群馬大の腹腔鏡手術で死者多数、という報道が出たあとで、関係者が全国調査してみたら、同じようなひどい状況が蔓延している、と判明した。
(1) 概報
記事を引用しよう。
群馬大学病院(前橋市)で、腹腔鏡を使う高難度の肝臓手術を受けた患者8人が死亡した問題で、日本肝胆膵外科学会は23日、手術実績が多い全国の専門病院における腹腔鏡手術の実態調査結果を公表した。
過去4年間に行われた保険適用外手術について倫理審査を全くせずに行っていた診療科が55%に上ることが分かった。肝臓の適用外手術で術後3か月以内の死亡率は1.45%だが、特に難しい手術方法に絞ると9.76%の高率だった。
肝胆膵分野で保険適用外の高難度手術を行う際、病院の倫理委員会で承認を受けたかどうかについては、「全く受けていない」が 55%。一部しか受けていない診療科を合わせると 76%で、安全性などが明らかでない保険適用外手術が、倫理審査を経ないで行われたケースがあったことになる。
( → 読売新聞 2015年03月23日 )
(2) 詳報
記事を引用しよう。
保険適用外の高難度手術が倫理審査もなしに行われていた事実が明るみに出た。それをきっかけに、学会の調査などから全国の病院で同様の問題があることが判明。
保険適用されるということは、一定の安全性や有効性が確認され、全国の病院で幅広く行われても問題ない標準診療として「お墨付き」を得たことを意味する。肝臓や膵臓の腹腔鏡手術は、比較的難易度が低い切除方法に限り保険診療となっているが、それ以外は標準とするには時期尚早とみなされ適用外のままだ。
「保険適用外の腹腔鏡手術は多くの病院で前から行われていたが、普通は倫理審査まで受けないし、患者にも説明しない。ほかの病院でもやっているので問題ないという感覚だ」と、東京都内の病院で腹腔鏡手術を行う消化器外科医は話す。群馬大の問題が注目され、現場も慎重な空気に変わったという。しかし、それまでは、「多くの外科医が、同様の感覚だったのではないか」と明かす。
同学会の調査では、適用外手術はリスクが高いこともわかった。保険適用の手術に比べ適用外の手術は、死亡率が肝臓手術で 5.4倍、膵臓手術で10.8倍の高リスク。
群馬大の死亡者の遺族も多くが「リスクが高い保険適用外の手術とは聞いていない」と口をそろえる。
2011年、肝臓がん治療のため手術を受けた男性の遺族は「高齢なので体に負担が少ないほうがいい」と腹腔鏡手術を提案された。行われた手術は、肝臓のほか、胆管も切除し、腸とつなぐ難しい方法。保険適用外の手術だと知ったのは最近になってのことだ。
遺族は「最終的には思ったより多く切ったと言われたが、通常の保険診療だとばかり思っていた」と語る。
( → 2015年3月25日 読売新聞 )
まとめてみよう。
・ 危険な保険外手術をやる。
・ その危険性を、患者に説明しない。
・ 保険外であることすら、説明しない。
・ 嘘をついて、勝手な手術をする。
・ 死亡率が 5〜10倍。
まあ、ひどいものである。おまけに一つ加えるなら、次のこともあるはずだ。
・ 保険外手術をしながら、保険診療を請求する。(詐欺)
で、呆れるひどいことをやっているのは、群馬大だけかと思ったら、全国で広範に行なわれているそうだ。(約半数を上回る。)
呆れるね。
ちなみに、STAP は、日本中で「捏造だ」と騒いでいたが、実際にはただの「大規模なミス」があっただけだった。本人は正しいことをやっているつもりだったが、お馬鹿さんのせいで、間違ったことをやってしまって、それに周囲の利口たちが振り回された、という馬鹿げた喜劇だった。
ところが、この腹腔鏡手術ときたら、日本中ではたいして騒がれないうちに、本人たちは意図的に「捏造」みたいなことをしている。審査・承認も受けないで、故意に不正な手術をなして、しかも、患者を危険にさらしたあげく、結果的には5〜10倍もの死者を出している。まったく、ひどいものだ。
人々は、騒ぐ対象を間違えている。
( ※ 換言すれば、「捏造だ!」と大騒ぎしている人たちが、いかに非本質的なことで騒いでいるか、よくわかる。彼らは、写真を別の写真に取り替えたことの方が、人命よりも、はるかに重要なのだ。……私には理解できない価値基準だね。)

国会で取り上げて欲しいもんですが、無理かな
ところで、STAPと全く関係ない事案をSTAPと絡めるのはやめた方が良いと思いますが
意外と粘着ですね
これってソースはないんですかね?
保険適用外の手術を患者に気付かれずに行える時点で、確かにやってそうな気は私もするんですが。
一方で、証言している遺族の協力があれば簡単に判明する上に、病院を糾弾出来る格好のネタなのに、今回の件で急先鋒になっている読売が触れていないみたいですし。
意外と粘着ですね
そうですね、
>実際にはただの「大規模なミス」があっただけだった。
この部分、確定しているんでしたっけ?
「騒がないでいいことに騒いで、騒ぐべきことに騒がない」(社会の狂気性)というのが、本項のテーマなので、STAP に触れなかったら、本項で書く意義がない。
一見 関係のないものに、見えない関連性を見出す、というのが、本項のテーマ。
本サイトは、ただのニュース紹介サイトじゃないし。情報を知るだけなら、グノシーか、はてブか、ソーシャルニュースでも、見ていればいいだけ。
> この部分、確定しているんでしたっけ?
本サイトは、ただのニュース紹介サイトじゃなくて、私の個人的意見を述べるサイトです。客観的な情報を知るだけなら、グノシーか、はてブか、ソーシャルニュースでも、見ていればいいだけ。
少なくとも騒がれていない事件の代表例として持ってくるようなもんではないかと。
>騒ぐべきこと
って部分にはもちろん同意。
知っておかないと自分達も被害に合う可能性があるので、これ以上なく騒ぐべき事件。
読売だけです。朝日も毎日も、報道してません。だから私が書いたわけ。
なお、他社も (1) の概報のことだけは、記事にしているが、小さな扱い。たいていの人は見過ごしているはず。私も見過ごしていた。(あとで調べ直して見つけた。)
肝心の話は (2) で、これは読売だけ。
読売しか報道していない話なんだから、「日本中で騒がれている」とみるのは無理。
(ワイドショー的なものは多かったですがね)
管理人さんは色々思いがあるでしょうが、少なくとも再実験開始以降〜結果等に
ついては世間一般の人の関心はそれほど高くなかったんじゃないかな。(ああそ
ういえばそんな事も有ったな? or あれまだゴタゴタやっていたんだ 程度かな)
むしろ、「必要以上に騒いだ」例としてはセウォル号沈没の方がよりふさわしいの
ではないかと・・・(もちろん、亡くなった方は気の毒ですが)