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《 国産ステルス:1月初飛行 4年で実用化判断、三菱重方針 》
三菱重工業は、防衛省の委託を受けて研究開発を進めているステルス戦闘機の試作機を、来年1月に初飛行させる方針を固めた。国内企業による初のステルス戦闘機開発で、防衛省は性能やコストを確認した上で、実用化するかどうか2018年度までに最終判断する方針だ。
三菱重工がエンジンやシステムの作動テスト、基本的な飛行試験などを行った上で、来年3月末までに防衛省に機体を引き渡す。同省は15年度から2年間かけて実戦を想定した試験飛行を重ね、ステルス性や飛行性能を詳しく検証する方針。航空自衛隊が保有する戦闘機のうち、F-2が30年代ごろから退役するため、後継機の選択肢に国産ステルス機を加えたい考えだ。
開発費も 5000億〜8000億円程度が必要とされ、自主開発の必要性に疑問が出る可能性もある。政府は国際共同開発の可能性も視野に入れている。
( → 毎日新聞 2014-10-18 )
5000億〜8000億円だって。 (^^);
呆れる。たったのそれっぽっちで世界一流の戦闘機が開発できるはずがない。自主改造の費用と間違えているんじゃないか? F-2 を作るときみたいな。
だいたい、F35 は、莫大な開発費を掛けても、開発が難航している。なのに三菱はどこからその超楽観主義が生じるんだか。
ちなみに、記事で出ている試作機というのは、オモチャみたいなハリボテ(?)だ。ひどいもんですね。
これだったら、中国のステルスのハリボテの方が、まだマシに見えてくるレベル。
→ J-20 (戦闘機) - Wikipedia
──
結論。
「ステルス戦闘機なんて、安価に簡単に開発できるさ」
という馬鹿げた夢想は、捨てるべきだ。もっと現実的に考えるべきだ。
日本が本機で自主開発するならば、まずは現世代の戦闘機をライセンス生産することが先決だ。今のところは旧世代の F-15 をライセンス生産しているだけだが、次は タイフーンを ライセンス生産するべきだ。
このあとは、欧州との共同開発が現実的だろう。日本の技術を導入して、タイフーンの魔改造の形で、タイフーンの次世代機を作るのが現実的だ。(これも共同開発の一種。)
ひるがえって、すべてをゼロから開発するなんて、とんでもない。5000億円ぐらいで済むはずがない。最低でも 50兆円ぐらいは必要な感じだ。ちなみに、米軍の F35 の場合は、(すでに F-22 の技術を持っているにもかかわらず)30〜40兆円である。
→ F35 失速へ向う「最強の戦闘機」 総費用100兆円と試算
ただし、F35 はこの金額でまとまる保証もなく、場合によっては(生産費も含め)総額 200兆円になりそうだという。[生産は、米国負担のみで、他国の分を含まず。]
→ F35驚きの値段 総額200兆円に膨張
これが現実だ。なのに現実も見ないで、「開発費が 5000億円」?
ぷっ。
冗談を言うなら、まともな冗談を言いましょう。センスのない冗談ですね。まるでトンデモだ。
( ※ あとでよく考えたら、三菱は本気で 5000億円で開発するつもりかもしれない。その場合、本体は F-2 を継承することになるのだろう。40年ぐらい前にあった F-16 という化石的な機体に対し、これを改造して、F-2 をつくり、さらにこれを改造して心神を作る……というわけ。この分だと、中国のステルス機にも負けるかもね。あちらは 40年ぐらい前の本体に基づくわけじゃないだろうし。そもそも、中国の軍事費用は、日本の軍事費用を大幅に上回るから、ステルス機の開発でも上回るかもね。「両国とも(ライセンスでなく)自主開発するなら」という条件では。)
[ 付記 ]
日本がまともな戦闘機を作れない理由は?
それは、防衛省が F35 にこだわっているせいだ。そのせいで、まともなライセンス生産( 100% ライセンス)ができなくて、日本の国産技術が低迷する結果となる。
日本の国産技術を低くしているのは、防衛省そのものなのだ。彼らが「兵器ごっこ」をする兵器オタクだから、「目先のオモチャごっこ」ばかりにとらわれて、肝心の「国産技術の発展」ができなくなる。
防衛省がいかに馬鹿であるか、という見本かな。
( ※ 安倍首相や自民党も、そのお仲間みたいなものだが。)
【 関連サイト 】
ネットでもさんざんな批判だ。
→ ATD-X ハリボテ - Google 検索
ハリポテ扱いなら他の試作機ほぼすべてハリポテでしょう。
タイフーンと同世代のF-2のこと忘れてない。
タイフーンのライセンス生産しても得られる技術より魔改造して出ていく技術の方が多いと判断された。
100%ライセンス生産ができないと国産技術が低迷するわけないでしょう、国産の練習機などつくってるから。
南堂さんは、ほぼ100%ライセンス生産にこだわりすぎ。
「ライセンス生産によって国産技術の向上」という方針を否定するなら、 F-2 という成功例を否定することになりますよ。自己矛盾。
> ほぼ100%ライセンス生産にこだわりすぎ。
こっちが主張しているのではなく、向こうが「100%ライセンス供与」と言っているんだから、それを受け取る方が得に決まっている。
「肝心の技術はすべてブラックボックス」なんていう F-35 より、ずっとマシでしょう。
というか、タダでくれる技術を、心神開発のときにゼロから自主開発するなんて、ただの無駄な投資にすぎない。
> 出ていく技術の方が多い
どれほど出ていこうが、日本に損失があるわけじゃない。たがいに与え合えば、win-win の関係になる。一方、たがいに自主開発すれば、 loss -loss の関係になる。
「いっぱい与えた方が損だ」という認識は間違いです。すぐ上の自主開発の損を参照。まったく与えないが、自分で勝手に負けることになります。大損。
「ライセンス生産によって国産技術の向上」を全否定してないんだが。
F-16は、こちらが得られる技術があってF-2を開発したけど、F-2を開発した日本が同じ4.5世代機のタイフーンをライセンス生産して得られる技術てっなに?
100%ライセンス供与は秘密にすべき肝心の技術がないのかもしれない。
そういう揚げ足取りが来そうな気もしたが、揚げ足取りだということは自分でもわかっているでしょ? 私がここで(簡略表現のかわりに)正確な内容を説明することもできるが、説明したって、「そんなことは知っている」と反論するだけでしょ? → 自分で知っているのなら、いちいち説明を求めないでほしい。くだらん。
> F-16は、こちらが得られる技術があってF-2を開発したけど、F-2を開発した日本が同じ4.5世代機のタイフーンをライセンス生産して得られる技術てっなに?
そんなウルトラ級の軍事秘密を、素人の私が知っているはずがないでしょ。
少なくとも、全体として似たようなレベルであれば、一長一短があるのは明らか。日本が両方の技術を併せ持てば、今より向上するのは明らか。
特に、具体的に言えば、電子技術以外の機体技術では、欧州に一日の長がありそうです。
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ところで、本日の項目で、新しい見解を出したので、そっちを読んでみてください。私は「タイフーンのライセンス生産」をこれまで主張してきましたが、本日、新たな提案を出して、そっちに乗り換えました。
→ http://openblog.meblog.biz/article/23945833.html
アッと驚く、奇想天外な新提案。こっちの方が技術的には大幅に進んでいます。
( ※ タイフーンのライセンス生産という案は、もうやめました。)
南堂さんの軍事知識は、歪に偏りすぎだからな。ここまで書くならあれはわかってなきゃおかしいことがわかってなかたり、自分で貼ったリンク先ちゃんと読んでなかったり。冗談と書いてても後の反応で、本気で思ってると思えてくる事があるから念の為だ。
>アッと驚く、奇想天外な新提案
そんな古い案出されても。
それは認めます。私にとってはお遊びにすぎないし。でも、あなたにとってもお遊びでしょ? JSF さんにとってもお遊びだし。
ま、お遊びだとしても、御嶽山の件では、JSF さんよりは私の方が正しかったようですよ。
結果論だがそうだな、結果論だが。