ドローン規制は、どうするべきか? ──
ドローンが首相官邸に侵入した。この事件のあとで、関係省庁が「ドローン規制をすべきだ」とてんやわんやだ。蜂の巣を突ついたような騒ぎ。
→ http://www.bengo4.com/topics/3006/
→ http://www.asahi.com/articles/ASH4Q5PYHH4QULZU00C.html
→ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE23H05_T20C15A4MM0000/
→ http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015042302000279.html
しかしながら、そこで掲げられている「規制」というのは、法的な規制にすぎない。「法的な規制をすれば解決する」と思うのは、安易すぎる。首相官邸にドローンを侵入させようとする(しかも放射性物質を搭載する)ような連中は、政治的な悪意がたっぷりあり、一種のテロ犯だ。テロ犯に対して「法律で解決しよう」と思うなんて、あまりにも馬鹿げている。
( ※ それはいわば「 ISIS やアルカーイダのようなテロ組織には、法律で規制するだけで解決する」と思うような発想だ。楽観的すぎる。)
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現実的に対策を取るなら、法的な規制ではなく、物理的な対策が必要だろう。たとえば、次のような。
・ レーダーで探索する
・ ミサイルのようなもので撃墜する。
・ ラジコン機または自前のドローンで体当たり攻撃する。
・ レーザー光線銃のようなもので撃墜する。
(参考:高強度レーザーによるスペースデブリ除去技術 )
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では、上記のような物理的な対策が、私の提案か? いや、そうではない。私の提案は、こうだ。
「ドローン対策は、物理的には何もしないでいい」
つまり、1円もかからない法的な規制ならばあった方がいいが、レーダーやら、レーザー光線やら、ラジコン機やら、そういう物理的な対策は不要だ、となる。
なぜか? それは、たとえドローン対策をしても、テロ対策としては無意味だからだ。
人々は今は「ドローンが首相官邸に侵入した」と大騒ぎしている。だが、首相官邸の屋根に侵入することぐらいなら、ドローンでなくてもできる。
・ ラジコン機
・ (巨大な)弓矢
・ 塩ビ製パイプの銃
・ 手作り大砲
こういうものがあれば、首相官邸の屋上に小さな物を打ち込むことぐらいはできる。とすれば、ドローンだけ規制しても、「頭隠して尻隠さず」になるだけだ。何の意味もない。
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では、これらのものをすべて総括的に規制するべきか? いや、そうは言えない。なぜなら、首相官邸は、軍事施設ではないので、敵からの軍事攻撃に耐えるような、物々しい対策は不要だからだ。
もともと人通りのある街中にあるような施設は、せいぜい、コンクリートの壁と屋根があればいい。それ以上の対策は不要だ。
たとえば、ドローンが墜落したとしても、普通のコンクリートの屋根があれば十分だ。たとえドローンに爆弾が搭載されたとしても、それによる被害はたかが知れている。
テロリストが本格的に攻撃をするとしたら、ドローンでは足りない。9.11 NY テロみたいに、巨大な旅客機を丸ごとペンタゴンに突入させたような、大規模な攻撃が必要だ。
ゆえに、たかがちっぽけなドローンのことなど、無視していいのだ。それによる被害は、現実的な建造物の破壊ではなくて、国家の威信が傷つけられたことだけである。
その程度のことは、法的な規制をするだけで足りる。それで小心者へは抑止になる。テロリストには抑止にならないが、テロリストはちっぽけなドローンなんか使わない。
ゆえに、ドローン対策としては、小心者向けの法的規制ぐらいで十分なのだ。
[ 付記 ]
こんなことで騒ぐぐらいなら、
「テロリストが首相官邸を攻撃するとしたら、どういう攻撃をするか」
を考えて対策を練った方がいい。その場合、
「テロリストはドローンを使って攻撃するだろう」
なんていう発想は、あっさり却下されるはずだ。そして、ドローンに代わる、もっと実効的な攻撃を想定するだろう。
ただ、首相官邸を破壊したところで、テロ活動としては何の意味もない。テロ活動をするのなら、首相暗殺だろう。だが、首相を暗殺しても、次の人が首相になるだけのことだから、これも何の意味もない。
政府がやるべきことは、ドローン対策やテロ対策なんかじゃない。大地震や大噴火や原発事故への対策をすることだ。……ところが、その対策は、お寒い限りだ。こっちの方が、よほど心配だ。
2015年04月23日
過去ログ

という心理が大きいのだと思います
以下、引用。
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総理官邸の屋上にドローンが侵入した事件を受けてDJI japanは23日、同社のドローンの飛行禁止区域に、「総理官邸」と「皇居周辺」を追加した。これらの半径1km以内では離陸できない仕様となる。
→ http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20150423_699240.html