2015年03月01日

◆ 未成年凶悪犯罪

 川崎の中1殺害事件が話題になっているが、これは特に大騒ぎをする必要はないようだ。よくある事件のひとつにすぎない。 ──

 世間では大騒ぎしているが、このくらいの事件は他にも多くある。

 警察庁「犯罪統計書」によると、こうだ。

Satujin.gif
出典

 おおむね、年間に 50〜100件ぐらいあるとわかる。
 ここ数年のデータは欠けているが、この点は朝日の記事からわかる。
 警察庁によると、今回の事件のように、被害者も容疑者も未成年者の殺人事件(未遂を含む)は年間十数件程度起きている。
 殺人のうち、首謀格の容疑者と主な被害者がともに未成年者である事件(双方1人ずつの事件を含む)を数えると、昨年は16件、2013年が17件、12年が10件。05年以降のこの10年間、年10件台〜21件で推移してきた。
 双方が未成年者の傷害致死事件は毎年数件あるが、昨年はゼロ。
 一方、被害者の年齢にかかわらず、殺人容疑で逮捕・書類送検された未成年者はここ数年、年間 50人前後にのぼっている。
( → 朝日新聞 2015-03-01

 未成年の殺害事件は、「ここ数年、年間 50人前後にのぼっている」ということだ。
 いずれにせよ、今回の事件が特別であるわけではない。

 他にも多くの例があることは、下記でも示されている。
  → 少年犯罪 - Wikipedia
  → 最近の主な少年・少女の犯罪 New!

 特に近年の残虐な事件では、次のものがある。
  → 広島LINE殺人事件
  → 大分市19歳集団暴行死事件集団リンチ殺害事件)
  → 女子高生コンクリート詰め殺人事件
  → 大阪ドラム缶集団リンチ殺人事件 (別記事

 こういうふうにいろいろとある。特に今回の事件(川崎)が突出しているわけではない。「年に 50件ぐらいもある殺害事件の一つにすぎない」と思った方がいいだろう。
 今回、特に大騒ぎになったのは、死体が発見されて、大人の変質者による殺人事件だと思われたからだ。仮に、犯人の自首などの形で、最初から「未成年のグループ内の殺害事件だ」とわかっていたら、これほど大騒ぎになることもなく、ひっそりと終わっていたはずだ。
 実際、「年に 50件ぐらいもある殺害事件」のほとんどは、報道されることもなく、埋没している。世間では何も知らされないまま、あなたの家の近辺でも、誰かが殺害されているはずなのだ。

 今回に限ってことさら大騒ぎをする必要はないだろう。
 (どうせ騒ぐなら、他の 50件ぐらい殺害事件全体について騒ぐ方がいい。見えないところに、大切なものがひそんでいる。)

 【 訂正 】
 「年に 50件」と書いたが、これは数え方を間違えていた。
 グラフの数字は、事件の件数ではなくて、加害者の人数だ。実際には事件1件で複数の加害者が存在することが多い。(今回は1件で3人の加害者。)
 だから、正しくは「年に 50」でなく「年に 50」だ。件数は、朝日の記事にあるように「年に 十数件」となる。
 本文中の記事は、いちいち訂正するのが面倒なので、訂正しないでおいて、ここに注記するだけに留める。
 


 【 関連項目 】

 もっと建設的な話もある。「事件の再発を防ぐにはどうすればいいか?」という対策の方法。
  → 川崎中1いじめ殺人事件

 ※ 長期欠席などの被害が出た時点で、いじめ対策と同様に、
   学校側や警察の側が、犯罪を解決する対処をすればいい。
   現実には、その仕組みが存在しないか機能していない。
   こういう制度面から抜本対策することが必要だ。
posted by 管理人 at 09:49 | Comment(1) | 一般(雑学)3 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
精神病患者や少年による犯罪が発生すると、世論の反応は常に定型的で、おもしろくない。数年前のことは忘れてしまって、同じ話を繰り返す。軽度の認知症。

少年が被害である殺人暴行障害事件って、加害者はほとんどが家族なので、家族内に行政が立ち入る権限を強化した方がいいと思う。
Posted by 井上晃宏 at 2015年03月05日 05:08
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