2015年07月27日

◆ 調布の飛行機 墜落事故

 調布の飛行機 墜落事故では、墜落の原因よりも、フェイル・セーフがなかったことが問題だ。 ──

 調布の飛行機墜落では、「墜落の原因を解明せよ」という声が強い。(報道各紙)
 しかし、この事故の本質は、墜落の原因よりも、もっと大切なことがある。フェイル・セーフの発想がなかったことだ。つまり、「事故が起こるか否か」ではなくて、「事故が起こったときに被害を最小化する」という発想がなかったことだ。そのせいで、ほんの小さな事故から、多大な被害が発生してしまった。
 今回の被害は、死者3人、重軽傷5人。このうち、民家にいたのは、死者1人、重軽傷2人。飛行機に乗っていた人だけを見れば、死者2人、重軽傷3人。……飛行機の墜落事故にしては、乗員を見る限り、死者よりも生存者の方が多かったことになる。

 ここで、現場の写真を見よう。


chouhu.jpg
出典:時事通信


 ここに該当するのは、航空写真では下記にあたる。(赤いポイントのところ。)




 これを見ればわかるように、墜落現場は、滑走路の先よりも、少し左にコースがズレた位置にある。仮に、直進していたか、少し右側にズレていたなら、住宅地には落ちず、道路か草地に落ちていたはずだ。このあたり。





 どうしてわざわざ住宅のある方にコースがズレたのか? たぶん、飛行機が制御できなくなっていたからだろう。
 そのせいで、道路に着陸することもできず、草地に着陸することもできず、やむなく、住宅地の建物に突っ込むことになった。こうして、住民の被害をもたらすだけでなく、自分自身をも死の危険にさらした。
 これが故意であるはずがない。とすれば、やはり、飛行機が制御できなくなっていたと推定できる。(飛行機が裏返っていることからも、それが推定できる。)

 こういう場合には、「飛行機はこうするべきだった」というようなことを言っても無駄だ。かわりに、「飛行機がどんな状態であったとしても、被害を最小化する」というシステムが必要だ。
 では、そのシステムとは? こうだ。
 「滑走路の先には、住宅地を置かない」

 換言すれば、こうだ。
 「滑走路の先にある住宅地を、あらかじめ、別の場所に移転しておく。今回の事故の現場の周辺は、無人の草地( or 公園)としておく」


 これが、フェイル・セーフの発想だ。この発想があれば、たとえ事故が起こっても、被害は最小化されただろう。たぶん、飛行機は広場に着地したあとで、ブレーキをかけながら陸上で減速して、最終的には正面にある樹木帯に突っ込んだだろう。

 その場合には、被害はどうなったか?
  ・ 住民の被害はゼロとなる。
  ・ 乗員の被害もずっと減る。(たぶん全員が軽症。)
 そういうふうに、被害は最小化されたはずだ。

 さらに言えば、次のことも望ましい。
 「広場の最終部は、樹木帯のかわりに、プールを設置する。ここ(水中)に落ちた場合には、急激に減速されるだけでなく、爆発による火傷の問題もなくなる」
 今回、重軽傷だった乗員は、ケガの衝撃があっただけでなく、満タンの燃料による火傷もひどかったらしい。もし墜落したあとでプールの水中に落ちていたなら、火傷の被害も少なくて済んだはずだ。(燃料の爆発炎上も起こらずに済んだかもしれない。)

 ともあれ、滑走路と高速道路に挟まれた住宅地は、すべて、居住禁止にして、住居を移転させるべきだろう。それが本質的な解決策だ。

 ──

 移転させるとしたら、移転先は、どこがいいか? 次の二箇所が候補となる。

 (1) 調布飛行場の西側

 ここには、広大な空地がある。そのほとんどは、味の素スタジアムに併設される感じで存在する球技場だ。





 こんな感じ。


ajinof.jpg
拡大


 ここに、球場や、公園や、空地などが、たくさんあるので、少し取りつぶして、そこに先の住宅地の人々を移転すればいいだろう。(ここでは緑地が減ってしまうが、その分、元の住宅地では緑地が増えるから、差し引きして、トントンだ。)

 (2) 味の素球場の南

 すぐ上の方式には、難点がある。元の住宅地は、駅に近くて交通至便(京王線で新宿直通)なのだが、移転先は、交通があまり便利ではないのだ。
 そこで、同じくらい交通が便利なところとして、味の素球場の南の空地を提案しよう。ここだ。





 ここで、  54  と書いてある緑の場所が、サッカー場のような空地となっている。こうだ。


ajinos.jpg


 だから、この場所に移転してもらえばいい。住宅地の全部とはいわなくても、大半はここに移転してもらえば、問題の大部分は解決する。

 ──

 まとめ。

 飛行機が墜落するという事故そのものは避けられなくとも、事故が起こったときの被害を最小化することができる。(フェイル・セーフ。)
 そのためには、滑走路の先の場所を空地にすればいい。
 そのためには、現在はそこにある住宅地の住宅を、別の場所に移転すればいい。
 住宅地の移転先は、次の二箇所が候補だ。
  ・ 調布飛行場の西側の空地(球技場)。
  ・ 味の素スタの南側の空地(球技場)。




 [ 付記1 ]
 墜落の原因そのものについては、かなり情報が出てきている。
  ・ 滑走路を走る離陸距離が(いつもより)異常に長かった。
  ・ 離陸後の高度が(いつもより)異常に低かった。
  ・ 離陸後に空中で破裂音が聞こえた。


 初めの二つの点から、エンジントラブルが推定されている。
 破裂音も、エンジンの異常音かもしれない。

 [ 付記2 ]
 調布飛行場では「自家用機の自粛を」という要望が出た。これは「自粛の強制」という奇妙な状態になっているが、それはさておき。
 仮にエンジントラブルが原因であったとすれば、この問題は、単発機のかわりに双発機を使うことで避けられる。だから、「自家用機の自粛を」とは言わずに、「単発機の自粛(または禁止)」にすればいいだろう。
 ま、飛行場の写真を見たところでは、やたらと単発機が多いようなので、実質的には、どっちにしても似たような結果になるかもしれないが。

 ちなみに、私が前にお薦めしたのは、「パイパー PA-34 セネカ」という機種だが、これは双発機である。



前出項目

 [ 付記3 ]
 「フェイル・セーフ」の対義語は、「フェイル・アウト」という語句を前に冗談半分で使ったが、正しくは「フェイル・デッドリー」というらしい。
  → フェイルデッドリー - Wikipedia

 英語圏では、次の語も見出される。
  → fail dangerous (Google 検索)
posted by 管理人 at 20:32| Comment(3) | 安全・事故 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
サッカー場から撮影された本機がYouTubeであがってますね。
Posted by 先生 at 2015年07月27日 20:46
↑ それ、テレビ各社でも放送されましたよ。NHK ニュースでやっているのを見た。他社も。

 各社が本人に「許可を下さい」と求めているツイートがネットに上がって、ネット民が押し寄せて放送各社に文句を言っている、というまとめ記事もある。

 現時点での情報は、テレビ(特に NHK )が圧倒的に強い。新聞にはまだ情報が上がっていないようだし、もともと記事の総量がテレビよりずっと少ない。動画もないし。
Posted by 管理人 at 2015年07月27日 21:24
もともとは田畑しかなかったところを住宅地にしたのに飛行場の移転を望む人もいます。
新型機への更新を認めない都の方針。数十年かけて飛行機をボロボロにして飛べなくする。その後空き地を宅地開発という長期計画か?
そのボロボロ(になりかけた)飛行機が離陸失敗。そのうち、空中分解だの着陸失敗だの、とんでもないことになりそうだ。
Posted by 京都の人 at 2015年07月27日 22:46
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