2015年07月19日

◆ 開閉式の屋根(スタジアム)

 新国立競技場では、開閉式の屋根を付けることが検討されているが、開閉式の屋根というのは、どうも問題が多いらしい。 ──

 新国立競技場では、開閉式の屋根を付けることが決まっていたが、ザハ案の白紙化にともなって、この話も白紙化された。
 五輪史上初めて開閉式屋根を持つメイン会場となるはずだった新競技場。「50年、100年後でも利用されるレガシー(遺産)にしよう」と、天気に左右されず、様々なイベントに使える、国内最多8万人収容の多目的スタジアムとして計画が進められていた。
 事業主体のJSCの収支見込みでも、大物アーティストによるコンサートなどを年間12日開催し、約6億円の収入を見込んでいた。
 だが、17日の政府発表では「開閉式屋根の設置も含めてゼロベースで見直す」とされた。開閉式屋根の設置には、多額の費用と高度な技術力が必要で、白紙撤回された2520億円の計画でも五輪後に先送りされた。新計画に盛り込まれるのか、極めて不透明な状況だ。
( → 読売新聞 2015-07-19

 開閉式の屋根というのは、大分銀行ドームでも採用されているので、たいして問題はないと思ったのだが、調べてみたところ、実は、かなり問題があると判明した。
 たとえば、大分銀行ドームだと、こうだ。
大分銀行ドームは、すこぶる評判が悪い。
屋根の開閉がメチャクチャ金が掛かる。
屋根を開けても、日の入りが悪い。
屋根を閉めると音が反響して煩い。
デザインだけで実用性はよろしくない。
( → 2ちゃんねる・コピペ
大分市の大分銀行ドームの可動式屋根が故障し、開けっ放しになっていることが7日、県への取材で分かった。
屋根を開け閉めするワイヤロープの制御装置で電気系統が故障したという。
故障した部品は、既に生産中止になっており、メーカーとの保守契約の期間も終わっている。
( → 大分合同新聞の転載

 また、芝の問題もある。大分銀行ドームの旧称の「九州石油ドーム」の話題となった。
 九州石油ドームの芝生の問題が話題になっている。
 この大分のスタジアムは構造的な欠陥を持っています。ピッチの地表が地面の地下2階になり、「風」がまったく通らない。さらにドームの性格上、影が多すぎて地表温度が上がらないという問題があります。
 真夏に芝生に水を蒔いても風がないので、蒸発できずに、蒔いた水がお湯になり根をやられてしまうという問題です。夏場に数十台の大きなファンが廻っているのは少しでも気流を起こそうとしているためです。9月頃に芝生がよくないのはそのためのようです。
( → 掲示板投稿 2009年05月24日

 どうもいろいろと問題があるようだ。

 では、他の球場はどうか? やはり、あれやこれやと問題があるようだ。下記ページに長々と論じてある。
  → 飯塚 豊 の解説
 簡単に言えば、こうだ。
 「ランドマーク性のある複雑な形のスタジアムだと、開閉式の屋根も複雑化して、故障しやすくなる。
 故障を避けようとすると、円形とか長方形とか円筒形とか、単純な形にせざるを得ない。そうなると、スタジアム自体が単純な形となり、ランドマーク性がなくなる。
 つまり、あちらが立てば、こちらが立たず」


 ちなみに、ザハ案の開閉式の屋根な、途轍もなく複雑であるので、実現不可能と見られるそうだ。
 なるほど。先に新国立競技場の建設プランでは、「開閉式の屋根は間に合わないので、五輪のあとで設置」ということだったが、そもそも、あまりにも難工事で、実際に設置できる見込みが立っていなかったようだ。

zaharoof.jpg
出典:上記記事

 たしかに、こんな複雑な屋根では、実際に設置できそうにない、という感じがする。(設置しても、雨漏りだらけとか、開閉できなくなるとか、故障するとか、トラブル続出となりそうだ。)
 
 ──

 結論。

 単純な正方形の開閉式の屋根を付ける、という案もあるが、私としては、「開閉式の屋根は付けない方がいい」と思う。単に固定式の屋根(中央に穴あきのタイプ)があるだけでいい。
 「開閉式でなく、固定式の屋根」
 というのが、私の結論となる。
 なお、これは、前に述べたことと同じだ。
  → 新国立競技場が白紙に
   ※ ここでも、開閉式の屋根に否定的である。
   ※ 例は、横浜の日産スタジアムだ。下記。





 [ 付記 ]
 だいたい、「屋根があれば音が漏れないので音楽コンサートを開ける」というが、音が漏れなければ、音がこもる。そうなると、音楽性は最悪となる。まともな音声で聞こえなくなる。だったら、音が漏れても、とにかく音がまともに聞こえるように、屋根はない方がいいはずだ。
 実際、日産スタジアムではコンサートがなされているが、「音が漏れて困った」というような苦情はあまりないようだ。むしろ、「有名人の歌をタダで聴くことができる」というふうに、好評かも。
 ももクロのコンサートのときも、会場内に入らず、会場の外で音声を聞いていれば、無料で楽しめる。別に、迷惑だということもあるまい。もともと繁華街なんだし。



 【 追記 】
 開閉式のスタジアムで芝生の問題が生じるのは、なぜか? 私が調べた限りでは、こうだ。
 「開口部がフィールドの上部にあるだけなので、夏はともかく、冬になると、日が十分に当たらない」

 このことは、ザハ案で、典型的だろう。ザハ案では、芝生に日が当たるのは、夏だけだろう。冬にはほとんど日が当たらないと思える。これでは芝は生育するまい。
 大分銀行ドームはどうか? 



 これは、ザハ案ほどひどくはないが、やはり、冬には日のあたりが不十分だと思える。
 一方、埼玉スタジアムはどうか? 



 これだと、開口部が南北いっぱいにあるので、冬でも日のあたりは良好だろう。そう思って、ググってみたところ、実際、埼玉スタジアムの芝生は良好に保たれているという。

 以上からして、開閉式の屋根を採用するときには、埼玉スタジアムのように、「冬にも十分に日が当たること」を条件とするべきだ。
 ちなみに、福岡ドームも、屋根が開くと、十分に日が当たる。(ここは野球場だが。)
  → Google 画像検索
posted by 管理人 at 19:02| Comment(4) |  東京五輪・豊洲 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後に <FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2015年07月19日 21:33
「もともと屋根は必要ない」という文科相の発言がある。
 以下、引用。

  ̄ ̄

もともと、2019年のラグビー・ワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピックについては、観客席の上はあるんですけど、競技する上は屋根がないのが前提なんです。なぜ屋根を付けることになったかというと、あそこは騒音公害の問題で年に1〜2回しかコンサートが開けなかったんですね。でもそれだと運営費が赤字になる。年間10回以上コンサートを開ければ黒字になる、というので、屋根を作ろうということになったんです。オリンピック・パラリンピックとは関係ない話なんです。

→ http://j.mp/1RH38yd
Posted by 管理人 at 2015年07月19日 22:58
ザハ案は観客席を橋桁で釣るという構造で、基礎工事が橋桁だけだったとのことですが(下記より)、
http://matome.naver.jp/odai/2143668538426704101?&page=1
観客が盛り上がると船酔いしそうですが、陸上競技の時の観客席とサッカーの時の増設観客席を別物にできるのであれば、面白いですね。
ただ、これはデマだと言い募る人もいて、よくわかりません。

一番安価で、芝にも良いのは観客席の上にだけ屋根がある構造でしょうね。それでいいと思います。サッカーと陸上競技の両立は・・・。あまり考えたくないですね。どうも観客席とピッチの間にトラックがあると臨場感が失せます
Posted by 京都の人 at 2015年07月20日 10:01
年間6億円のコンサート収入では
50年使っても300億しか収入が獲られない
ザハ案の屋根では半永久的に赤字になるよね
(工事費+改修費+メンテナンス費用)
それ以前に年間12回のコンサートは天然芝じゃ無理
(フィールドに人を入れなければいいかもしれないけど)
Posted by stranger at 2015年07月20日 22:19
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