別項(ニッカが値上げ)で述べたように、竹鶴が大幅値上げしている。そこで大あわてで店に行って、残っていた2本のうちの1本を買った。(値上げ前の価格。イオンで税込み 1998円。余市は売り切れ。)
容量とアルコール濃度を比べると、フロム・ザ・バレルに比べて1割安。値段はたいして違わない。(なお、値上げ後の竹鶴は、値上げ前のフロム・ザ・バレルよりも大幅に高い。)
ネットでの評判は、「フロム・ザ・バレルの方がちょっとだけ美味しい」というもの。そんな気分で飲んでみたら。……
系統が全然違いました。ちょっと比較対象にならない。
ジョニ赤とか、バランタインとか、フロム・ザ・バレルとかは、果実の味と香りが強くて、木の味が弱い。その点では、富士山麓とは正反対だ。(富士山麓は木の味と香りがとても強い。新樽のせいだろう。熟成もしていない。)
一方、昔飲んだウイスキーには、木の味と香りがあって熟成していた。「こういうのがウイスキーだな」と思っていた。サントリーの高級ウイスキーの味。ローヤルとかリザーブとか。
で、竹鶴を飲んだら、そういう系統の味だとわかった。熟成した木の味。ただしニッカらしく、フロム・ザ・バレルふうの果実っぽい味わいもある。
まとめて言えば、「いかにもウイスキーらしい味だな」と言える。正統派だ。中道というか、王道というか。「これぞウイスキー」というのを体現している感じ。
これに比べると、フロム・ザ・バレルは、果実の味わいが強くて、女性的ともいうべき柔らかな味だ。どっちが上かというと、やはり、フロム・ザ・バレルの方が少し上だとは思う。(値段も1割高いし。評判も抜群だし。) とはいえ、系統が全然違うんですよね。
ウイスキー好きの人だったら、竹鶴の方が向いているかもしれない。ただ、私は、「フロム・ザ・バレルにアップルワインを加える」というぐらいの軟弱派だから、やはりフロム・ザ・バレルの方が好きだ。とはいえ、両方をたしなむのが一番いいかも。
竹鶴には、安っぽさや不満などは皆無である。バランタインやジョニ赤はいかにも安っぽい味で、「これに木の味がどれだけあるんだよ。モルトがちゃんと入っているのかよ」と文句を付けたくなるが、竹鶴は「ピュアモルト」を謳うだけあって、木の味がちゃんとする。申し分ない。いかにも高級ウイスキーだ。
ただ、熟成という点では、フロム・ザ・バレルのような熟成感はない。「もうちょっと熟成させるといいだろうな」と感じさせる。
だけど、これをさらに熟成させると、竹鶴 17年という商品になってしまう。竹鶴 17年は、世界トップとして金賞をもらった商品だ。
→ 竹鶴17年 ワールド・ベスト・ブレンデッド・モルト 受賞
これは現在、品切れまたは生産中止らしい。定価(\5,000)では入手不能。
というわけで、普通に手に入る限りでは、竹鶴ピュアモルトとフロム・ザ・バレルが、ベストのものだと言えるだろう。どっちがいいかというよりは、両方をたしなむのが一番だろう。(ただし竹鶴ピュアモルトは、値上げ前のものに限る。値上げ後だと、高すぎるよね。)
──
で、どれをお薦めするか? 結論は、こうだ。
・ 竹鶴の値上げ前のものが見つかったら、買っておくといい。(見つかりにくいが。)
・ フロム・ザ・バレルは、本日ふたたび、Amazonに入荷した。急いで買うといいだろう。
→ http://j.mp/1P0AQLd
これももうすぐ売り切れになるだろう。その後は、値上げしている可能性がある。
【 追記 】 売り切れました。
※ 竹鶴は Amazon
※ 他の商品では、余市も品切れになっているようなので、スーパーニッカの復刻版も含めて、店頭在庫を漁るしかないようだ。マッサンブームのせいで、ニッカの「安くて美味しいウイスキー」はもはや品切れ状態である。(値上げしたものだけが残る。)
【 追記 】
その後、竹鶴は Amazon で元の値段に戻った。品切れは一時的だったらしい。
[ 付記 ]
ニッカのオンラインショップに行ったら、竹鶴ピュアモルト 700 ml はもう存在しなくなっていた。
かわりに新たに出現したのは、竹鶴ピュアモルト 500 ml というもの。
→ ニッカのオンラインショップ 竹鶴
※ 品切れは一時的な現象だったかもしれない。
[ 補足 ]
改めてじっくり飲み直したところ……
木の味と香りは、思ったほど強くなかった。また、味の傾向は、ニッカらしくて、フロム・ザ・バレルと似ている面もかなりあった。
味わいの点では文句はないのだが、フロム・ザ・バレルに比べると、どうしても一段劣る。ちょっと水っぽいし(濃さが足りないし)、本質的な深みが欠けている。
ちなみに、アップルワインを混ぜたところ、向上の効果は皆無だった。この点、アップルワインを混ぜると格段に向上するフロム・ザ・バレルとは、大違いだ。
シングル・モルトというのは、どうしても、ブレンドウイスキーに比べると深みが足りない。ウイスキーの醍醐味はブレンドにあるのだが、そのブレンドができないのだから、どうしても制約が付く。
竹鶴は、ウイスキーとしては十分に優れたものなのだが、フロム・ザ・バレルはやはり傑出していると言うしかない。
竹鶴をまた買うか? 買っても買わなくてもどっちでもいい。値上げしたなら、買わない。フロム・ザ・バレルだけあれば、酒飲み人生は幸せだ。(アップルワインがあればなおさらだ。)
※ だけど竹鶴が素晴らしいウイスキーであることは間違いない。竹鶴を飲んだあとで、ジョニ赤を飲んだら、「まずい! こんなもの、飲めるかっ!」と叫びそうになった。竹鶴を飲む前は、「十分に美味しいウイスキーだな」と思っていたのに。
※ 舌が肥えると、ろくなことはないですね。まずい酒を飲み慣れていれば、それで満足することもできる。トップバリューでさえ。 (^^);

あと1時間ぐらいで売り切れそうな感じ。
「日本のウイスキーはなぜフランスで人気なのか」
http://diamond.jp/articles/-/70161
タイムスタンプは 下記 ↓
淡麗原酒だけではたいしたことはないが、フロム・ザ・バレルの濃密な味わいが、深みを与えている。
すぐ上に書いたことは間違いです。どうも、飲み過ぎて、酔っ払って、舌が狂っていたらしい。
やはり、値段にふさわしく、竹鶴の方がずっと上です。味が濃いし。
ただ、「キリン淡麗原酒に、フロム・ザ・バレル」☆ も、竹鶴に近い位置にある。
バランタイン <<< ジョニ赤 <<<<<<<<< 上記☆ << 竹鶴
という感じ。
すぐ上の訂正は、間違いです。
「キリン淡麗原酒に、フロム・ザ・バレル」☆ は、竹鶴よりも少し上だと思う。
バランタイン <<< ジョニ赤 <<<<<<<<< 竹鶴 < 上記☆
という感じ。竹鶴って、思ったよりも、あんまり美味しくない。フロム・ザ・バレルを含んでいる酒の方が、本質的に上のレベルにある。
フロム・ザ・バレルは特別に傑出した酒だと思う。サラブレッドの優秀な馬という感じ。ハイセイコーとか、ディープインパクトとか。
参考:
キリン 淡麗原酒 http://j.mp/1DBuWXg