犯人は、防犯カメラにも写っていたし、被害者は友人に名前を示したりしていたので、警察はとっくに容疑者を知っていたのだと思っていたが、案の定、すでに事情聴取を始めた。
→ 川崎中1男子殺害 年上の少年らから任意聴取へ
証拠も証言も上がっているので、まもなく事件は解決するだろう。(犯人逮捕、という意味。)
とはいえ、「このようなことをどう予防するか?」という問題には、すぐには答えがたい。
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はてなブックマークの意見を見ると、「少年法を改正して死刑にせよ」という声が多い。しかし、犯人は「自分が逮捕されて少年院入り」ということも理解できないような、低知能の連中である。「逮捕される」ということすら思いが及ばないような連中が、「死刑にする」というような危険性を理解できるとは思えない。こういう連中は、そもそも「逮捕される」という可能性さえ理解できていないのだ。
ゆえに、「厳罰で予防する」という方針は、成立しない。それが成立するのは、相手がまともな知性をもっている場合に限られるが、本件では当てはまらない。
では、どうすればいいか? 馬鹿の知性を当てにせずに、まわりのまともな大人がきちんと対処すればいい。
・ 学校
・ 警察
・ 両親
これらの人々がまともに注意をすることで、予防すればいいのだ。
と私が言っても、「注意しているぐらいで、どうやって殺人を予防できるんだ!」という反論が来るだろう。そこで、教えよう。
まず、次の動画を見るといい。(グロ注意!)
少年の左目には、殴られてできたという、黒いあざがあった。さらに、左ほほも、青く変色していた。前髪を上げた別の写真では、額にも赤い傷があった。
友人は「本当に、顔パンパンの状態で、顔面全部、青タンだらけでした」と話した。
( → FNN ニュース )
こういう状況であれば、顔を見ただけで、犯罪性は明らかだろう。ここで警察が乗り出せば、すぐに暴行は止められたはずなのだ。少なくとも、暴行をした犯人を、この時点で逮捕するべきだった。
1月に入り、上村君が全く登校しなくなったため、担任の女性教諭が30回以上にわたり、自宅や母親の携帯電話に連絡し、家庭を5回訪問したが、上村君には直接会えなかった。
( → 読売新聞 2015年02月24日 )
会えなかったというが、夜間には帰宅しているはずなのだから、深夜または早朝に出向いて、会いにゆくべきだった。30回以上も行ったのだから、そんなに手間をかける前に、深夜または早朝に出向くべきだった。
とはいえ、この女性教諭を責めることはできない。30回以上も行ったのだし、これは勤務時間外の無料奉仕だ。立派な教育者だと言える。なのに、深夜または早朝に出向かなかったのは、たぶん自動車免許を持っていなかったからだろう。ならばやむを得ない。
ここまで見ると、問題の本質もわかってくる。
現状は、イジメ事件があったとき、どれほど深刻であっても、担任に任せきりだ。
しかし、イジメは 担任に任せるべきではないのだ。学校や警察の専任の担当者が担当するべきことなのだ。そういう担当者が、早朝や深夜にも、自動車で出向いたりして、被害者がどれほどのケガをしているかを確認し、しかる後、刑事事件として摘発するべきだった。
現状では、イジメ対策の専任担当者が存在しない。担任も、警察の少年課も、イジメの専任ではない。イジメの被害者は、あらゆる組織の対象から、すっぽりと漏れてしまっている。彼がようやくきちんと扱われるのは、死んだあとのことだ。「殺人事件の被害者」として。
現状では、イジメの被害者は、対策からこぼれてしまっている。「殺されるまではまともに相手をして上げないよ」というのが、現状の体制なのだ。
その意味では、彼が殺されるまで放置した、現在の社会全体に真の責任があると言える。これを解決するには、社会の体制を変える必要がある。決して「少年法で死刑を導入すればいい」というようなものではないのだ。
【 追記 】
現行の法制度の下でも、未成年であっても、18歳以上であるならば死刑は言い渡される。
少年法では、満20歳までの触法少年に対する処遇が定められているが、犯行時18歳以上の場合、死刑事犯の犯罪を犯した被疑者に対して死刑判決を言い渡すことが可能である。
戦後日本では、未成年死刑判決が確定した死刑囚は42人いると確認されている。(下記に一覧あり。)
( → 少年死刑囚 - Wikipedia )
【 後日記 】
あとで判明したところでは、犯人(首謀者)は 18歳。13歳の少年とは5歳も離れている。
これは意外だった。こんなにも年が離れているのにグループをなしていたというのは、思いも寄らなかった。
とすると、今回の事件は、「いじめ」という枠には当てはまらないようだ。その意味で、タイトルはズレていた。
ただし、「将来の事件の再発を予防する」という意味では、「いじめ対策」の場合と同様にすればいいだろう。つまり、
「警察と学校がきちんといじめ対策をする。いじめ被害が出たら、それを検知して、警察が犯罪者を補導・逮捕する」
こういう形で解決できる。その意味で、対処の方法は、いじめ対策と同様でいい。(一般の小年犯罪への対処の仕方でいい。)
その意味で、すでに書いた本文の内容は、特に訂正の必要はない。
※ 大事なことは、「学校側が生徒の状態を把握できる」ということだ。
欠席であれ、ケガであれ、学校の側は十分に被害を検知できる。
とすれば、学校側がしっかりしていれば、再発は防げるのだ。
【 関連項目 】
→ いじめ問題の解決法 (次項)
※ いじめっ子を特定の場に封じ込めてしまう、という方法。
→ 未成年凶悪犯罪
※ 同様の事件は他にもたくさんある、という話。

コストって何でしょうか? 公立なら公金ならば申請するだけですし、私立ならば保護者は出すでしょうし、出すまでも無い利益でまかなえるレベル。普通の職員よりもずっと安く雇えるからです。
警察OBの仕事は軽犯罪は注意して、重犯罪は最寄の警察を呼ぶだけでいい。
そもそも、「指導教員」みたいなのがどの学校にもいて、そういう機能が必要なことはわかっているはずなのに、これもやはり教師の誰かにその担当を作って任せきりにする。
学校は共生を学ぶ場なのに、その教師側が社会と共生をしない。この矛盾。不思議です。
あれOBです
しかしやりたがらない退職者が多い
いまさら地域課の仕事なんてしたくない
それより企業顧問やOBヤクザになった方が儲かるという図式なのでしょう
担任教師以外の学校関係者はどうしていたのでしょうか?
「上村君が通っていた中学校の教頭は取材に対し、「昨年秋以降、上村君が他校の生徒と交際していることは把握し、その学校と電話などで情報交換はしていた」と説明する。」
その学校とどの程度の情報交換をしていたのでしょうか?
その学校では、生徒に対してどのような指導が行われたのでしょうか?
「友人は「本当に、顔パンパンの状態で、顔面全部、青タンだらけでした」と話した。」
同じ学級や学年の友達はそれからどうしたのでしょうか?
私には情報が無いのでわかりませんが、個人情報を拡散させてはいけないとか、他の人に面倒をかけないようにとか考えるのではなく、周りの人に「上村君が不登校だ。○○高校の生徒とつき合っている。」という情報を拡散させて、解決方法を探っていたら良かったのではないかと思います。
もちろん、それでも防げなかった事件なのかも知れません。
タイムスタンプは 下記 ↓
ヤクザまがいの犯罪組織のリーダーが、組織を抜けようとした最弱の構成員(被害者)を暴力で脅して翻意させようとしたところ、過剰な暴力で殺害してしまったのでしょう。
むごい事件ですが、クラスや中学という枠組みでは解決できない問題です。むしろ警察による本格的な組織壊滅が必要なのでしょう。もしかしたら昔は本職が目を光らせていたのかもしれません。
そうですね。私もそう思っていたところ。年上だと聞いたときも、まさか18歳だとは思わなかった。年が離れすぎている。
これは普通の「いじめ」とはずいぶん毛色が違うみたいですね。少年非行の問題みたいだ。当初に受けた印象とはずいぶん違った事件になった。
ただ、警察の徹底介入は必要だとしても、初期の検知の段階では、通常あるべき「いじめ発見」の方式(今はまだない)で検知する方がよさそうです。つまり、長期欠席やケガなどを学校が検知するわけ。
ここで、ケガを発見したあとは、警察の介入も必要。ただし警察は介入したがらない。その理由は、次項で述べたとおり。
ここがふさわしいのか、ちょっとわかりませんが、飲酒運転でもないし、未成年凶悪犯罪でもないので、こちらにエントリーしました。