新国立競技場にはサブトラックが必要だ、という指摘が前からあった。
→ 新国立競技場 新計画にはサブトラック常設案を
これを受けて、サブトラックを常設してほしい、という要望が陸連から出た。
→ 陸連、サブトラック常設を要望=遠藤五輪担当相に
→ 日本陸連会長が新国立サブトラックの常設化を要望
これが実現すれば万事めでたし……と思うかもしれないが、そう甘くはない、というのが、私の判断だ。
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国際陸連の基準では、世界陸上やオリンピックを開くには、クラス1というレベルの条件を満たすことが必要だ。
→ 陸上競技場 - Wikipedia
ここで、クラス1には、サブトラックが必要だが、サブトラックがあればいいというわけではない。さらに、トラック競技以外の競技のために、補助グラウンドが必要だ。
実際、味の素スタジアムでは、サブトラック(西競技場)のほかに、補助グラウンド(アミノバイタルフィールド)というものがある。
だから、代々木の新国立競技場でも、サブトラックを付けるだけでなく、補助グラウンドも設置しなくてはならないのだ。
では、その場所はあるか? どうも、ないようだ。
まず、次の記事の図を見ると、場所はなさそうだとわかる。
→ 再開発エリア (日経)
さらに、次の地図を見る。
どう見ても、神宮野球場と、秩父宮ラグビー場のほかには、あと一つ(現状では神宮第2球場)ぐらいしか入りそうにない。つまり、サブトラックぐらいなら設置できるが、それで限界であり、補助グラウンドは設置できそうにない。
( ※ 細かく言うと、現状でテニスコートになっている分があり、これをつぶすことで、余裕は出る。ところが、新国立競技場は、8万人のスタンドや、トイレや、飲食店舗などを設置するから、それでかなり場所を食う。その分だけで、現状よりもかなり広い面積を必要とするから、やはり、とても余裕はない。)
神宮野球場をつぶすわけには行くまい。(ヤクルトの本拠地だ。)
となると、どうしても補助グラウンドを作るなら、秩父宮ラグビー場をつぶすしかない。しかし、あの森元首相がそれを黙っているはずがない。(今は読売新聞で連載コラムでラグビー自慢をしている最中だ。)
そもそも、都会の一等地に、補助競技場や補助グラウンドを設置する、という発想が狂っている。世界陸上やオリンピックでしか使わないようなものを設置するなんて、馬鹿げている。次のオリンピックが 50年後にあるとして、それまで 50年間はずっと無駄に眠っていることになる。
( ※ 世界陸上の開催はどうか? これは、別の場所でもできる。クラス1の陸上競技場は、大阪にもある。長居陸上競技場 がそうだ。あと、調布の味の素スタジアムも、ちょっと改修するだけで、クラス1になるはずだ。)
代々木に常設のサブトラックと補助グラウンドを設置するというのは、どう見ても無理筋だ。こんな馬鹿げたことはやめた方がいい。それより、サッカー専用球場を作るのが最善だろう。何しろ東京には、サッカー専用球場が一つもないのだ。こっちの方がはるかに問題だ。
( ※ そもそも、サッカーの世界大会を招こうというのに、サッカー専用球場がなくて、陸上との兼用球場なんて、世界の恥さらしだろう。アホくさ。)
皆さん、国立競技場にこだわり過ぎてませんかね?
サブトラックは地下に設ける案でしたよ
予算は800億弱
だいたい、槍投げとかはどうやってサブグラウンドを使うのか。
地下案では解決できない。