記事を引用しよう。
アフリカ東部のエチオピアで約280万年前とみられる最古の原人化石を見つけたと、……発表した。
原人の誕生時期を40万〜50万年遡らせる発見で、猿人から原人への進化の空白を埋める化石として注目されるという。
見つかった化石は、5本の歯が残る下顎の骨の一部。臼歯が小型化するなど原人らしい面が認められる一方、顎には原始的な特徴があり、原人の前の進化段階である猿人らしさも併せ持つ。これまで知られていた最古の原人は、230万〜240万年前のホモ・ハビリスと呼ばれる種類だった。
( → 読売新聞 2015年03月05日 )
ここで、「ホモ・ハビリスとは何か?」を知りたいだろう。これについては、本サイトは下記項目で示した。そちらを参照。
→ ホモ・ハビリスはなかった?
ここで、ホモ・ハビリスとホモ・エレクトスとの関連について説明している。とにかく、それを読んでほしい。
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なお、この項目では、今回のような新種の化石が発見されることが予言されていた。つまり、「ホモ・ハビリスと猿人との間を埋める、新種の化石が発見されるだろう」と。
その予言が、今回まさしく実現したわけだ。
【 関連サイト 】
今回のニュースについては、下記サイトに詳しい。
→ ヒト属最古の化石、エチオピアで発見 :AFPBB News
一部抜粋しよう。
人類の祖先は、これまで考えられていたより40万年早い約280万年前に、現在の同国アファール(Afar)州「Ledi-Geraru調査区域」が位置する湖、川、活火山などに近い開けた草原の環境で暮らしていたことを、今回の発見は示唆している。
この化石がヒト属の何の種のものかはまだ特定されていないが、細めの臼歯と歯列弓の形態は、より類人猿に近いアファール猿人(Australopithecus afarensis)にはみられない発達を遂げていたことを示している。アファール猿人は、この化石より数十万年早い時代に生息していたとされる。
研究チームはこの化石について、ホモ・サピエンス (Homo sapiens) として知られる現生人類の直系祖先ではないが、現生人類に至った種の極めて早期の代表種として説明している。
この化石は、同様の化石がほとんど発見されていない時代のものである上、直立歩行したが脳が小さく、より類人猿に近い猿人属の系統から、初期のヒト科動物がホモ・サピエンスの祖先として分岐した時期を解明する手掛かりとなる。そのため、研究者らは大いに興味をそそられている。
■「ルーシー」との関連性
知られている限りで現代に最も近い時代のアファール猿人の化石「ルーシー(Lucy)」は、今回の発見地に近いエチオピアのハダール(Hadar)遺跡で発掘されたもので、約320万年前のものとされている。一方、知られている中で最古のヒト属化石はこれまで、約230万年〜240万年前のものと考えられていた。
今回の見つかった化石による時代の絞り込みでは「進化の過程が比較的速やかに進行したことが示唆されている」とビルモア氏は指摘する。
ヒトや類人猿は子供の数が少ないです。
この最古のヒト属も、ライバルより脳が大きくて頭が良かったとしても、そんなに急には個体数を増やすことはできなかったと思います。
新しい種となる特徴をもった個体は、出現し始めた頃は、個体変異として元の種に紛れている可能性もあるでしょう。
ホモ属の特徴を持った、この発見された最古の化石よりももっと古い時代にホモ属の特徴(とその遺伝子)をもつ個体が出現していたと思います。