2014年09月07日

◆ 復興住宅の無駄

 東日本大震災のあとで、復興住宅が建設されているが、かなり無駄だ。 ──

 「仮設住宅は無駄だ」という話は、前に何度か述べた。次の趣旨。
 「たったの2年間のために 600万円も出すのは無駄だ。むしろ既存の空き家を借り上げた方がいい。そうすれば、建設費はゼロで済むので、無駄がない。住む被災者はきちんとした住居に住めるし、空き家を提供する家主は収入を得るし、自治体や国は家賃収入にかかる税金を回収できる。国全体では効率アップとなる。こういう形で無駄をなくせ」
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 ──

 さて。それとは別に、「復興住宅」というものも建設されている。これは「仮設住宅」の恒久版だ。これもまた、仮設住宅と同様の問題がある。(空き家を使う方が効率がいい。)
 具体的な問題は、コストが莫大であるということだ。
 2011年の東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の復興住宅(災害公営住宅)の入居者は、65歳以上の高齢者が36%を占め、自治体の高齢化率より約10ポイント高いことが分かった。このまま推移すれば、10年後は50%前後になる見通しだ。高齢者の一人暮らし世帯は全世帯の2割にのぼり、孤独死や地域社会の衰退が懸念されている。
 復興住宅は県や市町村が建設し、仮設住宅を出た被災者が家賃を払って暮らす。8月1日時点で入居済みの自治体に取材したところ、25市町村の2399戸に5107人が暮らし、高齢者は1830人だった。
( → 朝日新聞 2014年9月7
 飯舘村民のための復興公営住宅が福島市飯野町に完成し、31日に落成式があった。復興庁によると、原発事故避難者の復興公営住宅は初めて。
 「飯野町団地」は木造2階建て住宅23戸で、高校生以下の子を持つ「子育て世代」が対象。総事業費9億3378万円のうち、7億4570万円は国の交付金をあてる。
( → 朝日新聞 2014年9月1日

 23戸で 9億3378万円 だから、1戸あたり 4059万円だ。何ともまあ高額なことだ。たった1家族のためにこれほどの資金を投入するのは馬鹿げている。
 その一方で、他の被災者には金をほとんど出さない。たとえば、竜巻被害とか、土砂災害とかでは、補償金はほとんど出ない。一番ひどいのは原爆被災者で、認定もされないまま放置される人が多かった。そもそも、原爆被害者は、国の戦争行為による被害者であり、国に(何らかの)補償義務がある。
 ま、それでも飯舘村に関する限りは、「原発被害者」という側面もあるから、補償するべきではある。しかしそれは、東電が補償するべきなのであって、国や自治体が補償するべきなのではない。
 一方、原発被害とは関係のない津波被害者は、危険だとわかっている地域にあえて住んでいた人が大部分であり、本来は自己責任であって、国には補償義務がない。これらの人が金をもらうのは、ほとんどたかり行為だ。ま、それでも、居住最低限の金のならば、まだわかる。しかし、1戸あたり 4059万円なんて、あまりにも巨額すぎる。(たとえあとで住人が家賃を払うにしても、どうせ少額に決まっているから、4059万円の大部分はもらえるのも同然だ。)

 ──

 では、どうすればいい? もちろん、仮設住宅の場合と同様にすればいい。日本中には空き家がいっぱい余っているのだから、それらの空き家に住んでもらえばいい。そうすれば、もっと低いコストで、同等の効果が出る。また、現在建てた復興住宅が、将来的には空き家になってただのゴミになる、……という問題(巨額損失)を、未然に防ぐこともできる。

 ──

 なお、空き家が大量にありあまっている、という情報は、すでに何度も報道されている。
  → 仮設住宅の問題の根源

 また、仮設住宅をやめて現金給付にせよ、という見解は、すでに有識者会議が出している。
  → 仮設住宅からの転換
 これと同様に、復興住宅についても、建設をやめて、現金給付にした方がいいだろう。



 [ 付記1 ]
 別の懸念もある。冒頭の朝日の記事を再掲しよう。(一部)
 入居者は、65歳以上の高齢者が36%を占め、自治体の高齢化率より約10ポイント高いことが分かった。このまま推移すれば、10年後は50%前後になる見通しだ。高齢者の一人暮らし世帯は全世帯の2割にのぼり、孤独死や地域社会の衰退が懸念されている。

 こういうふうに「高齢化」の問題がある。住みやすくもない過疎地に、高齢者を放置すれば、将来的には、買物もできないし病院にも通えない、という高齢者が続出して、問題になるに決まっている。
 つまり、現在の復興住宅は、将来的にはただの空き家になるのが確定事項なのである。そこは人のいないゴーストタウンとなる。せっかく作った復興住宅は、ただの無駄。ゴミになるだけだ。
 それだったら、最初から暮らしやすい都市部に住む方がいい。都市部になら、空き家はたっぷりとある。さすがに都心は無理だろうが、郊外ならば空き家はたっぷりとある。特に、駅から離れた地域なら、家賃も安いし、暮らしやすい。(……通勤には不便だが、高齢者は通勤しないから、関係ない。)

 [ 付記2 ]
 なお、高齢者がまとまって住むと、介護の手間が大幅に省ける。
 たとえば、今は介護人がいちいち孤独な介護老人の住居を回って、料理をしたり、食器の後片づけをしたりするが、無駄すぎる。これらの孤独な介護老人にはまとめて住んでもらえば、あとは、料理も洗濯も、まとめてコントロールできるから、作業能率が大幅にアップして、介護費用が大幅に削減できる。
 だから、過疎地に無駄な復興住宅を建設するより、都市部の郊外の集合住宅にでも住んでもらう方が、ずっといいのだ。
posted by 管理人 at 10:48 | Comment(1) |  震災(東北・熊本) | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
東日本大震災の復興住宅は新潟県中越地震で成功したスキームの焼き直しなんですよね。
新潟県中越地震は空き家もほとんど損壊して使えなかった。泉田新潟県知事が、新聞投書や取材で出た人に県庁職員を派遣して調査し、徹底的にリサーチして成功したのが復興住宅です。そのようなプロセスを省いて、政府が新潟県のマネしても上手くいかないのは当たり前です。新潟県では被害地のほとんどすべての家屋が損壊したので(空き家はすべて損壊判定)、再建の経済負担出来ない老人世帯を公で建設し、低い家賃で恒久賃貸にしたのです。
Posted by 傍観者 at 2014年09月08日 14:53
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