新国立競技場のザハ案は、撤回される見込みとなった。「契約解除」という形。
新国立競技場(東京都新宿区)の整備計画が大幅に見直される問題で、文部科学省などがデザイン監修者としたイラク出身のザハ・ハディド氏(英在住)の事務所との契約解除を検討していることが5日、分かった。政府関係者が明らかにした。ザハ・ハディド・アーキテクツ側と設計を変更するよう交渉を行い、不調に終わった場合、契約を解除する方針だ。
( → 2015年6月6日 スポーツ報知 )
スポーツ報知しか報道していない特ダネなので、信憑性はあまり高くないのだが、方針としては妥当だろう。
・ 現状のままでは、全体で高額すぎる。
・ 工期も間に合わず、屋根は付けられない。
・ 屋根なしにしても、将来の屋根付けを考えると、高値。
・ 将来のコンサートのために屋根を付けるのは、コストが無駄。
常識的に言って、建設することは不可能だ。不可能ならば、さっさと撤回した方がいいに決まっている。
しかし、である。撤回したあとに、どうするか? 「あとは野となれ山となれ」では済まない。いったい、どうする?
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これについては、すでに先に述べた。
→ 新国立競技場を無料で
新国立競技場を無料で作る方法がある。それは、現在も調布にある味の素スタジアム(という陸上競技場)を、そのまま使うことだ。何だったら、この施設の名称を「味の素スタジアム」から「新国立競技場」に変えればいい。(実際は東京都が所有しているから、「都立」なんだが。 (^^); )
ここで陸上競技を実施すれば、何も問題はない。規格の点では、すべて条件を満たしているからだ。(旧・国立競技場は、そうではなかった。)
では、旧・国立競技場の跡地は、どうするか? そこでは、8万人規模のサッカー専用球場を作ればいい。そこで、開会式・閉会式を実施すればいいのだ。
この場合、普通の屋根なし球場を作る。(屋根があると、芝生の生育が悪くなって、サッカー場に適さない。)
サッカー場にも使える8万人規模の球場だから、サッカーW杯の招致にも使える。つまり、新規にW杯のための大規模球場を建設する必要がない。
現状では、新規にW杯のための大規模球場を建設しないと、W杯の招致ができない。仮に今作らなければ、将来作る必要が出てきて、そのとき巨額の費用が消える。それでは無駄だ。だったら、今のうちにW杯のための大規模球場を建設しておけば、オリンピックのときにそれを使えるので、一つで二つの用途に使えて、費用を半減できる。
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以上のようにすれば、何も問題はない。
この件は、すでに上記項目で論じたとおり。そちらを読んでほしい。再掲すれば、この項目だ。
→ 新国立競技場を無料で
[ 付記 ]
現在の跡地に新国立競技場を作った場合には、欠陥競技場となる。なぜならサブトラック(補助競技場)がないので、練習できず、まともに使えないからだ。その点、調布の味の素スタジアムならば、この問題はない。
このことは、あちこちで指摘されている。たとえば、下記。
→ 新国立競技場は、絶対に陸上競技場でなければならないのか?
私も前に言及した。
→ 新国立競技場の問題点と代案 の (3) の最後。
【 後日記 】
「撤回」というのは誤報だと判明しました。新たな情報を下記項目に記しました。
→ 新国立競技場と安藤忠雄 (2015/06/09)