認知症の徘徊老人が行方不明になったままだ、という問題がある。
警察庁によると、認知症が原因で行方不明になったと届け出があった人は全国で1万322人に上る(13年)。警察や交通機関、地域包括支援センターなどが連絡を取り合って捜すネットワークが徐々に広がっているものの、昨年4月時点で市区町村の3分の1程度にとどまる。
( → 朝日新聞 2015-06-13 )
他にも記事はある。
→ 「認知症の徘徊老人」マスコミ各社一斉報道
→ NHK 明らかになった認知症の行方不明者1万人
→ NHK 取材中間報告・認知症行方不明1万人
現状では、行方不明のままとなっている。
・ 家族は行方不明届けを出す。
・ 老人は施設に収容されている。
この二つの情報があるが、情報のマッチングがなされていないからだ。
ただし、たまたま情報がマッチングされると、行方不明者の身元が判明する。
→ 行方不明7年、妻と会えた
この例でうまく再会できたのは、NHK の番組で本人が放映されたからだ。それを見た家族が、「あ、うちの婆さんだ」と気づいて、うまく見つかった。
当時、署が市に送ったファクスによると、女性は署員に「ヤナギダ・クミコ」と名乗った。一方、下着には「ミエコ」と書いてあった。三重子さんだった。
県警はこのとき、女性の保護についての照会書を全国の警察に出した。だが、「下着にエミコと書かれていた」と名前を誤って記し、浅草署員が気づくことはなかった。
13年12月。館林署員が施設で三重子さんの姓を認識し、データベースを検索した。全国から出ている行方不明届を集めた警察のオンラインシステムだ。
「ヤナギダ・エミコ」。キーボードをたたいてもヒットしなかった。システムには氏名や生年月日を登録しているが、家族からの提供写真は登録しない仕組みのため、気づけなかった。
再会のきっかけは、今月11日に放映されたNHKの番組だった。三重子さんが「身元不明のまま、介護施設で暮らしている女性」として紹介され、滋夫さんの親族が気づいた。
( → 朝日アピタル(医療・健康) )
写真があればすぐにわかるはずなのに、写真を使わない。その理由はたぶん、次の二つのことだろう。
・ 写真を関係者が大量に見ると、個人情報漏洩の問題がある。
・ 写真の照合は大変すぎる。ミスも起こりがちだ。責任問題。
そこで、困ったときの Openブログ。解決案を出す。
「行方不明者の顔を、顔認識技術で照合する」
これならば、上記の問題はなくなる。
・ 機械が作業するだけなので、個人情報の漏洩はない。
・ 同一人物の判定は、機械がきわめて高精度に判定する。
精度の高さは、次の情報からもわかる。
→ 世界が認めるNECの顔認証技術
→ 髭やメガネ、髪型を変えても本人を判定 NECの顔認証技術
→ 高精度顔認証の研究開発 (PDF)
双子を区別することもできるので、人間以上と言える。
ともあれ、これで行方不明者の身元を見つけ出すことが可能となるだろう。

現場百回の精神論も大切ですが
どちらかかけていてもダメですよね
ちなみに、クルマ盗まれても警察はNシステムを一切使ってくれません。
既に大量配備した設備を国民の役に立ててはいけないなんて思いが根底にあるんでしょうね。:-(
認知症の症状は「中核症状」と「周辺症状」に分けられる。「中核症状」は、認知症そのものの症状で、記憶障害、見当識障害、判断力障害、実行機能障害、失認、失行、失語など。「周辺症状(行動・心理症状 BPSD)」は、中核症状から派生する症状で、徘徊、暴力・暴言、食行動異常(異食、過食、拒食)、失禁・不潔行為、睡眠障害、介護抵抗、無為・無反応など「行動症状」と、幻覚、不安・焦燥、抑うつ、妄想など「心理症状」に分けられる。このうち、「中核症状」は抗認知症薬で進行を遅らせることしかできないが、「周辺症状」は介護と治療によって改善することができる。
逆をいえば、徘徊を含む周辺症状は、介護と治療の失敗で産み出されているという側面がある。
介護の立場では、周辺症状は、便秘、脱水、発熱、慢性疾患の悪化、季節の変わり目、薬など、体の不調を訴える「非言語的表現」であると考えられている。このうち、徘徊の原因は発熱がいちばん多い。周辺症状が起きたら、排便、脱水、発熱の順でチェックをして、必要があれば医師や看護師に連絡する。精神安定剤を飲ませて落ち着かせたり、鍵のかかる部屋に閉じこめると、寝たきりになったり、症状が悪化する。
治療の立場では、中核症状を遅らせるための抗認知症薬が周辺症状を引き起こすことがある。周辺症状のうち、徘徊、暴力・暴言、過食、不眠、介護抵抗、幻覚、妄想などを「陽性反応」、無為・無反応、抑うつなどを「陰性反応」と呼んでいる。現在、日本で使用されている抗認知症薬は4種類(アリセプト=ドネペジル、レミニール、リバスチグミン、メマリー)だが、うち3種類(メマリー以外)は陽性反応を引き起こす。すでに陽性反応の周辺症状がある患者に、これらの薬を投与すると、ますます周辺症状が悪化する。同時に、抑制系薬剤を投与する必要があるのだが、それを知らない医師が多い。
AIで100以上の情報を分析したとのことですが、
顔認識も行われたのでしょうか?
3歳時と22歳時との比較なので、簡単な人は簡単そうですが、難しい人は難しいでしょうね。