肩凝りなどの疲労を回復するには、どうすればいいか? 滋養強壮剤を飲むべきか? いや、もっといい方法がある。 ──
この問題は、しばしば話題になる。通常、次のような方法が提示される。
・ 肩凝り体操 (動画)
・ 滋養強壮剤 (リポビタンD・オロナミンCなど)
ただ、私としては、別の考えに至ったので、私の方法を示す。
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(1) 神経性の疲労
神経性の疲労は、頭を強く使ったときに生じる。この場合は、疲労を回復させることが大切だ。
では、その方法は? 効果の順に示すと、次のような方法がある。(数字は対数目盛。10 は 1 の 100倍の効果)
効果 方法
10 昼寝(10分〜60分)
・
8 有酸素運動(ジョギング・速歩・強力体操)
7 入浴 (30分ぐらい)
6
5 体操 (かなり利くもの)
4 酒 (休むことも必須! 休む効果の増大)
3 散歩(短時間)
2 寝転んで楽しい読書 (休む形の変形)
2 滋養強壮剤/ニンニク
1 雑用/腰掛けて読書
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解説しよう。
昼寝が最も利く。特に頭をひどく使って疲れたときには、眠くなるはずだが、そういうときには、眠ることで大幅に状況が改善する。頭はすっきりするし、肩凝りも和らぐ。……ただし、これには限度がある。あまり昼寝すると夜になって眠れなくなるし、1時間以上も眠り続けることもできない。普通は 20〜30分の昼寝をするぐらいだ。それでもまだ疲れが残っているときには、他の方法を併用するしかない。
有酸素運動(ジョギング・速歩・強力体操)も、非常に利く。単に寝転がって休んでいても、効果は1ぐらいしかないが、有酸素運動をして(= 呼吸が激しくなるような運動をして)、酸素を体内にめぐらせると、その酸素のおかげで(?)、肉体が活性化する。気分が重たくて(鬱っぽくて)、肩凝りがひどいときには、特に有功だ。苦しいほどの肩凝りが、まったく苦しくないレベルに改善する。気分がひどいときには、お薦めだ。
※ 30分ぐらいやるのが標準。最低でも 15分はやる。10分ぐらいではあまり効果がない。
入浴も、なかなか効果がある。有酸素運動をしたのに近い効果がある。ただし、同じ効果を得るためには、時間は4倍ぐらいかかると思った方がいい。30分ぐらい入浴しても、有酸素運動の5分〜10分と同程度の効果しかない。有酸素運動を 30分やったのと同程度の効果は、いくら入浴をしても得られない。(のぼせるだけだ。)
以上の三つが、圧倒的に効果がある。それに比べると、以下のことは、効果がかなり限定される。
肩凝り解消のための体操は、そこそこ効くようだが、神経性の疲労回復のためには、あまり役立たない。どちらかと言うと、筋肉痛のために役立つだけだ。この件は、後述する。( (2) の箇所。)
ただ、肩凝り解消のためであれば、両腕をグルグルと風車のように大きく回転させると、比較的よく利くようだ。
その他、首をグルグルと回すのがいいのは、冒頭のあたりの動画でも示している。
酒も、肩凝り解消には、かなり利く。特に、肩の筋肉が張り詰めていたときには、少量の酒を飲むことで、強張っていた筋肉が和らぐ。また、神経の緊張も和らぐ。
ただ、これで神経の疲労回復ができるかというと、そうでもない。神経の疲労回復のためには、酒単独ではダメで、酒を飲んだあとで休養することが必須だ。そして、その休養の効果を増大させるために、酒が役立つ。
ここでは酒は補助的だ。休養が主であり、酒は従だ。
したがって、休養しないで酒だけを飲んでも無効である。特に、酒を飲みながら仕事をしたら、肩凝りはかえってひどくなるはずだ。注意。
( ※ 酒の量はごく小量で足りる。人によって違いはあるが、酔うために最低限に必要な量の、4分の1ぐらいで足りる。そのくらいの量なら、あまり酔った感じがしないまま、肩の筋肉の張り詰めた感じが弱まるはずだ。)
散歩は、短時間では少ししか効果がない。前述の有酸素運動のように激しい運動としての速歩ならば、かなり効果があるのだが、単にぶらぶら歩いていても、さして効果はない。
しかしながら、「仕事をしないでいる」という意味では、休養の効果がある。ここでは、「何かをする」ことが大切なのではなく、「何かをしないこと」が大切なのだ。
だから、30分ぐらい散歩をしても意味がないが、3時間以上の散歩ならば意味がある。それだけの長さの休養を取れば(しかも体を少しでも動かしていれば)、そこそこの疲労回復効果はある。
ただ、おしゃべりをしていても、食事を取っていても、効果は同様だろう。(「仕事をしない」という点では同様だから。)
寝転んで読書するのもいい。これは、休養の一変形だが、次の二点の効果がある。
・ 寝転んでいると、肩凝りなどが和らぐ。
・ 楽しい読書だと、頭を使わずに済む。
これらの休養は、かなり効果があるが、ただし、長時間を要する。たとえば、10時間ぐらい。(昼間の仕事を休んで、読書をする。)……ここでは、「仕事を休む」というのが本質であり、読書そのものに効果があるわけではない。注意。
なお、ひるがえって、次のタイプはダメだ。 ¶
・ 腰掛けたままの読書 (筋肉が緊張状態だ)
・ 頭を使う読書や ネット閲覧 (神経は休まらない)
この二つは、時間を食う割りには、疲労回復の効果が著しく減じられる。やめた方がいい、と勧告しておこう。
滋養強壮剤は、リポビタンD のようにタウリンが入っているものは、休養効果があるようだ。これを飲んで休めば、気休めよりはマシな程度に、効果があるようだ。(酒のような効果かな。)
ただ、滋養強壮剤は、大量のカフェインが入っていることが多い。これだと、短期的には気力がアップするが、疲労回復のためにはかえって逆効果だ。「タウリンとカフェイン」というのは、ブレーキとアクセルを同時に踏むようなもので、何を狙っているのかわけがわからなくなる。
疲れた感じでいるときに、気力を付けたいのであれば、カフェイン入りの飲料を飲むよりは、ニンニクの方が効果的だと思える。ただのニンニクだと臭いがするが、「梅酢で漬けたニンニク」というのがスーパーで販売されている。これは、臭いも抜けているし、味もいいので、お薦めだ。たとえば、下記。
→ しそ梅酢にんにく
雑用をしたり、腰掛けて読書をするのは、疲労回復の効果はほとんどない。単に時間がつぶれるだけだ。やめた方がいい。(先に ¶ でも記したとおり。)
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なお、以上では「疲労回復の方法」を示したが、もっと根本的に利く方法がある。こうだ。
「無理をしない」
実は、これが最も有効だ。
通常、人が毎日やれる仕事量には、限界がある。それを 100 だとしよう。これに対して、短期的には無理をして、120 とか 130 とかの仕事をすることも可能だ。このとき、人はこう思う。
「今日は 120 をやっても、明日は 80 にすれば、トータルでは仕事量は同じだ。だから、明日は仕事量を減らすことにして、今日はちょっと無理をしよう」
この発想はやばい。こういう発想をして、120 の仕事をやると、ものすごい疲労が発生する。そして、その疲労の回復のために、翌日の仕事量を 80に減らしても、前日の疲労は回復しないのだ!
比喩的に言うと、こういう感じだ。
「皮膚に 90度のお湯をぶっかけて火傷をさせたあとで、マイナス 60度の氷を当てても、いったん火傷した皮膚は元には戻らない。元に戻すためには、火傷の治療のために、何十日もの時間がかかる」
こういうことが、神経性の疲労の場合にも起こる。120 の仕事をやれば、疲労が生じる。その疲労を回復させるには、翌日の仕事量を 80に減らしても足りないのだ。むしろ、80に減らした状態を 三日間ぐらい続ける必要がある。
つまり、次の二者択一だ。
120 / 80 / 80 / 80
100 / 100 / 100 / 100
前者ならば、20%の超過した仕事をやったあとで、疲労回復のために 20% の減少を三日間続ける必要がある。トータルの仕事量は 360 だ。
後者ならば、毎日、100の仕事をやればいい。トータルの仕事量は 400 だ。
比較すれば、後者の方が仕事の総量は多い。
このことは、比喩的には、次のように言える。
「マラソンを走るとき、最初から最後まで同じペースで走れば、最もタイムを短縮できる。一方、最初の1km を全力疾走すると、ものすごく疲労するので、残りの 40キロでペースを落として走ると、トータルではものすごく時間がかかってしまう」
このように、マラソンでは、最初から最後までペースを一定にするのが、最も効果的である。
同様に、仕事の場合も、毎日同じペースで仕事をするのが、最も効果的である。(≒ できる仕事の総量は増える。) 逆に、疲労が溜まるほど仕事をしたあとで、そのあとで疲労回復の日々を続けていれば、トータルの仕事の総量はかえって減ってしまう。
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オマケで、有効な方法を二つ示しておこう。
@ コーヒーを飲まない
コーヒーを飲むと、無理をしがちになる。そうすると、疲労が蓄積する。(上述のマラソンの比喩を参照。)
だから、コーヒーを飲まないといい。その目的は、「無理をしないこと」だ。
A ノルマを下げる
ノルマがあると、無理をしがちだ。しかし、無理をすると、疲労が大幅に蓄積する。(上述)
ゆえに、疲れてきたら、ノルマを下げるといい。これは特に重要なことなので、覚えておこう。
一般に、頑張り屋さんほど、ノルマの達成をめざす。「今日はこれだけの仕事をやると予定を立てたのだから、何としてもやるぞ」というふうに。……しかし、それこそが、疲労の原因なのだ。そのせいで、結果的には、実行する仕事の総量が減ってしまう。(前述)
だから、疲れを感じたら、無理はやめて、ノルマを下げるべきだ。「今日は 100やるぞ」と思っていても、80 とか 70 ぐらいの達成度で我慢するべきだ。
とにかく、無理は禁物なのだ。(特に、コーヒーを飲んでノルマの達成をめざすのは、最悪に近い。)
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ついでに、オマケふうに言おう。疲労回復のために効果がないものもある。
「コンピュータでネットの情報をだらだら見ている」
これは、頭を使わないので休養になるはずだ、……と思う人が多いだろうが、さにあらず。これは、頭はあまり使わなくても、けっこう神経を使う。目も疲れる。だから、休養の効果がない。まるまるの無駄みたいなものだ。(休養効果がゼロとは言わないが、普通の休養よりも効果が著しく劣る。)
だから、次のようにも言える。
「疲労回復をしたければ、コンピュータから離れよ。ネットから離れよ」
これを座右の言葉にしておくといいだろう。(座右の銘というのとは違うが。)
──
以上で、話は一応終える。
一般論ふうに述べているが、私の個人的な体験を元に書いているので、他の人に当てはまるとは限らない。個人差もあるだろう。
たとえば、体質の違い。仕事の内容の違い。仕事は頭脳労働か否か。頭脳労働だとしても、創造的な仕事か、定型業務ふうの仕事か。(後者は「神経を使う」というタイプ。)
こういうふうに、仕事の内容によって、疲労のタイプも異なる。だから、本項の内容が一般化できるとは限らない。その点、一応、留意しておこう。
【 予告 】
本項では
(1) 神経性の疲労
についてのみ述べた。一方、
(2) 筋肉性の疲労
については、次項で述べる。
→ 次項
【 関連項目 】
肩凝りの解決については、他の項目でも述べた。
→ サイト内検索
2014年11月19日
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