ここでは、次の近似式が成立する。
地球温暖化の対策 ≒ 中国の民主化
これを見て、「全然関係ないじゃないか」と思う人が多いだろうが、さにあらず。以下では詳しく説明しよう。
──
まず、たいていの人々は次の次の近似式が成立すると思っている。
地球温暖化の対策 ≒ 太陽光発電

→ 炭酸ガス削減は尻抜け(中国)
一部抜粋しよう。
炭酸ガス削減という方針は、尻抜けになっている。世界最大の排出国である中国が、排出量を急増させているからだ。
このことは、右図を見れば一目瞭然だ。
見ればわかるように、中国が突出している。排出量の総量も多いし、増加量はものすごく多い。
一方、他の国々は、リーマンショックのときの急減しているのを除けば、近年は微減である。いくらかは削減の効果がある、という程度だ。
要するに、日本が太陽光発電で微々たる量の「炭酸ガス削減」をしても、ほとんど意味はない。なぜなら、その何倍もの量の炭酸ガスを中国が増加させているからだ。(尻抜け)
では、どうすればいいか? そのことも、上記項目に書いてある。
では、どうすればいいか?
簡単だ。中国が石油の浪費をなくせばいい。現状では、効率の悪い方法でエネルギーを浪費して、大気汚染も生じている。だから、「エネルギー効率を高める」というのと、「大気汚染を減らす」というのを、ともにやればいい。そのためには、日本が協力すればいい。
ここで注意。日本が協力するのはいいが、肝心の中国は、炭酸ガス削減の意欲を持たない。世界各国で条約を結ぼうとしても、中国と米国という二大排出国が、断固拒否している。
だから、いくら日本や欧州が努力しても、まったく無効となっている。
──
ここで、原因を考えると、こうなる。
中国が炭酸ガス削減をしないのは、中国が世界から孤立した共産主義政府であるからだ。何から何まで独善的な、孤立した国家である。南シナ海では島々を侵略をするし、日中関係では対日非難と反日教育をしている。そのような「非協調的体制」つまり「国家エゴイズム」の一環として、「温暖化対策への非協力」がある。
このような「国家エゴイズム」の国がある限りは、「全員で協調して全体の改善を図る」というような方策は、無効となる。炭酸ガス削減もそうだ。世界中の各国が削減しても、それを圧倒的に上回る量で、中国が排出量を増やすからだ。
そこで、一案がある。こうだ。
「中国に国際協調を強いる。しかしそれは、共産主義政権では無理だ。だから、中国の民主化を促進する」
このことを、日本は国際的に宣伝するべきだ。
これに対しては、中国からは「内政干渉」だと言われるだろう。だが、無視していい。「人権弾圧」は、内政問題とは異なるからだ。人民をどのように幸福にするかについては、内政に委ねられるが、人民を弾圧することについては、内政に委ねられない。政府にはそのような権利はないのだ。
ともあれ、「中国の民主化」を訴えることが大切だ。その本当の目的は、日中関係の改善や世界平和だが、それとは別に、当面は、「地球温暖化への対策」という名目を掲げるといい。これならば、カッコいい「錦の御旗」みたいになる。
なお、中国の民主化が大切だ、という件については、下記でも詳しく論じた。
→ 中国を民主化せよ ( nando ブログ)
【 補説 】
話はまったく変わるが、関連した話題を述べておく。
自動車の燃費については、「燃費性能を上げることが大切だ」という常識がある。しかしこれは、正しくない。
「馬鹿な!」と思うだろうが、以下をよく読んでほしい。
今、次の二台があるとする。
・ 軽自動車 A …… 燃費が 30.0 km/L
・ 軽自動車 B …… 燃費が 33.3 km/L
前者を後者に替えれば、燃費がかなり改善したことになる。だから、このような燃費の改善はとても大切だ、と思われている。
しかし、よく考えよう。この場合、100 km 走ったとして、使用するガソリンの量は、下記だ。
・ 軽自動車 A …… 使用燃料 は 3.3 L
・ 軽自動車 B …… 使用燃料 は 3.0 L
だから、軽自動車 A を 軽自動車 B に替えても、節約できる燃料はたったの 0.3 L でしかない。
一方、ここに、次の大型車があったとする。
・ 大型車 C …… 燃費が 5.0 km/L
この場合、使用燃料は、100 km 走ったとして 20 L である。3L に比べて、何と 17 L も多い。これは 0.3 L の 約 50倍である!
以上から、何がわかるか? こうだ。
「ガソリンを節約するためには、燃費のいい車をいくら改善しても、たかが知れている。それよりは、燃費の悪い車を改善した方がいい。その方が圧倒的に効果がある」
これは、合理的に考えれば、当たり前のことだ。小学生でもわかる。(割り算の計算をする例題になる。)
ところが、この当たり前のことを、人々は理解できない。それで、「燃費の良い車を優遇しよう」という発想を取る。しかし、そんなことをしても、たいして意味はないのだ。それよりはむしろ、「燃費の悪い車を冷遇しよう」という発想を取るべきなのだ。
具体的には、「省エネ車への免税」なんかをするべきではなくて、「ガソリンをガブ飲みする中古車への課税」という形で、「ガソリン税を大幅にアップ」というふうにするべきなのだ。その一方で、自動車関係の税金はすべて無税にしてもいい。
……以上の発想は、「温暖化対策をするなら、中国を」という発想と、根本的には同じである。状況を改善するには、すでに改善しているものをさらに改善しても無意味であり、いまだ改善されていないものを改善するべきなのだ。
* * *
[ 付記1 ]
実は、このことは、「ボトルネック」という発想に近い。どこかでボトルネックがあってひどい問題が発生しているときには、無関係のところをいくら改善してもダメであり、ボトルネックになっているところこそ改善するべきなのである。
ただ、本項の問題は、ボトルネックとは違う。ボトルネックは問題点が直列だが、本項は問題点が並列だからだ。
ただ、原理はともかく、物事を認識する発想法が、ボトルネックの場合にちょっと似ている。
それはまた、「本質を探れ」という発想法とも似ている。
[ 付記2 ]
「ガソリン税の大幅アップと、自動車税関係税の免税」
というのが、自動車についての私の提案だ。これは、景気には、どう影響するか? 実は、大幅に好影響をもたらす。
「古い自動車の買い換えを促進するので、新車販売が増える」
という効果があるからだ。
他にも、次の面がある。
・ 自動車税が免税になり、自動車業界は大喜び。
・ 販売台数が増えて、関連業界も大喜び。
・ 古い車が減って、安全性が増して、国交省もお喜び。
ま、どっちみち、ガソリンを食いすぎるような古い車は走るべきじゃないんですよね。それが本質。
「じゃ、昔のビンテージカーは走れなくなるのか?」
と心配する人もいるかもしれないが、心配の必要はない。ビンテージカーはもともとほとんど走らないからだ。年2〜3キロを試走したところで、コストにはほとんど影響しない。
影響するのは、何十年も前のビンテージカー(お飾り)ではなくて、日常的に走っている 10年落ちぐらいの車だ。
>世界各国で条約を結ぼうとしても、中国と米国という二大排出国が、断固拒否している。
とあなたも書いてる通り、米国もたいがい「国家エゴイズム」な国なんですが、米国はべつに共産主義じゃありませんよね。
米国は反日じゃないし、民主化もされている。何も要求することはないですね。
「地球温暖化の阻止」は、目的ではなくて、口実です。「地球温暖化の阻止」を大事だと思っている欧州を、日本側に引き込むための口実です。
ただの口実と、最終目的とを、混同しないようにしましょう。
ちなみに、私は「地球温暖化の阻止」(そのために炭酸ガスの削減)を狙いにはしていません。むしろ「そんなのインチキだ」という見解です。前にも書いたように、「炭酸ガスの削減よりは、地球緑化をせよ」というのが私の見解です。
私は温暖化ガス論者じゃありません。お間違えなく。
http://www.mlit.go.jp/common/001026334.pdf
流通業で運送コストが上がるのは問題かも知れませんが、真に問題提起には成るかもしれません。
>私は「地球温暖化の阻止」(そのために炭酸ガスの削減)を狙いにはしていません。むしろ「そんなのインチキだ」という見解です。
では米国などはどんどん二酸化炭素を排出し続けても構わないということでしょうか?
その点が気になりました。
「温暖化ガスの影響はまったくない」というふうには考えていないので、低コストで済む範囲内ならばやった方がいい、と考えます。
たとえば、石炭発電所を LNG にする、というふうなこと。これならば低コストで済みます。また、自動車のガソリンのガブ飲みもやめて欲しい。
とはいえ、(電力料金を高額で買い入れるという)太陽光発電の普及推進はしない方がいいでしょう。コストがかかりすぎる。
私の立場は、二つの意見の中間ですね。「無理してやる」でもなく、「やらない」でもなく、「無理しない範囲でやる」です。二つの急進派の間にいる穏健派。
「温暖化ガスの影響はまったくない」というふうには考えていないので、低コストで済む範囲内ならばやった方がいい、と考えます。
たとえば、石炭発電所を LNG にする、というふうなこと。これならば低コストで済みます。また、自動車のガソリンのガブ飲みもやめて欲しい。
とはいえ、(電力料金を高額で買い入れるという)太陽光発電の普及推進はしない方がいいでしょう。コストがかかりすぎる。
私の立場は、二つの意見の中間ですね。「無理してやる」でもなく、「やらない」でもなく、「無理しない範囲でやる」です。二つの急進派の間にいる穏健派。
中国についても同様です。「急増するのを放置しろ」ではなくて、「日本で(苦労して)微量を減らすかわりに、中国で(簡単に)大量を減らせ」です。……スローガンの旗を振って邁進する教条主義のかわりに、数字で考える合理主義。
良い事尽くめだと思います。
ここに書かれている事以外でも、一本化すれば、徴税に掛かるコストも低減出来ますし、暴走族の様に無駄にガソリンを浪費する奴から多額の税金を徴収出来ます。不要不急の自動車利用も減り、渋滞も減るでしょう。
もっと言うと、高速道路も全てフリーウェイにして、ガソリン税に上乗せしても良いと思います。料金所が不要になり、高速道路建設コストの低減にも繋がります。当然維持費も安くなる。でも、こちらは既得権益を持った団体が多過ぎて、ほぼ実現不可能でしょうがね。