2014年10月14日

◆ 公文書の公開に PDF を使うな

 公文書の公開に PDF を使う自治体が多い。しかしやめるべきだ。 ──

 自治体に限らず政府もそうだが、情報公開の際に PDF を使うことが多い。しかし PDF は、次の難点がある。
  ・ サイズが大きすぎる。
  ・ スマホでは標準では開けない(アプリが必要)
  ・ スマホで開いても画面に入りきらない。
   (1行文字数が指定されていて、折り返されない。)


 こういう難点があるので、やめるべきだ。
 ただし、以上のことは、いちいち私が言うまでもなく、世の中の常識だとも言える。しかし多くの人が指摘しても、自治体や政府は改めようとしない。

 ──

 さて。このたび、とんでもない事件が起こった。台風接近で緊急情報を公開したら、アクセスが集中してアクセス不能になったそうだ。
 13日、台風による被害を防ぐため、避難準備情報の対象地域を掲載した横浜市のホームページが3時間半余りにわたって接続しにくい状態になり、市はアクセスが集中して回線の容量をオーバーしたのが原因だとして、今後、改善策を検討することにしています。
 この問題は、13日午後7時半ごろから3時間半余りにわたって、横浜市のホームページが接続しにくい状態になったものです。
横浜市は、先週の大雨で土砂災害が相次いだことを受けて、人命に関わる土砂災害が起きる恐れがある200か所余りの崖を選定し、13日夜、それぞれの崖の周辺地域に避難準備情報を出しました。ところが、横浜市がこの避難準備情報の対象地域をホームページに掲載し、携帯電話の緊急速報メールで市民などに確認するよう呼びかけたところ、その直後からホームページに接続しにくい状態になりました。
 横浜市は、アクセスが集中して回線の容量をオーバーしたのが原因だとして、ホームページから容量の大きい地図情報を削除するなどして対応したということです。
( → ホームページ接続 横浜市が改善策検討へ NHKニュース

 ただし、よく調べたら、アクセスの数が多すぎたというよりは、公開文書が PDF であるせいで、サーバーの処理限度を超えてしまったらしい。普通に HTML で公開しておけばいいものを、PDF なんかを使うから、緊急時にサーバーダウンで、全情報の公開停止になってしまったわけだ。(馬鹿丸出し。)

 どこがそうかというと、横浜市のページ。ここ。
  → 横浜市総務局 がけ崩れ被害の想定箇所マップ
 これは現段階では「地図情報は公開停止にしました」という趣旨の話しか書いてない。
( ※ 現時点では、またしても PDF で公開しているが、これは文字だけなので、85KB。これなら一応、大丈夫。)

 では、以前はどうだったか? Bing のキャッシュがあったので、取得しておいた。これだ。
  → Bing のキャッシュ (コピー)
    ( ※ 文字化けするときは UTF-8 に指定して下さい。)

 見ればわかるように、いくつもの小さな地区の地図となっている。地図の一つ一つは、大きなサイズだ。ちなみに一つを取得してみたところ、約 1.7MB だった。

 こういうデカいサイズの PDF を、スマホなんかで大勢の人がダウンロードしているんだから、パンクするに決まっているよね。

 あまりにも自治体が馬鹿すぎるから、その証拠を調べたい人のために、以上で情報提供しておいた。



 [ 付記 ]
 「携帯電話の緊急速報メールで市民などに確認するよう呼びかけた」
 とのことだが、これがおかしいですね。
 (1) 全員が見る必要はない。崖の下にいる人だけが見ればいい。無関係の人を含む全員がアクセスするのは、ただの無駄だし、回線をパンクさせるだけ。
 (2) 携帯電話の緊急速報メールを使うなんて、馬鹿げている。それなら、携帯電話でもわかるように、小サイズの画像にするべきだった。携帯電話でアクセスを求めた先にあるのが PDF だなんて、ひどすぎる。

 ※ NHK ニュースの動画には、携帯電話の画像がある。
   下記に転載しよう。

garakei.png

  (この機械は、スマホでなくガラケーだと思える。たぶん。)

posted by 管理人 at 23:03| Comment(2) | コンピュータ_04 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
pdfだと役所のフォームに準拠してますから発行日付に発行番号も管理できます。
というのが役所の言い訳。
メールも印字、いや印刷を考えてセンタリングに右寄せで体裁を整えさせられているようです。
テレビで言えばテロップのようなものだと割り切ればhtmlのテキストになりますが、改行後は一字下げろだのどの端末でもわかるようにせよ、レイアウトを崩すなと言われたら、ハイハイ仰せのままに。となりますね。
担当者の、ほれ見たことか。という感情がわかります。
ちなみにそういう仔細にこだわる人ほど抜けがないとされるようですし、自ら文書を作成しません。
Posted by 京都の人 at 2014年10月15日 06:27
横浜市は緊急速報メールで誘導する先がまずかった、と思う。

大勢に一斉に情報を伝える、という目的では、通信より放送を使うべきで、この場合は「NHKのデータ放送(dボタン)でご確認を」とした方がよかった。

地域防災計画であらゆる手段で避難情報を発信する中に、報道・放送機関は盛り込まれているし、公共情報コモンズその他のシステムがきっちり組まれていれば(たぶん、横浜市クラスなら組まれていると思うのですが)、自治体の端末で入力する→画面に反映されるまで5秒も掛からない。
Posted by 圭 at 2014年10月15日 20:53
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