いじめを解決するには、いじめをする犯人をみんな逮捕して少年院にぶち込んでしまえ……と思ったのだが、それは無理。というのは、少年院の収容能力には、限界があるからだ。
逆に言えば、少年院の収容能力に限界があるということから、警察はいじめという犯罪(少年犯罪)を野放しにしている、と言える。
つまり、犯人が少年であるということだけで、殺人に至ることもあるほどひどい犯罪が野放しにされているのだ。(少年院の収容能力のせいで。)……警察と言えば、相手が大人なら、ごく些細なことですら逮捕するのだが。
→ 乞食をした男を書類送検 ( 参考1 ,参考2 )
→ 大津いじめ事件で、犯人よりも、怒った爺さんが逮捕される
──
で、いじめの根源としては、「犯人を少年院にやたらと収容できない」という問題がある。仮に少年院にぶち込むとしたら、日本中にはいじめをしているせいとが山のようにたくさん行くから、少年院がたちまちパンクしてしまうのだ。しかし、それは困る。
では、どうすればいいか?
実は、この件は、前に論じたことがある。
いじめを完全になくす方法。それは「いじめっ子」を転校させることだ。こうして物理的に隔離することで、いじめを原理的になくすことができる。
( → いじめ対策・完全版 )
これとは別の案が大阪で出た。
いじめ対策として、「いじめっ子を校外指導する」という案が出された。
「別の学校に追い出す」のではなく、「適応指導教室」という第3の場所に追い出すことになる。
これはとても良い案だと思う。
( → いじめっ子を校外指導する )
第1の案では、「転校」という形で、普通の学校に移す。
第2の案では、「適応指導教室」という特別の場に隔離する。これは、普通の学校と、少年院との、中間形態だ。ここに収容するのであれば、「少年院が不足する」という問題はなくなる。今は少子化で、教室が結構余っているはずだから、ところどころに「いじめっ子の収容教室」というのを作って、そこにいじめっ子を隔離するといいだろう。
特に、今回の川崎中1いじめ殺人事件のような例では、警察が介入して、(通常の暴行事件と同様に扱って)該当の生徒を逮捕した上で、家裁送りにする。その後、家裁で、少年院に収容するか、特別教室に通わせるかを、決めればいい。この後、特別教室に通いながら、いじめ被害者に「お礼参り」みたいなことをしたら、即時、少年院に収容すればいい。
(もちろん、その点についても、特別教室で繰り返し教育するといい。)
これで解決するはずだ。
【 追記 】
「適応指導教室」という特別の場、と上に表現した。これは、次のようなものである。
いじめた側の児童生徒を出席停止にして校外の教育施設で学ばせる。
本来はいじめを受けるなどして不登校になった児童生徒を受け入れる「適応指導教室」で、いじめた側を別室指導する。
( → いじめっ子を校外指導する )
つまり、同じ学校内の別教室ではなくて、別の学校(または施設)にある独自の教室だ。ここに、いじめっ子を隔離するわけだ。
( ※ 同じ学校内にしないのは、隔離する意味だけでなく、人数が足りないからだ。学校ごとに0〜3人ぐらいのいじめっ子だけを収容しても、それを教える専任の教員は用意できない。だから、市内全体のいじめっ子を集めて、数十人がいる状態で、1教室をつくるわけだ。)

いじめや犯罪を繰り返す場合、単純に教育や指導を繰り返せばいいというものではないと思います。
同一人物によるいじめが繰り返されて、その人物の別教室での指導が繰り返されるとしたら、その別教室での教育がいじめの再発防止にはあまり効果がなかったことになってしまいます。
別教室や少年院あるいは医療少年院で行われる教育や指導や治療の内容・効果によると思います。
「2015年2月9日(月)放送クローズアップ現代
少年犯罪・加害者の心に何が〜「愛着障害」と子供たち〜」で触れられていましたが、オキシトシンの投与と組み合わせた教育・治療など、最新の医療・科学技術を積極的に使うことが求められていると思います。
今までのやり方でうまくいかない、またはもっと効果をあげたいのであれば、やり方を変える必要があるでしょう。
ただし、「道徳」の教科化などからさらに進んで、「道徳」の単位を修得できなかった児童・生徒は薬物投与を伴う矯正教育を受けさせるとか、そういう方向に進んでいくと怖いです。
「日本国を批判したり政府を批判するのが道徳的に良くない」、そういう風潮が広まったときにそうなると、大変怖いです。
違いますよ。正しくは、
「その点についても、特別教室で繰り返し教育するといい。」
です。「その点」というのは、「いじめをしてはいけない」ということではなくて、「 「お礼参り」みたいなことをしたら、即時、少年院に収容」ということです。
それによって効果があるかどうかは、あまり関係ない。とにかく、「お礼参り」をしたら、教育で予告したとおりに、少年院に収容すればいい。それだけ。
これは、いじめをなくすためというよりは、いじめっ子が収容されないで済むようにという、温情です。
──
なお、「適応指導教室」という意味でなら、これは、ここにおける教育効果のためではなくて、単にいじめっ子を隔離すること(適応指導教室のある別の学校に転校させること)だけが目的です。いじめられっ子から引き離すことが目的であって、いじめっ子の再犯を防ぐことが目的ではありません。
いじめというのは、ちょっと教育したぐらいでは直らないので、別の学校に転校させることで物理的に引き離す、というのが私の提案です。
元の項目の「適応指導教室」というのは、「同じ学校内の別教室」ではなくて、「別の学校」つまり「校外指導」というふうに表現しています。
この件、本文中に追記しておきました。