「妊娠した女性の雇用差別は許されない」という最高裁判決が出た。しかしこれは物事の本質を見失った、ただの対症療法にすぎない。 ──
「妊娠した女性の雇用差別は許されない」という最高裁判決が出た。
→ 妊娠降格、承諾ないと違法…最高裁が初判断 : 読売新聞
→ マタハラ訴訟、最高裁が初判断「妊娠による降格は均等法違反」
→ 最高裁初の判断に反応まっぷたつ この問題を解決しないと何が起こる?
これを見て、「妥当である」というふうに歓迎する意見が多い。しかし、本当にそうか?
私としては、「これは物事の本質を見失ったあげく、表面だけで解決しようとして対症療法をやっているだけだ」と判断する。その意味で、次善の策ではあるが、本質的な改善策とはなっていない。
つまり、最高裁の判決自体は、(法的には)問題ないとしても、そこでは大切なことが見失われているのである。
──
どこが問題か? それはこのあとの企業の態度を推定すればわかる。
「妊娠中で使い物にならなくとも、高い給料を払わなくてはならないのか。だったら、今後は、女性を雇用するのはやめよう。また、たとえ雇用しても、昇進させるのはやめよう。最初から昇進させなければ、ずっと平社員の給料を払うだけで済むからな。また、妊娠期間における企業の戦力低下も防げるからな」
これが、今後の企業の方針だと見なせる。つまり、「男女の雇用均等」という理想を、企業の犠牲によって推進するのであれば、企業は犠牲を厭がるから、女性の雇用や機会均等はどんどん阻害されてしまうのだ。
ここでは、「実際の価値以上の給料を払うことを強制する」という方針そのものが、企業に対して、女性の雇用を忌避させてしまうのだ。
元も子もない、とはこのことだ。
「女性雇用を推進せよ」という名目で、女性差別を禁じれば禁じるほど、かえって女性の雇用は阻害されてしまうのである。
──
では、どうすればいいか? もちろん、「物事の本質を考えよ」というのが、本サイトの方針だ。
とすれば、女性雇用の方針を、「企業の犠牲によってなす」という現行の制度を、抜本的に改正すればいい。
具体的には? ごく当たり前に考えればいい。
現状:「女性を雇用すればするほど、企業は損をする」
改正:「女性を雇用すればするほど、企業は得をする」
このように、制度改正すればいいのだ。(ごく当たり前ですね。本質を考えれば、当然だ。)
あとは、具体策だ。具体策としては、いろいろある。とにかく実効性として、「女性を雇用すればするほど、企業は得をする」という点があればいい。そのための制度は、たとえば、次のようなものだ。
(1) 女性雇用の程度に応じて、優遇する。
・ 女性の雇用者数に応じて優遇する。
・ 女性の雇用者比率に応じて優遇する。
(2) 優遇の形をいろいろにする。
・ 補助金で優遇する。
・ 納税の税率で優遇する。(損金参入率など)
(3) 男性雇用の冷遇
・ 女性雇用のかわりに男性雇用について、企業を冷遇する。
──
ともあれ、このような形で、「女性を雇用する企業を優遇する」という形を取るべきだ。こうすれば、企業は、「法的義務によって女性を雇用する」のではなくて、「損得による経済原理によって女性を雇用する」というふうになる。
現状では、「良いことをすればするほど損をする」という制度となっており、その状況で、「良いことをしろ」と法的に強制している。ここでは、「正直者が馬鹿を見る」という制度がある。これはあまりにも不自然だ。
改正後なら、「良いことをすればするほど得をする」という制度となっており、その状況で、「良いことをした方がいいよ」と緩やかに推奨している。ここでは、「正直者が有利になる」という制度がある。これはとても自然だ。
結局、大切なのは、「善をなせ」という法的な強要ではなくて、「自然に善をなしたくなる」というような制度設計だ。
物事の本質を考えるというのは、そういうことだ。
( ※ それなしに、単に法的な強要だけをすれば、脱法行為が世にはばかる。その結果は、「女性を雇用しなくなる」ということだ。)
【 追記 】
女性優遇策というのが抽象的すぎて、わかりにくかったかもしれない。そこで具体的な制度の例を示す。こうだ。
@ 女性労働者1名ごとに補助金を1万円出す。
逆に、男性雇用者1名ごとに、罰金1万円を課する。
A 女性労働者の比率に応じて、法人税率を変える。
・ 30%ならば 税率 2%アップ
・ 40%ならば 税率 1%アップ
・ 50%ならば 税率 0%アップ
・ 60%ならば 税率 1%ダウン
B 次の差額に課税する (全社員の総額)
男性の給与総額 − 女性の給与総額
以上から、結果的には:
・ 男女半々の企業 …… 増減なし
・ 女性多数の企業 …… 減税
・ 男性多数の企業 …… 増税
となる。
《 注記 》
職業や産業による男女差は、この方法では解決されない。しかし、そのような問題は、関与しなくていい。たとえば、重いセメントを運ぶような仕事は今後も男性が多いだろうし、看護士や保育士や食品販売は今後も女性が多いだろう。だが、そのような差は、放置していい。
大切なのはあくまで、全産業における均衡だ。そこで賃金差がなくなるならば、産業による男女の不均衡はあっても構わない。これはまあ、トイレに男女差が許されるのと、同様である。生物学的な差に由来する不均衡まで、強引に均衡させる必要はないのだ。
2014年10月24日
過去ログ

ある程度の損得は生じますね
>今後は、女性を雇用するのはやめよう。
>また、たとえ雇用しても、昇進させるのはやめよう。
どちらも「均等法」の第5条と第6条で禁じられている差別。差別したら、第30条に基づき、厚労大臣に助言・指導・勧告され、それに従わないと企業名を公表されてしまう。罰則が社会的制裁(不買運動・取引停止・株価下落など)という法律なんだよな。
残念でした。思うだけなら、人の思想は自由なので、憲法で保障されています。
実行するときには、「個人差」を理由にすれば、合法です。だから現実には、日本では女性雇用率が低い。現実を見てからいいましょう。雇用率が男女平等だなんて、建前でしかないことぐらい、誰だって知っているんだが。知らなければ、政府統計でも見たら?
他方、「自然に善を為したくなる制度設計」は必要です。
では、妊娠したときの夫側に半ば強制的な産休を採らせる何らかの工夫を編み出せば、Affirmative Action無しで、自然に男女平等の雇用に道が開かれると思います。
本項で言う制度設計は、ただの促進策(企業へのアメとムチ)ですから、強制性をもつアファーマティブ・アクションとはまったく別のものです。
なんだ。オマエが差別主義者だったんだ。最低だな。w
女性差別がないなどとは言ってないぞ。均等法の有効性について言っているのだ。均等法は、1985年に制定され、1997年に改正され、努力義務(罰則なし)が差別禁止(企業名公開)となった。
【雇用総数に占める女性の割合】
1965年 31.4%
1975年 32.0%
1985年 35.9%←制定
1995年 38.9%
2005年 41.3%←改正
2010年 42.6%
【管理職女性比率】
1975年 *7.0%
1985年 *9.0%←制定
1995年 *9.8%
2000年 11.2%←改正
2005年 11.9%
2010年 14.0%
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/3142.html
【男女賃金格差の推移(フルタイム)】
1980年代:40%以上
→2012年:26%まで低下
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/3350.html
【年齢階級別就業率(女性)】
M字カーブの変化→有配偶者の就業率上昇
http://www.stat.go.jp/data/roudou/tsushin/pdf/no11.pdf
ちゃんと効果があるじゃないか。w
効果がないなんて誰も言っていませんよ。「差別は残っている」と言っているんです。
上の数字を見ればわかるでしょ? 50%には程遠い。ちゃんと数字を読める?
あと、差別しているのは、私じゃなくて、企業ですからね。お間違えなく。
本項は「差別しちゃダメだ」という趣旨ですよ。誤読していない?
例えばテストの点が男性のほうが高かったなど
「単に法的な強要だけをすれば、脱法行為が世にはばかる。」
と本文の最後で述べた通り。
これはあくまで「脱法行為」だから、けしからんことだ。ただ、それを、「私が推奨している」というふうに誤読する人もいるが、私が推奨しているわけじゃありません。
このようなことがのさばる制度設計そのものが間違っている、という趣旨です。制度設計がきちんとしていれば、脱法行為は起こりません。(なぜなら脱法行為をすればするほど自分が損になるから。)
この点を誤読しないようにして下さい。
しかしながら、では解決策としてご提案の方策にどこまでの効果があるかと考えると疑問が残ります。
>(1) 女性雇用の程度に応じて、優遇する。
<優遇する、優遇できる雇用主がどれだけいるでしょうか?で、補助金とか税制優遇といった制度設計の話になるわけですが、国が補助金をつけるとは思えません。税制優遇にしても多くの中小企業が赤字の中で、どこまでの効果が見込めるのか疑わしいかと。加えて、こういった男女の雇用差別の問題は特に余裕のない中小企業で頻発ているのでは、と推測しています。
原則として、仕事の成果が同一であるならば性別に依らず同じ待遇が与えられるべきかと考えます。能力、資質が同等の男女がいて、女性が妊娠、出産のため休暇、或いは休職して職場を離れれば得られる成果に差が出るのは明らかです。この場合生じる待遇の格差を雇用主、或いは、国が補填するべきという話に社会全体の合意が形成できるものでしょうか。
この補填がある意味、既得権のように硬直化してしまう恐れを懸念します。少子化対策としては有効だとは思いますが、二人目、三人目と出産を続けて仕事の成果に格差が開いても待遇は同等というのでは、男性だけでなく、未婚の、或いは、子を持ちたくても持てない、持たない同性にも不公平感を芽生えさせるような気もします。
(続)
結局、該補填分を雇用主が確保するために男性も含めた雇用者全体の待遇を引き下げるとなると、”出産する女性にも優しいが総じて待遇が低い会社”となり、優秀な人材の採用への支障、人材の流出を招きかねない気がします。法制化して社会全体で足並みが揃えば別かもしれませんが...
更に、現在の働く女性の状況を鑑みれば、必ずしもデスクワークのみに就いているわけではありません。工場内作業やら小売販売、トラックやタクシーの運転、建設作業といった実に様々な、ある意味体を動かす職業にも携わっています。こういった職種に対する処遇にも配慮しなければ、”女性が差別されない仕事”、”女性が差別される仕事”といった職種間格差が拡大してしまうのでは、と考えます。
わかりにくいようなので、本文の最後に <FONT COLOR="#dd0000">【 追記 】</FONT> (具体策)を加筆しました。
タイムスタンプは 下記 ↓
さて、現実的にはこの判決で道半ばと言ったところなんでしょうね。これからの対応こそ仰るように重要だと思います。
小規模ながら受け皿が多いであろう中小企業の現実を見るに、優遇策を仕上げて行かないと逆効果になりかねませんね。そういった(規模の)会社に実利を与えないと、コメント欄にある、「処罰が社会的制裁」だとしたらほぼ効果はありませんから。
過剰に極論やたとえ話を多用する癖があります。
どうだ、バカなお前らでもこれだけ噛み砕いて説明してやれば、さすがにもう分かるだろう?と。
しかしその念押しが大概は逆効果に。
極論やたとえ話には付け入る隙が多く反撃しやすくなるので、
管理人さんの優れた着眼点や指摘に正面切って反論しにくく劣勢に立たされた人であっても絡む事が可能になります。
社会の流れを誘導したかったら優遇策で、罰則は流れをとどめる効果のみで誘導は期待できない、
という話なのですから、本来そう書けば誤読のしようがない。
こちらのサイトの読者層は、きちんと読み取ってくれる人から揚げ足取りにくるようなどうしようもない人まで
様々な読解力の分布があるわけですが、管理人さんは専門知識がある読者が対象です、と断っているにも関わらず、
一番アレな人を嬉々として相手にしてるわけです。押すなよ?この自爆スイッチを押すなよ?て感じ。
そりゃ、そんな事してたら連中やってきますよ大喜びで。
更に、コメント欄でいい指摘やいい意見があっても、管理人さんは絡んでくる人ばかり相手にしているせいで
なに?お前も俺に歯向かうのか!?お前も俺の敵か!?とばかりに過剰に刺々しい反応するような例もちらほら
見受けられます。いや管理人さん、この人はケンカ腰じゃないのに…と読んでいてたまに思います。
いかなる書き方をしてもわざと細部をあげつらう人は出てきます。
積極的に相手にして意味あるのでしょうか?価値のない書き込みは削除すればいいと思うのですが。
そしてアホに誤解されたくない、と噛み砕いてたとえ話をすればする程アホが寄ってきますので
ほどほどに(ここの面白さの一部なので、全部なくなってしまうとそれはそれで残念なので、もう少し上品に…)
その意味では、失業保険に類した制度を設け勤労者全体でコストを負担するか、基金を設け任意の加入者で負担するやり方もあるかもしれません。合意の形成がどこまで進むかですが。
《 注記 》にあるように理想的な男女比が1:1になる職業ばかりではないわけです。ですから男女比による優遇策は職種限定になってしまわないでしょうか。
>重いセメントを運ぶような仕事は今後も男性が多いだろうし、看護士や保育士や食品販売は今後も女性が多いだろう。
体力差に伴う男女比の偏りは避け得ませんが、宅配便のドライバー、引越し業務、大工、左官等、体力差に依存しない職業でも女性の就業率は上がってきています。その部分を蔑ろするということは、女性のこの職種への就業に対する障壁を作ることに繋がりかねない気がします。
逆に、既に女性の就業比率が高い看護士や保育士といった職種での優遇策は男性が就業することへの障壁ではないでしょうか。
【 追記 】を見ればわかります。書いてありますよ。
また、職種の差は無視していい。全体だけが大事。
一般に、経済学の分野では、「最適配分は市場原理で」と判明しています。政府が配分を統制するのは共産主義ですが、必ず失敗します。政府がやるべきことは、全体量の統制だけです。
雇用者に負担せるという事とは理解していますが、雇用機会均等法の罰則を伴う厳格運用に似た印象を持ちます。現在の状況で社会の支持が得られるでしょうか。かなり時間が必要かと。
”女性差別を禁じれば禁じるほど、かえって女性の雇用は阻害されてしまうのである。”といった状況がより顕著になり、更に労働需要の増大がしないと難しいのでは、と考えます。
女性の就業しやすい分野の成長政略ということでしょうが、これがまた難問です。
>政府が配分を統制するのは共産主義ですが、必ず失敗します。
職種によって女性優遇の差を設けることは、男性、又は女性が特定の職種に就業する際の障壁の差であり、この障壁の大きさを意図的に操作することは、特定職種に対する配分統制のように思えますが。
理解が足りないのでしょうか。
違います。基本は増減税中立です。
女性雇用の少ない企業は増税。
女性雇用の 多い 企業は減税。
中間的な企業は、増減税なし。
これが基本です。やることは、それだけです。
> 職種によって女性優遇の差を設ける
そんなことは、やってはいけない。全産業・全職種で共通にするべきです。
> 特定職種に対する配分統制のように思えますが。
もちろん、そうです。だから、やってはいけない。
素朴な疑問なのですが、ご意見の策では建築や土木業界は不利になり、幼稚園の経営者は有利になるとか、いろいろと妙なことが予想されますが。
全産業・全職種で共通の優遇策を敷くと、マクロ整合性とミクロ整合性の矛盾というのか、どうもうまくいかないような気がします。優遇目当てに女性だけで会社を作ろうとか変な考えも出てくるでしょう。
良くも悪くももともと企業の男女比というのは不均衡なもので、特定職業人の集まりが男女同数になるということ自体がむしろ不自然とも言えます。均等に門戸だけ開いておいて、あとは放置して自然に任せるというのがベストではないでしょうかね。
建築や土木業界はもともと公共事業で莫大な売上げを得ています。100の利益を得ていながら1の損がいやだというのは、身勝手すぎるでしょう。政府の関与がいやなら、業界は「公共事業は一切やめてくれ」と言うべきです。それならまだわかる。
幼稚園はただでさえ莫大な補助金を得ています。これに対して 100の利益供与は正しいが、さらに利益供与はダメだというのは、筋が通らない。まずは幼稚園の補助金を全廃するべきでしょう。
男女差別の是正という当然のこと(違法行為の排除)にめくじらを立てて、公共事業や保育補助という超巨額の公共支出を放置するというのは、発想が歪みすぎています。
> 優遇目当てに女性だけで会社を作ろうとか変な考えも出てくるでしょう。
実にけっこうなことです。それはまさしく目的です。
> 特定職業人の集まりが男女同数になるということ自体がむしろ不自然とも言えます
そうですよ。私はそう言っているでしょ? 企業や産業のレベルでは均衡は不要です。
> 均等に門戸だけ開いておいて、あとは放置して自然に任せる
それは差別を容認するということです。
差別に対して、厳しい罰則は必要ないが、差別がなくなるように金銭的に誘導するべきだ、というのが本項の趣旨です。
──
比喩。
ゴミ捨てが社会に蔓延しかけた。
これに対して、「放置して善意に任せるべきだ」と主張した人もいたが、その結果、社会はゴミの山になってしまった。
ここで、ゴミを捨てた人に対して、懲役刑を下す、という案も出たが、合意を得られなかった。
そこで、ヒゲもじゃの変人が出てきて、「ゴミを拾った人に1円の利益供与をする。(デポジット制などが該当する。)」という提案をした。「つまり、弱い利益供与をして、社会を誘導するんです。なお、その原資は、ゴミを捨てた人に対する罰金を充てます。うまく収支がそろうように罰金を決めるといいでしょう。それなら社会全体で損得は釣り合います」
結果的には、一部の金持ちがゴミをポイ捨てして、かつ、罰金を払った。一方、一部の人は、ゴミ拾いをして、利益を得た。大多数の人は、損も得もしなかった。結果的には、社会からゴミを消えた。
懲役のような刑罰のかわりに金銭的な誘導によって社会の道徳状況を改善させることは可能です。それが文明というものです。
何でも放置がベストだというのは、社会がゴミだらけになるのがベストだという非文明国の発想です。
1.女性管理職を強制的に増やすと利益がある
女性は遺伝的に競争心が少ないので、のぞんで管理職に上がりたがらない。しかし、管理職能力が低いわけではない。だから、強制的に女性管理職比率を増やせば、組織のパフォーマンスは上昇して、みんなが利益を得る。
2.女性就労率を強制的にあげる必要はない
妊娠出産は女性しかできないので、一時、休職することは避けられない。業務の継続性を重視する企業が雇いたがらないこともあるでしょう。強要すれば、組織のパフォーマンスは低下する。この男女不均衡については、男性から徴収した金で、福祉給付(現金)をすべき。
個人への福祉給付(現金)ではなくて、企業への雇用助成(現金)です。
福祉給付だと、非雇用のまま受け取ることになるので、GDP は増えないし、ただの福祉拡大にしかなりません。(池田信夫氏が大嫌いなやつです。)一方、雇用助成なら、出した額の何倍もの所得増加効果がありますし、GDPが増えるので、政府の税収も増えます。
井上さんはお久しぶりですね。もっと来てくるといいんだけど。最近の本ブログは、レベルの低いコメント(他の人)が多く来て、つまらないし。
九州大学の数学科が女性枠作ろうとして批判されて取りやめたが、定員の1割程度ならやるべきだったと思う。フェミニストの研究では、小学生段階で、すでに、算数がよくできるのは女の子らしくないという意識が芽生えているらしい。数学能力のある女の子が、女の子らしくないという理由で、理数系に進学しないのは社会的な損失です。
逆に、看護師は95%が女性であるため、就労率のM字カーヴが強烈でから、看護学校に男性枠を作って、強制的に男性比率を引き上げた方がいい。看護師全体の就労率が上がる。
比喩的に言えば、えんがちょを他人に押しつけて、自分がえんがちょでなくなっただけ。えんがちょの総量は変わらない。
看護師全体の就労率が上がるかどうかも同様。そこに男性が入るのならば、看護師のM字カーブが減っても、他の業務でM字カーブになるだけです。総量は変わらない。
M字カーブそのものをなくすには、保育所を増やすことが大切です。働きたいのに働けない、という環境を解決する。これが抜本策です。
保育所を増やして就労率を上げても、兼業主婦の賃金は低いので、大して意味がないです。
主婦の通勤範囲は限定されるので、就職の選択肢が少なく、その結果、専門性は低く、大して稼げない。
鈴木亘さんが書いていらっしゃいましたが、主婦の仕事をアウトソースして、見かけのGDPが上昇しても、ちっとも豊かにならないです。
しかも、認可保育所の場合、就労可能性のある人しか入れてもらえない。就労できない状況にある子持ち女性が、一番困ってると思うのですが。
「まとめて保育すれば効率が上がる」と南堂さんは書いていらっしゃいましたが、送迎コストがかかり、かつ、勤務時間が限定されるので、大して効率的じゃないでしょう。夜勤や休日祝日のシフトはどうなるんでしょうか。休日保育はかろうじてやっているところがあるが、夜勤はどうにもならない。孤児院のように預けっぱなしにできるならいいですが(自分の子供時代は、親戚の家に預けっぱなしになってました)
結局のところ、補助金込の保育料すら稼げないほど世帯所得の低い女性には福祉給付を行って、それ以上の高賃金を稼げる女性は、高い保育料を自費で払って働いてもらうべきでしょう。
……なんてこと、あるわけないね。 (^^);
──
マジレスすると、短期的な即効性と、長期的な効果とを、分けて考えましょう。今すぐ効果が出る即効性を望んではいけません。
> 主婦の仕事をアウトソース
そうじゃなくて、男性が家事をやるべき。まただ、男性の残業は大幅に減らすべき。
> 認可保育所の場合、就労可能性のある人しか入れてもらえない。就労できない状況にある子持ち女性が、一番困ってると思うのですが。
そうですね。これも解決すべき。
> 夜勤や休日祝日のシフトはどうなるんでしょうか。
残業や休日出勤はやめましょう。やるなら高い賃金を払うべき。料金も高値にするべき。
病院もコンビニも、夜間料金が安すぎる。大幅にアップするべき。でなければ、休業するべき。
ドイツではそうしている。しかも、賃金は日本よりずっと高い。東独と合体した直後はひどかったが、いつのまにか日本を大幅に上回る賃金・福祉水準だ。真似しましょう。
というか、労働者の残業に頼っているような産業構造だから、いつまでたっても高い付加価値を付けることができない。生産性の向上とは、高い労働賃金のことだが、それを理解できずに、法人税の引き下げと労働コスト引き下げを狙う人(池田信夫とか)が威張っているから、日本の経済政策は滅茶苦茶になる。労働時間に頼るアジア型・途上国型になってしまう。いつまでたっても、質より量。情けない。
> 高い保育料を自費で払って働いてもらうべき
それは賛成です。同趣旨のことを前にも書きました。保育料の上限制度が諸悪の根源だ、という趣旨。
→ http://openblog.meblog.biz/article/18809585.html
保育料を上げて、保育所を増やすべきなんです。保育士の給料もアップさせる。
現状では、保育料に上限があるので、需給に不均衡が生じています。これは井上さん好みのテーマです。
なるほど。
増税と減税で差し引き0となるように制度設計するわけですか。で、その時の中央辺りに増減税なしの女性雇用率があるとするわけですね。
>雇用率50%ならば 税率 0%
を固定して考えてしまっていました。差し引き0を絶対的に維持して、増減税なしの女性雇用率を動的に変化させれば、常に増税となるグループ、減税となるグループが存在することになります。
”女性の雇用を増やすことで見込まれる追加コスト”と”女性を雇用しないことによる課税”の選択と理解しました。ポイントは増減税の匙加減でこれが難しいかと。
で、”女性の雇用を増やすことで見込まれる追加コスト”と”女性を雇用しないことによる増税分”が等しくなると均衡することになります。均衡した状態で雇用率に性差のないことが理想ですが、ここまで実現するには相当の増減税が必要ではないかと憶測します。
この優遇策をとった場合、職業の質によって女性優遇の程度に差が生まれ、これが特定職種に対する配分統制に繋がるのではないか、と思ったわけです。
上の方も述べられていますが、建築、土木とか保育、公共事業や補助金がらみといった固有の職種についてではありません。仕事の質によって男女の雇用比率に偏りが生じることは当然です。この偏りが生じていることに対し、元々性差による就業の障壁があるのではないかと受け止めています。
例えば、女性の比率が少ないであろう大工、寿司職人といった職業では増税、女性の比率が高いであろう介護や看護の職業では減税となります。前者で増税を嫌って女性を積極的に採用することは女性の就業障壁を下げることであり、後者では減税を維持するため男性の就業障壁を上げることにならないでしょうか。
これが、全職種に渡る同一の優遇策によって本来あるであろう就業障壁を歪曲してしまうこと、即ち配分統制に映った次第です。
同一職種、若しくは同一企業における女性雇用率の年度変化を増減税の指標とした方が妥当ではないでしょうか。
> 〜 歪曲してしまう
それは狙い通りのことであって、かえって好ましいことです。制度が強制ならばまずいけれど、ちょっとした誘導程度のことであるならば、上記のような結果は好ましい。男性は原則、介護や看護よりも、もっと適した分野に就くべき。(個人差の分は除く。例外は許容する。)
ここの部分に丁寧な説明がないと”ちょっとした誘導程度のこと”が受け止め方によって配分統制に見えてしまうわけです。
雇用率の男女比が理想的には5:5の職種があって、これが現状では8:2に偏っているならば5:5に向け是正されて然るべきです。しかしながら、仕事の質によって8:2が妥当だろうと思われる職種がご提案の優遇策によって7:3、6:4と行きすぎてしまうかもしれない、これが配分統制ではと危惧しています。(切り分けは難しかもしれません)
昼間のみの勤務もありますが、大して稼げません。子育てが終わった後の中高年の看護師も就労していますが、夜勤は体力的にきつくて、あまりやってくれません。
そのため、夜勤バイトの相場が4万円を突破しています。
M字カーヴがあまりきつくならない、昼間のみの業界って他にいくらでもあります。看護職の能力には性差なんてないのに、9割以上を女性のみで固めるなんて、非効率の極みです。
たいていの病院は、大病院ではないので、入院者がいないし、夜勤もありません。
> 夜勤バイトの相場が4万円を突破しています。
夜勤がきついからじゃなくて、もともと看護師が不足しているから、夜勤に限って超高額になるのでしょう。
子育て女性を看護師業界に大量に導入すれば、供給が増えるので、価格は下がるはずです。市場原理。
若手女性は、夜勤ばかりするようになって、年収1000万円を大幅に突破するようになるかも。それもいい。
> 9割以上を女性のみで固めるなんて、非効率の極みです。
いや、優秀な女性を比較的安価で使えるんだから、効率的でしょう。
逆に、頭の悪い男性がこの分野に無理やり導入されたら、看護師のレベルは急激に低下してしまいます。医療ミスが続発するかも。
男性なんて、気の利かないボンクラが多いので、看護の分野に大量に入ってきたら、先が思いやられる。それこそ医療崩壊かも。
> 昼間のみの業界って他にいくらでもあります。
あるけど、販売員の店員とか、事務作業員とか、そんなのをやっているのは、非専門家なので、低所得です。看護師の方がずっと高所得。だから優秀な女性に来てもらえる。
お医者さんは、看護師を「医師より馬鹿」と見下しがちですが、世の中の平均的な労働者よりは、ずっとレベルが上ですよ。部分的にはお医者さんのかわりができるぐらいの人もいるし。
理想の男女比なんてありません。産業ごとにはどれほど偏っていてもいい。そうでなくてもいい。どっちでもいい。
とにかく、全体として人口比と同じであればいい。産業ごとには政府は介入するべきではありません。何度も言っているが。
同一制度の導入でも、各々の産業が受ける影響、効果の大きさは異なるはずです。
> 各々の産業が受ける影響、効果の大きさは異なるはずです。
それは好ましいことです。というか、それがまさに狙っていることです。差別のひどい産業ほど悪影響を受けるのは当然のことです。
悪影響を受けるといっても、別に、産業が禁止されるわけではない。わずかな課徴金を払うだけです。
たとえば、土建業界は、政府から 100兆円の売上げをもらったあとで、100億円の課徴金を払う、という程度。もらった売上げの1万分の1ぐらい、払えない額ではない。Amazonなら手数料は3%ぐらい払っています。
いや、それも構いませんし、当然なんですが、差別がひどくて雇用比率に偏りがある場合と、職業の質による偏りを認めざるを得ない場合が同一に扱われてしまわないでしょうか。
どう小さいか説明願えますでしょうか。
雇用主が意図的に差別している場合と、そういった意図がないにも関わらず職の質により結果として男女の雇用率に偏りが生じてしまう場合を同列に扱うのは理不尽です。
両者の隔たりはかなり大きいと捉えてますが。
よりよくする改善案もここでの議論よりも個々のホームページ(Blog等)で意見を展開したほうがいいと思います。
>夜勤がきついからじゃなくて、もともと看護師が不足しているから、夜勤に限って超高額になるのでしょう。
そのとおりです。だから、保育所や家事サービスを入れるより、男性看護師を増やす方がコスト安いんです。家事負担がないから。
>優秀な女性を比較的安価で使えるんだから、効率的でしょう。
これも逆で、看護師が女性ばかりだから、賃金が高騰しているのです。男性もアファマティブアクションで増やした方が、賃金は安くできます。男性の夜勤の仕事よりもずっと高い賃金が支払われてます。
能力問題については、管理職や理工系と同様で、男女比率格差を強制的に是正した方が、平均的な能力は向上します。
>販売員の店員とか、事務作業員とか、そんなのをやっているのは、非専門家なので、低所得です。看護師の方がずっと高所得。
子持ち女性は、保育所があっても、高賃金の仕事はできない。だからこそ、福祉給付が必要なのです。
「男性も家事をやるべき」というのはフェミニズム的には正しいんですが、比較生産費説と同じで、仕事と家事の両方やるより、片方に特化した方が効率上がるんです。常に女性が家事に特化する必要はなく、状況しだいで交代できた方が都合がいいでしょうが、両性が、平等に家事を分担するのは非効率でしょう。
「待てば買えるかもしれない」激安の商品があれば、参照価格が低下して、消費者は買わずに待ってしまう。市場価格で買えばすぐに使えるのに、我慢して、行列を作る。非合理的行動ですが、人間ってその程度の知能しかない。
その結果、すぐに入れる認可外保育所を使わずに認可保育所待ちをいつまでも続け、施設よりも不十分な世話しかできない家族介護を行い、避難所で仮設ができるのを待っていて体調を悪くしてしまう。
比べることができないものです。前者は全労働者。後者は看護師のみ。全然別のことです。
> 看護師が女性ばかりだから、賃金が高騰しているのです。
医師は? 看護婦どころでなくて賃金が高騰しているが、不足しっぱなしです。一方で、育児中で休んでいる女性医師は大量にいます。医師不足の方がはるかに深刻なんですが。
今から養成しても、8年ぐらいかかります。保育所整備なら、大量の女性医師を一挙に投入できます。医師養成よりもはるかに少額で。
一般的には、設備を新規投資するよりは、遊休設備を稼働させた方が、はるかに小額で済みます。
人間もそう。遊休しているのを稼働させる方が先決です。
> 子持ち女性は、保育所があっても、高賃金の仕事はできない。
そんなことはないです。もともと高賃金の女性はいっぱいいます。やめると低賃金になるが、やめないで継続してもらえばいい。
もともと高賃金の女性が途中でやめて低賃金の仕事に就くことは、生産性の低下を意味するので、一国全体では大きな損失です。このせいで日本は諸外国に比べて一国全体の一人あたりGNP が低めとなる。女性労働力の生産性を上げることが何よりも大切なのです。「生産性を上げるには法人税減税」なんていう非論理的なことを言っている経済学者を一掃して、「女性労働力の生産性を欧州並みに引き上げること」こそ最も大切です。北欧を見習うべし。
> 両性が、平等に家事を分担するのは非効率でしょう。
乳児については同意しますが、その時期以後の家事はたいして大変ではないですよ。少なくとも一人が専従するほどの労力は必要ない。
今の「残業だらけ」の状況を解消すれば、家事は夫婦で分担できる範囲内です。電気釜も洗濯機もなかった時代とは違う。
> twitterのコメントで教えてもらった話ですが
私も大略、同じ意見です。前述のページでも述べたとおり。
で、だから保育所の料金は上げるべき。全員が入れるように、高い料金で需給を均衡させるべき。前述のページでも述べたとおり。
> 福祉給付が必要
福祉給付は、してもいいけれど、保育所の代替にはなりません。なぜなら得る所得が違うから。
福祉給付なら、せいぜい数万円。たぶん3万円ぐらい。一方、保育所ならば、当面は月10万円ぐらいかかったとしても、その後の長期の雇用継続が生涯所得で1億円ぐらいの差が付く。(やめてパートになった場合との比較。)
この差額を補填するとしたら、超高額の福祉給付が必要で、実際には生活保護費と同程度の福祉給付が必要となります。それは無理。
比喩的に言うと、次の差。
・ 子連れの寡婦に多額の福祉給付を出すだけ。本人は遊んで金をもらえる。
・ 子連れの寡婦に同額の金を払って、保育士として働いてもらう。本人は働いて金をもらう。
どっちがいい?