2014年11月16日

◆ 新国立競技場・その後

 新国立競技場は、その後、どうなったか? 情報をいくつか示す。 ──

 いずれも 10月末ごろの情報だが、新国立競技場について、いくつかの情報があった。


 (1) 舛添と知事の意向

 舛添と知事は、事後的な用途について考慮する旨を述べた。
 ロンドンを訪問中の東京都の舛添要一知事は30日、2020年の東京五輪で新設する競技施設について、大会後の利用策を抜本的に見直していく考えを示した。12年のロンドン五輪の施設が設計段階から大会後を想定して造られた状況を視察し、「大会後のことを考えない設計をやれば大失敗に終わる」と語った。
 舛添知事はロンドン五輪について「設計段階から大会後にどう使えるかを考えたことが成功につながっている」と評価。東京五輪について「設計に入る時に知恵を集めて、大会後の利用を考えておかないといけない」と述べた。
 都は現在、競泳会場の「オリンピック・アクアティクスセンター」、カヌー・ボート会場の「海の森水上競技場」、バレーボール会場の「有明アリーナ」の3施設を新設する予定で設計段階に入っている。
( → 朝日新聞 2014年10月31日

 舛添都知事は、この問題に着目して、「大会後は黒字になるようにする」と述べた。これは賢明なことだ。
 さて。大会後のことというなら、新国立競技場は大幅な赤字になるに決まっている。では、舛添と知事の方針に従って、新国立競技場は建設中止になるか? いや、なりそうにない。
 @ 上記記事では、「都が3施設を新設する予定」と記してあるが、都が主導するのその三つぐらいであって、新国立競技場は違う。新国立競技場は、文科省が主導するので、舛添都知事の思惑だけでは決まらない。
 A 本当は赤字になるにしても、文科省は「黒字になる」というインチキ試算をしている。
  → 新国立競技場の黒字試算はペテン
 ま、こういうインチキ試算は、例によって例のごとし。毎度毎度、楽観的な試算をしたあとで、事後的には「大赤字になりました」と言う。たいていの公共事業がそうだ。本四架橋とか、東京湾横断道路とか。
 というわけで、舛添都知事の狙い通りには、事は運ばないようだ。


 (2) 建設会社の決定

 新国立競技場の建設会社が決定したそうだ。
 2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場について、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)は 31日、工事施工予定者に大成建設と竹中工務店東京本店を選んだと発表した。
 大成は延べ面積約21万平方メートルの競技場など本体部、竹中は開閉式遮音装置を設ける屋根を担当する。来年10月の建設工事着工までに正式契約を結ぶ。
( → 朝日新聞 2014年10月31日

 「来年10月の建設工事着工までに正式契約を結ぶ」とのことだ。すでに仮契約の状態にあるので、今さら契約をひっくり返すのはきわめて困難だろう。
 では、これで契約通りに、うまく建設されるか? いや、どうもそうではないらしい。(下記)


 (3) 建設の困難さ

 建設会社は決まったが、建設の実現は困難視されている。
 JSCは建物本体の建て替え工事をスタンドと屋根の2工区に分けて発注するため、10月10日にゼネコン各社の技術提案を締め切った。ゼネコン関係者たちの間で本命として名前が挙がるのは、スタンド工区では大成建設、屋根工区では竹中工務店だ。
 屋根工区はどれほど困難なのか。世界的な建築家である槇文彦氏らと共に現計画の見直しを主張している建築家の中村勉氏は、労務費や資材の高騰に加え「キールアーチ」と呼ばれる、競技場の屋根を縦に支える2本の巨大な梁を設ける困難さなどから、総工費は2500億円、工期はJSCが示す42カ月に対して、少なくとも50カ月との試算を示す。
  2本の梁は鋼鉄製で長さ370メートル。断面積も約80平方メートルと一般的な住宅1棟の居室面積に相当する。巨大クレーンと油圧ジャッキで60〜70メートルの高さに引き上げ、強風の中で溶接、塗装を施すのは、JSCが見込むコストと工期では無理だというのだ。
 中村氏は9月、自民党無駄撲滅プロジェクトチーム(PT)の会合でJSCに対し、こうした点に関する質問書を出したが(総工費について中村氏は当時2100億円と試算)、回答は得られていない。一方で文科省やJSCは、PT座長の河野太郎衆院議員に対し「計画通りの工期とコストでやり切る」と明言しているというから、よほど自信があるのか、単に無責任なだけなのか。
 実際に工事が始まりコストが計画を上回れば、3000億円をぶち上げた当時と同様の批判が巻き起こるだろう。
( → ダイヤモンド・オンライン 2014-11-05

 あまりにも技術的に困難で、工費と工期は大幅に上回りそうだ。それでもできればいいが、実際にできるかどうかはおぼつかない。以前の例では、3倍増だ。
  → 新国立競技場の前例は3倍増
 どっちみち、ひどいことになりそうだ。例によって、大惨事になる前に、私があらかじめ警告しておこう。
 


 【 関連項目 】

 他にもいろいろと項目がある。
  → サイト内検索
posted by 管理人 at 23:39| Comment(0) |  東京五輪・豊洲 | 更新情報をチェックする
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