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厚木基地の騒音問題に判決が出た。
米軍と自衛隊が共同で使う厚木基地(神奈川県)の周辺住民らが、騒音被害を国に訴えた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。斎藤隆裁判長は、全国で初めて自衛隊機の深夜と早朝(午後10時〜午前6時)の飛行差し止めを認めた一審・横浜地裁判決に続き、飛行の差し止めを認めた。米軍機の飛行差し止めは認めなかったが、騒音被害に対する損害賠償は、一審が認めなかった将来分まで支払いを命じた。
( → 朝日新聞 2015-07-30 )
この報道には、いくらか違和感がある。
「基地ができた後になってやって来た新住民が、基地をうるさいというのは、道理が通らない。騒音があるとわかっていてやって来たのに、騒音があると批判するのは、自己矛盾だろう」
比喩的に言えば、当たり屋だ。自動車が走っているとわかっているところに飛び込んで、ケガをしたからといって、賠償金を得る。
あるいは、ストライクコースにボールが来るとわかっていて、ストライクコースに身を投げ出した打者が、「ボールがぶつかったぞ」と訴えて、死球による出塁を要求する。
いずれも、滅茶苦茶だ。通常、こういう行為に対して、補償は与えられない。ところがどういうわけか、基地の騒音に限っては、こういうおかしな補償が出る。
「基地ができた後になってやって来た」というのは、本当か? 2015-07-30 の読売・夕刊に、その実例があった。ネットの無料記事には見当たらなかったが、氏名でググったら、同じ内容が見つかった。この人は原告に加わっているのだ。ネット上で堂々と主張している。
私は東京都町田市内に住んでいます。家は厚木基地から約10 キロメートル北にあります。厚木飛行場の飛行機は私の家の真上を飛びます。1974年(昭和49年頃)、夫と生後間もない娘と3人で、東京都渋谷区から、まだ自然が多く残っている町田の環境で子育てが出来る事にひかれ、希望を持って越してきました。1982年(昭和57年)からは今の住所に住んでいます。
以前の住所(町田市金井)でも、厚木基地の飛行機の騒音があり、当時4〜5歳くらいだった幼い娘が爆音におびえて私に飛び付いてきたり、飼い猫が爆音に逃げ惑ったりしていました。
今の住所に越してきてから、私は飛行機の爆音に日々苦しめられるようになりました。厚木基地の騒音のことは前から知ってはいましたが、今の住所に越してから年々酷くなる一方で、ここ数年のうるささはとても耐えられるものではありません。
( → 原告意見陳述 PDF 、HTML キャッシュ )
1974年には、爆音のする町田に引っ越した。そこで爆音がイヤならば、爆音のしないところに引っ越せばいいのに、1982年には、毎日爆音に苦しめられる現住所に引っ越した。
要するに、わざわざ爆音がひどくなるところへと、どんどん引っ越してきているのだ。自虐趣味ですね。で、その自虐趣味に対して、「補償金を寄越せ」と言っているのだから、まあ、何と言いますか。何とかゴロ?
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とはいえ、こういう自虐趣味の人に対しても、いちいち攻撃したりしないで、優しく対処してあげるのが、本サイトだ。(ネトウヨとは違う。)
まず、大局的に考えよう。
ここにはもともと基地があったのだから、あとから来た人を優先するのは、道理が通らない。そんなことをやっていたら、このあとどんどん大切な場所が乗っ取られてしまう。そのうち、外国人が日本のあちこちに居住して、「日本人は出ていけ」と主張したら、日本人はみんな追い出されてしまいそうだ。(あとからやって来たイスラエル人に追い出された、パレスチナ人みたいに。)
というわけで、基地を廃止したり移転したりする必要はない。とはいえ、現状のままでいいわけではない。
ここで一案が浮かぶ。こうだ。
「首都圏に航空基地があるというのは、便利だ。そこで、厚木基地は、米軍を追い出して(横田や静岡などに移ってもらって)、新たに国際空港にする」
つまり、成田国際空港みたいに、厚木国際空港を作るわけだ。滑走路が一本では不安だというのなら、東西にも滑走路を一本、新たに建設すればいい。
こうすれば、東京や神奈川からわざわざ成田まで行かなくても、国際空港に行けることになる。その利便性は計り知れない。だから是非、こういうふうにするといいだろう。厚木国際空港の開設。
これが最終目的となる。
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ただし、最終目的はいいが、騒音問題は解決しない。これをどうするか?
実は、地図を見ると、うまい案が見つかる。
Yahoo の地図と、Google の地図。どっちを見てもいいが、基地の南東(図の右下)の方に、住居のない畑の地域がいっぱいあるとわかる。(ストリートビューでも畑を確認できる。)
この無駄に余っている土地を使えばいいのだ。
具体的には、こうだ。
・ この余っている畑地を、住宅地に転用する。
・ そこに多数の住居(県営住宅など)を建設する。
・ 騒音で困っている人々は、ここに移転してもらう。
・ 空港のそばの土地は、商業地に転用する。
・ 商業地では、店舗や、防音設備つきのホテルのみ認める。
これで問題は解決する。
・ 空港のそばは、空港利用者のための土地とする。
・ そこでは、空港利用者のためのホテルがある。
・ ホテルは防音設備が十分なので、騒音の問題はない。
・ 店舗は、夜間に人がいないので、騒音の問題はない。
たとえば、基地の北や東側には、住居がたくさんあるが、これらの地域に住む人々には、基地の南東の領域に移転してもらう。
特に、基地の東側は、滑走路を建設するために、住民に移転してもらう。
滑走路の北と南(飛行機の通り道の直下)も、住民に移転してもらう。
なお、移転先が南東ではイヤだという人々のためには、基地の西側の 5〜 10km 先に、海老名市の畑地がいっぱいあるから、そちらに移転してもらってもいい。
なお、いずれの移転先も、交通の便はいい。南東の領域は、相鉄線いずみ野駅があるし、西の領域は、相鉄線海老名駅がある。どっちも交通の便はいい。ひるがえって、厚木基地のそばは、ろくに駅もなくて、交通の便が悪い。
だいたい、厚木基地の周辺は、交通の便も悪くて、騒音もひどくて、人間が住むには適していないのだが、どういうわけか、こんなところにわざわざ人が集まってしまうのだ。
( ※ 米軍の特需が狙いかも。米軍との取引で金儲けするために、厚木基地のそばに住む。それでいて、「米軍は邪魔だ」と言い張る。……そんな感じだ。あくまで推測だが。)
ともあれ、基地のそばなんて、人の住む場所じゃない。こんなところにわざわざ来る人がおかしい。だから、これらの人々には、別のところに移転してもらえばいい。
その一方で、厚木基地は、国際空港として利用すればいい。その場合、新たに国際空港を建設するより、はるかに安上がりで建設できる。
( ※ ちなみに静岡空港には 1900億円もかかった。神奈川県内に作れば、3000億円ぐらいかかりそうだ。それと同様の効果を持つ国際空港を、はるかに安価に作れる、というのが、本項の提案だ。まあ、住居移転費として、数百億円をかければ、それで解決しそうだ。)
( ※ 実は、騒音被害を受けている人は、何万人もいるらしいが、それは、防音設備ぐらいで我慢してもらうしかない。うるさいのがイヤなら、別のところに引っ越せばいいんだし。)
[ 付記1 ]
それにしても、日本には畑がいっぱい余っているのに、どうしてわざわざ基地のそばなんかに住みたがる人が多いのか? まったく変ですね。
ま、住みたがるのは勝手だが、住みたがって住んだあとで、「うるさいからイヤだ」と言うなんて、論理が自己矛盾だ。基地のそばがいいのか、イヤななのか、どちらかに決めてもらいたいものだ。
なのに、「基地のそばで、静かなのがいい」なんて、滅茶苦茶を言う人が多すぎる。
[ 付記2 ]
何でかな〜と思って、ググったら、回答が見つかった。
Q 町田市に住んでいるのですが、最近飛行機が頻繁に飛んでいて非常につらいです。
A もう何十年も前からのことですし、文句を言ったところでどうにもならないので、慣れるしかないです。じきに、慣れます。どうしても慣れないということであれば、防音設備がしっかりしているところか、町田以外に引っ越すしかないです。
( → 知恵袋 )
慣れちゃうんですね。慣れちゃえば、うるさいので需要が少なくて家賃が安い、というメリットが生じる。
慣れない人は、他の場所に行けばいい。
それだけのことですね。
まあ、昼間はよそにある学校や職場に行く人にとっては、日中の騒音はちっとも問題ではないのだろう。
[ 付記3 ]
「米軍がいなくなっても、国際空港にしたら、騒音がもっとひどくなるのでは?」
という心配がありそうだが、大丈夫。旅客機の騒音は、戦闘機に比べると、ずっと小さいので、騒音の問題は激減する。
Q 戦闘機が離陸するとき、普通の飛行機より音が激しいでしょうか? 戦闘機は爆音でした。
A 旅客機に比較すると遥かにうるさいです。
排気ジェットの騒音は流速の八乗に比例します。戦闘機のエンジンは小型化のために直径を細長く、それでいて戦闘に必要な推力を得るために流速が早くなっています。その為に非常に騒音が大きくなっています。
( → 知恵袋 )
というわけで、米軍がいなくなって、旅客機だけになれば、騒音は激減するわけだ。
【 追記 】
自衛隊機の問題はどうするか?
実は、自衛隊機は、もともと問題にならない。ここにあるのは、哨戒機と救難飛行艇だが、いずれもターボプロップ機であり、ジェット旅客機よりももっと騒音が低い。うるさいのは米軍の戦闘機であって、自衛隊の哨戒機と救難飛行艇ではないのだ。
原告や裁判官は、「軍用機はみんな爆音を出す」と勘違いしているのだろう。しかし実は、哨戒機と救難飛行艇は、ジェット旅客機よりももっと静かなのだ。大騒ぎするようなことではない。また、もともと年間の出動回数が 100回以下であり、回数からしてもたいしたことはない。
自衛隊の飛行機は、今回の訴訟では、飛んだとばっちりを受けただけだ。ここで自衛隊の飛行を禁止したところで、騒音の被害はほとんど減らない。なぜなら、もともとその被害は存在していなかったからだ。被害を減らすのなら、米軍の戦闘機の発着を規制するべきであり、自衛隊機を規制しても何にもならないのだ。
( ※ なお、それで文句があるなら、哨戒機と救難飛行艇を羽田や他の基地に移す、という案もある。このページで提案されている。それなら他の場所で被害が生じるのでは……という心配もあるだろうが、もともと被害はなかったのだから、飛行機が移転したところで、ありもしない被害が移転するだけで、どうってことはないのだ。)
( ※ ついでだが、米軍機は、2017年ごろに岩国に移転するそうだ。だから、米軍機の騒音の問題も、あと2年ぐらいで根本的に解決しそうだ。)
ことがあります。
千歳市には航空自衛隊があり、毎日、
飛行訓練で自衛隊機が千歳市内を
飛び回ります。
当然、旅客機よりもうるさいです。
が、不思議と苦痛には感じなかった
ですね。
むしろ、編隊飛行の練習を見れたり
したので、
なかなか良かったですよ。
田畑を住宅地にすることはなかなか大変です。
農地は固定資産税が低い、農地改革で得た権益なので手放したくない(ご先祖様から連綿と耕してきたという愛着もあるでしょう)。
何かいい手があればいいのですが。
通過の瞬間は何も聞こえなくなりますが、慣れっこになっていました。
音に対する感受性やそれに伴う身体的反応は人それぞれです。耐えられないなら『離れる』のが吉かと思います。
農地転用を禁止する法律を作り、農地の転用を一切、禁止する。また、もし転用があった場合には、販売先を自治体または国に限定して、価格は農地としての価格(激安)にする。
ただし例外的に、特別立法のあった場合のみ、かなり高価な価格で自治体が買い取れる。今回もその方法を取る。
買い取りのほかに、農地交換も用意する。今回の場合、海老名市に土地を用意して、海老名市の土地と交換する。面積は5割増しぐらい。元の農地よりも広い農地をもらえる。
怒りで手が震えるよw クズが!
あんま頭きたから書くとこ間違えた。あっちは消しといて。
それはそうだけど、「だから緩衝地帯を設けよ」というのが、本項の趣旨ですよ。あなたのお望み通りにしているのに、何の不満があるの?
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それとは別に、本項の最後に <FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> を加筆しました。
京都の人さんと管理人さんの間の話には事実誤認があります。
・農地の転用は農地法で都道府県知事(実際は農業委員会)の許可が必要
(原則は転用禁止)
・但し、都市計画法?での市街化区域内の農地(通称「市街化農地」)については
転用は自由(届出するだけでよい)
・市街化農地の固定資産税は宅地なみの課税がされている
ちなみに、地方の空港とか道路の拡張・新設時には、転用不可な農地が
農地としての相場よりはるかに高額な価格で取得されているはずですので
管理人さんのアイデアが実質的に実現されていると思います。
そこで、「転用は絶対に禁止。都道府県知事は許可を出してはいけない。国の特別な新規立法による許可が必要」というふうに立法措置を取るのが、私の見解。行政による裁量の余地をなくす。要するに、袖の下(賄賂)が通らないようにする。
まあ、「本人が生きている限りは転用不可。相続するときは国家が安価で買収。本人が死んだときに子孫がいなければ国が没収」というふうにすればいい。
その代償として、農地の税金は、すごく安くする。(といっても現状レベルだが。)
あと、農地転用があった場合には、遡って過去 50年分の住居用の不動産税を徴収するといいだろう。農地転換税。
例外は、国による特別な買収があった場合。
これはこれで、色々問題が起きそうですが、それは別にして
厚木飛行場周辺の農地が宅地化していったのは、別に誰かが賄賂送って
転用許可を得たわけではなく、単に行政が宅地化を許容(というより促進)
したくて、市街化区域に指定したのが原因で、農地法の問題ではないのでは?
実際、現状でも市街化調整区域内での農地転用が難しい(少なくとも大規模な宅地開発などはできない)と思いますので
単に行政に緩衝地帯を作ろうという意思がなかっただけだと思います。
深入りする気はなかったのですが、行きがかり上少し書かせて頂きます。
初めにかかれた
> 農地転用を禁止する法律を作り、農地の転用を一切、禁止する。
> また、もし転用があった場合には、販売先を自治体または国に限定して、
> 価格は農地としての価格(激安)にする。
> ただし例外的に、特別立法のあった場合のみ、かなり高価な価格で
> 自治体が買い取れる。今回もその方法を取る。
・・でも、後で書かれている
>「転用は絶対に禁止。都道府県知事は許可を出してはいけない。国の特別な新規立法による許可が必要」
・・でも、全国で行われている農地を買収しての公共工事が、全く立ち行かなくなると思いますがどうお考えでしょうか?
「農地としての価格(激安)で強制収用できる」というのであれば別ですが・・・
また、私の誤読でなければ、市街化農地にも等しく適用されるのだと思いますが
(都市計画法の趣旨と反するというようなことは別にしても)民間の売買は不可能になるということですから、資産価値はほとんどなくなってしまうと思いますが
国家経済上の影響はないのでしょうか?
農地全体から見たらほんのごく一部の農地のためだけに、農地法を改定するようなことはあまりにリスクが大きいのでは?
私権(特に土地の所有権)を制限するような法律を新たに作ることは中々難しいので、占領軍赤色分子の置き土産の農地法の一部を改定して・・・という意図は分からないではないのですが
当該の農地を囲むように市街化調整区域を設定する(引き直す?)ほうが
よほど現実的方策ではないかと思います。
(これとて、「引き直す」のであれば地権者の猛反発はあるはずですが)
まあ、地方自治体は賄賂で動くから信用ならんというのであれば、農地法などという農地にしか適用されない法律を便宜的に改定するのでなく、「軍事基地等に隣接する土地の使用・売買に関する法律」のようなものを作るほうが本筋だと考えます。
だいたい、100字ぐらいで書いたプランに、細かな例外措置まで書き尽くすことは不可能です。大まかな方向性だけです。実現化するときには、9割引ぐらいになるでしょう。
うちは防音工事対象外の地域だけども2008年から(なぜ2008年からかは詳しい人ならすぐわかる)真上をバンバン飛んでるしね、防音工事対象地域は参考程度で絶対ではない。いい加減その手の頭の悪い前提を言うバカがいなくなるといいね。
そんなものはないと思いますよ。旅客機ならば一定の航路を取るでしょうが、訓練ならば多様な航路を取るはずです。それでこそ訓練になる。したがって基地周辺のすべては航路になる。
> うちは防音工事対象外の地域だけども……真上をバンバン飛んでるしね
あなただけでなく、どの家もそうでしょう。地域の全体が飛行空域なので、どの家の真上も通るはずです。滑走路の延長上の近辺ならば。
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でもまあ、今では米軍機は岩国に移転しています。ただし今後も一部は厚木に戻って訓練を続けるそうです。軍事利用は、皆無にはならないが、大幅に減る。あとから来た人たちは、長年我慢した甲斐があった、と喜ぶかもね。