この話は、読売新聞 2015-06-23 の記事にあったが、ネットには上がっていない。ただし同趣旨の内容は、毎日新聞にあった。一部転載しよう。
《 人工知能:特許出願件数 日本は米国勢の3分の1 》
特許庁は19日、日本の企業や大学などによる人工知能(AI)関連の特許出願件数が、米国勢の3分の1にとどまっているとする調査結果を発表した。
調査は2008〜12年に日本と米国、欧州、中国、韓国の5カ国・地域の当局に出願されたAI関連の技術が対象。
出願件数のトップは米国の47.5%(3476件)で、19.3%(1410件)の中国が続いた。日本は3位で15.2%(1109件)、欧州が10.4%、韓国が3.1%だった。
( → 毎日新聞 2015年05月19日 )
もっと詳しいデータは、特許庁にある。
→ 特許行政年次報告書 2015 年版. 第5章 (PDF,6.4MB)
ここから図を二つ抜き出すと、下記だ。

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どうも、惨憺たるありさまのようだ。
──
さて。読売の記事では、米国は企業が中心で、中国は大学が中心だとのこと。
企業の方が国の力ではどうにもならない点が多いが、大学ならば(日本でも)国の力が関与できる。
特に、次のことを推奨したい。
「人文系の学科を削減して、人工知能の学科を増やす」
大学の定員が同じだとしても、学生数の構成を変えて、「人文系を減らして、人工知能系を増やす」というふうにするわけだ。
「そんなことできるわけないだろ。人間はそう簡単には変わらない」
と思うかもしれないが、さにあらず。この件は、すでに言及済みだ。
→ 人文系学部を縮小するべきか?
ここでは、次の例が示されている。
「東大文科三類の出身で、大学院で転身して、自然言語処理というコンピュータ関係に進んだ」
自然言語処理というのは、人工知能の分野だ。つまり、文科三類(≒ 文学部)の出身であっても、人工知能の分野に転身できるのだ。
だったら、大学四年間を無駄に文学研究なんかに費やさずに、最初から人工知能の分野で研究していればいい。そうすれば、無職のままニートになることもなく、ちゃんと仕事に就ける。
実を言えば、自然言語処理というのは、人文系の人がけっこう活躍できる分野だ。人工知能というと、ロボットや画像認識を話題にする人が多いが、最も高度な分野が自然言語処理である。しかも、この分野は、理系の人はあまり得意でないことが多い。(コミュ障みたいな人の方が多い。)
だから、人文系の人材を、自然言語処理の分野に投入するといいのだ。特に、最高峰のレベル(東大レベル)であれば、なおさらだ。
※ 二流以下の大学では、そうではない。研究向きではない。
二流以下の大学なら、ビジネスに直結する事務的な仕事を
学ぶのが良さそうだ。エクセルの使い方とか。
(これも、前に述べた通り。→ 人文系学部を縮小するべきか? )
【 関連書籍 】
人工知能 人類最悪にして最後の発明
2045年問題 コンピュータが人類を超える日
最近のWeb英訳はかなり上達しているし、このままだと同時通訳でさえ実現しそうな雰囲気です。クールジャパンでアニメを売るだけじゃなく、こちらにもお金を落として欲しいですね。
お薦めのところがありますか? 私はあまり満足できていない。まあ、昔に比べれば、ひどくないが。特に、Google の場合は、かなり良くなっていると思うが。でも、excite 並みかな。
優秀な方々が英•和訳されたセンテンスは良い教材になります。って少し明後日の方向の回答ですね。
公開資料の全文訳、例文参照後の作文は固有名詞を適当に置換してGoogle先生に添削してもらってます。
読みやすい簡潔な文章かどうかをAIに判定してもらうのはどうかと思いますが、日英日、英日英とやってみると中々面白いです。
30年前に日本で人工知能がブームになり税金が数百億円投入されたが碌に成果が出ず研究も打ち切り、それ以来国は人工知能の研究に及び腰に見えます。
ただ、人工知能研究は、国がキャンペーンやのぼりを張ってやるものじゃない。
・ 研究者が地道にやる
・ 企業がきちんと研究開発する。
前者や国の予算不足というより研究者不足。それを補うのが本項。
後者は企業が萎縮している。アメリカに比べて顕著だ。日本のハイテク企業はあまりこの分野に力を入れていない。たぶんデフレのせい。研究開発費が不足気味。新規分野に出たがらない。予算切り詰めばかり考えている。
あと、富士通もNEC も日立も倒産寸前みたいになった。やっぱりデフレの影響が大きい。