労働者派遣法の改正案が衆院を追加した。参院で可決すれば成立する。
この法案のポイントは、3年ごとに職場を変えれば、永続的に派遣社員を使える、ということ。これについては、いろいろと問題が指摘されている。
→ 「派遣法改正案」のいったい何が問題なのか
特に問題なのは、労働者が低技能のまま低賃金に固定化されてしまうことだ。企業の方はそれでいいというつもりなのだろうが、いくら低コストでも、未熟な労働者に任せているのでは、日本全体の生産性が低下してしまう。企業経営者ばかりが喜んでいて、国全体は悪化してしまう。
その典型的な例は、次の例から見られる。
以前の職場で、ほんとにプロという名に値する、専門職の派遣社員さんがいて、その人の派遣元が派遣先に時給アップ交渉をしたらしい。数年勤めたし、お役に立ててる自信もあります、とのことだったが派遣先の回答は「じゃあ安い人に代えて」。あの人切ったらこの職場回らなくなるとみんな知ってるのに。
— よれよれぽんこ (@ponko4) 2015, 6月 7「安ければいい」という方針だと、このようになる。有能な派遣社員が高賃金を取るかわりに、安いだけの派遣社員がかわりに来て、そのあげく、職場が崩壊する。
次の例もある。(上記ツイートへの感想)
penguaholic もろ同じ状況を見たことある。私も出向先だったから何もできなかったけど、使用前と使用後の業務環境が著しく下がって面白かったし、使用後の人は一年保たなかった。その後は正社員ポストにしたらしいと風の噂…
( → はてなブックマーク )
こういう愚行をなくすためには、派遣社員にも「定昇」があった方がいい。毎年2〜3%のアップ。こうすれば、「3年だけ」というような縛りもなく、社員は安定的に勤務できるし、企業は経験者に任せることで有能な人材を得る。(新人にやらせたら、能率が一挙に低下する。)
というわけで、「定昇」がお薦めだ。
【 関連項目 】
→ 派遣社員を正社員にするには?
※ 失業保険の保険料を上げることで、正社員に移行させる、という方法。
これはこれで、別の面で、法制度から推進する方法だ。

また大きな会社だと現場を知らずに金勘定で判断するからこういう悲劇になる
まぁ特定の派遣さんに依存した会社もそれ自体がリスクなのだけど
創価学会公明党石井啓一が、「派遣を使う」と発言。
人間を使い捨ての物同然の発言!
人間力が聞いて呆れるわ。
以下、引用。2件。
 ̄ ̄
厚生労働省は派遣社員に勤務年数や能力に応じた賃金を支払うよう人材派遣会社に義務づける。同じ業務で3年の経験を積めば初年度より賃金を3割上げるなど、具体的な水準を示す指針をまとめた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47434240X10C19A7MM8000/
 ̄ ̄
厚労省は社員の経験や能力が働き続ける年数に応じて向上するとみなし、勤続年数に応じた適正な賃金水準について指針をまとめた。1年目は働き始めたときに比べて16.0%増、3年目は31.9%増、5年目に38.8%増を基準とする。
例えばシステムエンジニアの基準賃金は時給1427円で、1年目は1655円、3年目は1882円が目安となる。
http://t-otsuka.jugem.jp/?eid=6162
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なお、三年後だけに急上昇するのではなく、毎年違う数値で上昇する。定昇と同じだ。
数値は、リンク先のグラフを参照。
なお、2番目の記事で「1年目」「3年目」というのは、正しくは「1年後」「3年後」のことだろう。「3年後」というのは、4年目のことだ。
記事はそこを混同しているね。それとも、初年度を「0年目」と表記するつもりなんだろうか。