという高齢者の中には、認知症やそれに類する記憶力低下のためにエアコンの使用方法が覚えられないが、そのことを認めたくないがために『エアコン嫌い』を自称する人もいる。(ので、周囲の人は注意を)」

私にとっては目から鱗でしたので、情報提供させていただきました。
Posted by とおりすがり at 2015年08月16日 21:56
↑ あ、そうだ。それ、私が書こうとしていて、忘れていたことだった。ありがとうございます。
 
 この件、本文の最後に <FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> として加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2015年08月16日 22:33
NHK の調査報道。 2015/09/21 

  ̄ ̄

 熱中症で救急搬送された人のうち、認知症が疑われる高齢者が東京23区で少なくとも120人に上っていたことが自治体への取材で分かりました。
 中には認知症の影響でエアコンの使い方が分からず、冷房と暖房をつけ間違って熱中症になった人もいて……
 NHKは東京23区の自治体に聞き取り調査を行いました。その結果、認知症が疑われる状態で、熱中症になって救急搬送された人は少なくとも120人に上ることが分かりました。現場に駆けつけた際、死亡していた人も2人いました。
 ほとんどが独り暮らしの高齢者で……
 中には、認知症の影響でエアコンの使い方が分からず、冷房のつもりが暖房をつけ続けていた人……もいたということです。

 → http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150921/k10010243811000.html
Posted by 管理人 at 2015年09月21日 21:57
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