2014年10月08日

◆ 日亜化学にノーベル賞を!?

 青色 LED で中村修二にノーベル賞が与えられた。しかし、日亜化学こそ受賞資格があるのだから、ノーベル賞は日亜化学にこそ与えるべきだ。 ──

 ……というのは、私の見解ではない。( ごめんね。釣りタイトルみたいで。 (^^); )

 私の見解は、次の通り。
 日亜化学は、「青色 LED の業績は、中村修二にはなくて、日亜化学にある」と主張してきた。たとえば、「中村修二の貢献はたったの 42万円分だけだ」というふうに。……それほどにも中村修二の評価を過小評価して、業績のほとんどすべてを自社のものだと主張するのであれば、金銭的な面だけでなく、名誉の面でも、日亜化学は「業績は自社のものだ」と主張するべきだ。つまり、「自社こそがノーベル賞を受賞するべきだ」と主張するべきだ。


 ──

 ま、当り前ですよね。
 裁判ではあれほどにも中村修二の業績を過小評価してきたのだから、ノーベル賞についても同様にするのでなければ、筋が通らない。
 ちなみに、日亜化学の主張はこうだ。
 「業績のほとんどすべては日亜化学によるものであり、1兆2000億円の売上げ(うち利益率 60%)という偉大な発明は、ほとんどすべて自社が独自開発したものだ。中村修二の貢献は 0.00005 %しかない。1%の1万分の1の、そのまた半分でしかない。残りのすべては自社の業績だ」
 これほどにも自社の業績を大々的に宣伝するのであれば、当然ながら、中村修二が得たノーベル賞も、日亜化学が「おれのものだ」と主張するべきだろう。
( ※ そのあとで世間の顰蹙(ひんしゅく)を買うべきだろう。 (^^); )

 というわけで、日亜化学は、ジャイアンのごとく威張り散らして、「おまえのものは、おれのもの。おれのものも、おれのもの」と語って、世間の顰蹙(ひんしゅく)を買ってもらいたい。 (^^);


jaiann7.jpg 

ドラえもん ジャイアン猛言トランプ
 



 [ 付記 ]
  ※ 以下は、前項の最後から移転した内容。

 
 日亜化学の主張。
  → http://bit.ly/1y3YMGr
   読んでいて呆れるほどの内容だ。
 例。
 「論文、雑誌寄稿等、数多くの著作物を出していたが、同僚との共同の場合、常時、彼を筆頭者としていた。会社も誰が筆頭であるかということなど深く考えず、それを容認し続けた。」

 これじゃ「当社は馬鹿の集団だ」と告白しているようなものだ。どうせ屁理屈をこねるにしても、もっとまともな屁理屈にすればいいのに。
 なお、この文書によると、日亜の算定では適正価格は 1,873 万円とのことだ。呆れた。売上げが 1兆2000億円で、利益率が何と 60%だというのに、それに報いる金額がたったの 1,873 万円である!
 これじゃ当初の「 Slave Nakamura 」と呼ばれていたころの残業代にもならないだろう。ワタミもびっくりのブラック度だ。
 私は別に、中村修二の要求した数百億円の要求額が妥当だとは思わない。だが、いくら何でも、会社側の主張する 1,873 万円はひどすぎる。適正な昇進や残業代にさえならない金額だ。
 このこと一つを見ても、日亜の主張がいかに滅茶苦茶であるかがわかる。仮に、日亜が2億円ぐらいを支払っていたなら、まだしも日亜の主張に妥当性は見出されただろう。しかし、いくら何でも、1,873 万円とはね。あいた口がふさがらない。くちあんぐりだ。

 ※ 注記。日亜の算定額は、基本が 42万円で、譲歩すると 1,873 万円。

 ──

 なお、似た情報に、次の情報もある。(いずれも会社寄り)
  → http://www.doshisha-u.jp/~ey/images/pdf/BlueLED_Judgment.pdf
  → http://techon.nikkeibp.co.jp/NEWS/nakamura/mono200406_1.html



 【 関連情報 】
 読売新聞 2014-10-08 に、中村修二の記者会見記事が掲載されていた。一部抜粋しよう。
 「会社の上司たちが私を見るたびに、まだ辞めてないのか、と聞いてきた。私は怒りに震えた」
 中村氏は、「日亜化学工業」(徳島県)に勤めていたころ、赤色のLEDの製品化などを成功させたが、会社の売り上げにあまり貢献できず、社内で「無駄飯食い」と批判された時を振り返った。
 入社から約10年が過ぎた1988年。怒りは頂点に達し、辞職を覚悟で、当時の小川信雄社長(故人)に直談判し、不可能と言われた青色LEDの開発の許可を求めた。
 「そしたら、どういうわけか、5秒間で許可が出た」。小川氏の判断で、研究費の支出や米国留学が認められた。これについては感謝しているという。
( → 読売新聞 2014-10-08
 (冒頭発言)
 私はこれまでの人生で多くの方々に助けられてきて、とても幸運だ。最初のきっかけは、日亜化学工業の社長だった小川信雄氏が、青色LED開発という私のギャンブルを支持してくれたことだ。カリフォルニア大サンタバーバラ校のヘンリー・ヤン学長の支援にも感謝している。

 ――LEDの研究を始めた当時、今のような状況を想像したか。

 まったく想像しなかった。勤めていた会社で10年間にわたって赤色LEDを開発したが、既に大手の会社が製造していたので、販売成績は悪かった。会社が私にキレて、私もキレた。そこで私は社長室に行き、青色LEDを開発したいと直談判した。すると、社長はこう言った。「オーケー。やっていい」。それまで会社は研究開発費を出してくれなかったが、社長に500万ドル必要だと言うと、彼はそれもオーケーだと言った。
 当時、私は海外に出たことがなかったので、海外に行きたかった。そこで、社長に青色LEDを開発するには、フロリダ大学で学ぶ必要があると言った。1年間留学し、帰国して青色LEDの開発に取り組んだ。
( → 読売新聞 2014-10-08

 ここから明らかなことは二つある。
 (1) 何度も繰り返しているように、先代社長には多大な感謝を表明している。決して会社と喧嘩したいわけではない。
 (2) 次の社長(先代社長の娘婿)からは、徹底的に妨害されてきた。研究は「やめろ」と言われたし、研究が成功して業績が好転してからは「おまえの業績なんかは皆無だ」と攻撃されてきた。さらには裁判を起こされもした。(中村修二が裁判を起こしたのではない。会社の側が中村修二を攻撃して訴えたのだ。……これでとうとう、中村修二もぶち切れた。)

 次の社長はどうしてこれほどにも中村修二を恨んだのか? 会社の最大の功労者で、莫大な利益をもたらしてくれた中村修二を? 
 これはたぶん、「嫁さんを寝取られた」というような妄想をもった、としか思えないですね。本サイトにもしばしば、妄想を抱いて攻撃してくる非難コメントが寄せられる。そういう妄想を抱いたのだろう。
 一般に、他人をしつこく攻撃する人は、何らかの被害妄想をもっているものだ。まず間違いない、と見ていいだろう。
 
 ──

 オマケでもう一つ、記事を引用しておこう。三人目の受賞者である天野浩さんの記者会見から。
 ――赤崎氏や中村氏への思いは。

 赤崎先生は、この材料を教えてくれ、示してくれたかけがえのない方。中村さんは実験の神様みたいな人。あの人がやったから実用化が急速に進んだ。この材料が注目された最大の功績者は中村さんじゃないかと思う。
( → 読売新聞 2014年10月08日

 これが当事者の認識だ。「中村さんの貢献はたいしたことがない」と勘違いしている人たちは、上記の当事者の見解を玩味するといいだろう。
 


 【 追記 】
 日亜の主張がおかしいのは、次のことからもわかる。
 「圧倒的に貢献したのは、中村修二ではなくて、他の社員だ」というのが、日亜の主張である。ならば、中村修二ではない別の社員を、大幅に厚遇していいはずだ。ところが、現実には、そんなことはなかった。中村修二に批判的な元社員でさえ、チームリーダーとして全体を引っ張ったのは中村修二だ、と認めている。(他の社員の貢献も大きかったが。)
  → 元社員のブログ
 日亜や元社員が、「他の社員の貢献が大きかった」と述べるのは、それでいい。私もその通りだったと思う。しかし、それならそれで、日亜は他の社員を大幅に厚遇すればよかったのだ。
 ところが現実には、そうしなかった。「利益率が60%」という途方もない利益を稼ぎ出しながら、社員食堂は「冷たい仕出し弁当」だそうだ。「厨房でちゃんと調理されたホカホカのご飯が食べたい」というのが、この元社員の望みである。ひどい冷遇ぶり。

 というわけで、日亜の主張は、自己矛盾に陥っている。一方では「他の社員が大幅に貢献した」と言いながら、他方では「他のどの社員にもろくに報いていない」という現実がある。
 これは要するに、「すべてを会社側(資本家)が独占する」ということだ。これじゃまるで、「資本家が 青色 LED を発明した」というようなものだ。

 自民党や経団連の言う「成果主義」というのがどういうものであるか、これほどはっきりと示された例はない。彼らの言う「成果主義」とは、「成功したら会社が成果を独占するが、失敗したら社員のせいにして解雇・減俸」というものだ。
 ジャイアンもビックリ。
posted by 管理人 at 19:47| Comment(5) | 物理・天文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日亜の主張も納得できる。週刊誌の売り上げに貢献するのはグラビアを担当している者はグラビアが効いたと言い
記事担当は記事の内容がいいから売れると、互いに担当分野の貢献度を高く見積もるらしい。

企業の利益に貢献した要因を分解して貢献度を算出するのは難しい。ネーミング変更だけでヒットした例も多く
それは中身よりもネーミングが重要だったということになる。

日亜の「6億には納得してないが妥協」も頷ける。中村氏の主張は一見拝金主義に感じるが担当弁護士が職務を全う(顧客の利を最大化)
しようとしたらそういう論点になるのだろう。以前に氏の提言書なる著作も読んだが、研究者にもっとインセンティブを与えるべきは納得した

リスクは会社持ち、成果がでたら果実は研究者へは虫が良すぎる。かといって大きな利益が出たのに充分な還元がないと不満が残る
これは電子業界に限らず、映画や車などすべての産業に共通した難題である。

日本は頭脳への対価が低いのは否めない。米国式の報償制度が最適とは単純には言えないが見直す時期にきている。
Posted by 検証家 at 2014年10月09日 02:20
なんか部品点数の多い製品とLEDという部品を混同してません?
自動車が売れてもどの部品がお客に気に入られたかはわかり難いでしょうけど、青色LEDはあくまで部品ですからね。
Posted by クルマ好き at 2014年10月09日 06:06
寝取られ妄想かは兎も角、忌み嫌い追い出そうとしてた奴が先代の慧眼と決断に因って大成功を収めたと成れば、自分の不明を糊塗し虚勢を張る為にも、徒に攻撃的に成るのも、無能な二代目としては当然かと。 愛想を尽かして出て行こうとすると、秘密漏洩で社会的に葬ろうとする、此れじゃ切れて当たり前。 二年居て退職した方の実態評価は、周りで補助補完してた人間の手柄自己称揚だしね。 成果が上がると実はって自分を売り込む手合は見飽きて居る。
Posted by 甕星亭主人 at 2014年10月09日 17:30
>「会社の上司たちが私を見るたびに、まだ辞めてないのか、と聞いてきた。私は怒りに震えた」

昔から思ってたんですけど、そんなとこに居座って成功するから変な話になるのは当たり前で、とっとと辞めて評価してくれるとこいって開発しとけば、よかったんじゃないかと・・・
Posted by ひゃま at 2014年10月09日 19:27
> まだ辞めてないのか、と聞いてきた。

 そのときはまだ青色 LED には手を付けていなかったんです。
 もしそのとき会社を辞めていたら、のちに留学する機会もないし、青色 LED を開発することはできなかったでしょう。別の誰かが青色 LED を量産化するまで、数年間は遅れたかもね。
 だとしたら、2014年の時点では、「白色 LED は1個数万円で、一般人には手に入らない」という状況だったかも。
Posted by 管理人 at 2014年10月09日 19:42
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