2015年08月05日

◆ 夏の電力事情(東電)

 この夏は猛暑だが、電力の事情はどうなっているか? 東電に関して調べてみよう。 ──

 猛暑なので、電力不足が心配になってくる。
  ・ どのくらいの供給があるか? 
  ・ どのくらいの需要になっているか? 
  ・ スマートメーターなどでタイムシフトの必要はあるか?
  ・ 節電の必要はあるか? 


 いろいろとあるが、ざっと調べてみよう。

 どのくらいの供給があるか? 


 供給については、東電が公表している。
 今夏において需要が高まると予想している7、8月において、平年並みの気温の場合では 4,920万kW、2010年度並みの猛暑の場合では 5,090万kWになると見通しております。
 これに対して供給力は、止水のために停止していた塩原発電所(1〜3号機、計90万kW)の工事が7月に完了する見通しであることなどを踏まえ、猛暑の場合でも7月で 5,547万kW、8月で5,650万kWの供給力を確保できる見込みです。
 これにより、2010年度並みの猛暑の場合において、7月の予備力は457万kW、予備率は9.0%となり、安定供給を確保できるものと考えております。
( → 東電プレスリリース

 これで供給についてはわかった。

 どのくらいの需要になっているか? 


 需要については、日ごとの最大電力のデータが出ている。
  → 最大電力実績カレンダー
 これまでのところ、8月4日の 4,856万kW が最大値だ。次いで、8月5日(本日)の 4,817万kW だ。7月中は、いずれもこの値に達していない。そうわかる。
 
 今後の見通しはどうか? 2011年のデータがある。
  → 東電の電力状況(2011年)
 だいたい、電力需要のピークは、8月11日までである。12日以降は、夏休みに入る会社もあるらしく、需要は減り気味だ。
 今年に限ると、天気予報では、今週の末ごろから気温は下がり気味だということで、猛暑も一段落するようだ。ま、8月11日までが心配だが、すでに猛暑にはなっているので、これ以上に電力需要が増えるとも思えない。電力不足の心配はないだろう。

 スマートメーターなどでタイムシフトの必要はあるか?


 一日における電力需要はどうか? 次のグラフがある。(本日8月5日の場合)


denki15a.gif


 10時00分ごろから 17時00分頃まで、ずっとピークに近い値だとわかる。数十年前ならば、午後1時〜3時ごろまでが暑さのピークで、そのころに電力需要もピークになっていた。しかし今では、午前中から夕方までずっと猛暑だ。だからこの間、ずっと電力需要のピーク状態が続く。特定の2〜3時間だけがピークであるわけではないのだ。
 この件は、前にも述べたことがある。
  → 太陽光発電の時変化
  ※ このグラフだと、10時ごろから 20時ごろまでピークとなる。

 結局、この時間帯はずっとピーク状態にあるので、この時間帯の中で電力需要を移動しても、それはピーク対策にはならないとわかる。
 例。「午後2時に 衣類乾燥機を使うかわりに、午前 10時や、午後5時に 衣類乾燥機を使っても、それはピーク対策にはならない」

 一般に、ピーク対策として、最も暑い時間帯(12時〜15時)の電力使用を減らそうという試みがあるが、まったく無意味だ、とわかる。日中はずっとピーク時間帯なので、日中の電力使用を減らしても意味がないのだ。
 この意味では、「電力使用状況をずっとモニターして、日中の電力使用を減らす」という目的のスマートメーターは、まったく無意味だとわかる。
( ※ このページに記してあるが、東電はスマートメーターを強制配布しつつある。強制購入の形となり、否応なく、その代金を支払わされる。役立たずのゴミ機械なのに。/このページには、スマートメーターの効能という話が出ているが、まったく無意味だということは、本項の説明からわかるだろう。日中には刻一刻と電力需要をモニターしていても、まったく無意味なのだ。)

 節電の必要はあるか? 


 電力の供給の状況については、つぎのデータがある。


denki15b.jpg


 次々と火力発電所が増強されており、新しいものほど効率が高い。
 換言すれば、こうなる。
  ・ 新しい発電所は、常に稼働している。 (低コスト)
  ・ 古い発電所は、ピーク日のみ稼働する。(高コスト)

 ここで、高コストとか低コストとかは、経済学で言う限界コスト(固定費の定額分を含まないコスト)である。運転コストと呼んでもいい。

 では、固定費の定額分を含むと、どうなるか? こうだ。

  ・ 新しい発電所は、償却が済んでいないので、高コスト。
  ・ 古い発電所は、償却が済んでいるので、低コスト。

 固定費の償却まで考慮すると、償却の済んだ古い発電所は特に高コストだとは言えないとわかる。それでも、古い発電所はピーク日だけ使うのがベストだ、とわかる。

 さらに、炭酸ガスの効果も考えると、次のように結論してもいいだろう。
 「古い発電所は、効率が悪いので、炭酸ガスを多く出す。だから、ピーク日だけ使うのがベストだ」
 ここでも同じ結論となる。

 要するに、古い発電所は、真夏の猛暑の日(8月上旬など)に限って稼働させるのがいい、とわかる。これで、猛暑のときの電力不足の問題は解決する。また、普段は、あまり古い発電所は稼働させないので、コストや炭酸ガスの難点も少なくて済む。

 逆に言えば、「ピーク日には古い発電所を稼働させる」という方策があるので、8月上旬のような猛暑のときにも、いちいち大あわてする必要はない。「猛暑だから節電しなくっちゃ」などと騒ぐ必要はない。ちゃんと古い発電所が頑張って発電してくれるのだから、人間が我慢をする必要はないのだ。特に、猛暑のときには、エアコンを我慢したりしないで、きちんと熱中症の対策を取る方がいい。
 「電気の節約に努力して、命をなくしてしまいました」
 なんてことになったら、本末転倒である。
 猛暑のときには、遠慮せずに、エアコンをがんがん効かせた方がいい。命あってのものだね。(省エネなんていうのは、はるかに順位が下がる価値しかない。個人レベルの細かな省エネなんか、してもしなくても、電力不足には影響しない。)
posted by 管理人 at 22:10| Comment(3) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スマートメーターの存在意義には以前から疑問を感じておりました。主だったメリットが人件費削減しか思い付かなかったもので。。。 

一番の危惧としてはやはり「スマメ詐欺」の横行でしょうか?
Posted by あにき at 2015年08月05日 23:08
本日の最大電力は 4912万kW で、昨日より 100万kW ほど増えた。
 この値が、たぶん今年の最大値だ。明日以降は気温が下がる見込み。夏休み中は電力需要が減る。下旬には気温が下がる。
 東電の予想では「平年並みの気温の場合では 4,920万kW 」とのことだったが、平年以上の猛暑があっても、そのくらいの数値で済んだことになる。思った以上に節電が進んでいるようだ。もちろん、電力不足の心配はない。
Posted by 管理人 at 2015年08月06日 21:40
本日(7日)の最大電力は 4970万kW で、昨日よりさらに増えて、この夏で最大。
 予報に反して、気温がこの夏で最も高くなった地点が多かったようだ。
 明日・明後日は、曇りで、気温がいくらか下がる見込み。
Posted by 管理人 at 2015年08月07日 19:28
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