トンデモを話題にするのは、トンデモマニア。私としては黙っているつもりだったが、トンデモマニアが(トンデモではない人を攻撃するのに熱中しているせいか)肝心のトンデモ医療については攻撃しない。そこで、私が指摘する。
ナノシルバーというのは、銀(シルバー)を、ナノメーターレベルの微粒子にしたもの。これは何らかの薬理作用をもつことが知られている。
→ 白金ナノコロイド - Wikipedia
それで実際、商品化もされている。
→ ナノシルバー - Google 検索
でもって、このナノシルバーを「エボラ出血熱の特効薬だ」と主張する人々が出ている。
→ ナノシルバー エボラ 特効薬 - Google 検索
その根拠は、治験薬(≠ 治療薬・特効薬)としての利用をWHO が認めたということだが、そのまた根拠は、ナイジェリア人の科学者が有効性を主張しているだけだ。
→ エボラ熱感染者に治験薬「ナノシルバー」投与へ=ナイジェリア - WSJ
ナイジェリアというのが、いかにも胡散臭い。実際、米食品医薬品局(FDA)は、すでにこれについて否定的だ。
《 米FDA、偽のエボラ薬販売に警戒姿勢表明 》
米食品医薬品局(FDA)は14日、偽のエボラ出血熱の予防薬、もしくは治療薬がインターネット上で販売されていることへの警戒を強めている、と表明した。
同日にはこれに先立ち、ナイジェリア保健当局の責任者が首都ラゴスにいるエボラ患者8人に対して「ナノシルバー」による治療が試みられると発言したと伝えられた。
( → ロイター )
そもそも、ナノシルバーは、ただの銀の微粒子であり、ウイルスに対して特異的な薬効があるとは思えない。いま話題になっている特効薬(ファビピラビルなど)とはまったく異なるものだ。その意味で、特効薬であるはずがない。
効果がないだけならまだしも、副作用があることも知られている。「皮膚が青色もしくは青みがかった灰色に着色する」ことだ。(画像はグロです。閲覧注意)
→ 銀皮症 - Wikipedia
ともあれ、こんなナノシルバーなんかを推奨するのは、ただのトンデモだ。トンデモに引っかからないように、注意しましょう。
[ 付記 ]
……なんて、私が言うことじゃないんだよね。 (^^);
トンデモマニアは、トンデモ医療を叩くことに専念しましょう。医療でもない普通の科学分野でいちいち他人を攻撃するなんて、アホなことをやっているから、肝心のトンデモ医療の分野でインチキ医学が放置されてしまう。
彼らが本来の仕事をサボっているから、私がいちいち口を出すハメになる。困ったことだ。
→ http://www.sankei.com/politics/news/141018/plt1410180009-n1.html
馬鹿馬鹿しすぎる。送られた隊員にとっては、ひどい災難だ。
こんな馬鹿げたことをするくらいなら、ナノシルバーでも送った方が、まだマシだ。隊員は死ぬ可能性があるが、ナノシルバーは(人ではないので)死なないからだ。これで隊員の人的被害を防げる。
(隊員を送らなければ、隊員の被害もない。)
医療のプロでも防護服の着脱の手順を誤って感染してしまうことが多発しているのに、医療の素人を送り込んでどうするというのかと思います。
どの程度真実なのかはわかりませんが、こういう話もありますね。
http://toyokeizai.net/articles/-/47994
これが本当だとエボラ対策に送り込むのは無謀かと。