2015年03月31日

◆ お薦めのウイスキー

 比較的安くて、美味しいウイスキーは、何か? お薦めのウイスキーを示す。 ──

 ウイスキーは、ピンからキリまである。他の酒と違って、上と下との差が極端に大きい。ワインや日本酒なら、安くても高くても、あまり大差はないだろう。安くても高くても、ワインはワインだし、日本酒は日本酒だ。別の酒になるわけではない。しかしウイスキーは違う。安いのと高いのとでは、まったく別の酒になる。ものすごく差が大きい。
 といっても、高いやつ(山崎シェリーカスクなど)は、なかなか手が出ない。普通の山崎だって、手を出しにくい。そこで、庶民的な範囲で、美味しいウイスキーを紹介しよう。

 ──

 まず、ネットで調べたところ、標準的なお薦め品は、次の二種類だ。
  ・ 竹鶴ピュアモルト
  ・ ブラックニッカクリア

 竹鶴は上級品。ちょっと高い。
 ブラックニッカクリアは下級品。ウイスキーの範疇では最も安い。(これより安いのは、もはやウイスキーの味がしない。)

 この二つが、通常、お薦め品と言われている。私も同意する。これが基準となるだろう。

 竹鶴に比べると、サントリーの響や山崎は、価格が高すぎるくせに、味はそれほど大差がない。竹鶴には、竹鶴 17年という姉妹品があり、こちらはもっと高級品となる。味と価格のバランスでは、竹鶴が傑出しているようだ。(なお、竹鶴12年は圧倒的な高評価だが、売れすぎて、すでに生産中止である。)
 ブラックニッカクリアは、同じクラスのなかでは、最もまともなウイスキーだと見なされている。サントリーのトリスやレッドは、もはやゴミ扱いとなる。サントリーの角瓶は、悪くはないが、ブラックニッカクリアよりもずっと高い。

 というわけで、上の二つの商品が、スタンダードとなる。(ネットを調べれば、同じような意見が多い。)

 ──

 ただし、である。もっと詳しい情報を探せば、もっとうまい品も見つかる。
 私のお薦めは、次の二つだ。
  ・ フロム・ザ・バレル
  ・ ボストンクラブ 淡麗原酒ボストンクラブ 豊醇原酒

 この二つは、とても素晴らしいのだが、いずれも入手難である。

 フロム・ザ・バレルは、Amazonでは、出るとすぐに売り切れてしまう。安値では 2650円ぐらいだが、出るとすぐに売り切れる。高値では、5000円ぐらいの値が付くが、それでも売り切れる。「品切れ」と表示されることが多い。また、一般の店舗でも、売っていない店が多い。私はスーパーや酒屋を5軒ぐらい探して、5軒目ぐらいでようやく見つけた。税込み 1950円ぐらい。味は? すごく評価が高い。「竹鶴を少し上回る」というぐらいの評価だ。
 また、Amazon のページを見てもわかるように、圧倒的な受賞歴がある。さらに、Amazon英国では、客の評価がすごく良い。星を付けた人の数で見ると、圧倒的とも言える。(つまり売れている。)
  → Amazon UK
 英国では 5000円ほどの価格を付けられているのに、この圧倒的な評価だ。7000円ぐらいの価値があると見てもいいだろう。

 ボストンクラブ は、ブラックニッカクリアよりも、ちょっと味が濃い感じだ。ブラックニッカクリアは、どうしても「味が薄い」という感じだ。ボストンクラブは、そういうこともない。
 ただし、である。こいつは、数日前までは安く売っていたのに、現在では、2割ぐらい価格がアップしている。Google のキャッシュを見るとわかるが、4リットルの方は 3950円で売っていたのに、今では 4489円だ。これではボストンクラブは買う価値はない。ブラックニッカクリアの方がマシだ。 (訂正: 実は、値上げしたあとでも、買う価値はある。他の品では、ボストンクラブの代替にはならない。絶妙な味になるのは、ボストンクラブ 淡麗原酒だけだ。詳しくは 次項 を参照。)
 とはいえ、今なら、酒屋を巡れば、安値で売っているのを買えるかもしれない。私の場合、2.7リットルの淡麗原酒を税込み 2450円ぐらいで買えた。Amazonでは今では 3218円になっているが。(他に 4 L のボトルもある。)
 さて。私の評価を言えば、この酒は、香料をちょっと使っている感じで、ウイスキーの原酒がやや薄い。香料があるので、けっこう美味しく飲めるが、本質的なおいしさには欠けている。ゆえに、満足度は低い。「安くて美味しい酒を飲む」という目的には合致しているが、フロム・ザ・バレルを飲んだときの素晴らしい満足感は、まったく得られない。(当り前だ。安いウイスキーはいずれも同様だ。)
 しかし、である。それだけだったら、私がいちいち本項を書く必要はない。私が本項を書くのは、何か素晴らしい発見があったからだ。では、何か? こうだ。
 「ボストンクラブ 淡麗原酒に、フロム・ザ・バレルを1割程度混ぜると、すごく美味しくなる」
 (
 このやり方だと、分量ではほとんどボストンクラブなのに、味や香りはフロム・ザ・バレルに近くなる。嘘みたいだが、本当だ。(実体験)
 一般に、ウイスキーは、美味しいのと美味しくないのとを混ぜると、美味しい方の味に近づく。換言すれば、濃いのと薄いのを混ぜると、濃い方の味に近づく。そういうことが成立すると言われている。
 そして、このことは、まさしく上記の例で成立するのだ。というわけで、()が私のお薦めである。「安くて美味しい」というのであれば、これがベストだと思う。
( ※ 単純な市販品ではなく、自分でブレンドするわけだ。)

 ──

 さらに言おう。
 フロム・ザ・バレルよりも、はるかに美味しいウイスキーを飲むブレンドがある。それは、こうだ。
 「フロム・ザ・バレルに、アップルワイン(ニッカ)を、1割ぐらい混ぜる」

 このブレンドで、フロム・ザ・バレルが滅茶苦茶に美味しくなる。「ウイスキーは苦手だ」という人でも、「こりゃうまい」と感嘆するような味になる。ウイスキー好きの人なら、1割でなく5%ぐらい混ぜるといい。それで、「これはシェリーカスクか? 価格は 5万円か?」と思うような味になる。
 飲んだあとでは、「何て素晴らしいんだ! 感動する」という感じで、知らず知らず首を振ってしまう。
 まあ、口で説明してもわからないだろうから、実際に試してみるといいだろう。仮に、お口に合わないとしても、その場合には、混ぜないで単独で飲めばいいだけだ。フロム・ザ・バレルも、アップルワイン(ニッカ)も、「おいしい」という点では定評があるので、そのまま飲んで何も差し支えはない。
 ただし、例によって、アップルワイン(ニッカ)も入手難だ。近所のスーパーでは、税抜き 825円で出たが、出てすぐに売り切れてしまった。(私が1本買ったが、他の人が全部買い占めてしまったらしい。) アマゾンではとりあえずは買えるが、ここのところ値上がりしてばかり。2週間前には 970円だったのに、今では 1224円だ。品薄になっているようだ。

 ──

 というわけで、私としてはいろいろとお薦め品を示したが、いずれも品薄である。近所のスーパーや酒屋を何軒もハシゴしないと、見つけることはできないだろう。ただし、いっぺん見つければ、そのお店で何度も買えるはずだ。
 あと、ボストンクラブは値上げしたようなので、安く売っていたら、さっさと買い占めてしまった方がいいかもね。



 [ 付記1 ]
 私は「混ぜる」(ブレンドする)という方法を示したが、この方法は、どの酒にも通用するわけではない。組み合わせしだいだ。別の組み合わせでは、うまく行くとは限らない。

 [ 付記2 ]
 安酒は薄いとは限らない。
 キングウイスキー 凛 というのは、Amazonでは「安くて美味しい」という評判だが、同等製品(OEM でイオンで販売しているもの)を小瓶で飲んだところ、まともな商品ではなかった。何に似ているかというと、酒よりも、ヘアトニックが一番似ている。香料ばかりが強くて、ウイスキーの味がしない。(化学製品みたいな味がする。)とてもお薦めできない。
 イオンの PB ウイスキーは、激安で、ホワイトリカーと同程度(またはもっと安い)ぐらいだ。あまりにも安くてビックリ。また、味もかなり強い。ちゃんとウイスキーらしい味がする。嘘みたいにお買い得だ。……ただし、である。ものすごく渋みが強い。飲むためには「水で薄めて、レモンか何かを添加する」という方式で、渋みを消す必要がある。ストレートでいっぱい飲むと、ひどい渋みがいつまでも残って、すごく不快である。私が思うに、これは、出がらしみたいな古い樽を使って製造したウイスキーだろう。偽物や粗悪品ではないが、すごい下級品である。舌が鈍感でアルコールを大量に飲みたい、という下層階級向け。この手の人にとっては、「安いのにちゃんとウイスキーの味がする」というふうに、満足度は高そうだ。(舌が鈍感であれば。)
 実を言うと、私はこれがけっこう好きである。ものすごく水で薄めてチューハイみたいにすると、ほのかな渋みが料理に合う。また、美味しすぎないところがいい。まずいウイスキーを何度も飲んでいると、そのあとでフロム・ザ・バレルを飲んだときに、「なんて美味しいんだ」という感動がある。一方、フロム・ザ・バレルを飲み続けると、慣れるかマヒした感じで、感動がなくなる。それじゃ、人生が、つまらない。不味いものを常用しながら、たまに美味しいものを飲むからこそ、感動があるのだ。不味いものには、それなりの効用があるのである。  (^^)v



 【 追記 】
 ブレンドするといっても、組み合わせは限られる。ボストンクラブに、フロム・ザ・バレルを加えると、かなり美味しくなる。フロム・ザ・バレルに、アップルワインを加えると、非常に美味しくなる。しかし、ボストンクラブに、アップルワインを加えても、ほとんど効果はない。「何でも混ぜれば美味しくなる」というわけではないのだ。足りないものを補った場合にのみ、レベルが非常に上がる。そうでない場合には、効果がない。
 ボストンクラブとアップルワインは、どちらも香料系統のものであって、ウイスキー本来の基幹があるわけではない。これらを混ぜても、ウイスキー本来のおいしさは欠けている。ゆえに、混ぜても効果はない。



 【 関連サイト 】

 (1)
 → 安くて美味しいウイスキーは
 → 1000円以下の国産ウイスキーを比較する

  ※ この二つのページでは、ハイニッカの評価が高いが、好き・嫌いの
    差があるようだ。万人向けではないらしい。
     → http://j.mp/1NGnlyu
  ※ とはいえ、Amazonでは、ものすごく評価が高い。好評。
     → ハイニッカ 720mlハイニッカ 4000ml

 (2)
 → 1000円程度で買える本当に美味しいウイスキーまとめ

  ※ このページでは、1000円程度の普及品を紹介している。
    この価格帯は、国産品より、ジョニ赤や、ジムビームなどの
    輸入品が好ましいようだ。(評判は Amazon でわかる。)



 【 関連項目 】
 「1000円クラスは輸入品が好ましい」と上に述べたが、取り消します。1000円クラスについては、新たに買って調べたところ、事実が判明したので、次項で改めて説明します。
  → 1000円程度のウイスキーは?
posted by 管理人 at 23:50 | Comment(7) | 一般(雑学)3 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
薄さはクリアじゃないブラックニッカにすれば解決
わざわざ日本人に合わせて軽くしただけだから
Posted by 先生 at 2015年04月01日 06:41
日本産のウイスキーより、ヨーロッパ産のウイスキーが安くて美味しいと思うのですが…

スコッチやバーボンが1000円くらいからで買えるのでは、日本産は魅力薄いと思います。
2倍以上に薄めて飲む向きには日本産が良いらしいですね。
Posted by 磯崎ゆい at 2015年04月01日 10:53
(1) 最後のあたりに <FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> を加筆しました。

 (2) 最後の最後に、1000円程度の普及品のリンクと解説を書き足しました。(磯崎ゆいさんのコメントを受けて。)
Posted by 管理人 at 2015年04月01日 19:06
一番最後に、モルトクラブ の情報を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2015年04月02日 06:44
追記ありがとうございます。

カナディアンクラブ、ホワイトホース、バランタイン、そして、マッカーサーもスーパーで1000円くらいです。

数百円足すとフォーローゼスあたりも買えます。

この記事に触発されて、昨夜久しぶりに、キリンの富士山麓50度を買って飲んでみました。
これも1000円くらいでした。
アルコール度数は高いけれど、600ミリリットルとちょっと少ないです。
薄めたり刺激を好む向きにはいいかもしれません。
Posted by 磯崎ゆい at 2015年04月02日 08:36
フロム・ザ・バレルが、ただ今 Amazon で販売中。 2,257円。
   もうすぐ売り切れる。急げ。
  → http://j.mp/1P0AQLd
Posted by 管理人 at 2015年04月02日 09:27
最後に  【 関連項目 】 を加筆しました。
 タイムスタンプは 下記 ↓
Posted by 管理人 at 2015年04月02日 21:11
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