2015年06月06日

◆ 伊勢志摩サミットの難点

 2016年のサミットの開催地が伊勢志摩に決まった。しかしこの地には大きな難点がある。交通の便が悪いことだ。では、どうする? ──

 2016年のサミットの開催地が伊勢志摩に決まった。賢島が「離島であって、警備に都合がいい」というのが大きな理由だったそうだ。
 主要会場の賢島(かしこじま)は、陸上の交通手段が2本の橋に限られ、警備しやすい利点がある。イスラム過激派などによる国際テロ対策を強化しつつ、先進7か国(G7)首脳が落ち着いて議論できる環境を首相は重視したのだろう。
( → 読売新聞 2015-06-06
 イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質事件を受け、テロの危険性が増大しているとみて、警察当局が指摘した警備面の優位性が決め手となった。
( → 毎日新聞 2015年06月05日

 それはそれでいいのだが、一方、この地には大きな難点がある。交通の便が悪いことだ。
 紀伊半島は、日本では珍しく、空港がほとんどない。かろうじて南紀白浜空港があるが、これは紀伊半島の西側にあるので、紀伊半島の東側は航空過疎地だ。





 読売新聞の記事によると、賢島までは、次のいずれか。
  ・ 中部国際空港から、自動車で2時間半。
  ・ 中部国際空港から、電車 で3時間。
  ・ 中部国際空港から、ヘリコプターで直行。

 最後の「ヘリコプター」という案が現実に選ばれそうだが、ヘリコプターというのは、安全性も高くないし、音もうるさいし、こんなものに各国首脳を乗せるのは忍びがたい。悪評さくさくになりそうだ。
 では、どうする? 

 ──

 私の案は、こうだ。
 「プロペラ機で運行する」
 「そのための飛行場は存在しないが、賢島のそばにゴルフ場があるので、これをつぶして、500メートルぐらいの滑走路を作る」

 そのゴルフ場は、これだ。





 右下の領域一帯が賢島だ。(マークがある)
 左上のゴルフコースのある領域(全体はほぼ三角形になっている)が、ゴルフ場の全体だ。
 この三角形のうち、左下から右下までに、直線状の滑走路を敷設できる。最大で 1.4 km ぐらいだが、実用的には 1.2 km ぐらいの滑走路を建設できる。
 現時点では、1.2 km にする必要はないので、とりあえず 500 m ぐらいの滑走路をつくればいい。これで十分に双発プロペラ機が離陸できる。
( ※ 離陸距離は 305 m だから、500 m で十分に足りる。)
( ※ もっと詳しいデータは → 小笠原の空港は軽飛行機に )





 現地のゴルフ場は平坦地か……というと、飛行場に最適であるほどの平坦地ではないが、ジェット機はともかく、プロペラ機ぐらいならば容易に離陸できる程度には、平坦さがある。
  → 画像一覧

 というわけで、ここにアスファルトを敷くだけで、簡単に飛行場はできる。工期は2週間程度。コストも格安。
 これで万事OK。



 [ 付記1 ]
 「そんなことをしたらゴルフ場が怒るぞ!」
 と思うかもしれないが、ゴルフ場を喜ばすこともできる。こうだ。
 「ここに 長さ 1.2 km の、完全に平坦な滑走路を建設して、小型ジェット機を運航させる」


 小型ジェット機というのは、ホンダジェット。カタログ記載の離陸距離は 800メートル程度だから、1.2 km の滑走路で十分に足りる。
 この飛行場を国費で建設して、その周辺のゴルフ場については市街地に転換することを認める。すると、ゴルフ場はたちまち宝の山に化けて、ゴルフ場は土地売却で巨額の富を得る。
 
 そもそも、このゴルフ場は、志摩市の市街地に近くて、あまりゴルフ場には適してない。だからこのあたり一帯は、市街地として開発した方がいいのだ。特に、飛行場ができるのであれば、なおさらだ。
 また、飛行場ができれば、伊勢志摩の一帯は観光地として客がいっぱい来るようになるから、地元住民も大喜びだろう。
 国としても、土地収用費がタダ同然で済むので、ありがたいはずだ。
(なぜ土地収用費がタダ同然で済むかと言えば、もともとゴルフ場の土地なんかは森林用地なので、タダ同然みたいなものだからだ。おまけに、ゴルフ場が市街地に転換となれば、ゴルフ場の所有者はボロ儲けだから、喜んで土地を無償提供するはずだ。もし無償提供しなかったら、話はご破算となり、ゴルフ場の所有者は宝の山をすべて捨ててしまうのも同然だ。数十億円〜数百億円の丸損。)

 ま、このゴルフ場を整地して飛行場にする、というのは、経済的に見て、大いに価値のあることだ。小笠原なんかに飛行場を作るよりも、ずっと大きな価値がある。
( ※ 小笠原は、小型ジェット機用の 1.2 km の滑走路なんて、建設する場所もないし、無理やり強引に自然破壊をして建設するのはかえって有害だ。作るとしたら、プロペラ機用の500メートルの滑走路があれば十分だ。 → 前出項目

 [ 付記2 ]
 中部国際空港から賢島カンツリークラブまで、直線距離で 60 km 。プロペラ機の速度が 時速 300 km ならば、12分間で到着できる。としたら、いちいちジェット機にする必要はないな。12分間が 5分間に短縮できるとしても、時間はたったの7分間しか縮まらない。無視できる程度の差だ。誤差レベル。
 それより、プロペラ機からジェット機にすると、価格が上がる。そっちの方が問題かもね。

 なお、どうしてたったの 12分間しかかからないかと言えば、この二地点はもともと地図上ではごく近い2地点であるからだ。
 ただし、陸上経由だと、伊勢湾を大きく迂回して、 ∩ みたいな経路をたどる必要があるので、陸上経由だと長い時間がかかるのだ。
 ここでは、「空路をたどる」ということだけで、距離短縮の効果が出て、時間を大幅に節約できる。いちいちジェット機にする必要はないのだ。

 その意味では、ヘリコプターでも足りる。ヘリコプターでも 12分間程度で済むだろう。
 ただ、ヘリコプターは、安全性が低いし、音もうるさい。高齢の首脳が乗るようなものじゃないよね。安倍さんだって、ヘリコプターに乗るはずがない。
( ※ 過去の伊勢神宮参拝のときには、新幹線を使った。 → YouTube

 あとね。ヘリコプターはテロリストの標的になりがちだ。ロケットランチャーで狙われたら、まずい。
 下記では、(ロケットランチャーと述べられているが、実は)携帯式の地対空ミサイルでヘリコプターを撃墜した。







  ※ 以下は細かい話。交通マニア向けのうんちく。


 [ 余談1 ]
 「ホンダジェットなんかを飛ばしても、料金が高すぎて、客が乗らないから、採算に乗らないぞ!」
 という声もありそうだ。
 だが、心配ない。何しろたったの 60 km を5分間で飛ぶだけだ。たとえ大型飛行機の2倍の料金になるとしても、払う総額は、たいしてかからないはずだ。
 鉄道や自動車だと大きく迂回するが、空路ならば最短距離で結べる。
( ※ 自動車に乗ると 180 km だ。電車でも同様だ。なのに空路だと、直線距離なので 60 km だ。)
 とすれば、料金が通常の航空機よりもずっと高いとしても、3倍の距離を走る電車の料金と同程度であるにすぎない。電車料金は「中部国際空港 → 賢島」が 4500円程度だから、ホンダジェットでも 5分間で 5000円ぐらいで済むだろう。(実際にはもっと安くなりそうだ。)

 「たった5分間で 5000円も取るなんて、ぼったくりだ!」と怒る客も出そうだ。そういうときは、「かかる時間が短くなるほど料金が高くなるのが交通機関ですよ」と教えて上げよう。

 [ 余談2 ]
 よく調べたら、話はそう簡単ではないとわかった。空港の着陸料が高額だからだ。
 中部国際空港の着陸料を見ると、小型機の着陸料は 33,000円もかかる。これで乗客6人だと、1人 5500円だ。着陸料だけで 5500円。これだけで 5000円を突破する。やばい。 (^^);
 
 ただ、地域振興の国策で、「賢島とのホンダジェット定期便につては、着陸料を大幅値下げする」という方針を立てれば、問題はなくなる。
 だいたい、「小型機の着陸料は 33,000円」というのは、金持ちのプライベートジェット機を対象にした料金なので、べらぼうに高値に設定されている。そのべらぼうな料金をやめれば、十分に採算に乗るのだ。(特別扱いでない普通の料金設定なら、1人 800円で済む。これが合理的だ。)
 というわけで、「着陸料を値下げすれば問題なし」という解決案が出たわけだ。 (^^)v

( ※ なお、中部国際空港株式会社は、民間企業ふうだが、政府の設立した国策会社[指定会社]である。その経営方針は、国の方針でどうにでもなる。/ というか、その種の優遇策はすでにあるようだ。 → 「本邦航空会社の小型機の運航に限定した」措置。)
 
 [ 余談3 ]
 ついでだが、プロペラ機だと、着陸料はたったの 700円で済むそうだ。どうしても着陸料が高額ならば、プロペラ機を飛ばす、という選択肢もある。
 これも別に悪くはない。なにしろたったの 60 km を飛ぶだけだから、どっちだって乗る時間にたいして差はない。その一方、コスト面を考えると、プロペラ機の方がコストは圧倒的に低い。たぶん半額以下。
 ううむ。ここまで考えると、ホンダジェットよりも、本文中にあるプロペラ機の定期運行の方が、実用的であるようだ。滑走路も簡易版( 500メートル)をずっと使うことにすればいいかも。
 
( ※ 実を言うと、離着陸にかかる時間は、プロペラ機の方が早いらしい。空港内を自走できるので、時間がかからないからだ。一方、普通のジェット機は、(大きめの)トーイングトラクターという専用車両に押してもらう必要があるそうだ。ホンダジェットの場合は、(小さめの)トーイングカーに引っ張ってもらうそうだ。いずれにせよ、自走はできないので、時間がかかる。この分まで考えると、総合時間では、ホンダジェットよりも、プロペラ機の方が早く到着できるかもしれない。)
posted by 管理人 at 13:54| Comment(12) | 一般(雑学)3 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後のあたりにいろいろと加筆しました。
 <STRONG>[ 余談3 ]</STRONG> まで。
Posted by 管理人 at 2015年06月06日 21:36
よく色々アイディアが浮かびますね。
Posted by viharati at 2015年06月06日 22:23
いやいやここは是非安倍さんご自慢のオスプレイで
Posted by hibari_sun at 2015年06月07日 10:48
>オスプレイで
シュペルピューマはどうでしょう。
VIP輸送仕様もある模様です。現実にサミットで過去に使用されていますし。
Posted by 普通の人 at 2015年06月07日 11:14
鈴鹿サーキットはVIPをヘリで大量輸送していましたし、洞爺湖サミットでは、VIPヘリ16機(内訳はEC225×3機、UH60×6機、CH47×7機 だったようですね。
http://pucchi.net/hokkaido/summit2008/info3.php

自衛隊も周囲で警戒していたようです。
http://www1a.biglobe.ne.jp/mediaeye/index/08-1209_news.html

伊勢志摩の観光はほとんど近鉄グループが担っていて、関西と中部の方々の日帰り需要と遠方からの宿泊客で成立しています。
空港整備で便利になると遠方からも日帰りとなり、鉄路利用客も、宿泊客も減るので近鉄グループは反対するでしょうね。

また、地元の松坂などもお伊勢さんがあって適度に儲かっていますので、空港で便利になることでちょっと売り上げが伸びるよりもたくさんの無作法者が来ることを拒むような気風を感じます。
Posted by 京都の人 at 2015年06月07日 11:56
本項の趣旨は、サミットを契機に、この地域への安価な民間定期便をつくろう、ということです。
 オスプレイやシュペルピューマを安価な民間定期便に使うのは無理でしょう。
Posted by 管理人 at 2015年06月07日 11:57
> 宿泊客も減るので

 宿泊は、金沢の例では、新幹線開業後に日帰り客が激増したようだが、宿泊客も増えて、慢性的に部屋不足になったという。
 → http://kanazawa.keizai.biz/headline/2429/

 まあ、地域全体が、交通アクセスの向上で活性化した、ということでしょう。パイの奪い合いではなくて、パイの総枠が拡大した。

 私の予想では、観光客が激増して、土産物屋や飲食店がいっぱい増える。それにつれて、ホテルも増える。現状のホテル数は、観光地にしては少なすぎる感じだ。アクセスが良くなれば、ホテルは激増すると思う。
 私としても、アクセスが良ければ、伊勢に行ってみたい気はある。だけど現状では、鉄道で名古屋から2時間となると、うんざりだ。東京から訪れることの可能な距離とは思えない。(調べたら東京駅から4時間半。さらに東京駅までのアクセス時間がかかる。宿泊でも、行く気にはなれない。)

 賢島への空路ができた場合、飛行機を使っても、東京からだと羽田から中部まで空路を使う。乗り換え時間を考えると、東京との間で日帰りは無理っぽい。
 また、飛行機代にかなりの額がかかるので、日帰りで短時間しか観光できないと、コストパフォーマンスが悪い。一泊した方がお得です。

> 関西と中部の方々の日帰り需要と遠方からの宿泊客で成立しています。

 中部はともかく、関西の人々は空路は使わないでしょう。中部国際空港まで行く方が距離が長くなる。西から東へ行って、また西へ戻る感じ。無駄足を踏むことになる。
 中部も、名古屋からなら、電車の方が簡単で安価でしょう。距離的にも、空路経由でたいして距離短縮にならない。
 メリットがあるのは、あくまで東京などの遠距離客(空路利用者)だけでしょう。
Posted by 管理人 at 2015年06月07日 12:35
飛行機だけでなく、伊勢湾をショートカットする洋上クルーズも旅の楽しみが広がって良いかも。
トワイライトクルーズで洋上ディナー、志摩着10:00 チェックインとか
Posted by 普通の人 at 2015年06月07日 13:14
> 洋上クルーズ

 それは私も考えたんだけど、現在ある航路は、渥美半島から出ている。だけど渥美半島には鉄道が通っていないんですよね。
 フェリー料金は 1,550円、時間は 55分。乗り換えも含めると、時間はかなり増えてしまいそうだ。

 なお、空港からだと、距離が長くなりすぎて、使う乗客がいなくなり、採算に乗らないだろう。そもそも、「飛行機と船」という組み合わせは、方針が矛盾しているし。
Posted by 管理人 at 2015年06月07日 14:00
>時間はかなり増えてしまいそうだ
新規航路開拓(伊豆発)も視野に入れて、目的地までの移動時間を短縮するのではなく、移動の過程(時間)も楽しむといった視線ですよ。
ななつ星も人気じゃないですか。
Posted by 普通の人 at 2015年06月07日 16:47
紀伊半島の観光クルーズ船なら、結構人気が出そうだ。海岸線がきれいなので、船から見ると美観が楽しめる。1時間 2000円ぐらいで観光客が乗りそうだ。

 と思って、調べたら、すでにあった。
  → http://shima-marineleisure.com/
Posted by 管理人 at 2015年06月07日 17:28
伊勢志摩は、三重在住時にしょっちゅう行ってましたが、志摩観光ホテルのメインダイニング「ラ・メール」から望む英虞湾の夕景は、世界に誇れるものだと思いました。
真珠筏、幾多の小島、穏やかな小波…この素晴らしい風景を、各国の方々に是非見てほしいです。
Posted by 丸義 at 2015年06月08日 15:28
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