2014年10月19日

◆ 民主主義 / 他者の尊重

 民主主義とは、自分が好き勝手をすることではなく、他者の権利を認めることだ。……という話があったので、紹介する。 ──

 これは読売新聞・コラム 2014-10-19 に掲載された、ポール・ケネディの見解。特に目新しいというわけではないのだが、見事に核心を表現している、その表現の仕方が素晴らしいので、抜粋して紹介しよう。

 《 寛容な民主主義 》
 スコットランドの分離独立の賛否を問う住民投票が行なわれた。議論が沸騰した。だが、投票結果を拒否する者がいなかった。古代ギリシャで最初に実践された「熟議 民主主義」が、今回も機能したのである。異なる見解と、相反する強固な信念。双方が持論を展開し、全員がそれを傾聴した。
 フランス革命は……自由を愛するすべての人々にとって素晴らしい出来事だった。(だが)事態は悪い方向に進んだ。暴徒が王のようにふるまっていた。低劣な復讐、見せしめ裁判、公開処刑。各地でギロチンが使われた。
 それは、民主主義のかけらもない狂気と憎悪、政敵の無差別処刑だった。
  ……
 「寛容」とは、実に素晴らしい言葉である。……それは、自分とは異なる宗教的、政治的な見解を容認することを意味した。相手の意見が相反するものでも、尊重するべきだ。なぜなら、そうすることによって、自分の意見もまた、尊重するよう相手に要求できるのだ。
 スチュアート・ミルは、次のように指摘した。他人の権利の実現のために闘うことは、自分自身の権利のために闘うことでもある。自分の投票権を要求することは、同じ権利を他人のために要求することでもある。自分と自党だけでなく、誰もが同じ権利を持っているのだ、と。

      ※ 文意に影響しない範囲で、あちこち はしょっているが、
        文章そのものは、原文の通りである。よい文章だ。


 ──

 一方、これとは逆の見解もある。それは、「国益に合致する意見だけが許容される。国益に合致しない意見は弾圧されるべきだ」という見解だ。

 たとえば、中国はそうだ。最近も話題になった。
  → 中国の漫画家、日本に滞在延長求める 風刺で批判浴び
 この漫画家は、国益に反することを主張したがゆえに、国から迫害されることとなった。

 また、韓国もそうだ。
  → 産経前ソウル支局長を在宅起訴 「朴大統領の名誉毀損」
 産経の局長は、韓国の大統領の名誉を毀損したと言うことで、罰されることになった。その一方で、韓国人が日本の首相の名誉を毀損することは、やり放題だ。
  → 韓国の反日デモで安倍晋三首相のお面をつけた人が土下座パフォ

 中国と韓国はひどいものだ。「言論の自由」などはまったく存在しないし。……と思っていたら、いつのまにか、日本もまたそうなってしまった。「国益に反することを報道した朝日は国賊だ、売国奴だ」という見解。それがあまりにもあふれているので、私は批判した。
  ・ やたらと相手(日本)をバッシングする。
  ・ 論理は関係なく、単に「親日」というだけで悪と見なされる。
  ・ ヒトラー時代のドイツ国民のように煽動された、熱狂的な大衆。
 
 このような状況を見て、「中国人・韓国人はひどいな。非文明的だな」と、日本人は呆れたものだった。ところが今や、そういう中国人・韓国人とそっくりな状況になってしまったのである。
 アジアの極東には、世界でも稀なほど非文明的な国がいくつかある……と思えていたのだが、いつのまにか、日本もまたその仲間に入ってしまったのだ。
( → Open ブログ: 朝日騒動の関連用語

 この現状と、ポール・ケネディの見解とを並べてみると、実に感慨深い。(悪い意味で。)



 【 関連サイト 】
 毎日新聞(毎日新聞 2014-10-17)にも、似た見解があるので、読むといいだろう。
  → 慰安婦問題:朝日報道 メディアで飛び交う「売国・国賊」 (毎日新聞 2014-10-17)

 ちなみに、はてなブックマークを見ると、賛否両論である。
  → はてなブックマーク - 慰安婦問題:朝日報道 メディアで飛び交う「売国・国賊」 - 毎日新聞
 


 [ 余談 ]
 「リベラル」と「保守」は、反対概念ではない。「左と右」というような政治傾向の差があるだけではない。というのは、次の差があるからだ。
  ・ リベラル …… 相手の意見も認める
  ・  保守  …… 相手の意見を認めない

 一般に、リベラルな体制の下では、保守派の意見は十分に尊重される。一方、保守的な体制の下では、リベラルの意見は尊重されるどころか弾圧される。
( ※ この観点で見れば、どうして朝日たたきがあれほどひどく起こったかも、理解できる。こういうバッシングは、リベラルな政権の下では、決して起こらないことなのだ。ちなみに、民主党政権の下では、民主党政府の悪口は言いたい放題だった。国民があれほどにも政府の悪口を言った時期は、空前であった。)
( ※ 一方、現代では、政府や保守派に反対する意見は、ものすごく批判されがちだ。朝日バッシングもまた、そういう風潮の下で起こった。……とすれば、ポール・ケネディのような意見は、これもまたバッシングされかねない。今の日本で大切なのは、「愛国心」だけなのである。)
posted by 管理人 at 23:59| Comment(6) | 一般(雑学)2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アンチ朝日がため、保守の代弁者のように思われる読売新聞のコラムですか。
また、この内容は「人を殺めてはならない」理由につながりますね。

戦後、ハトでいれば周りもハトであるという理想を信じてきたリベラルな国民感情が、ここ最近の悪意に満ちた言動に嬲られ続けてきたため「いい加減にしてくれ、そこまで言うな、仏の顔も三度まで」というふうに保守的な思考に向かわせていると思います。
タカ・ハトゲームと同じですね。
Posted by 京都の人 at 2014年10月19日 22:48
リベラルと保守についての定義は納得いかません。どちらもです。
政府に対する言いたい放題で思い出すのは、麻生政権に対するそれです。それでもマスコミには逮捕者は出ませんでした。

有って然るべき批判と、批評に姿を借りたバッシングを同列に論じるのは批判封じの詭弁の謗りを免れません。まあ両者を外形的に区別するのは困難ではありますが。
Posted by 真中 at 2014年10月20日 04:23
> リベラルと保守についての定義

 定義じゃないです。違いの一つです。

> マスコミには逮捕者は出ませんでした。

 安倍政権だってそうですよ。近ごろバッシングしているのは、政権じゃありません。
Posted by 管理人 at 2014年10月20日 07:37
相手の意見を認めずにやりたい放題だったのはリベラルの方。
慰安婦問題にしても、反論反証をずっと認めてこなかった。
だから、廃れた訳で。
Posted by BAK at 2014年10月20日 09:56
>・リベラル …… 相手の意見も認める
 ・保守   …… 相手の意見を認めない

これについて、近頃の中国、韓国、日本で上の傾向が見られるのは認めます。

 しかし、リベラルが相手の意見も認める考え・主義であったり、保守が相手の意見を認めない考え・主義である訳ではありません。
Posted by ishi at 2014年10月20日 10:40
だから専門外に口を出さないでって
Posted by ブログファン at 2014年10月20日 13:06
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