2014年08月30日

◆ LED 街路灯はまぶしい

 街路灯は蛍光灯が普通だったが、LED のものも増えてきた。しかし、まぶしい。何とかならないか?

  ※ 最後に 【 追記 】 あり。うまい案を出している。重要。

 ──

 街路灯がやけにまぶしいな、と思ったが、よく見たら、蛍光灯でなく LED になっていた。あらら、いつのまにか。
 なるほど、街路灯を LED にするというのは、交換の手間が大幅に減って人件費が節約できるから、当然のことかもしれない。しかし、通行人にとっては、まぶしくて困る。何とかならないか? 

 ──

 まぶしい理由は、三つある。
 @ 蛍光灯は発光体が大きいが、LED は発光体がきわめて小さい。豆電球みたいなものが5〜10個あるだけだ。近くで見上げると、豆電球みたいなものがとてもまぶしい。
 A 豆電球みたいなものがいくつかまとまったとしても、その全体の面積は小さい。だから、離れたところから見たとしても、蛍光灯にくらべると単位面積あたりの輝度が高い。
 B 蛍光灯には、透明のカバーが掛かっていた。カバーには縦長のスリットが入っていて、レンズ効果があったおかげで、カバー全体から光が発光されているのと同じになった。つまり、全体の面積が蛍光灯単体の3倍ぐらいになり、単位面積あたりの輝度が3分の1ぐらいに低減していた。しかるに、LED の場合は、透明のカバーがないので、豆電球みたいなものの光が目にダイレクトに入る。

 以上の @AB の効果で、単位面積あたりの輝度はおおよそ 10倍以上になっている。近くで見れば十数倍。離れて見ても数倍。どっちにしろ、すごくまぶしい。困る。

 ──

 では、どうすればいい? 簡単だ。LED の全体に透明のカバーをかぶせればいい。これで、以前と同様に、輝度は下がるはずだ。

 ところが、それはできない。次の問題があるからだ。
 (1) カバーを付けると、熱がこもる。
 (2) LED は、熱に弱い。正確には、LED そのものは熱に強いが、LED の電子回路が熱に弱い。熱がこもると、寿命が大幅に短くなる。蛍光灯以下になる。
 (3) ならば透明カバーを付けてから、穴をあけて通気性をよくすればいい……と思いがちだが、それは無理。というのは、穴をあけて通気性をよくすると、そこからゴミが入って、透明カバーの中がゴミだらけになるから。

 ──

 じゃ、どうすればいい? 
 私が頭をひねって考えた末の結論は、このアイデアだ。



         ↓




         ↓



        さて、何でしょうか? 



         ↓




         ↓


 それは……
 「 LED (発光体)は透明カバーに入れるが、電子回路は通気性のよいところに置く」

 いわば、「頭隠して尻隠さず」である。 (^^);

 つまり、頭( LED )の方は透明カバーに入れておくが、端子の方は(透明カバーの外の)通気性のよいところに置く。


 似たアイデアには、 LED 電球というものがある。





 これだと、個別にカバーが掛かっている。電子回路は、通気性が良いのか悪いのか、あまりはっきりとしない状態だ。

 ──

 ま、本項では、具体的な設計までは口出ししない。基本的なアイデア(原理)を出すだけにする。頭隠して尻隠さずの原理。 (^^);

 ともあれ、何とかして、まぶしい街路灯をなくしてもらいたいものだ。あれは、「人に優しい」というのとは正反対である。夜道を歩くのがつらくなる感じだ。



 【 関連情報 】
 「 LED街路灯はまぶしい」という苦情は、ネット上にかなり見つかる。
LED照明は眩しいです。
医療系の方に
「目に大丈夫なのかな?」
といわれましたが、私も同感です。

先日
LED街路灯のデモを
倉庫会社さんでスタッフ・運転手さんに見て貰ったら
「眩しすぎて道路の目印が見えなくなる」
「眩しいと道路の走行車両からクレームがつく」
・・・・・・
だいぶお叱りを頂きました。
( → 街路灯をLEDにしていいの?

 やはり肉眼でもLEDの方が明るい、というか眩しい。カバーはクリアなのでLEDの光が直接目につきささるような。ドライバー的にはどうなんだろ。どうしてもっと拡散板入れて均一な明かりにしなかったんでしょうね?そうすると明るさが極端に落ちるのかな?

蛍光灯の方がプラスチックのカバーで光を拡散させてるせいか柔らかくて直視しても平気。風情もあります。LEDのはなんかホラーな感じ
( → 近所の街灯がLEDタイプに変わってた

 祐天寺のLED街灯がまぶし過ぎだ。最近街灯がLED街灯に変ったが暗い夜道を歩いて視線を上げるとLEDが直接目線に入りとてもまぶしい。しかも暗さに慣れている状態で道に連なったLED街灯が一度にいくつも目に入るため、ひじょうにまぶしく感じる。
( → LED街灯がまぶし過ぎ

最近、ちょっと何かが違う時がついた。
車を運転していて、まぶしいなと感じる。
あ???街灯が今での電球からLEDライトに変わったのかな。
まだ一部には昔ながら、黄色っぽい街灯も残っている。
良??く見るとLEDはそれ自体が明るい。
光はその周り全体を明るく照らす。
古いものは、ぼんやりとした明るさで、真下を照らす。
車を運転していて、LEDはライト自体が凄く目立つ。
点在するライトはきつい光を放つから、
その光が届かない光の輪の外の人を消し去ってしまう気がする。
( → LEDライト・・はまぶしい?


 特に重要なのは、品川区の公的な調査だ。価格が高い上に、性能が規格外であるそうだ。
 LED街路灯の「まぶしさ」が基準値を超えていることが分かった(表1)。照明学会の「歩行者のための屋外公共照明基準」では、鉛直角85度以上の発光部分の推奨輝度を2万cd(カンデラ)/m2以下としている。しかし、今回検証したLED街路灯6製品はいずれもこの数値を大きく上回った。「区道の街路灯は設置位置が低いこともあり、(歩行者の不快感の問題だけでなく)自動車などの安全運転にも支障をきたしかねない」と、齋藤課長は導入に慎重な姿勢を示す。
( → 高価でまぶしくLED不採用、品川の区道で:日本経済新聞



 その他の情報は:
  → 「LED 街路灯 まぶしい」 - Google 検索

 外国製品の画像は:
  → 「 led streetlamp 」 - Google 画像検索

 → 冷却フィンのある例



 【 追記 】
 本項では、私なりの提案を書いたが、実は、あまり良い提案ではなかった。
 後日、新たに、もっとうまい提案を出した。
  → LED 街路灯に傘を付けよ

 白熱電球の傘のように、LED ランプの周囲に壁のようなものをつくる。これで、横方向への光の漏れをなくせるので、まぶしくなくなる。
 詳しくは、上記のリンク先を参照。

posted by 管理人 at 21:46 | Comment(16) | エネルギー・環境2 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
球で直接路面を照らさずに、一度リフレクタの方向へ照射して、リフレクタの形状でうまく配光すれば解決…といいますか、液晶ディスプレイのLED照明なんかは既にそうなっていますから、どうとでも作れそうなものですが、こういう物のメーカーはあまり使う人の気持ちはわからないだけというところに問題があるのではないでしょうか。
まずは設置された地区の人が嫌がっていることに気付くことから始めてもらいたいものです。(私の住む地区もLED照明になって、うっかり直接見ると眩しくてしばらく残像が残って危険です)
Posted by クルマ好き at 2014年08月30日 23:43
↑ そうか。反射板というのは私も考えましたが、反射率が低いし、ゴミで汚れそう……と考えて却下しました。しかし、反射率を高くして密閉すれば、その問題は解決するんですね。
Posted by 管理人 at 2014年08月31日 00:06
英語のled streetlampの画像一覧を見ましたが、海外でも反射板を使わず、その多くは小型ランプを大量に配置することで一応の解決としているようですね(つまり日本よりは、少しは配慮している)。高性能の反射板など使ったらコストアップしそうですし、そもそも反射率の問題も大きいのでしょうね。
Posted by daimong at 2014年08月31日 00:34
私もLED街路灯はまぶしくて嫌いです。
目に優しい照明にして欲しいですね。

細かい話ですが、電子回路と同様にLED(発光体)も熱に弱いです。
LED電球の放熱板は主にLED(発光体)の熱を逃がすためだとおもわれます。
Posted by くもくも at 2014年08月31日 08:07
光線が網膜に直角に当たるから眩しい
しかし光束が薄いから認識性は低い
だから用途としては最低

とかなんとか言ってた記事を見たことがありますが,
LEDの放つ光の特性に着眼した考察はなのかなー

おっと着眼し過ぎると目が痛い(笑)
Posted by 先生 at 2014年08月31日 10:31
歴史の浅いLED照明器具。開発現場では輝度向上が至上命題だったのでしょう。数年前の展示会などでも輝度を競っていたように思います。もう少し市場がこなれて使いやすさや照明としての機能が重視されるようになると、開発のベクトルもそちらに向き良いものが出てくるようになるのではないでしょうか。
Posted by 地方のSE at 2014年08月31日 11:05
> こういう物のメーカーはあまり使う人の気持ちはわからないだけというところに問題があるのではないでしょうか。

違うと思います。作る人はいろんなことを考えていますが、採用する人(買う側)が決めた基準にあわせるしかないのです。買う側が決めた規格の中で優劣と価格を競った結果が今の状態と思います。

本当は●●にした方がまぶしくないのはわかっているのだけど、そうすると特性■■が下がるしコストも上がってしまうから、採用されなくなるし、仕方ないよね、という感じです。
Posted by 技術者 at 2014年08月31日 11:42
>技術者
それは一般消費者向けの製品の場合です。そういうのはユーザが欲しがる物を作らないと売れませんから、例えばアラブの富豪に冷蔵庫を売るのによく冷える・節電より性能よりも鍵が付いているLGが多く採用され…すいません。誤って日本メーカーがボロ負けした例を挙げてしまいました。:p
話を戻すと、公共向けの製品は基本的に天下り先であることや、霞ヶ関の天下り先の認定マークだけが重視されるので、まともな競争が無く、ユーザーを無視したものが高値で採用されます。
「こういう物は」というのを一般向けの電気製品と捉えられたのかもしれませんが、公共物という意味に捉えていただければと思います。
Posted by クルマ好き at 2014年08月31日 15:53
これはよさそう。
  → http://www.splaning.co.jp/results/detail/id=119
Posted by 管理人 at 2014年08月31日 19:12
新宿、「四季の路」の街灯がLEDに一新された直後に、見学に行きました(2011年)。
遊歩道的な「四季の路」は、LEDに照らされて、樹木の緑のトンネルが新宿の喧騒とは別世界の
静寂感を醸し出していた。「四季の路」のLED街灯は、眩しくはなく、程良い程度の明るさでした。

 眩しくなかった理由は、街灯の設計ですね。高さ5mほどの金属支柱の先端は、角度60度ほど
で2手に枝分かれし、長さ1mほどのそれぞれの枝の先に蝶が広げたように2葉の光源面が、路を
照らしていました。
 1葉の光源面は6×6=36個の小さなLED電球から構成され、2葉では72個のLED電球から構成され、
それが、ひとつのLED街灯となっている。光源面は半透明のカバーで覆われている。
 つまり、多数の小光源を分散配置し、半透明カバーを通すことで散乱させているので、眩しくない
柔らかな照明になっているというわけです。街灯の足元での明るさは、本が読めないことはないが、
長く読むと疲れるし目に悪い程度です。

 道幅8.9m、長さ260mの「四季の路」に32基のLED街灯を設置した結果、明るさは2倍に(路面で50Lx
から100Lxになり、防犯に効果が期待される)、消費電力は1/4に、寿命は5倍?以上になった。
色温度は5000Kなので、やや暖色寄り。好評とのこと。
 堺屋太一氏の働きかけで、明星工業とフィリップス エレクトロニクス ジャパン、三協立山アルミ、
ニッパツの4社が新宿区に寄贈したもの。LED電球はフィリップス社製、社会貢献ですね。

 関連して、クルマのHIDの眩しい光も問題ですね。直接光が放射されているのは特に。要修理です。
 HIDグレア対策
http://hummerh2.at.webry.info/201212/article_21.html
Posted by 思いやり at 2014年08月31日 19:32
新宿「四季の路」LED街路灯に関して、訂正します。

1)32基   --> 32灯(16基×2灯/基)
2)寿命5倍? --> 光源部と電源部はいずれも7万時間(使用が10時間/日⇒19年間)

補足
「四季の路」のLED街路灯は寄贈されましたが、もし新設ならば、
初期費用+ランニングコスト(電気代など)=総コストは、約4年で既存光源を使うよりも安くなる。
5年目からは、ほぼランニングコストのみになるので、電気代は1/4になるので随分節約になります。
Posted by 思いやり at 2014年08月31日 22:17
クルマ好き 様

>公共向けの製品は基本的に天下り先であることや、霞ヶ関の天下り先の認定マークだけが重視されるので、まともな競争が無く、ユーザーを無視したものが高値で採用されます。

そういうものもあったかもしれませんが、今はそこまで天下り先重視では無いと思います。むしろコスト重視ではないでしょうか。(安全性や使い勝手よりも低価格重視)

そうでなければ、あれだけシンドラーエレベーターが公共施設に入り込めなかったと思います。

他のものでもそうですが、お役所の入札の場合、決められた仕様さえ満足すればあとは安ければ安いほどいいわけですから、LED光源の場合は安くて明るくて長寿命であることだけが重視され、それ以外のいろいろ工夫されていることが仕様に入ってないので工夫が無くても安いものが最終的に採用される、ということかと思います。
Posted by 技術者 at 2014年08月31日 22:53
電子パーツ屋で売ってる発行ダイオードには
いろんな色や形状のものがあるのにね
半透明の樹脂で固めるだけでまぶしさは減ると思うけどね
Posted by stranger at 2014年09月01日 02:27
LED照明は紫外線分がなく、虫が寄らないメリットがあります。
Posted by at 2014年09月01日 16:51
この問題ってずっと言われてて、要望もかなりあるようです。
LEDの照明は目を背けます。
車のLEDヘッドライトは犯罪だと思うほどきついです。
NHKでは眩しさ対策に新たに素材を開発したそうです。
http://www.nhk.or.jp/pr/marukaji/m-giju366.html
Posted by じん at 2014年09月01日 21:14
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