(1) ルンバ
最初に出たのは、ルンバだ。この分野で確固たる地位を確立している。市場占有率も過半数を大幅に上回っており、現時点では圧倒的だ。
特に、右図にある 800シリーズは、高機能であり、人気・評判も高い。
(2) パナソニック
パナソニックがルンバのような製品を売り出さないのは、なぜか? 意外な理由があった。
技術力で世界の家電業界をリードしてきた日本メーカーが、どうしてルンバ発売から10年以上が経過しても同様の製品を製造しないのか。
「技術はある」。パナソニックの担当者はこう強い口調で話しながらも、商品化しない理由について「100%の安全性を確保できない」と説明する。
例えば、掃除ロボットが仏壇にぶつかり、ろうそくが倒れ、火事になる▽階段から落下し、下にいる人にあたる▽よちよち歩きの赤ちゃんの歩行を邪魔し転倒させる−などだという。
家庭で使う家電製品の第一条件は「安全性」だ。一方、日本の製造業は「リスクを極端に嫌う」傾向が強いため、開発の技術力がありながら、獲得できる市場をみすみす逃しているケースも指摘されている。
( → 日本の家電各社が「ルンバ」を作れない理由 )
これは 2012年の批判記事。「なるほど」と思ったが……
パナソニックもルンバみたいな商品を、今春( 2015年3月)に発売するそうだ。
→ パナソニックからルンバみたいなロボット掃除機 マネシタの輝きが戻ってきたと話題に
→ パナソニックが「ルンバ」の弱点克服。三角形のおそうじロボット登場
→ Panasonic 公式サイト
カタログ性能を見たところ、かなりの実力である。ルンバの有力な対抗馬になりそうだ。
(3) シャープ
シャープはすでに発売している。COCOROBO というもの。
ここに、比較記事がある。
→ 『ルンバ』VS『ココロボ』
これを見ると、ルンバの方がずっとよさそうに見える。
ただしこれは、2012年の記事だ。2014年ぐらいになると、Amazon の評判でも、COCOROBO の評判はかなり良くなっている。それでも、ルンバには追いつかないようだ。
(4) カーペット
カーペットについての機能はどうか? ざっと調べたところでは、次の差があるようだった。
・ ルンバは、吸引機能がなくて、ブラシでこするだけ。
そのせいで、毛足が2センチ以上のカーペットには不適。
・ シャープは、吸引機能があるので、掃除機と同様だ。
おかげで、毛足の長いカーペットでも、掃除ができる。
ふむふむ。そうだとすると、次のように分けられることになる。
・ フローリングした部屋の平らな床では、ルンバがいい。
・ カーペットを敷いた毛足のある床では、COCOROBO がいい。
こう思ったのだが、それは早計だった。実はルンバも、最新機種の 800シリーズでは、吸引機能が備わっており、カーペットにも対応している。COCOROBO の優位性は崩れてしまった。
なお、パナソニックの商品も、やはり吸引機能が備わっており、カーペットに対応する。
──
いろいろと見た末の結論は……
フローリングだけなら、あまり差はないのようだ。(ルンバの方がいいらしい、という記事は、古い。) それどころか、COCOROBO の方がいい、という記事もある。
→ ロボット掃除機のルンバとココロボとの比較
大事なのは、グレードの差だ。ルンバもココロボも、低価格の普及品と、高機能の高級品とがある。フローリングだけなら普及品でもいいのだろうが、カーペットへの対策も考えると、高機能の高級品が必須かもしれない。
ここを間違えて、「安くても性能はちょっと劣るだけで済むだろう」なんて考えていると、痛い目に遭うかもしれない。「全然使い物にならなかった」というふうな。
毎日使うものだし、買うのだったら、高機能の高級品を買うのがお薦めです。価格差も大きくないので。
※ とはいえ、最近は、フローリングばっかりの家も多いし、カーペットも毛足の短いカーペットの部屋が多いし、あまり気にしなくてもいいのかもね。
[ 付記 ]
カーペット対応というのは、畳に対応するという意味でもある。畳の部屋は、フローリングの部屋とはまったく違って、カーペットの部屋と同様だ。買う機種を間違えないようにしたい。
畳の部屋のことまで考えているのは、日本の2社の製品だろう。
パナソニックの製品は、「たたみ」という言葉を使って、畳対策ができていることを表示している。
→ http://panasonic.jp/soji/rulo/function.html
シャープも同様だ。
→ http://www.sharp.co.jp/cocorobo/souji/
ルンバは、どうかなと持ったが、実際には大丈夫だということだ。(ユーザー報告。)
→ http://soujirobot.com/movie/tatami.html

http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column_review/kdnreview/20150126_684945.html