──
この事故を聞いたあとで、モヤモヤした感じが残っていたのだが、よく考えると、次のことがあった。
「 12歳という児童がバラエティ番組でハチャメチャなことをするというのは、危険性を考慮しないとしても、もともと違法な労働ではないのか?」
これについて法律を調べたところ、「児童労働は違法である」ということを確認した。
Wikipedia の「児童労働」の項目には、次のように記してある。
13歳に満たない者の就労については、児童の福祉を侵害するとして、映画の製作、演劇の事業の労働(子役など)を修学時間外にさせることを除いて認めていない。
( → Wikipedia )
正確な文章は、下記の通り。
《 第56条 》
使用者は、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで(即ち、義務教育が終わっていない中学生以下の児童・生徒について)、これを使用してはならない。(第1項)
満13歳以上の児童については、修学時間外に、健康及び福祉に有害でなく、その労働が軽易なものについては、行政官庁(所轄労働基準監督署長)の許可を受けて使用出来る。また、映画製作・演劇の事業については、満13歳に満たない児童についても同様とする。(第2項)
( → 労働基準法 - Wikipedia )
要点は、こうだ。
・ 中学生以下(15歳以下)の児童は、労働が原則禁止される。
・ 13歳以上ならば、軽易な労働に限り、労働が可能。ただし監督官庁の許可を要する。
・ 13歳未満ならば、映画・演劇の子役に限り、労働が可能。
──
では、今回の事例では、どうだったか? 映画・演劇の子役だったか? 違う。バラエティ番組の出演者だった。これは、大人ではできないような特殊なものではなく、また、演技力という高度な技能を必要とするものでもなかった。単にバラエティに出演して笑いを取るというだけであるから、誰にでもできることだった。
この意味で、「映画・演劇の子役に限る」という条件を満たしておらず、違法な労働であったと見なせる。
さらに言えば、今回の事例は、大人用のボンベの吸入をするのであるから、「 大人( 20歳以上)でなくてはできないような、危険性のある労働だった。これは、「13歳以上ならばできる、軽易な労働」ですらなく、大人以外(特に子供)には不適切な労働だった。
以上のことからして、違法性は真っ黒だと言える。その責任者は、
・ 雇用者 (所属会社であるスターダスト)
・ 番組の制作会社
・ 政策を委託したテレビ局
のすべてにある。だが、最も違法性が高いのは、雇用者のスターダストであろう。映画・演劇の子役でもない児童を、「児童タレント」という形で、単独で労働させようとした。たとえば、次の単独番組がそうだ。
→ BS朝日 - 3B juniorの星くず商事
実を言えば、今回の事故は、この番組の収録中に起こった。何のことはない、もともと違法だった番組の収録中に、事故が起こったのだ。起こるべくして起こった、とも言えそうだ。
ある意味では、こういう違法な番組を企画したテレビ局が最悪だが、それに乗って引き受けたスターダストも悪い。いや、そもそも、こういう番組に出演することを狙って形成された 3B junior という児童労働グループが根源的に違法だったのだ。
──
結論。
12歳以下の児童は、映画・演劇の子役を除いて、労働が禁止されている。
にもかかわらず、12歳以下の児童をバラエティ番組に出演するタレントとして売り込もう、という 3B junior が根源的に違法だったのだ。
このような児童労働のグループは、即刻、解散させるべきだ。
感想。
とにかく、日本では「ロリ・タレント」という形で、年少の少女の芸能活動が多すぎる。
ま、歌や演技が特別に優れているのならば、将来のためにもなるから、一概に悪いとは言えない。(たとえば、ベビーメタルのボーカルならば、才能の発揮と言えるだろうし、禁じる必要はなさそうだ。)
しかしながら、AKB48 の末端とか、3B junior の末端とかは、世間に名前が知られているわけでもないし、特に才能があるわけでもないし、ほとんど消耗品みたいな扱いである。(将来的に成年後に活動できる人は、ほんの一握りにすぎない。)
このような活動は、特殊技能の活動というよりただの児童労働であるにすぎない。本人がきちんと学業をする機会を奪うという意味でも、好ましくないことだ。
いくら世間にロリ好きのファンが多いからといって、ロリ・タレントを野放図に許容するべきではあるまい。特に、ロリ・タレントを食い物にして喜ぶような経営者は、断固として排除するべきだろう。いや、違法な犯罪者として、摘発するべきだろう。
[ 付記 ]
近年、AKB48 とか、ももクロとか、低年齢の女性をタレントとして売り込む例が目立っている。
ももクロは、プロ活動開始は 2008年5月17日 なので、この時点では、メンバーは 13歳以上であったようだ。ただしその後、2008年11月23日に佐々木彩夏(1996年6月11日・誕生)が加入したので、この時点では、佐々木彩夏が 13歳未満であったことになる。つまり、この時点で違法。
AKB48 は、オーディションの年齢資格が、11歳以上だ。加入だけならば、アマチュアの劇団員と同様の扱いだが、13最未満で出演したとなると、違法性が生じる。また、13歳以上・15歳以下であっても、舞台上でグループとして活動するなら、もはや「子役」の域を超えており、違法となるだろう。
特に、握手会は「国内48グループメンバー全員が参加します」( → 出典 )とのことだから、これは 12歳以下については明らかな違法行為だろう。
というわけで、スターダスト や AKB48 の社長は、児童労働法違反の犯罪者として、豚箱にぶち込むべきなのだろう。
つまり、豚は豚小屋へ。
参考:
→ 秋豚の画像
【 関連サイト 】
→ アイドルの活動中に事故が多発(事実例多数)
これを見ると、アイドルの活動(特にバラエティ出演)というのは、一般の労働に比べてかなり危険度が高い活動だとわかる。15歳以下については、全面禁止するべきだと言えるだろう。
なお、綾川小麦というタレントは、19歳のときに事故に遭い、座骨や鼻骨を骨折して全治1か月の重傷を負った。( → 出典 )
現時点では、ググっても名前が見つからないので、すでに引退したようだ。かわいそうに。
それにしても、危険だらけの仕事ですね。タレント業は、「危険な職業」と認定してもいいだろう。
【 追記 】
関連する情報が、あとで報道された。
子どもの夜間労働をめぐっては、とりわけ芸能界でたびたび話題になってきた。
この問題が注目されるようになったきっかけの一つは、1981年に14歳で歌手デビューした伊藤つかささんが、午後9時から生放送の歌番組「ザ・ベストテン」(TBS系)への出演を見合わせたことだ。40代後半以上の世代には、本人に代わって等身大のパネルがスタジオに現れたシーンを記憶している人も少なくないはず。
この後、88年に、「芸能タレント通達」と呼ばれる、いくつかの条件を満たせば、子どもの深夜就業を禁じた労働基準法の適用外とする見解が旧労働省労働基準局から示されている。
これは、@歌唱、演技などが他人によって代替できず、芸術性や人気など個人の個性が重要な要素になっている、A報酬が稼働時間に応じて定められていない、Bプロダクションとの関係で時間的に拘束されることがない、C雇用契約ではない--のいずれにも当てはまる場合は、労働者とはみなさないとする内容だ。
少年アイドルグループ「光GENJI」が熱狂的な人気だった頃で、「光GENJI通達」とも呼ばれる。当時、15歳未満のメンバーがおり、やはり夜のテレビ番組に出られるのか否かという議論が起きていた。(山田佳奈、深松真司)【朝日新聞社】
( → 14歳の藤井四段、深夜まで続く対局は大丈夫?:朝日新聞 2017/06/30 ,14歳の藤井四段、深夜まで続く対局は大丈夫? - ニッカン芸能! )
18歳未満原則就業禁止で良いと思います。
風俗みたいなものですから。
それにしても、情報隠蔽が酷くて詳細な状況がわからない。
スポーツではなく職業ですからね。
もっとも主催者が法規を遵守しているのでいまのところは問題ありませんが。
-----引用始め-----
いわゆる芸能タレントの労働者性については、次のいずれにも該当する場合には、本条(※労働基準法第9条)の労働者ではない。
(1)当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸能性、人気等当人の個性が重要な要素となっていること。
(2)当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではないこと。
(3)リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはないこと。
(4)契約形態が雇用契約ではないこと。
(昭和63.7.30 基収第355号)
http://www.mykomon.biz/jikan/nensho/nensho_seigen.html
-----引用終り-----
本件の12歳アイドルが本当に「他人によって代替」できないかどうかは、とっても怪しいんですけどね。
ちなみに、この通達は、光GENJIの14歳メンバーが8時(現在は9時)以降働けるかどうかで問題になったとき、出されたそうです。2000年以降も、モーニング娘。特区問題などもありました。w
「光GENJIの14歳メンバー」は「他人によって代替できない」「自己の裁量で判断できる」ことが認められました。
一方、「12歳アイドル」については「細かな指揮監督・命令を受ける程度は強い」と考えられ、「労働者」として労働基準法が適用される可能性が高いと考えます。
参考
http://www.kottolaw.com/column/000893.html
労働基準法関係主要様式
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/
この場合、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を所轄の労働基準監督署に提出の上、監督署長の許可を得ることが必要です。(労働基準法第56条第2項)
満13歳未満の場合、原則的に就労させることはできません。
参考
http://www.mykomon.biz/jikan/nensho/nensho_seigen.html
13歳未満のアイドル活動も合法だと主張しているようですが、
もしそうだとしても、発展途上国での児童労働じゃあるまいし、そもそも法的にギリギリセーフと主張してまで
小学生をタレント活動させること自体、社会的にも教育的にも問題だと思いますね。
そこまでする企業が出るのなら、いっそのことして私案ですが、
「13歳未満の児童は映画演劇の子役を除き、労働に加え、全ての営利的事業活動を禁止する」
というように法改正すればいいのかと思います。
少なくとも小学生は自営業などもすべきではないでしょう。
>少なくとも小学生は自営業などもすべきではないでしょう。
日本の囲碁棋士で、以下のように小学生で働いている人もいます。
趙治勲 1968年 11歳9か月で入段 (当時の入段最年少記録)。
藤沢里菜 2010年、11歳6カ月で入段。
囲碁の他に伝統芸能の分野などでも、年少のころからプロとして取り組まないと上達が難しいものがあります。
一律に禁止するべきではないと思います。才能をもつ子供には認められるようにしておくべきと思います。
「13歳未満の児童は映画演劇の子役を除き、労働に加え、全ての営利的事業活動を禁止する」
に賛成です。
伝統芸能は映画演劇の子役に含まれるし、囲碁などはアマチュアで十分です。
>少なくとも小学生は自営業などもすべきではないでしょう。
これに引っかかったのです。自営業などもすべきでないのなら、映画演劇の子役はしてもよいというのはおかしいように思いました。手伝い程度なら自営業は構わないように思います。
また、「労働に加え、」にも引っかかってしまいました。
労働基準法などの労働関係の法律では、自営業者などは労働者に含まれません。
しかし、日常の使われ方で労働は働くことですから、家庭内での手伝いなども含まれてしまいます。
まさか、亜留守さんは小学生には手伝いをやめさせた方が良いとは考えておられないとは思いますので。
そらめきさんへ
>囲碁などはアマチュアで十分です。
これは、囲碁界の実情を知らない人の言葉のように思えます。
中国や韓国のトップ棋士とも互角に戦えるようになろうと思うならば、弱い相手と練習するよりも、年少の頃からより強い相手と真剣に勝負すべきなのは当たり前と思います。
棋士を目指す小学生の全員がプロとして働くのがよいとは思っていません。
しかし、たとえ少数であったとしても、本当に才能のある子供の可能性の芽を「アマチュアで十分」などと言って摘み取ってしまいたくはありません。
>これは、囲碁界の実情を知らない人の言葉のように思えます。
その通り、私は実情を知りません。
囲碁は心配ないのですが、とにかく何かあった時に大人が責任を持って対処できればよいのです。
今回の事故の件に関し公の席で所属事務所は謝罪や説明を行っておりません。
マスコミによる追及も、刑事的責任も問われない。
このような児童を守るすべがありません。
どうしたらよいのでしょうか。
家庭内手伝いについては、賃金を支払っていなければ労働者に含まれず、
事業ではないので自営業者にも含まれないそうです。
こんな条件でもあれば、監督者が児童を守ることがかなりできるのではないかと考えます。
児童がアイドルなどの仕事をやる場合、毎回保護者がついて行くべきと思います。
個人事業主である児童に替わって、口や手を出して子供を守るわけです。
常に保護者が舞台袖や楽屋などにいることになります。打ち合わせにも出るわけです。
責任を保護者に生じさせれば、事故は防げたのでしょうか。
多くの児童、生徒を集めて金銭的利益を得ようとする者に多くの責任を負わせる方が自然だと思います。
児童に親身になり児童の立場に立って考えられるのは第一に保護者だと思うので、児童の活動に保護者がしっかりかかわれるように法律を改正するのがよいと考えたわけです。番組の企画者や番組スタッフ側に、児童が出演する場には保護者か監督者を関わらせるよう義務付けるわけです。
今回の場合は、保護者が関わることができていたのかは私には分かりません。
保護者が関わることができていなかった場合は、番組の企画者や番組スタッフの責任が大きいのは当然であると考えます。
有名子役ならまだしも、無名アイドルの親が番組制作に口を出すなど出来るのでしょうか。
現在、ほぼすべてのアイドルがプロダクションに所属しています。業界に認められた事務所に入ることで、テレビ、ラジオ等の媒体に出演できる。マネージメントに関しては業界のプロに全てをおまかせすることになる。
口を出して次の仕事があるかどうかわからない世界で、保護者が番組の企画や制作に深く関われるとは思えない。
今回のような事故を防ぐには番組制作者や所属事務所に明確な責任を負わせることが必須だと思われます。
保護者か監督者を関わらせるよう義務付けるべきと言っているわけです。
つまり、マネージメント契約に、監督者の条項を入れる必要があるように児童福祉法か何かの法律を改正するべきという考えです。
契約によって、監督者は保護者が直接するか、所属事務所のスタッフがするか決めればよい訳です。
これで、責任の所在ははっきりします。
私のねらいぱ、今回の事故に関して、保護者に責任を負わせようとしているわけでは決してありません。
保護者でも契約事務所でも、児童の立場に立った責任を持つ者が、番組側(番組スタッフなど)
と打ち合わせできるシステムが必要だと言うことです。
児童の生活全般については、保護者が責任を持つことは当然です。
保護者かその代理の者が、児童の活動に関して口を出せないようなシステムが問題だと考えているのです。
ただし、今回の事故の場合、保護者か契約事務所の者が口を出せるようになっていたのかどうかは、私にはわかりません。
番組内容の児童の活動について具体的な情報が提供されていて、口も出せるのに、見逃していたとしたら、見逃していた者の責任は重いと思います。
もちろん、保護者か契約事務所に情報が渡されていなかったり、口を出せないような状態であれば、番組制作者側が一方的に責任を持つべきでしょう。
保護者が責任を取れないような活動を、児童が行うこと自体が、問題だと考えているのです。
これは当たり前のことです。
そのためにはどうすればよいか?
自分で考えられる成人であれば、事故が起こらないように口を出したりもできるでしょう。
もちろん、立場が弱いとできないことがありそうですが。
児童は自分で事故の危険性について判断しにくいと思うので、代りに判断してくれる人が必要でしょう。
1 事故が起こったときに、番組制作者や所属事務所に明確な責任を負わせる。
2 事故が起こる前に、保護者が依頼した監督者に児童の活動について関わらせるようする。
1だけでなく2も必要だというのが、私の考えです。
「他人によって代替できない」ことが要件です。
>2 事故が起こる前に、保護者が依頼した監督者に児童の活動について関わらせるようする。
たしかに1と2の考えであれば、危険な行為を抑制できるかもしれませんね。
但し、本当に守られるか疑問なんですよ。
今回のような重大事故でも情報の隠蔽が行なわれ、誰も罪に問われない。
一番問題なのは業界の異常性です。
2ばかりが強調されると保護者の自己責任として処理される可能性があります。
口を出せる出せないに関わらず、番組制作者や所属事務所の責任は明確にすべきだと思います。