試してみたのは、次の5品(うち1品はブランデー)。安売りしたので、いっぱい買ってみて、さっそく味見してみた。
最初に結論を言えば、どれもたいしたことはない。前項で述べた「お薦めウイスキー」の方が圧倒的に美味しい。
だから、本項は、特に読まなくてもいい。ただし、私の失敗談を読めば、読者は失敗しないで済むだろう。
──
まず、事後の感想を言えば、「世間に出回っているウイスキー評や、Amazon の評価は、まったくあてにならない」ということだ。Amazon の評価なんかを信じると、馬鹿を見る。高級品の評価ならば、通が評価しているから信じられるが、大衆品の評価なんて、ろくに経験したことのない人が「自分の飲んでいるこいつは美味しい」と言っているだけで,他商品との比較なんかしていないも同然だ。まったく当てにならない。
そこで、私の実体験を示そう。買ったのは、次の5品だ。(あとで1品 追加)
・ キリン 富士山麓
・ ニッカ モルトクラブ
・ バランタイン new
・ フォアローゼズ
・ ジムビーム ホワイト
・ サントリーブランデー V.O.
※ 他に、【 追記 】 で次の四つもある。これらは最後に記す。
・ ジョーニーウォーカー赤ラベル
・ ホワイトホース
・ ブラックニッカ・リッチブレンド
・ アーリータイムズ
以下で評価を示そう。
──
(1) キリン 富士山麓
お金をかけずに毎日飲みたい、という向きには、かなり良さそう。ただし、味に個性があるので、すぐに飽きやすい。私としては、「常用のウイスキーのかわりに、ときどき違う味を楽しんで浮気したい」という用途に、最適だと思う。1本買っておいて、ときどき気分転換に飲むといいだろう。
( ※ 左図は、4 L の大瓶ペットボトル)
なお、アップルワイン(ニッカ)
(2) ニッカ モルトクラブ
とてもお薦めできない……と思ったのだが、あにはからんや。アップルワイン(ニッカ)
したがって、「アップルワインを少し加えて飲む」という飲み方であれば、なかなか美味しいウイスキーだと言える。富士山麓には、荒々しさがあって、下品なところがあるのだが、モルトクラブは、穏やかで、上品だ。その意味で、かなりよろしい。
とはいえ、値段相応かというと、そうは思えない。どちらかというと、ブラックニッカ リッチブレンド
( ※ 訂正:リッチブレンドはあまり良くなくて、モルトクラブの方がいいそうだ。ただしブラックニッカ・スペシャルは良いそうだ。詳しくは → 知恵袋 。/ ただし、コメント欄にも書いたとおりで、ブラックニッカ・スペシャルはきわめて入手難である。)
(3) バランタイン new
バランタインは、モルトクラブに似ている。「バタンタインを鈍くしたら、モルトクラブになる」という感じ。ニッカのハイニッカなどと同じ系列。木の香りは弱くて、ウイスキーらしさはあまりない。どちらかというと、ブランデーに似ている。
( ※ 「ハイニッカの上位互換がブラックニッカスペシャルとバランタインファイネストだと思う」というふうに評価した人もいる。)
全体的には、けっこう美味しい酒だ。モルトクラブよりも少し上。とはいえ、原価の安さは、推して知るべし。香りのあるアップルワインを足して味わったところ、たいして美味しくならない。もともと安い酒を最適化してあるので、これ以上は良くならない感じだ。その点、あまり香りのないモルトクラブにアップルワインを足すと、味がぐんと良くなるのとは、全然違う。底が浅いわけだ。
このまま飲むのなら、バランタインもけっこう良い酒だが、あとでアップルワインを加えるという方法まで加味すると、モルトクラブの方が一段上だ。(バランタインは、工夫の余地がない。伸びしろがない。)
( ※ 印象的には「安物を工夫して最適化した」という感じだ。しょせんは原価が薄い酒。価格としては 900円ぐらいが妥当かも。ま、日本への輸送コストを考えたら、実際にそのくらいなんだろうが。ちなみに私が買ったのは、イオンで税別 980円。)
結論としては、モルトクラブを買って(アップルワインを加えて)ブランデーみたいな味わいを楽しむことはあるだろうが、バランタインを買うことはもう二度とないだろう。
( ※ アップルワインがこの世から消失したなら、バランタインを買うことはあるだろうが。)
(4) フォアローゼズ
こいつはウイスキーというよりは、バーボンだ。で、バーボンであること自体は構わないのだが、これはストレートでは飲みにくい。というのは、香りがとても強いからだ。
「これはハイボールで飲むための酒ではないか?」
と思って検索したら、案の定だ。ハイボール用だ、とわかった。
→ 1,000円前後のウイスキーから究極のハイボール≠求めて
→ 薔薇のハイボール|キリン
ハイボール用ならハイボール用だと、きちんと表示しておくべきだろう。ストレートで飲んでも、あまり美味しくない。まあ、夏になったら、柑橘系ジュースといっしょに飲むことにしよう。少なくとも普通のウイスキーではないとわかったので、せっかく買っても、夏までお蔵入りだ。
(5) ジムビーム ホワイト
ジムビーム
Amazonでもとても評価が高いので、私も特売品(オマケ付き)買ってみたが、「Amazonの(初心者の)評価なんか信じては駄目だ」という見本だった。
これは香りがものすごく強い。こんなに
で、ここでもやはり「こいつはハイボール用では?」と思って調べたら、その通り。公式サイトで「ハイボールがお薦め」と示している。
→ おすすめの飲み方|世界No.1バーボン「ジムビーム」
まあ、これだけ香りがきつければ、何倍にも薄めて飲むしかないだろう。その場合、ウイスキーの味はほとんどしなくなるが、それでも良いのだろう。チューハイやジンフィズみたいなものだ。味はなくても、香りで飲むわけだ。これも夏までお蔵入り……と思ったが、その前に、一案。
「これはフレッシュな香りが強いから、イオンの安物ウイスキーに混ぜるといいのでは?」
そう思って試してみたところ、どんぴしゃり。大当たり。ジムビームの爽やかな香りと、イオンの安物ウイスキーの「渋いけれど木の味がする」というのが、うまいこと噛み合って、美味しい酒になっている。ウイスキーというのとはちょっと違った感じで、香りの強いバーボン系の味だが、ウイスキーの味も残っているし、結構美味しいハイボールだ。特筆すべきは価格だ。ジムビームは(安売り店で) 900円。イオンの安物ウイスキーは 2.7L で 1880円。合計して、3.4L で 2780円だ。激安ですね。( 2.7 L に対して 700 ml のジムビームではちょっと足りないかもしれないが。)
ともあれ、安さの点では、傑出している。ちゃんとした味で、激安の酒なんだから、コストパフォーマンスはすこぶるよろしい。何よりも値段を重視するという人には、この組み合わせが最強だろう。思いもしないところで、「安くて美味しい酒」というのを見つけた感じだ。(ただしハイボールふうなので、夏向きだな。水分をいっぱい取りたいとき向き。)
(6) サントリーブランデー V.O.
飲んでみたところ、あまり味がしない。なるほど。だからブランデーは、ウイスキーみたいな人気はないわけか。ネットで見ても、「お菓子作り用に買った」という声が多い。このままじゃ、お蔵入りか……と思ったが、ここでひらめいた。
味は余りしないが、甘くすると美味しくなりそうな感じだ。そこで、例の アップルワイン(ニッカ)
この二つの酒は、どちらも、単品では味が偏りすぎているが、両者を足すと、ちょうどいい味で、とても美味しい。ウイスキーとはまた違う味だし、これはこれで楽しめる。
( ※ ちなみに、アップルワインと混ぜてからカステラケーキに入れると、ブランデーケーキができて、とても美味しい。この使い方が一番いいかも。)
──
というふうに、以上で5品目の評価をした。
いずれも、特に良いというほどではないのだが、アップルワインを加えたりすると、結構美味しく飲める。一方、そのままでは、あまりお薦めできない。ことさら「素晴らしい」と思えるような味ではない。
うーむ。すばらしい味わい。陶酔する。上記の5品目(の改良版)では味わえないような、恍惚たる陶酔感を味わえる。これこそウイスキーの醍醐味だ。しかも、それが、かなり安価に味わえる。(700 ml 換算で 1000円弱ぐらい。ただし値上げ後はもう少し高い。)
月とスッポンぐらい違うので、前項のお薦め品の方が、はるかによろしい。今回紹介した5品目は、世間レベルでは標準的なもの(定評のあるもの)だが、私が前項でお薦めしたものに比べれば、圧倒的に劣る。「買って損をした」と思うことはないだろうが、「買ってすごく得をした」という感じにはならない。
[ 付記 ]
今回私が買った店は、安売り店で、すごく安かった。だから、5品も買ったわけだ。
・ キリン 富士山麓 799円
・ ニッカ モルトクラブ 951円
・ フォアローゼズ 933円
・ ジムビーム ホワイト 898円
・ サントリーブランデー V.O. 749円
( ※ バランタイン は、別途、イオンで 980円)
いずれも市価の3割安ぐらい。買ったお店は、世田谷の OK ストア(新用賀店)。砧公園に花見に行ったが、そのついでに寄ってみたところ、お酒を安売りしていたので、買ってみることにした。
実は、最初の目的は、フロム・ザ・バレルだった。これを買うつもりだったのだが、フロム・ザ・バレルは2割引。他の商品は、3割引ぐらい。( フォアローゼズは、5.4割引というふうに記してあったが、これは上げ底表記だった。本当は3割引ぐらいだ。)
2割引よりは3割引、と思って、いろいろと買ったが、かえって損をした感じだ。値引きの少ない商品の方が、かえって価値がある。
フロム・ザ・バレルは、私が見た時点では5個残っていたから、明日あたりもまだ残っているかも。お花見をしたついでに、フロム・ザ・バレルを買うことをお薦めします。価格は何と 1510円。こんなに安く買えるとは! 爆安だ!
店の位置は:
→ Google 地図 , Google ストリートビュー
( ※ 明日あたりだと、本項を読んだ人が、一番乗りして、全部買い占めるかも。1〜2週間後ぐらいには、再入荷しそうだ。フロム・ザ・バレルは、常に品薄。)
( ※ 注記。文中の価格は、すべて税別です。ただし Amazon の価格は、税込みです。)
【 追記 】
あとで試してみたものに、次の四つがある。
・ ジョニーウォーカー赤ラベル
・ ホワイトホース
・ ブラックニッカ・リッチブレンド
・ アーリータイムズ
順に示そう。
(7) ジョニーウォーカー赤ラベル
飲んだら、ごく普通に美味しいと思った。バランタインに似た傾向だが、バランタインよりも一段上だ。果実ふうの味わいがあって、最初からアップルワインが混じっているような味。「どこかで飲んだことのある味だな」と思って考えたが、1000円クラスには見当たらない。よく考えたら、クラスが上のフロム・ザ・バレルに似た味だ。
フロム・ザ・バレルを大幅に薄くして、味を鈍くした感じ。フロム・ザ・バレルの大幅劣化版。それで思い出したが、フロム・ザ・バレルのコストを下げるために、フロム・ザ・バレルをホワイトリカーで割ったものによく似ている。「フロム・ザ・バレルを3倍のホワイトリカーで割った4倍稀釈」というやつ。これをさらに水で薄めて飲む。すると、ジョニーウォーカー赤ラベルに似た味となる。(それだと、質は上だが、濃さが下になる。)
というわけで、フロム・ザ・バレルがあるなら、ジョニーウォーカー赤ラベルという大幅劣化版を買う必要はあまりない。コストを下げるというぐらいの意味しかない。
フロム・ザ・バレルがなければ……ジョニーウォーカー赤ラベルは、まあ、悪くないと思う。ウイスキーとして標準的。値段も安め。
だけど、「モルトクラブにアップルワインを少し入れる」という方が美味しいね。というか、楽しい。これだと、ウイスキーらしさは減るが、ブランデーっぽい味を安価に楽しめる。(値段は同程度。)
ジョニーウォーカー赤ラベルよりは、富士山麓とモルトクラブを(日替わりで)かわるがわる飲む方がずっと楽しめる。1種類だけ飲むなら、ジョニーウォーカー赤ラベルもいいんだけどね。(バランタインより1段上だし。)
まあ、この世にフロム・ザ・バレルがないとしたら、ジョニーウォーカー赤ラベルというのはけっこういい酒だと思う。
あと、ちょっと思ったが、下記の「ボストンクラブ 淡麗原酒に、少量のフロム・ザ・バレル」(☆)というのは、ジョニーウォーカー赤ラベルにいくらか似ている。……と思って、飲み直したら、かなり違っていた。ジョニーウォーカー赤ラベルの方は、モルトクラブに近くて、(☆)にはあまり似ていない。ジョニーウォーカー赤ラベルの方が、味は濃いのだが、レベルが全然違って、いかにも安酒という感じだ。(☆)には高級感がたっぷりとある。味は薄めだが、香りが芳醇で、いかにも良い酒を飲んだという感じの満足感が与えられる。
価格で言うと、ジョニーウォーカー赤ラベルは 1400円ぐらいの価値で、(☆)は 2200円ぐらいの価値で、フロム・ザ・バレルは 4000円ぐらいの価値。実際の価格は、順に、1300円、1000円、2500円。(いずれも 35度 700 ml 換算。税込み。)
ただ、ジョニーウォーカー赤ラベルは、安酒ではあっても、味は濃いので、ストレートでなく薄めて飲むなら、これもなかなかいいと思う。基本的には、良い酒である。(ただ、(☆)が特別に優れているだけだ。)
なお、ジョニーウォーカー赤ラベルのあとで、バランタインを飲むと、バランタインが馬鹿馬鹿しいほど安酒に感じられる。
( ※ ついでだが、竹鶴を飲んだあとで、赤ラベルを飲むと、同系統の味だとわかる。ただ、赤ラベルの方が、ずっとレベルが墜ちる。赤ラベルを買うくらいなら、竹鶴を買って、ホワイトリカーで2倍で薄めた方がマシだ。)
( ※ とはいえ、その後、竹鶴は大幅値上げが決まった。こんなに値上げした竹鶴と比べれば、赤ラベルの方がまだリーズナブルだ。)
(8) ホワイトホース
全般的には、竹鶴によく似ている。いかにもウイスキーらしいウイスキーだ。ただ、レベルがいくらか落ちる。といっても、安物の感じはしない。「弟分」という感じだ。あまりレベルは落ちない。それでいて価格は激安だ。税込みで 1000円もしないで買える。(イオンなら。)
1000円クラスの市販ウイスキーでは、味と価格の点で、最強だとも言える。ベストなコストパフォーマンス。こればかりを毎日飲んでいてもいい。(あとはたまにフロム・ザ・バレル。)
富士山麓も悪くはないのだが、あれは味がかなり違う。ウイスキーっぽさが弱く、バーボンっぽい。その点、ホワイトホースは竹鶴によく似ていて、ウイスキーらしさが十分だ。(バーボンっぽさも少しあるが。)全体的には、「若い竹鶴」という感じ。竹鶴の5年もの、という感じ。熟成が足りないが、価格は大幅安。
( ※ 自分でブレンドするのを別として、市販品をそのまま飲むのであれば、普及品ではベストだと思う。味ではなくて、コストパフォーマンスがベスト。味そのものは、ジョニーウォーカー赤ラベルの方が、いくらか上かな。だけど赤ラベルはいくらか高い。赤ラベルは、味は
(9) ブラックニッカ・リッチブレンド
ちょっと味見したところでは、「ブラックニッカ・クリアよりはずっと美味しい」が、「竹鶴よりはかなり落ちる」という感じ。レベル的には中間。
味は薄いが、質的には上品だ。赤ワインに対する白ワインみたいな感じのウイスキー。質的には、かなり良い。
とはいえ、味が薄すぎる。ストレートで飲んでも、まだ薄い。水で何倍かに稀釈したら、非常に薄くなる。興醒めだ。この酒をストレートで飲んだあとで、バランタインを飲んだら、味が5倍ぐらい濃い感じで、ちょっと噎せそうになった。あまりにも味の濃さが極端に違って、びっくりする。
というわけで、「こんなに味の薄いウイスキーなんて、馬鹿馬鹿しい。これだったら、竹鶴かフロム・ザ・バレルをホワイトリカーで稀釈した方がはるかにマシだ」と思って、試してみたら、まさしくそうだった。
というわけで、「ブラックニッカ・リッチブレンドは、買う価値がゼロ」という評価になる。
( ※ Amazon では評価が高いのは、ブラックニッカ・クリアと比較するような、安酒飲みの評価が多いからだろう。竹鶴やフロム・ザ・バレルと比較すれば、はるかに劣る[味が薄すぎる]とわかるはずなんだが。)
…… 以上は、悪い方の顔だ。
一方、良い方の顔もある。それは、こうだ。
「ブラックニッカ・リッチブレンドを、梅酒に少しだけ混ぜると、ものすごく美味しくなる」
実は、ブラックニッカ・リッチブレンドに他の酒を混ぜようとして、竹鶴やフロム・ザ・バレルを混ぜてみたのだが、まったく効果がなかった。竹鶴やフロム・ザ・バレルの美味さが消えてしまって、ブラックニッカ・リッチブレンドの味だけが残る。せっかくの高級酒が、混ぜたとたんに消えてしまうようなものだ。ああ、もったいない。
そのあと、考えてみた。「ブラックニッカ・リッチブレンドは、とても澄みきった味だ。ならば、梅酒とブレンドすると、美味しいのでは?」
そう思って、試してみたところ、どんぴしゃり。たったの1〜2割のブラックニッカ・リッチブレンドを混ぜただけで、梅酒の味が2倍ぐらい濃くなる感じで、しかも、美味しさのレベルが3ランクぐらいアップする。これは、あらゆる酒のなかでも、トップレベルの味だ。竹鶴よりも美味しい。フロム・ザ・バレルと同じぐらい美味しい。しかも、価格は激安である。(梅酒は自家製で格安だし、ブラックニッカ・リッチブレンドも普及価格だ。)
「ブラックニッカ・リッチブレンドでこれほど美味しくなるのなら、竹鶴やフロム・ザ・バレルを混ぜれば、もっと美味しくなるのでは? あるいは、ブランデーを混ぜたら?」
そう思って、わくわくしながら、試してみたら。……効果はありませんでした。梅酒の味を格段に美味しくするのは、ブラックニッカ・リッチブレンドだけだ。他のどんなウイスキーもまったく合わない。ブランデーは、いくらか合うが、それでも、ブラックニッカ・リッチブレンドには遠く及ばない。(上品さがないので、高級感が足りない。)
ブラックニッカ・リッチブレンドは、それ単独で飲むと味がすごく薄いのだが、梅酒と合わせると、ものすごく濃い味を提供してくれる。これぞ酒のマジック。
これほどのマジックは「フロム・ザ・バレルと(昔の)サントリー・ローヤル」の組み合わせ以来だ。ほとんど神々しいまでの味わい。
というわけで、ブラックニッカ・リッチブレンドは、それ単独では飲む価値がないが、梅酒と合わせると、ものすごく素晴らしい味を提供してくれる、ということになる。
( ※ それ単独で飲むなら、ホワイトホースがお薦めです。)
(10)アーリータイムズ
1000円程度のバーボンというと、「ジムビーム」「フォアローゼズ」「アーリータイムズ」の三つが有名だ。
このうち、「ジムビーム」「フォアローゼズ」はすでに述べた通り。どちらも似た味と香りだ。だから、「アーリータイムズ」も同様だろう、と思って、試さないでいた。(バーボンは私の好みじゃないと思っていた。)
それでも好奇心があったので、とりあえず、買ってみた。「イエロー」と「ブラウン」の二種があり、どちらも似ているが、イエローは軽い味で、ブラウンは重い味らしい。ブラウンは日本市場に特化して作ったものだという。それで、ブラウンの方を買ってみた。
飲んだら……あらら。これは「ジムビーム」「フォアローゼズ」とは全然違う。むしろスコッチに似た味だ。ラベルを読み直したら、「ストレートで飲むバーボン」と書いてある。なるほど。そうか。だから、やたらと香りが強いこともなく、深い木の味を楽しめる。
大変気に入りました。富士山麓よりも上品で美味しい感じだ。富士山麓はコスパが最高かと思っていたが、アーリータイムズはそれを上回る。1000円クラスの市販品では、アーリータイムズがベストだと思う。(ただし、薄めないで飲むのが前提。せいぜい3倍までだ。なお、5〜7倍ぐらいに薄めるのだったら、「ジムビーム」「フォアローゼズ」のように強烈な香りがある方がいい。)
さて。話はここで終わらない。例によってブレンドの話。
アーリータイムズを、イオンのトップバリューのウイスキーとブレンドしてみた。アーリータイムズが3割ぐらいで、残りの7割ぐらいがイオン。そうしたら……いけるじゃん! イオンの安っぽさがなくなり、アーリータイムズの味が生きている。「ちょっと味の薄いアーリータイムズ」という感じだ。
これで、味はあまり劣らずに、コストは激減だ。滅茶苦茶に安い割に、味は結構いける。ブラックニッカクリアなんか、問題にならない。あんなに味が薄いウイスキーとは違う。しかも、コストは激安だ。というわけで、
アーリータイムズ + イオン・トップバリュー・ウイスキー
というのは、コスパ重視でコストを下げたい人には、とても向いている。つぎから次へと酒を飲むウワバミみたいな人には、とても向いている。
( ※ ただし、イオン・トップバリュー・ウイスキーは、それ単品で飲むと、美味しくないので、注意のこと。このままでは飲めたもんじゃない、という感じの安酒だ。なお、この安酒に、フロム・ザ・バレルを混ぜると、とんでもない結果になる。フロム・ザ・バレルを捨ててしまったも同然だ。何でもブレンドすればいいというものではないので、注意のこと。)
【 修正 】
「ボストンクラブ 淡麗原酒に、少量のフロム・ザ・バレル」というのをお薦めしたが、これは取り消した方が良さそうだ。
なぜかというと、これが美味しくないからではなく、あまりにも美味しすぎるからだ。これが基準になると、たいていのウイスキーがまずくなってしまう。さらに悪いことには、「フロム・ザ・バレルにアップルワイン」という絶妙の組み合わせで飲んでも、感動が減ってしまう。
要するに、うまい酒を飲み過ぎて、舌が肥えてしまうのだ。そのせいで、これ以外の何を飲んでもまずく感じられるし、もっと美味しい酒を飲んでもたいして感動しなくなる。最悪だ。
うますぎる酒を毎日飲むのは、美人と結婚するようなものかも。感性が鈍磨してしまう。
ゆえに、酒は飲むならまずい酒にするべきだし、結婚するなら女はブスにするべきだ。(……と言っても、誰も信用しないだろうけど。 (^^); )
おまけ。砧公園。
砧公園なぅ!!! 桜満開で花見客もたくさん!! 迫力のある桜が見事です! pic.twitter.com/w5z2PCN2Yh
— かっくん@飲む兵衛 (@kakkun72) 2015, 4月 2
→ http://j.mp/1P0AQLd
4 L で 4402円。700 ml 換算で 770 円。
タイムスタンプは 下記 ↓
安いウイスキーの中では、カティーサークもお勧めですよ。少し甘めで香りもそこそこします。
バランタインファイネストも確かにいですね。バニラ風の香りがいいです。自分の好みから言うと味はあっさりしていて私は少し物足りませんが香りはかなり好きです。
紹介したのはどちらもスコッチです。
ニッカやサントリーだと、このクラスに有力なものがない。強いて言えば、ハイニッカか。
スコッチとジャパニーズは、同じ傾向だと思っていたこともあるが、まあ、上の二つは、確かに有力ですね。
ただ、私はもう、フロム・ザ・バレルを知ってしまったから、ここから離れられないな。(淡麗原酒で割れば、コストも下がるし。)
ところで、管理人さんはどんな飲み方をされていますか?
私は、お湯割派です。
ジャパニーズやスコッチだと、安酒ながらもお湯割で、そのウイスキーなりの香りを楽しみながら飲むのが好きです。
バーボンだと香りに癖がありすぎるので水割りにしますけどね。
グラスに入れる量はわずか。10cc を越えると、味の違いがよくわからなくなるので、通常は 10〜20cc まで。そのあとは、ウイスキー以外の酒。
といっても、飲む総量は、少ない。ビール1缶よりもずっと少ないので、ウイスキーは1口だけ飲めて便利だ。ビールだと1缶あけるので、多すぎる。
私は飲んべえじゃないんです。
竹鶴さんは2倍に薄めて飲んだそうだが、それだと、私には味が薄すぎる。味が薄いと、もったいない。
さすがに 50度の酒だけは薄めて 40度ぐらいに下げているが。
ただし、売っている店が極端に少ない。Amazonでも送料が馬鹿高い。「質はいいけど入手難」という店では、フロム・ザ・バレル以上かも。私はいっぺんも見たことがない感じだ。
「幻の酒」扱いですかね。
ハイニッカは 4 L ボトルがあるので、コストの面ではこれが優秀かも。
→ http://j.mp/1NGH1k2
酒なんて 好きじゃないんですが 何故 飲んでしまうのかな
煙草は 好きでしたが 肺を痛めて 止めました
トリスのロック 両切りショートピース 空想のゲリラ
素晴らしい時代を 生きたんです かね
タイムスタンプは 下記 ↓
少し混ぜると、木の風味が加わり、風味が良くなる。大幅に良くなるわけではないが、少し良くなる。
いっぱい混ぜると、富士山麓の味がきつすぎて、バランタインの味が消えてしまう。これは駄目。まずい。
バランタインに富士山麓を少し(2割程度)混ぜた状態は、ちょっとフロム・ザ・バレルに似た味わいとなる。とすれば、ここにフロム・ザ・バレルを少し混ぜると、上品な味わいになるかも。……まあ、たいして変わらないとは思うが、お好みしだいではいいかも、という感じになりそうだ。
ほとんど効果はなかった。いくらか味は変わるが、向上したという感じは皆無だ。せっかくのフロム・ザ・バレルが無駄になった。ああ、もったいない。損した。(0.5cc ぐらいだけど。 (^^); )
バランタインに混ぜるなら、やはり、富士山麓だろう。何度も試してみたが、そのたびに、向上の効果を感じる。風味が1ランクアップする。合成ウイスキーみたいなバランタインに、しっかりと木の味わいが添えられる。
富士山麓はきちんと原価のかかった酒ですね。お買い得。(若いけど。)
だけど、どうせ富士山麓を飲むなら、バランタインに混ぜて飲むよりは、富士山麓をストレートか水割りで飲む方がいい。
バランタインって、大衆に人気がありそうな味わいだが、高級ウイスキーが好きな人には、向いていないね。
富士山麓なら、その点は大丈夫。(大衆には不向きで、飲んべえ向きかもしれないが。)
この飲み方は気に入った。これまで富士山麓は、40度ぐらいの濃さで飲むばかりだったが、薄めて飲む飲み方もいいとわかった。
それにしても、2倍に薄めた富士山麓がバランタインに近いのだから、富士山麓は実にコストパフォーマンスに優れた酒だ。称賛に値する。