2015年07月20日

◆ 冥王星はどこから来たか?

 氷の惑星(準惑星)である冥王星は、どこから来たのか? いかにして生じたのか? ──

 無人探査機ニュー・ホライズンズが冥王星を観測した。







 なかなか興味深い動画だが、ここで疑問が浮かぶ。
 「冥王星は、どこから来たのか? いかにして生じたのか?」

 冥王星は、ひところ、惑星の位置から準惑星の位置へと引き下げられた。では、冥王星はどこから来たのか? 他の彗星と同様に、太陽系外にある「氷の巣」から来たのか? 
 ざっと調べたところ、次のことが判明した。

 ──

 現在の説では、冥王星の由来は、太陽系ができたときの最も外縁部の質量である。これらの質量から、冥王星のほか、多数の小天体が形成された。
  20 世紀の中頃、エッジワース (1943, 1949)とカイパー(1951)がそれぞれ太陽系の外縁部に関する考察で、惑星形成過程を考えると海王星軌道のすぐ外側で天体がなくなってしまうのはおかしいと主張した。
 エッジワース・カイパーベルト天体は 1992 年 8 月 30 日にジューイットとルーによって最初の天体 1992 QB1 が発見され、単なる仮説から正真正銘の太陽系天体となった。現在までに約 1000 個の天体が見つかっている。
 発見が進むにつれ、最初に予想された黄道面付近のベルト領域には納まらない天体も出てきたため、現在では海王星より遠くの天体をまとめて太陽系外縁天体と呼ぶのが主流である。太陽系外縁天体の中には冥王星の大きさを超える天体や、冥王星に匹敵する大きさの天体が発見され、これらの存在は 2006 年 8 月に惑星の定義を書き換える引き金ともなった。現在冥王星は太陽系最小の惑星ではなく、太陽系外縁部に多数ある小天体の代表と位置づけられる。
( → 理科年表オフィシャルサイト
 冥王星の表面を覆う氷は彗星が持っている氷と同じ成分であることから、冥王星は太陽系を形成したときの微惑星の集合体だと考えられるようになった。
( → 冥王星 - Wikipedia

 つまり、遠くの「氷の巣」から運び込まれたわけではなく、もともとそこに大量の質量があったのだ。ただ、冥王星は、惑星を形成するほどには重力で密集しないまま、衝突による合体で大きな形に形成されたらしい。
 一方、衝突による合体がなかったものは、小さな小天体のまま、その領域に留まっていることになる。(この点では、木星の内側にある小惑星帯と似ている。)
 そして、このような天体の全体が、エッジワース・カイパーベルト天体と呼ばれるわけだ。


kuiper-belts-m.jpg
出典:国立天文台


 結局、冥王星は、太陽系の形成時からあった質量を利用したという点では、惑星と同様である。一方、冥王星が形成された時期は、太陽系の惑星が形成された時期(質量が集積した時期)ではなくて、もっとずっと後になって、何度も何度も小天体が衝突を繰り返した(そしてだんだん成長した)あとだ。この意味では、惑星というよりは、小惑星に近い。
( ※ このように多数の同類があって、そのうちの一つにすぎない、と認定されたので、冥王星は「惑星」から「準惑星」に格下げされたわけだ。)

 ──

 エッジワース・カイパーベルト天体の外側には、「オールトの雲」と呼ばれる領域があるらしい。領域といっても、狭い領域ではなくて、球体の表面のような領域である。地球における地殻みたいな領域だ。
 ここは、「彗星の巣」であって、ここから太陽系の中心に落ちてきたものが、彗星となる。


oort-kuiper-belts-m.jpg
出典:国立天文台


 では、「オールトの雲」は、いかにして生じたか? 次のように説明されている。
  オールトの雲の起源に関して現在広く受け入れられている説は、太陽系の内側で形成された氷微惑星が惑星の摂動により離心率の大きい軌道に変えられて外側に飛ばされ、太陽から遠く離れた所に到達すると今度は近傍の恒星や銀河の摂動で離心率の小さい軌道に戻されて、オールト雲天体に落ち着くというものである。
( → 理科年表オフィシャルサイト

 ふむふむ。意外にも、外側から落ちてきたのではなくて、内側から外側に飛ばされたらしい。

 ま、もっと詳しい話は、上記のリンク先を読むといいだろう。Wikipedia を読んでもいい。
 ともあれ、氷の惑星(準惑星)の話をすると、ちょっとは涼しい気分になる。ガリガリ君でも食べながら、上の話を読むといいだろう。
 


 [ 付記 ]
 本項は、Wikipedia と理科年表の話をまとめるだけにする予定だったが、私の考えによるまとめという形で記述されることになった。(紺色の着色部。)
 これは、たぶん間違っていないと思うが、私が考えて書いたことなので、学界の公式見解とは違うかもしれない。(あるいは、「そんなの常識だよ」と言われるかもしれない。)
 一応、ここで注記しておく。
 


 【 追記 】
 冥王星のそばに「エリス」(別名 2003 UB313)という天体がある。これは、エッジワース・カイパーベルト天体の一つで、冥王星と同類のものである。これまではエッジワース・カイパーベルト天体で最大のものは冥王星だと思われてきたのだが、2003年にエリスが発見されたあと、エリスは冥王星と同程度の大きさか、エリスの方がもっと大きい、と思われてきた。(厳密な数値は測定されないまま、ほぼ同程度とまではわかった。)
 このたび、ニューホライズンズが探査したことで、冥王星はエリスよりもわずかに大きいことが判明した。
 In July of 2015, after nearly ten years of Eris being considered the ninth-largest object known to directly orbit the sun, close-up imagery from the New Horizons mission more accurately determined Pluto's volume to be slightly larger than Eris's, rather than slightly smaller as previously thought. Eris is now the tenth-largest object known to directly orbit the sun by volume, though not by mass.

  Observations of a stellar occultation by Eris in 2010 showed that its diameter was 2,326 ± 12 kilometers (1,445.3 ± 7.5 mi), not significantly different from that of Pluto. After New Horizons measured Pluto's diameter as 2370 km in July 2015, it was determined that Eris is slightly smaller in diameter than Pluto.
( → Wikipedia 英語版
posted by 管理人 at 22:00| Comment(2) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
紺色の図版を二つ、新たに加えました。
Posted by 管理人 at 2015年07月26日 14:06
最後に <FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> を加筆しました。
 冥王星とほとんど同じサイズの天体「エリス」についての話。
Posted by 管理人 at 2015年07月26日 14:28
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

  ※ コメントが掲載されるまで、時間がかかることがあります。

過去ログ